祝福の鐘が鳴る。
過去か未来か、それはいつかの物語ー。
※
バクバクと、心臓の音が聞こえる。
「……それでさ、ラクスはキラを心配して、いつも料理を多く作りすぎてしまうんだって」
「それは、キラも大変だな」
「でもあいつ、太ってきてるようには全然見えないから、キラにはそれくらいの量の方がちょうどいいのかもしれないぞ」
ソファーに並んで座りながら、カガリとアスランは談笑していた。
柔らかな時間。
望んでいた、二人の時間。
だが、二人の会話はどこかぎこちない。ひとつの会話が終わると、次の話題が出るまでに妙な沈黙が広がる。
「ほら、アスラン」
テーブルの上のパイナップルをフォークで刺し、カガリはアスランの口元へ持っていった。
「え?」
「あーん、だよ」
「あ、あぁ……」
丸ごと頬張り、飲み込むが、味を感じている余裕はなかった。手の向こう側にある、カガリのぷっくりとした唇と、薄い部屋着の胸元にばかり目がいってしまう。
「せっかくだから、一回やってみたかったんだ、こういうの」
二人きりの時しか、できないから。
二人の間に、甘ったるい緊張が走った。
「カガリ……」
「アスラン……」
その言葉をきっかけに、二人は見つめ合った。
「ぅ……」
「………」
が、やはり二人同時に目を逸らしてしまう。
ーど、どうする……。この後どうすればいい……?
ーこんなにアピールしてるのに。アスランから来いよ、このバカ……!
肩が触れ合い、二人はソファーの端と端へ飛び退く。
痺れを切らして、カガリは立ち上がった。
「カ、カガリ……?」
「……私、シャワー、まだだから。あ、浴びてくる、な……」
アスランの喉がゴクリと鳴った。
「わ、わかった。ごゆっくり」
アスランの返事は、しゃっくりをした時のように裏返っていた。
※
時間は一時間ほど前に遡るー。
キラに肩を抱かれて控室に戻ると、アスランは中央のテーブル席に腰掛け、小さく息を吐き出した。
「大丈夫、アスラン?」
キラが備え付けのフリッジからミネラルウォーターの瓶を取り出し、グラスに注いでアスランの前へ差し出す。
まいったな。
思ったよりも頭が回っていない。
「シンのやつ……」
パーティールームでのことを思い出す。
飲み物に酒を混ぜたのはシンに間違いない。ニヤニヤと悪そうな顔をしながら近づいてきたシンのあの表情は、しばらく忘れないでおこうと思うアスランである。
「でも、ちゃんとカガリにも会釈してたよ、シン」
「そうだな」
キラの笑顔に、アスランは照れくさそうに目を伏せた。
二杯目の水を飲みほしたあたりで、頭の中がクリアになるのを、アスランは感じた。
「もう大丈夫そうだね」
キラは三杯目の水をグラスに注ぐと立ち上がった。
「僕も、そろそろ戻るね」
「あ……」アスランは、気づくとキラの手を取っていた。
「? どうしたの?」
「あぁ、いや、その……」
数日前からずっと、訊きたいことがあった。だが、アスランはとてもそれを言葉にできなかった。
なかなかどうして、男同士というのは、仲が良いほど話題にできないことがある。
「部屋まで付き添ってくれて、ありがとう、キラ」
キラは、昔から変わらない憂いを帯びた表情で微笑んだ。
「みずくさいよ、アスラン」
その一言を残して、キラは部屋を後にした。
「……………」
アスランは立ち上がって、タキシードを脱ぎ捨てた。
肩の荷が降りるが、代わりに形容し難い焦燥感が喉元から迫り上がってくる。
約束がある。
着替えて、シャワーを浴びたら、カガリの部屋へ行かなければならない。
初夜。
という言葉が脳裏を掠めて、タイを外していた手の動きが止まる。一瞬息まで止まって、なぜかアスランは背伸びをしたまま固まった。
(……アスラン、大丈夫かな?)
