※この作品はR-18です。

SSSS.GRIDMAN CCC   作:ボルメテウスさん

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marutiba-su

 その違和感はきっかけとなった。

 

 その違和感の正体が、ここに来てようやく理解出来た。

 

 それは、これまで、見えなかったから。

 

 この世界が、どのような感じなのか、知らなかったから。

 

 だからこその勘違いを、俺はここで理解出来た。

 

「なんだよ、これ」

 

 見つめた先、それは泡。

 

 だけど、ただの泡じゃない。

 

 見つめた先の泡の中。

 

 その小さな泡の中に、見えたのは街。

 

 それだけじゃない。

 

 小さな村や、まるで別世界のような光景。

 

 それらが、目の前に広がっていた。

 

「マルチバース」

 

「っ」

 

 同時に聞こえて来た声。

 

 それを見つめた先には黒い髪のアカネがいた。

 

「ウルトラマンシリーズでよく出ている単語だけど、簡単に言えば平行世界だね」

 

 黒いアカネは、その泡の向こう側にいた。

 

 泡のような透明な膜。

 

 だけど、それは、世界の壁であり、それを越える事は出来ない。

 

「それじゃ、お前は、」「平行世界の別の世界の自分かもしれないねぇ」

 

 そう、黒い髪のアカネは言った。

 

 俺と全く同じ姿形をしているけれど、違う存在。

 

 それが、目の前にいる。

 

「……」

 

 その言葉を聞きながら、俺はその先にあるマルチバースの泡を見ていた。

 

 そこにあるのは、自分の知らない世界だった。

 

 見渡す限りでも、崩れている泡。

 

 その光景は、おそらくは、俺達がいただろう世界。

 

 俺がいたと思われる場所と同じ事が起きたのだろう。

 

「だからね、私にとって、世界はその程度の価値しかないの。ジオラマの中で暴れる怪獣を見て、飽きたら、捨てる」

 

 黒いアカネは、そう言って笑みを浮かべていた。

 

「……だったら、それ以上はさせない」

 

 俺は、そう睨む。すると、黒いアカネは、こちらを見つめて、目を細めた。

 

「へぇ、どうやって」

 

 未だに、俺がここに来た理由が分からないのか、黒いアカネは首を傾げていた。

 

 俺自身、未だに、その方法は分からない。

 

 だけど、それでも、一つだけ分かった事がある。

 

「俺は、俺達は、お前を止める」

 

「……だったら、止めて見なよ」

 

 笑みを浮かべる黒いアカネ。

 

 その言葉に合わせるように、黒いアカネは、ゆっくりとそこから消えていく。

 

 それは、まるで霧の中に隠れるような動きで、その姿は、あっという間に見えなくなった。

 

「平行世界か」

 

 未だに、分からない事が多すぎる。

 

 だけど、これは。

 

「何か違う」

 

 平行世界というには、なぜかその言葉は、この光景には違和感があった。

 

 先程、消えていなくなったアカネのように、ここにある全てが幻の中にあるような感覚が、俺にはあった。

 

「そもそも、俺自身も」

 

 まるで、幻の中に、いるように。

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