キアラに向けて、真っ直ぐと放った一撃。
それによって、奴は、その身体を粒子となって、全てが変わった。
キアラによって、造られた世界。
それらを管理していたキアラがいなくなった事で、この世界は消えるのか。
だが、それはなかった。
「キアラが、造り出したのは、夢であるのは間違いなかった。けど、変わらなかっただけなんだな」
元々、夢というのは曖昧な世界だ。
この膨大な全ての世界が、果たして本当にキアラが造り出したのか。
それは、今になったら、分からない。
けれど、今もまるで泡のように生み出されている世界。
それらはきっと、キアラが造り出したのではなく、誰かの夢から生み出された。
そう考えれば、ここが幻の中にある世界。
それは間違いないだろう。
「変わった気がするというだけだよな」
そうして、俺は周囲の光景を見る。
それらの光景は、俺が最初にいた街。
おそらくは、俺自身が最初に出会う街として造られたのだろう。
「私の場合は、少し違うかもしれないけどね」
そんな風に、俺の方に話しかけてきたのはアカネだった。
思えば、俺の戦いは、全て、アカネとの出会いがきっかけで始まった。
そう思えば、
ここでの、この出会いも必然だと言えるのか。
アカネが俺の前に現れた事自体が奇跡なのだから。
だから、きっとこれは偶然ではない。
ならば、だからこそ、俺に出来る事はただ一つだ。
アカネの為に戦うという、それだけだ。
「ああ、そうだな。アカネ」
「うん」
俺の言葉にアカネは笑顔で答えてくれる。
「けど、何時までも一緒にはいられないんだろう?」
「うん」
「それでも……」
「うん」
アカネは優しく微笑みながら俺の手を握ってくれる。
「ありがとう」
そう、アカネは確かな笑みを浮かべる。
それと共に、俺の身体は、徐々に消えていく。
俺の身体は、あの戦いで使ったウルトラマンとグリッドマン。
2人の力を借りた姿は、あまりにも強すぎた。
強すぎた故に、俺の身体も限界を遥かに超えていたのだ。
だけど、ここまで、皆と別れるまで、保ってくれた。
それだけでも、十分すぎるくらいだ。
そして、今度こそ本当に俺は消える事になる。
だが、もう何も怖くはない。
俺はゆっくりと空を見ながら、目を閉じた。
最後に見えたのは、アカネの顔だった。
そして、意識が完全に消えた瞬間。
「ありがとうね、ヒーロー」
その言葉を耳にしたような気がした。
そうして、俺もまた、夢の中へと消えていく。
けれど、また誰かが望めば、蘇る。
それが、夢のヒーローだから。
今回で、連載は無事に終了しました。
グリッドマンでのバトルを書きながらで、慣れていない所はありましたが、ここまで応援、本当にありがとうございました。
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