廊下へ出てから、キラは後ろ手に閉めたドアの方を少しだけ振り返った。
(緊張してたなぁ)
がんばってね。
ふふーと、小さくいじわるな笑みを残して、キラはラクスとの待ち合わせ場所へと歩き出した。
「やっぱり堅苦しいのは苦手だよ」
部屋着への着替えが終わり、給仕たちが引き払った後、カガリは革張りのソファーに深く体を沈めた。
「ラクスは似合うよな、そういうの」
対面のソファーへ浅く腰を落ち着けるラクスに視線をやって、カガリは素直に感嘆した。
ラクスが着ているセミインフォーマルのイブニングドレスはピンクカラーで、肩が控えめに露出している程度のシンプルなデザインだったが、それが返ってラクスの凛とした美しさを際立たせていた。
パーティーの主役だと一目でわかるよう、カガリは豪華な白のドレスを着用させられたが、似合っていたのかどうかの自信はなかった。
「疲れましたか?」
ラクスが柔らかな笑顔を返してくる。
ラクスとは戦友であり、同志だ。ラクスの方が少し年上だが、肩意地を張らない関係は同い年の友人のようでもあり、不思議な関係だなとカガリは思う。
「いや。楽しかったよ」
アスランがずっとエスコートしてくれた。
たったそれだけで、こんなにも気持ちが高揚するとは思わなかった。
「さて」ラクスは上品な仕草で立ち上がった。
「邪魔をしてはいけませんし、私もそろそろおいとまさせていただきますわ」
「あ……」と、身を乗り出したカガリがラクスの手を取る。
「あと、ちょっとだけ」
「?」
「……相談したいことがあるんだ」
カガリが縋るように見上げたので、ラクスは小首を傾げて座り直した。
「どうされましたか?」
「つまり、だな。その……この後、アスランと二人で会うんだけど」
会う、という表現は、言い得て妙で微笑ましい。日付が変わるまで、あと数時間ほどしかない。
「そのぉ……なんていうか……だな……お、男をよろこばせるコツ、とか……ない、かな……?」
ラクスは数秒虚空を見つめた後、その意味に気づいて頬を赤らめた。だが、カガリの顔はそれ以上に赤くなっていた。
「それは、また……なかなか難しいご相談ですね」
「頼むよ、ラクス。アイツ、モテるからさ、口ではそんなことないって言うけど、きっと経験豊富なんじゃないかと思うんだ。私は、そんな経験ないから、がっかりされたら、どうしようって……」
カガリは声を絞り出すように続けた。
「普段、ラクスがキラにしてあげてることでもいいんだ。何か、アドバイスをさ。な?」
この上なく大胆な発言をしていることに、カガリは気づいているだろうか。
ラクスは胸の前で両手の指先を合わせ、可愛らしく顔を赤らめたまま、両方の人差し指をくるくるさせた。
「……わかりましたわ」
やがて意を決したように、ラクスはカガリの隣へ移動した。
「……………」
ヒソヒソと、カガリへ耳打ちする。
「え? えぇっ!?」
カガリは耳まで真っ赤に染め上げて、ラクスの方を振り向いた。
「ほ、ホントか!? ホントにそんなことするのか!?」
「はい。キラはそれで、いつもとても悦びます」
それは、キラが疲れている時にラクスがいつもしてあげていることだった。
「お約束されているなら、アスランが来てしまいます。私もそろそろ退室させていただきますわ」
呆けた表情のまま頭から湯気を立ち昇らせているカガリを残して、ラクスは彼女の部屋を後にした。
「がんばってくださいね、カガリさん」
扉を後ろ手に閉めてから、ラクスは胸に両手を当てた。
カガリの熱に当てられて、火照っているようだ。
こちらも、後は二人で部屋に戻るだけ。
早くキラに会いたいーラクスはステップを踏むように、軽やかにキラが待つ場所へと急いだ。
シャワーの音が聞こえる。
ベッドサイドに腰掛けたまま、アスランは向かいのテーブルで汗をかいているグラスを見つめていた。
表情は固く、両手は膝の上で握り込んだままだ。背筋は伸び、頭の中を思考が目まぐるしく駆け巡って、自分が何を考えているのかもわからない。
ー落ち着け、アスラン・ザラ……。
この日に備えて、準備は完璧にしてきた。
恋や愛と夜の性生活に関する書物は十冊以上読破した。メイリンとルナマリアから勧められた女性向けの恋愛小説や漫画というものもシリーズで全て読み込んだし、ついでに貸してもらった恋愛ゲームというものだって徹夜でクリアした。精神を落ち着かせるために、数時間におよぶ瞑想もこなせるようになったのだ。
キラに具体的な相談ができなかったことだけが心残りだが、なんてことはない。モビルスーツの操縦の方がよっぽど困難なはずだ。
アスランはこれまで自身が仕入れた知識を総動員し、これから彼女との間で起こりうる会話とそれに伴う行動パターンを数百通りシュミレートすることで、荒ぶる心を落ち着かせた。
随分前にシャワーの音が止まっていることに、アスランは気づかない。ドライヤーの音も、聞こえてはいない。
ーほら、みろ、大丈夫だ。こんな程度で情けないぞ、アスラン・ザラ。
アスランは自嘲気味に笑顔を浮かべた。深呼吸を繰り返す。
大丈夫……。もう、何が起こっても大丈夫だ。
その時、浴室のドアが開いて、アスランは不用意にそちらに視線をやった。
ーだい、じょう…ぶ……。
華奢な体にバスタオルを一枚巻きつけただけのカガリを見た瞬間、アスランの頭から数百の会話と行動のシュミレーションパターンは爆風に晒されたように吹き飛んだ。
「あ……か、カガリ……?」
「な、なんだよ……。バスタオルじゃいけなかったか……?」
硬直するアスランの視線を勘違いしたカガリが、目を伏せて頬をピンクに染めた。湯上がりなことも手伝って、その表情はどうしようもなく愛らしかった。
「い、いや。悪く、ない……」
これから一緒に眠るんだから、おかしなことは何もない。
だって、裸で、抱き合うのだから。
ーはだか、で……?
