ラキュースの部屋を覗く 作:カール
エロシーンは、ありません。すいません(汗)
アルシェが、色々と危ない妄想をしていると、自宅の屋敷が見えてきた。
広くて大きな屋敷だが、1年以上前から手入れがされていないので、屋敷の壁や庭は荒れている。
玄関に着くと、フルト家の使用人とクーデリカとウレイリカが出迎えてくれた。
3人共、少し窶れている。
クーデリカとウレイリカは、アルシェに抱きついた。
「2人共、ただいま!」
使用人は、お辞儀をしてもてなしが出来ない事を申し訳無さそうに伝えた。
アールビアは、もてなしをしようとした心遣いに感謝をしていると伝えた。
皆、応接室に案内されてソファーに座った。
クーデリカとウレイリカは、子供部屋に行った。
「フルトさん、契約書の写しを見せてもらえるかしら」
「はいっ!」
契約書の内容を確認した、アールビアはアルシェに話しかける。
「利子の金貨40枚を返済しないと、双子の妹ちゃんが1年間の奉公に行くのね。失礼な事を、聞くけどいいかしら?」
「はい!」
アルシェとフォーサイトのメンバーと使用人は、真剣な表情をした。
「窶れているようだけど・・・大丈夫?」
「あっ・・・あの」
フルト家の使用人は、アルシェが少し困っているように見えたので話し始めた。
「お嬢様は答えにくいと思いますので、私が答えさせて頂きます。クーデリカ様とウレイリカ様は、旦那様と奥様が家を出られてから、3日程ですが・・・スープと飲み物だけで過ごされました。昨日、アルシェお嬢様が戻られてから、卵と野菜を調理して召し上がっています」
ヘッケランは、それを聞いて思った事を話し始める。
「スープと飲み物だけ?金貨400枚も借りておいて!娘達には、金をおいていかなかったのか!?金貨1枚あれば、2ヶ月は余裕で暮らせるぞ!」
皆、それは思っていたが、アルシェの前で両親の事を悪く言う事は出来なかった。
それから、2分程経って落ち着いた時にアールビアは話し始めた。
「ヤーバン商会は金貨を440枚を返済しても、また、フルトさんのご両親にお金を貸すでしょう」
アールビアは、アルシェの父親が言っていた事を思い出した。
「フルトさんのお父様は、パーティーで商人はいくらでも金をくれると話していました・・・多分ですが、借りているという自覚がないのでしょう」
アルシェが両親の借金を返済していたので、両親は借りているという認識が曖昧になっていた。
アルシェは、何度も両親に金を借りないように言ってきたが、両親を止めることはできなかった。
「カル?馬車の中で話した事の答えは出たかしら?」
「うん・・・答えは、出たよ」
カルの表情は、緊張していた。
「そう・・・フルトさんとカルの3人で、話したいのだけどいいかしら?」
他の皆は、別の部屋に移動した。
「金貨440枚を返済しても、ご両親はヤーバン商会から同等の額を借りるでしょう」
「そうだと思います」
アルシェは、少し前に考えた妄想の事を思い出して体が震えた。
「それで考えたの、フルトさんと双子の妹ちゃんを、ロール家の養子にしようと思っているの」
「養子ですか!?」
アールビアは、カルがラキュースと結婚すると、ラキュースは貴族の一人娘なので婿養子に行く可能性が高いと考えて、ロール商会を継ぐ人物が必要だと考えていた。
「あの・・・妹達と相談をしたいのですが・・・宜しいでしょうか?」
アールビアとカルは、笑顔で頷いた。
アルシェは、養子の話しを断ったら妹達が1年間帰る事ができない場所に強制的に連れて行かれると思った。
アールビア達は、フォーサイトのメンバーと使用人を呼んでアルシェ達が来るのを待った。
20分後に、アルシェとクーデリカとウレイリカが部屋に入って来て、養子になる事を決めたと言った。
「うっ・・・お嬢様」
使用人は、フルト家に20年以上の間仕えているが、年齢的にも経済的にも限界が近づいているので、3ヶ月程したら辞めるつもりだったが、アルシェ達の事が心配だったので涙を流して喜んだ。
アールビアは、アルシェ達と会話をした後に養子の手続きをする為に行動をした。
「フォーサイトの皆さんには、ご両親の捜索を依頼したいのだけど大丈夫かしら?」
ヘッケランは、笑顔で答えた。
「もちろんです!むしろ協力させて下さい!」
「ヤーバン商会には、これからカルとアルシェと一緒に向かいます」
