ガゾートの核となっていると思われる人物の中へと入っていく。
その光景は、これまでとは違った。
「なんというか、これまでの光景とは、どこか違うような」
首を傾げながら、俺は、その奥へと進んでいく。
やがて、奥へと進むと、そこはどこかの村である事が一目で分かる。
「ここに、ガゾートの核となっている人物は一体「誰でも良い」んっ?」
ふと、聞こえて来た声。
俺は、その声は、おそらくはこのガゾートの核となっている人物だろう。
その人物は、大人しめで、優等生の様な印象の顔つきをした人物がいた。
その瞳は赤いのが特徴的ではあるが、それが見えない程に俯いて、体育座りでいた。
『恨んでくれてもいいから人との関わりが欲しい』
そうしながら、その人物の、これまでの過去が投影されていく。
『家で延々と1人チェスをする/サボテンに話し掛ける/トランプタワーのような一人遊びが得意』
それは、その人物の過去が映し出されていく。
「こんな時に、俺ってば何を考えているんだろうな」
過去の映像を見ながら、俺は思わず呟く。
しかし、それでもなお、過去の映像は流れ続ける。
周囲とは考え方が違う。
親には愛されている。
だけど、友人を作る事が出来なかった。
「だからこそ、なんだな」
あのガゾートが、大軍で造り出されている訳が理解出来た。
友達を作り出す事が出来なかったからこそ、自分自身を増やす事が出来るガゾート。
そして、共食いをすればするほどに、強いガゾートが出来上がる。
「……友達の為だったら、自己犠牲で、何でもやるという事か」
そう、その少女の過去に映る、過去の出来事を見た上で、改めて思う。
そんな事をしてまで、自分の欲を満たす為に生きる必要は無いと思うのだが、それが出来ないからこそ、ここまで追い詰められてしまったのかもしれない。
「……だったら、俺がなってやるよ」
「えっ?」
俺は、少女の横に立つ。
「まぁ、といっても、俺が出来る事はあんまりないし、君に頼む事は一つ」
そのまま、俺は手を伸ばす。
「ここから一緒に出る。だから着いてきてくれ」
「着いていく」
「あぁ」
そう、俺は彼女に問いかける。
「居心地の良いこの世界から連れ出す事は、残酷だと思う。けどな、友達である君となら、俺は一緒に行きたいと思っている」
「……うん」
少しだけ目を瞑った後、俺の手を取る。
「私も、このままじゃ、嫌。だからこそ、連れて行って欲しい、外の世界に」
それと共に、彼女もまた、俺の手を掴みながら、真っ直ぐと外の世界へと向かって、飛び出す。