カガリはアスランの隣にそっぽを向いたまま腰掛けた。
「怒ってる……の、か、カガリ……?」
絞り出した台詞がそれだった。
「……怒ってない」
カガリの声は不機嫌だったが、シーツに投げ出した右手をそっとアスランの方へ差し出した。小指の先がアスランの左手に触れて、二人は同時に小さく震えた。
アスランは、左手をそっとカガリの右手の上へ重ねた。
「なぁ、アスラン……」
「カガリ……」
耐えきれなくなったアスランがカガリの方を振り向くと、彼女はすでに潤んだ瞳でアスランをまっすぐに見つめていた。
カガリは美しかった。
瞬間、アスランの理性がドクンと跳ねた。
「少し、寒い、から……」
あたためてー。
彼女の台詞を呑み込みながら、アスランはカガリにくちづけた。
「ん……」
長いくちづけだった。
息が続かなくなり、唇を離すと、二人はわずかに乱れた息をそのままに見つめ合った。
「カガリ……っ」
「ま、待って、アスラ……」
アスランは覆い被さるようにカガリを押し倒した。
カガリが恥じらいと怯えを同居させた双眸でアスランを見上げた。アスランは、そんな彼女を無視してさらに何度も唇を奪った。
「あ……ん……」
チュ、チュ……という音が響く度に、身体が弾けてどうにかなってしまいそうだった。
ーあぁ、くそ……。
深いキス……それだけでは終わらない、その先のためのキス。
そこへ、アスランは踏み込めなかった。
「お願い、アスラン……」
戸惑い、懇願するようなカガリの声も、うまくやらなければという焦燥に打ち消されて、アスランの耳には届かない。
アスランの右手が胸元のバスタオルに触れ、カガリはビクリと体を震えさせた。
「…う……ぅ……」
「カ、ガリ……?」
カガリの呻くような声で、アスランはようやく我に返った。
カガリは、泣いていた。
目尻に溜まった涙が頬から耳を伝って、シーツを濡らしている。
「! ご、ごめん、カガリ! 俺は……」
「ちが……う。私、はじめ、て、だ……だから。こ、こわ、く、て……ごめん……アスラン」
子供のようにすすり泣くカガリに、アスランはどうしていいかわからなかった。
「アスラン、は……ぅ、う……慣れ、てる、か、からさ……わたし……がっかり、させて。ご、ごめ、な……」
アスランは上体を起こして、上半身のシャツを脱ぎ捨てた。驚き、目を見開くカガリの右手を、自分の胸に押しつける。
「アス、ラン……?」
カガリは右手の指先に、痛いくらいに早鐘を打つアスランの鼓動を感じた。それは、自分の心臓の音よりも遥かに速かった。
「ごめん、カガリ。俺は、全然……カッコよくなんかないんだ」
臆病なくらいに、やさしく。
カガリの頬に、アスランの指先が触れた。その手はかわいそうなほど震えていた。
「俺だって、こんな経験、ないから……」
アスランはカガリの顔の横に両手をついた。
「だから……。お願いだから、嫌いにならないで……」
アスランの瞳から涙がポロポロ溢れて、カガリの頬を濡らした。
「バカだな、お前……」
カガリの頬が、穏やかに緩む。
カガリはアスランの首の後ろへ両手を回して、彼を胸元に抱き寄せた。
バスタオルがはだけて、胸の谷間が露出する。髪をなでられ、アスランはそこへ耳を当てて、目を閉じた。
カガリの鼓動もまた速く、けれど、温かかった。
「私はアスランと一緒にいられて、今、ちゃんと、しあわせだぞ」
「あぁ……」
「お前がカッコ悪いことなんて、前から知ってるからな、私は」
「うん……」
「だから、今日は……。アスランの、全部、見せてよ」
カガリが、そっと女性の吐息を吐き出したことに、アスランは気づいただろうか。
アスランは顔を上げると、カガリの透き通るような瞳を直視した。
女神よりも、カガリの方が美しい。
そんな陳腐な言葉を紡ぎそうになった。
「大好き……」
だ、ぞ……は、ごにょごにょと聞き取れなかった。
「……アスラン」
「俺も、ずっと変わらず……好きだ、カガリ」
二人は笑顔で見つめ合い、胸の鼓動はやっと高鳴りへと変わった。
アスランは、カガリをお姫様抱っこの要領で抱き上げると、枕元へ移動して、組み敷いた。バスタオルはまだ、カガリの大事な部分をうまく隠している。
「ん……」
二人は同時に目を閉じて、同じタイミングで唇を重ねる。やわいキスの弾力から、お互いのぬくもりを確かめ合う。
「ん…アス、ラン……」
深いキスは、カガリからだった。