それから3日間、慌ただしく動いた。
アルシェの父親は、もう少しで元の地位に復帰をする事ができると自信満々に言って養子の件を断っていたが、魔皇の剣が王都にある事が分かったらしく、旅費が足りなくなり近場に金貸しの商会が無かったので、金貨400枚で養子の書類にサインをすると言った。
アールビアは、すぐに金貨400枚を払って、養子の書類にサインをしてもらった。
アルシェは、アールビアの許可を得て、ワーカー時代に貯めていた金貨11枚をフルト家の使用人に退職金として渡した。
その後、役所で養子の手続きを終えてから帰る際に、アルシェはフォーサイトメンバーと馬車の中でゆっくりと会話した。
「金の使い方どうかしてるぜ!高級なホテルに泊まって、魔皇の剣の捜索とは・・・贅沢すぎるぜ!」
「その通りだ!妹さん達は、スープと飲み物で生活させて!」
「こら!2人共、言い過ぎよ。アルシェも居るんだから!」
「私は・・・そのっ」
アルシェは、複雑な心境だった。
ヘッケランは、話題を変える事にした。
「けどよ!ロール秘書官の婚約者が、蒼の薔薇のメンバーだとは驚いたぜ!」
「私も驚いた。お義兄様に、アダマンタイトの冒険者の婚約者がいるなんて・・・まだ、挨拶してないけど・・・お義母様は、とても優しい人だと言っていた」
「出会いとか!馴れ初めとか聞いたの?」
アルシェは、慌ただしく動いていたので、あまり詳しくは聞けなかった。
「まだ・・・話せてない」
ロバーデイクは、少し考えてから話し始めた。
「貴族でアダマンタイトの冒険者のアインドラ殿と有名な商会の跡取り息子の婚約・・・話しだけ聞けば、親が決めた政略結婚とかも考えられるけど、ロール商会は政略とは無縁な感じがする」
ロバーデイクは、アールビアとカルの雰囲気を見てそう思った。
「そうだよね!政略結婚とかをするような人達には見えないね。もしかしたら、ロール秘書官がアインドラ殿を助けたとか・・・猛烈にアタックしたとかもあり得るかもね」
「お義兄様が・・・大人しいイメージだけど?」
ヘッケランは、笑いながら言う。
「普段は大人しくても、ベッドの上では野獣なのかもしれないぞ!ベッドの上で猛烈アタックとかな!」
アルシェは、少し前に妄想した事を思い出して顔を真赤にした。
アルシェの両親は、ゴールドの冒険者チームを雇って、高級な馬車で王都を目指していた。
「明日の午後には、王都に到着します」
「ご苦労・・・もう少しだな!」
「ん?向こうから、馬車が近づいて来ますね」
豪華な馬車が近づいて来て、中から執事らしき人物が出てきた。
「私は、王国の男爵家の者です。失礼ですが、帝国の貴族の方でしょうか?」
「帝国の貴族のフルト家の当主である!」
「フルト家の当主様ですか!我が主に会って頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」
王国では、帝国の情報は伝わってない部分もあるので、フルト家は貴族の認識で通った。
フルト夫妻は、男爵の屋敷の玄関の前に来た。
護衛の冒険者達は、馬車の側で待機している。
玄関の扉を開けると若い貴族の男性が出てきて、豪華な飾りが付いた剣でフルト夫妻を刺殺した。
護衛の冒険者は助けようとするが、天候が急に変わって空に黒い雲が表れて、雷の音が響き渡ったので動けなくなった。
暫くすると、緑色の仮面と黒い羽根のある悪魔が空から降りてきた。
「魔皇よ!!私に、永遠の命を!!」
若い貴族の男性は、力の限り叫んだ。
「お前は、私の宝を汚した!」
若い貴族の男性は、一瞬でバラバラにされた。
その光景を見ていた、ゴールドの冒険者チームは震えていた。
冒険者チームのマジックキャスターは、魔皇が使ってた魔法が第六位階のコントロール・ウェザーで、天候や気象現象の変化を起こせる魔法だと言った。
冒険者チームは、フールーダ・パラダイン以外に第六位階を使える存在がいる事に驚いた。
冒険者チームは、魔皇を前に死を覚悟したが、魔皇はバラバラにした貴族の死体を魔法で浮かして飛んでいった。
魔皇が去って、天候は晴れた。
冒険者チームは、フルト夫妻の遺体を丁寧に王都まで馬車で運んで、冒険者組合に魔皇の存在を報告した。
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