黒いアカネ。
その存在に対して、俺は疑問に思いながら、そのまま構える。
怪獣を倒すのに合わせるように現れた。
それは、決して偶然ではない事は理解出来る。
「お前は」
「初めましてだね、ヒーロー君。自己紹介をしてこうか」
アカネは、俺の言葉が聞こえる様子だった。
グリッドマン・アルターに変身している間、普段の声は出ないはずなのに。
「あっ、なんで分かるのかって? それは勿論、私がこの世界の神様だからだよ」
「神様?」
「そっ、ここはね、私が作りだした世界。私の世界なの」
アカネはそのまま、俺を見下ろしていた。
けど、まるで分からなかった。その言葉の意味が。
一体、アカネは何を言っているんだ。
何故、黒いアカネが俺を……グリッドマン・アルターを見ているんだ。
そのまま、ゆっくりと俺の足下にいるアカネを。
「ふぅん、もう1人の私。なんでいるのか分からないけど、まぁ良いや」
それと共に、世界がゆっくりと変わる。
それは先程まで奇妙な海の中の空間から、港の様な場所に。
その変化は、先程の怪獣を倒した影響だろう。
「これは」
「おめでとう、まずは君達が一勝だねぇ。怪獣に取り込まれた少女を救い出して、勝利なんてねぇ」
そう、黒いアカネは口を開くと、拍手をしながらそう告げる。
「さて、ゲームに負けた以上は、今回は撤退するね。けど次の怪獣、いや少女を救う事は出来るのかどうかね」
黒いアカネはそう告げると、そのまま空へと浮かぶ。
そして、そのまま飛び去る。
それはまるで、特撮で良くあるような光景だった。
まるで、怪獣が空を飛ぶ様に、そのまま飛んでいったのだ。
「一体、なんだったんだ?」
「……分からん」
突然の出来事に困惑しながらも、取り敢えず俺達は、あの学校に戻る事にした。
助け出した少女、リーリエを含めて、未だに俺達は知らない事があまりにも多すぎる。あの怪獣、との戦いで、何かあったのだろうか。
それに、あれはアカネなのか。
それさえも、分からないままだった。
あの後、学校に戻れば、そこには未だに誰もいない。
変化はあまり無い様に見えるが、ただ少しだけ違和感があった。
何か、今までの校舎とは違うように思えた。
そもそも、俺の知る限り、こんな場所は無かった。
それに、学校全体の雰囲気も何処か違う。
俺の知っている場所じゃない気がしていた。
しかし、今はそれよりも大事な事があった。
先程まで怪獣に取り込まれたリーリエだが、気を失っている状態だ。
そのまま、俺達は保健室に寝かせる。
「それにしても、結局どういう意味で」
「あっ、これを!」
そう、俺達が見た。
そこには、先程まで地図には空白だった場所。
まるで港で、海が広がっていた。