彼女の舌先がぬめりを伴って口内へ侵入し、アスランは思わず目を見開いた。
「カガ……」
アスランが言葉を紡ぐ前に、カガリはアスランの頬に両手を添えて、彼の唇を引き寄せた。
カガリの頬は、熱く紅潮していた。アスランは目を閉じて、自身も舌先でカガリを迎え入れる。
「ふ……ん……」
「んん……」
キスと唾液を交換する度に、くちゅくちゅといやらしい音が響いた。時折、上唇や下唇をはむようにキスをする。
ー甘い……。
愛する人とのくちづけは、こんなにも甘美なものなのか。
どれほどの時間、お互いを味わっていただろう。息が続かなくなってようやく唇を離した時、二人の吐息は切なく乱れていた。
「はぁ……はぁ……」
アスランはカガリの耳たぶにキスをしてから、彼女のうなじに舌を這わせた。首筋から鎖骨にかけて、汗ごと大胆に舐め取る。
「は……ぁ……」
「脱がすよ……?」
カガリは頷くだけで、答えられない。
ゴクリとアスランの喉が鳴り、彼がバスタオルを胸元から開いた瞬間、カガリはきゅっと目を閉じた。
ーう……ぁ……。
円錐型の形のいいバストが露出する。生意気そうにツンと上を向いた桜色の頂きを目にした瞬間、アスランは自分の目から火花が飛び散ったと錯覚した。
「触る、ぞ……カガリ?」
「き、聞くなっ! バカっ」
右手の指先全体で包み込むように、アスランはカガリの乳房を揉みしだいた。経験したことのない柔らかな弾力が手の平に吸いついた後、ぽよんとプリンのように押し返してくる。
ーあるのか、こんな……ものが……。
「あ……ん……っ」
アスランが数回円を描いた時、親指が中央の突起に触れて、カガリの身体はピクンと跳ねた。
「はっ……はっ……」
触れているだけで、息が乱れる。下半身はすでに窮屈を通り越し、痛みでどうにかなってしまいそうだった。
「は……ん……」
「カガリ……」
我慢できなかった。
アスランは右手の指先でカガリの乳房と乳首をもてあそびながら、もう一方の頂きへキスをするように吸いついた。
「! あっ! やっ……恥ずかしい……っ」
そう言いながら、カガリは抵抗しなかった。
カガリの喘ぎ声が聞きたくて、アスランは乳首をぴちゃぴちゃと舐め上げた。カガリの先端はぷっくりと膨れ上がり、それがアスランの性欲をさらに肥大化させた。
「ん……んん……っ」
切ない吐息を漏らしながら、カガリは胸への愛撫に没頭するアスランの頭をなでた。
あのアスランが、こんなにも自分に夢中になっている。その事実が、カガリはうれしかった。
ーもっと、アスランが欲しい。
そう思った自分に、カガリは驚く。
だが、はしたないとは思わなかった。
「下、も……アスラン……」
顔を上げ、ついばむようなキスを交わしてから、アスランはカガリの下腹部へ右手を伸ばした。指先が内腿に触れて、思わずカガリの下半身が強張る。
無理矢理には、したくなかった。アスランがやさしく唇を奪いながら腰の辺りを数回なでると、カガリはほんの少し両脚を開いて、アスランの右手を自ら導いた。
ーどこを、どうすればいいんだ……!?
アスランは思考をフル回転させたが、カガリの柔肌から漂うソープの甘い香りとカガリのにおいに打ち消されて、何も頭に浮かんでこない。
頭の中の知識の引き出しは全て、カガリの艶かしい表情や淡い唇、ぷるんと柔らかな乳房、その中心に可愛らしくそびえ立つピンク色の乳首の映像へと置き換えられていた。
「さわっ、て……アスラン」
カガリに促されて、そっと、中指を押し当てる。
ー濡れてる……。
少し上に小さな突起を見つけて、アスランはそれを指の腹で上下に擦り上げた。
「あ……っ!」
震えるカガリが、きつく抱きついてくる。
「ご、ごめん! 痛かった、か?」
口をへなへなとわななかせて、カガリは顔を真っ赤にしながら首を横に振った。
アスランが円を描くようにクリトリスをなでる度に、カガリの喘ぎ声は艶やかさを増した。
「いい……」泣き出しそうな顔でアスランへくちづけながら、カガリは吐息を激しく吐き出した。「気持ちいい、アスラン」
「カガリ……っ」
指をさらに移動させて、アスランはそこにカガリの中心を見つけた。彼女の恥部はすでに大量の愛液を湛えて、アスランが来るのを待ち望んでいた。
「はぁ……はぁ……っ!」
中指を、ほんの少し、埋没させる。あたたかなぬめりが指先を包み込む。
ーいい、の、か……?
