相姦遊戯その後(家族相姦編想定) 作:XX(旧山川海のすけ)
父さんは項垂れて、崩れ落ちていた。
四つん這いになって、震えている。
……偽物とはいえ、僕の胸が痛んだ。
父さんは父さんだ。
あおいの昔の男で、僕があおいを寝取った相手だけど。
それでも僕の父親なのは間違いないわけで。
父さんを苦しめるのは本意じゃない。
……だから。
絶対に、取らないとな。
認識阻害。
認識阻害を取れば、父さんを全ての重圧から解放してあげられる。
それが僕の最後の親孝行になるかもしれない……
そんなことを思いながら。
僕は冷静にひとつ、このゲームの法則を見出していた。
それは……
「ゆり」
僕はゆりに伝えるため語り掛けた。
ゆりは僕の呼びかけに顔を向けて来た。
僕は
「……父さんはあんな、自分の息子のこんな行いを鉄拳制裁で叱責できないような、情けない男じゃない。だからきっと……」
このゲーム、おそらく直接暴力という選択肢が取れないんだと思う。
でないと不自然だ。
そう、伝えた。
……思い出すよ。
僕は幼い頃、あおいの財布から200円盗んだことがある。
どうしても駄菓子が買いたくて、やったんだ。
当時ウチの家は、駄菓子買わない家だった。
あんな健康に悪く、何も益の無い食べ物、買うべきでない。
そういう方針だったんだ。
言ってることは非常に正しいさ。
僕だって、そらと夕子に言う可能性あるかもしれない。
だけど、当時の僕にはそれが理不尽に思えて。
周りの子は買ってもらってるのに、僕だけダメ。
欲しい。
駄菓子を買うなら、お金が要る。
そして当時の僕は、小遣いを貰っていなかった。
なのであおいの財布から200円だけ、盗んだ。
それを偶然父さんが見ていて。
僕がお金を盗んだと理解された瞬間、かなり強く叩かれた。
後で聞くと、これを見逃すと息子が将来泥棒になる可能性がある。
そう思ったんだとか。
……父さんの愛を思い出し、僕は泣きそうになったが、耐えた。
理由はともあれ、今の状況を作ったのは僕だ。
それは許されない。
涙を堪え、僕はゆりに自分の気づきを語って伝えた。
そんな僕の言葉を聞き、ゆりは
「分かったわ」
僕の言わんとしていることを理解してくれた。
ゆりはさ……
元々、僕に対して高圧的だったけど。
僕を小間使いのように扱ってたわけじゃない。
ちゃんと姉として愛してくれてた。
だから、最初の双六ゲームの際に、ゲームのせいで僕がゆりの処女を奪ったとき。
ゆりはさ、許してくれたんだよ。
強制だからしょうがない、って。
泣いてたけどさ。
僕を罵ったり、恨み言を言ったりしなかったんだ。
……優しいよな。
そんな優しい彼女だから……
きっと、僕の身代わりとしてハメたあの男……矢木に対しても負い目を持ってると思うんだ。
そしてそういう場合……
相手が暴力の意志を持ってることが怖くなる。
何故って、相手の暴力に正当性があるからだ。
正当性の無い暴力には怒りが湧く。
怒りが湧くと、それは恐怖を克服する助けになる。
誰だって、クズに屈服させられたく無いものな。
当たり前。
だから逆に言えば、正当性がある場合は乗り越えるのが難しくなるんだよ。
怒りのサポートが無いからな。
だから言う必要があったんだ。
どれだけあの矢木とかいう男を怒らせても、襲い掛かって来る可能性は無いんだってことを。
そんな僕の意図を理解して、ゆりは
「……分かりました。ゆうじさん」
神妙な顔で、頷いてくれたんだ。
ゆりの覚悟が決まった!