その日は、終日、自習室の当番だった。昨夜は夜通しジュニアアイドルのイメージビデオを鑑賞していたせいですこぶる眠い。欠伸をかみ殺して室内を巡回していると不意に声をかけられた。
「先生、質問いいですかー?」
「ん、ああ、高梨さん・・・だったね」
「はい」
質問してきたのは高梨だった。塾内の男と交際していて、休み時間ともなると周りの目もはばからずイチャイチャしているけしからん生徒だ。
高梨は俺の担当ではない。塾長の方針もあって、担当する生徒は下の名前で呼ぶように努めているが、昔から女に縁のなかった俺のような男には、中学生とはいえ女性を下の名前で呼ぶなんて無理ゲーだ。なので、高梨のように担当でない生徒のことは名字で呼んでいる。
「この問題なんですけど・・・」
「この式はな・・・」
高梨が質問してきたのは簡単な問題だった。「JCのくせに男と不純異性交遊なんかしてるからこんな簡単な問題も解けないんだよ」と、心の中で毒づきながら、俺は高梨の質問に丁寧に対応した。
休み時間。自習に休み時間は関係ないのだが、授業が休み時間に入ると、自習室内の空気も弛緩する。伸びをしながら室内を眺めていると、高梨のところに交際相手の男がやってきて二人で楽しそうに話している。俺は女子と話すらしたことがない自分の中学生時代を思い出し、とても惨めな気持ちになってきたので、慌てて自習室を出た。
「あ、センセー」
廊下を歩いていると彩花に声をかけられた。
「今日はセンセーの授業なかったね」
「そうだな・・・」
「残念だったねー」
「何でだよ?」
「あたしにエッチなことできなくて」
「な、何でそうなるんだよ」
彩花はケラケラと笑っている。
「もう帰るのか?」
「うん。今日は1コマだけだったし、この後、予定あるから」
「・・・そうか」
彩花のことだから、きっと男との約束だろう。
「じゃーね、センセ。また今度シてあげるねー」
手を振りながら帰っていく彩花を見送りながら、さっきの惨めな気持ちが再びわき上がってきた。
すっかり意気消沈して自習室に戻ると室内が騒然としていた。高梨と交際相手が激しい口論をしていたのだ。他の生徒たちは遠巻きに様子をうかがっている。
「お、おい、やめろ!」
立場上、傍観するわけにもいかず、俺は二人の間に割って入った。
「・・・ふん」
高梨の交際相手は俺に軽く頭を下げて自習室から足早に出て行った。
「ちょっと、待ってよ!」
興奮して追おうとする高梨を押さえる。
「高梨さん、落ち着いて」
高梨は俺を振りほどこうとするが、俺は必死で抑え付ける。
「離して!」
高梨は俺の腕から逃れようとするが、俺を振りほどくことはでぎない様子だ。
「何があったんだ?」
俺が聞くと高梨は暴れなくなったが、その代わりに机に突っ伏して泣き出してしまった。さっきまでの野次馬たちはすでに解散していた。俺もこれ以上は詮索しないでおこうと思い、高梨をそのままにしておいた。
3コマ目終了のチャイムが鳴る。
高梨はもう泣いてこそいないが、机に伏せたまま顔を上げない。自習していた生徒たちはみんな4コマ目の授業に出るため自習室を出ていった。
窓の外を見ると、3コマ目で終了の生徒たちが帰っていくのが見えた。その中には高梨の交際相手の姿もあった。
やがて4コマ目開始のチャイムが鳴ったが、新たに自習室に入ってくる生徒はいなかった。これが今日の最後の授業なので、このタイミングで誰も来ないなら自習室は閉めても大丈夫だろう。
「高梨さん、もう自習室を閉めようと思うんだが・・・」
高梨から返事はない。
「今日はもう帰った方がいいんじゃないか?」
やはり返事はない。俺はだんだんイライラしてきた。何で痴話喧嘩で凹んでる生徒に付き合わねばならないのか。
「じゃあ俺は職員室にいるから」
高梨ももう自習をすることはないだろうし、俺は自習室から引き上げることにした。
「先生・・・待って!」
振り向くと、高梨が顔を上げて俺を見ている。目に涙を浮かべていた。
「・・・あの・・・さっきのことなんですけど」
「ああ、さっきの喧嘩のこと?」
高梨は頷くと再び顔を伏せた。
「あいつが浮気してたんです・・・ここの先生と・・・」
「え、先生と?」
あの交際相手の担当は、俺より少し若い女性だ。器量も良く塾長から色目を使われている。勤務態度も真面目だったが、まさか生徒とそんな関係になっているとは。
「そうです。さっきあいつのスマホ一緒に見てたら、あいつと先生が裸で写ってる写真が出てきて・・・」
肉体関係まであるのか。俺は驚きを隠せなかった。まあ俺も彩花とのことがあるので責める気持ちはない。
しかし、こういうとき女性は得だなと思う。俺と彩花とのことが明るみに出れば、俺はロリコンと糾弾され社会的に抹殺されるだろう。しかし、女性塾講師が男子生徒とそういう関係にあったとバレてもクビにはなるだろうが、男のように後ろ指指されることはないだろう。
「私あいつのこと許せなくて・・・」
高梨はかなりショックを受けているようだった。
「それで喧嘩になったのか」
「・・・はい」
重い空気が漂う。俺はこれ以上何と言えばいいのか分からなかった。
「あの、先生。お願いがあるんですけど・・・」
高梨が俺を上目遣いで見ながら意を決したように言う。
「私と、エッチしてください」
「・・・え?」
突然の申し出に驚く俺。
「あいつと同じことしてやりたいんです」
「つまり、彼氏が浮気したから、自分も浮気してやるってこと?」
「はい」
高梨が頷く。
「彼氏の浮気相手は塾の先生だから、高梨さんも塾の先生と浮気を?」
「はい。先生とエッチしてやります」
高梨は本気のようだ。俺はどうしたものかと考える。
「先生、ダメですか?」
「・・・いや、ダメというか」
本当はすぐにでも了承して押し倒したいところだ。据え膳食わぬはロリコンの恥である。
「やっぱり私みたいな中学生じゃダメですか?」
むしろ中学生でなければダメなんだ。
「そんな理由でそんなことしたら、あとから後悔するぞ」
俺は気持ちとは裏腹に、真面目な塾講師らしい対応をする。目の前のJCを美味しくいただきたいのは山々だが、やはり後のことを考えるとリスクが大きすぎる。しかし高梨は引き下がらない。
「私、あいつにも同じ思いさせてやりたいんです」
ここまで言うんだからいいんじゃないか。マグナムが少し硬くなってきた。
「しかしな・・・」
高梨はスカートをまくり上げ、太ももを見せつけてくる。
「先生、お願いします」
「く・・・」
俺のやせ我慢もここまでだった。俺は高梨に近付くと、スカートの中に手を入れ、下着の上から尻を揉んだ。
「きゃっ!」
高梨の身体がビクッと震える。
「本当にいいのか?」
「はい・・・お願いします」