カガリの中に、自分の指先が第二関節まで埋没している。
指だけで、お前は満足なのか?
ー!? 何を考えているんだ、俺は……!?
規格外の体験に、アスランは完全にパニックになった。
ほどなく、事件は起こった。
「? アス、ラン?」
「え……?」
心配そうにこちらを見上げるカガリの視線に気づいて、アスランは自分の鼻先に手を当てた。
鼻血が出ていた。
「ぁ……え……?」
信じられなかった。興奮しすぎて、血管が切れたのだ。
ーある、のか。こんなこと……?
「ご、ごめん、カガリ!」
「あっ、動くな」
アスランが手の甲で拭うよりも先に、カガリがベッドサイドのテーブルからテッシュを数枚取り、アスランの鼻先へ押し当てた。
「大丈夫か?」
「ごめん……ありがとう」
出血は少なく、血はすぐに止まったが、二人の間に気まずい空気が流れた。
「……ごめん、本当に」
申し訳なさそうに俯くアスランの下半身を、カガリはちらと盗み見る。
アスランのズボンは、不自然に膨らんだままだった。
「……まったく、しょうがないな、お前は」
カガリはため息をひとつ残して上体を起こすと、その場で正座をした。
「カガリ……?」
「脱げ」
「え……?」
「ズボンっ。そっちだけ穿いてるの、ずるい」
「わ。わかった」
アスランはカガリに背中を向けて、慌ててズボンを下着ごと脱ぎ捨てた。
好きな女性と、裸で同じベッドの上にいる。
そのとてつもない羞恥心にドギマギしていると、カガリに腕を引かれて、アスランは背中からベッドに倒れ込んだ。
頭が着地したのは、カガリの膝枕の上だった。ちょうど右耳の真横に、カガリのかわいらしいお腹が見えている。
「な……?」
ということは、頭の下には裸のカガリの秘部がある。
「つ、次は、私の番だからなっ」
「え? いや、でも……」
ラクスに教えてもらったやり方を思い出す。
カガリはアスランの下半身に右手を伸ばして、立派に屹立するそれを目にした瞬間、固まった。
ーな、なんだ!? これ!?
想像していたものと全然違う。
「カ、カガリっ。無理しなくていいから」
「だ、だだだだ大丈夫だ! これくらい」
カガリは恥ずかしそうに目を細めながら、体を前に屈めて、アスランへキスをした。
緊張と羞恥で、互いに唇をついばむような稚拙なくちづけになる。
「あ……」
カガリの右手の指先がそそり立つ男性自身をつかんで、アスランは情けない声を上げた。
「ど、どうしたら、気持ちいい?」
「じょ、上下に、その……」
「こ……こう、か……?」
恐る恐る、カガリはアスラン自身をしごいた。
「あっ……か、カガリ……っ」
緩く上下させるだけで、アスランは淡い吐息をもらし、アスラン自身はピクピクと震えて、もっととおねだりをしてくる。
少し慣れてくると、カガリはくすぐるように陰嚢へも指を這わせた。
「だ、ダメだ、カガリ……ぅ、ぁ……っ」
耐え忍ぶようにアスランが身悶えして、カガリ自身の呼吸も荒くなっていく。
「はぁ……ぁ……」
とてつもない光景だった。
見上げれば、双丘と桜色の頂きの向こうからこちらを恥ずかしそうに見つめるカガリの愛らしい表情がある。二人生まれたままの姿で、下腹部には愛する女性からの淫靡な刺激が緩く上下に続いている。
アスランは少し顔を上げて、目の前にたわわに垂れ下がった果実の先端へ舌を這わせた。
「ん……」
喘ぎながら、カガリはほんの少し前屈して、アスランの稚拙な愛撫を受け入れた。
アスランの舌先が円を描き、吸いついて、カガリの右手の動きを複雑なものにする。
「……あ……っ!」
「え……?」
すでに未知の高揚感に翻弄されていたアスランになす術はなかった。激しく数回しごかれたアスランは、堪えきれず先端から白濁した欲望を放出した。
「ごめっ、か、カガリ……っ!」
アスランの意志とは無関係に、アスラン自身は悦んで射精を続け、カガリの右手を汚していく。
「はぁ……はぁ……」
頭の中が真っ白になる。
「……………」
カガリはアスランの頭から膝枕を外した。
呆れられたのかと思ったら、そうではなかった。
「! か、かカガリ!?」
ラクスのレッスンには、続きがあった。
カガリはアスランの両脚の間に移動すると、未だ硬く屹立し、愛液を溢れさせているアスラン自身を、愛おしそうに舌先から口内へ迎え入れた。
「ダメだっ。きっ! 汚い、から……」
先端が途方もない快楽の波に包まれて、アスランはたまらず上体を起こした。
ーラクスは、これが一番、よろこぶって……。
身体は正直だ。
カガリが口を前後させる度に、アスランの分身は硬度と熱さを増して、もっともっととせがんでくる。
「はぁっ! はぁっ!」
アスランが悦んでくれている。
切なく歪む彼の表情と声をもっと聞きたくて、カガリは慣れない口の動きを速くした。
「ん……ん……っ」
一度目の放出ですでに敏感になっていたアスランに抗う術はなくー。
腰を浮かせて、あっという間に、彼は果てた。
「う……あ……ぁ……ッ」
「ん……」
アスラン自身は、嬉々としてカガリの口内へ細かく射精を繰り返した。彼の下半身が小刻みに震える度に、目を伏せたカガリの頬は紅潮し、唇の端から甘い吐息をもらした。
やがて下腹部が落ち着いた頃、カガリはようやく口を離して、アスランの愛液の全てをこくりと呑み下した。
カガリの唇からだらしなく垂れた唾液と愛液の糸がシーツへ落ちる。
カガリは瞳を潤ませ、上目遣いでアスランを見つめたまま、果てたばかりの彼の先端を再び指先でしごき始めた。
そんな仕草が男にどんな影響を及ぼすのか、カガリはまるでわかっていない。
「もう、終わり……?」
アスランの頭の中で、自制心の種が粉々に砕け散った。
くちゅ……ちゃぷ……と、下からアスランの舌がカガリの恥部をやさしく掻き回す。
「んっ……! んんっ……!」
アスランの男性自身を咥え込みながら達したカガリは、何度目になるかわからない絶頂を迎えて、秘所から愛液を溢れさせた。
下腹部の先端にカガリを感じながら、滴る彼女の愛液を吸いつくようにすくい取る。今度はクリトリスに舌先を移して、カガリのフェラチオは複雑に変化する。そんなことを繰り返す。
淡いルームライトの中、アスランとカガリはシックスナインの形でまぐわっていた。
「ん……ちゅ……ほ、ホントに、こんな恥ずかしい格好でみんなする、のか……あっ」
そう言いながら、カガリもアスランを口内で可愛がり、育てながら、彼が貪る下腹部の愉悦にされるがままにしている。
むせかえるような男女のにおいが、お互いから快楽以外の思考を奪っていた。
「そう、ら……らしい……はっ……ぁ……っ」
ホーク姉妹に勧められた小説や漫画で、こんな風に愛し合っている描写がいくつもあった。間違ってはいないのだろう。
「アスラン……私、も、もう……」
「俺も、カガリ……」
体勢を崩して、二人は枕元へ移動した。
お互いの髪をまさぐるように、抱き合い、キスをし、存分に舌を絡めてから、アスランはカガリの足元へ身体を割り込ませた。
「来て、アスラン……」
カガリは自ら両脚を開いた。
カガリの蜜壺は、大量の愛液を湛えて、アスランが来るのを待ち望んでいた。
「いくぞ、カガリ……」
カガリの入口は、さっき舌先で何度も確認した。それでも、焦って先端が丘の上を滑ってしまう。
アスランの先端がクリトリスに触れて、カガリは小さく身悶えした。
「こ、ここ……」
カガリが目を伏せながら、アスラン自身を導く。
「あ、あぁ……ごめん」
大きく息を吸い込む。
あてがった自分自身を、カガリの中へ。
挿し、込むー。
「……ぃた……っ!」
何かを壊してしまった感覚の後、カガリが短い悲鳴を上げて、アスランは動きを止めた。
ー俺は、なんてことを……!
今まで、自分のせいで何度もカガリを泣かせてきた。その光景がフラッシュバックする。
「ご、ごめん!」
「離れるなッ!」
後ろに退こうとしたアスランに、カガリが両手でしがみついて、無理矢理抱き寄せる。
「離れ、ないで……。やっと、一緒になれたのに……!」
「カガリ……」
アスランはいつも、間違える。
「……わかった。いくよ」
「ん……」
キスをひとつしてから。
アスランは、一気にカガリを貫いた。
「あぁッ!」
「く……!」
カガリは、泣きじゃくりながらアスランを迎え入れた。
彼の髪を掻き乱し、背中に爪をガリリと立てる。
頬にアスランが流した涙がポタポタと触れて。
二人は、ひとつになった。
「全部、入ったよ、カガリ……」
「うん……」
ー熱い。
カガリの中心は、アスランを離すまいときつく彼の全てを根元まで包み込んでいる。
「なんで、泣くの……?」
「カガリだって……」
カガリはじっとアスランを見上げながら、彼の頬をなでた。アスランは、そんなカガリの涙を吸い取るように目尻へキスをする。
しばらく二人はつながったまま、じゃれ合うようにくちづけを繰り返した。
あまりの幸福感に、そのまま二人、溶けてしまいそうだった。
「動くよ」
もう、我慢できなかった。
静かに、ゆっくりとーアスランは腰を前後させた。
「あっ……あっ!」
アスランを感じたくて、カガリは必死で彼にしがみつく。
アスランは、ひと突きごとに興奮と背徳的な罪悪感を同時に感じた。気を抜くと乱暴に彼女を征服しようとする自分自身を、必死に押し留める。
やさしくしたい。
彼女の辛い顔ではなく、悦ぶ顔が見たい。
アスランは歯を食いしばりながら、やさしくカガリを抱きすくめ、彼女の中を往復し続けた。
「いや……や、やだ! 離れるの……や」
情けない顔をするアスランがまた怖気づいたと勘違いしたカガリは、泣きながら彼を夢中で抱き寄せる。
「こっち見て、カガリ」
腰をリズミカルに前後させながら、アスランはじっとカガリを見た。
「は……は……」
見つめ合いながら、二人で呼吸を合わせる。
アスランは吐息を漏らしながら、穏やかに目を細めた。頬は赤く上気し、しっとりと汗ばんだ肌と前髪が小さく揺れている。
「愛してる」
「……ぇ……?」
アスランはカガリの耳元で、これ以上ないくらい甘くささやいた。
完全な不意打ちだった。
カガリの身体がビクンと跳ねて、中心から溢れさせた愛液でアスラン自身をさらに包み込んだ。
ずっとカガリが欲しかった言葉。
それだけで、カガリは達してしまった。
「あっ! バカ……バカぁっ!」
「知ってる」
「ちがっ! うっ! あッ! やっ! そこ……んっ……だめっ!」
乳房を舌先で貪り始めたアスランの顔を、カガリは無理矢理自分の眼前まで両手で引っ張った。
「い、痛いよ、カガリ」
それでも腰の動きを止めないアスラン・ザラは、さすがである。
「なんで先に言うんだっ! お前はっ!」
「だって、言うなら俺からって決めてたから」
「私だって! あっ! あッ!」
アスランがいやらしく下半身の動きを変化させた。
「愛してるんだ」
号泣し、顔を真っ赤にしながら、カガリは震える声で叫んだ。
あぁ。まったく。
ー俺は君を、泣かせてばかりだな。
「知ってるよ、ずっと前から」
深く。
深く、深く、唇を合わせる。
「アスラン……んっ! あん……!」
カガリの中心は、すでに滑らかにアスランを受け入れていた。何者にも邪魔されず、アスランの先端はカガリの中を独占し、味わい、甘い刺激で白い欲望を肥大化させる。
「はぁ……はぁ……っ!」
途方もない快楽に、アスランは愛情と欲望がない混ぜになって、下腹部へ集中していくのがわかった。
腰の律動が速まるのに合わせて、カガリの中に自分の全てを注ぎ込みたいという卑猥で貪欲な想いが加速していく。
カガリの奥深くに、彼女が自分だけのものだという印を刻み込みたかった。
「あ! あんっ! あっ!」
カガリもまた、悦びが痛みを上回っていくのがわかった。アスランが最奥に届く度、そこからあたたかな感情が体全体に広がっていく。
「もっ、と! アスランっ!」
「はぁ! あ! カガリ……!」
「あッ! あぁッ! もっと……」
涙はとめどなく溢れた。
めちゃくちゃに抱き合いながら、舌で互いの口内をかき回す。アスランが突き上げる度、カガリが嗚咽混じりの喘ぎ声を漏らす。
アスランはカガリの膝の裏に両手を差し込み、カガリの腰を浮かせて激しく自分自身を打ち込んだ。カガリもまた、アスランの首の後ろに両手を回して、彼の欲望に応える。
「はぁ! あ! カガリ!」
「アスラン! あっ! あッ!」
自分たちの在り方は、キラとラクスのそれとは違う。
立場や任務で、近づき、また離れて。
けれど、今だけはー。
二人ひとつに結びついたまま。
ずっとこのままでいたかった。
「はぁッ! はぁッ!」
「あッ! やッ! なにか、くる……アスラン」
「俺も! も、もう……ッ!」
「あッ! あぁッ!」
だらしなく吐息を漏らし、甘く紅潮したまま、二人は見つめ合う。
二人の中心だけが、ぱちゅぱちゅといやらしく音を立て、激しくキスを繰り返す。
「はッ! はッ! はぁッ!」
「あ! きちゃう、アスランッ! あっ! あッ!」
カガリの表情はとろとろにとろけて、もはやアスランにしがみつくこともままならない。赤ん坊のように両手をシーツに投げ出して、ただ自分の中心にいるアスランを感じていた。
「イ、クっ……カガリッ!」
「い、いよっ! い、いっしょにッ! あぁーッ!」
アスランはカガリの腰に両手を添え、激しくカガリの最奥へ欲望を突き挿れた。
カガリの背中が反り返った。
瞬間ー。
二人は同時に果てた。
「ふ……ぅ…… ! カガリ……ッ!」
「あッ! あぁ……!」
震えるように、アスランは射精した。
何度も、カガリの奥の奥へ愛情と白濁した愛液を注ぎ込む。
止まらなかった。
「は……ぁ……」
カガリは、自分の中がアスランで満たされていくのを感じた。
心も、体も。
全てに、アスランを感じる。
「アスラン……」
なおも二人深く結びついたまま、カガリは子供のように抱きついてくるアスランの頭をやさしくなでた。
顔を上げて、初めてした時のようなキスをする。見つめ合い、あの頃の笑顔で微笑み合う。
全部を出し尽くしたアスランがようやく離れた時、カガリの中心から赤い純潔の証と二人の愛液がどぷと溢れて、シーツに卑猥な染みを作った。
「好き、アスラン……」
「俺も……大好きだ、カガリ……」
横たわり、手をつないで。
二人は飽きることなくお互いの名前を呼び合った。
乱れた呼吸が整った頃、カガリはアスランに腕枕をおねだりした。
「枕みたいに、柔らかくないと思うけど……」
「ん……大丈夫」
アスランの腕は逞しく、首の下に通すと少しゴツゴツしたが、安心感の方が遥かにそれを上回った。
カガリがアスランの胸元に両手を添えて、アスランはカガリを包み込むように抱き寄せる。
愛する人と裸で抱き合うのがこんなにも気持ちがいいということを、二人は初めて知った。
「体、その……大丈夫か?」
アスランの指先が後ろから髪の毛をまさぐり、カガリは小さく吐息を漏らす。
「もう痛いのはそんなにないけど……なんか、変な感じ」
あぁ、ほら。
こういうことを言うと、この男はまた情けない顔をする。
「これでもう、お前は私のものだからな、アスラン」
「そういう台詞って、俺の方から言うものなんじゃないか?」
アスランはカガリの目尻をくすぐるように親指でなでながら、ふっと笑った。
「俺は最初から、カガリのものだよ」
慈しむように見つめてくるアスランに、カガリはニヤリと無邪気な笑顔を返す。
しかしーとカガリは思う。
これで、アスランの弱いところは、よくわかった。
「私は嫉妬深いからな。変な女が寄ってこないように、これからもっと躾けてやる」
「し、しつけるって……」
カガリの指先があそこに触れて、アスランは恥ずかしそうにピクンと跳ねた。
「カガリ、な、なにを……」
言いながら、アスランの下半身はすでに限界まで元気を取り戻している。
だいたい、澄ました顔をしながら、さっきから私の胸をまさぐっているその手はなんなんだ。
「スケベ……」
「カガリこそ……」
お互いの瞳に、吸い込まれそうになる。
やさしく微笑みあったまま、二人はまた、とろけるようなキスをした。
※
「おはよう、アスラン。よく眠れた?」
「あぁ、ぐっすりな」
首長官邸前。
キラは待ち合わせたアスランの表情を見て、柔らかく目を細めた。
空は抜けるような快晴だったが、アスランが輝いて見えるのは、それだけが要因ではないだろう。
「キラ」
「?」
「……いや、なんでもない」
なぜだろう、アスランはキラに少し追いついたような気持ちになっている自分に驚いた。
「ありがとな、ラクス」
談笑する男たちの少し後方で、カガリはラクスに小声で呟いた。
「おかげで、なんとかなったよ」
「まぁ」
カガリの表情は晴れやかで、ラクスは嬉しそうに笑顔を返した。
「まぁ、なんていうか、あれだ……これでやっと、ラクスとキラに並べたって感じ、かな?」
「あらあら」
カガリは無邪気な笑みを残して、キラとアスランの方へ走っていった。
「今日は楽しむぞ、キラ」
「そうだね。じゃあせっかくだし、アスランの隣はカガリにお願いするよ」
カガリが二人の間に割り込む。
しばらく談笑した後、キラが抜けて、ラクスの隣まで退がってきた。
「しあわせそうだね、二人とも」
「良いことですわ、とても」
カガリがじゃれつくように腕を回して、アスランがまんざらでもなさそうに頬を赤く染めている。
今日は四人でショッピングだ。
「……………」
「……………」
キラとラクスは目が合うと、恥ずかしそうに視線を逸らした。二人の顔は、今朝の快晴に負けないくらい肌艶が良いということに、浮かれ気分のアスランとカガリは気づいていない。
(言えない……)
(言えませんわね……)
アスランとカガリが想像もできないような営みが、昨夜もあった。あんなことやこんなことまでしていたなどとは、口が裂けても言えないキラとラクスだった。
「キラっ、ラクスっ」
「行くぞ、二人とも」
アスランとカガリが振り返り、同時に左手を上げる。
青空の陽光に、二人の指先がやさしく煌めいていた。
了