ラキュースの部屋を覗く 作:カール
リ・エスティーゼ王国の王城の大会議室では、国王のランポッサⅢ世が30人の貴族達と会議をしていた。
「次の議題は、王城の警備強化について・・・」
会議の途中で、王都の空が黒い雲に覆われて嵐になった。
国王の側に居たガゼフ・ストロノーフは、何か嫌な予感がした。
「陛下!何か嫌な予感がします!お気を付け下さい!」
会議室の窓が割れて、緑色の仮面をつけた黒い羽根がある悪魔が入ってきた。
「我が名は、魔皇ヤルダバオト!王国の貴族が、我の宝に触れた!よって、罰として王国の貴族を皆殺しにする!」
ヤルダバオトは、バラバラにされた男爵の遺体を会議室に転移させた。
ヤルダバオトが指を鳴らすと、城を取り囲むようにして100体前後の悪魔が表れた。
悪魔は成人男性の2倍以上の大きさで、城の廊下や中庭に移動して殺気を込めた魔力をばら撒いた。
城に居る者達は、殺気に怯えて頭を抱えたり、逃げようとして転倒して怪我をしたりして混乱した。
城内の警備兵の半分以上は、貴重品の運搬任務の支援に駆り出されているので、現状の戦力では悪魔達に対抗する事はできない。
ガゼフは、剣を構える。
「ガゼフよ。剣を下ろすのだ」
「しかし・・・はっ!分かりました!」
国王が狼狽えてしまうと更に混乱するので、国王は堂々とした態度でヤルダバオトの前に移動した。
「リ・エスティーゼ王国の国王のランポッサⅢ世だ。我が国の貴族が、ヤルダバオト殿の宝に触れた事をお詫びします」
国王は、お辞儀をした。
「なかなか、落ち着いているな」
「貴族達の命の変わりに、何か別のお詫びの品を用意させて頂きたい」
国王は、城が混乱している状態なので、戦えば城に居る者達が皆殺しにされる可能性があると考えた。
ヤルダバオトは、笑いながら答える。
「そうだな、王都中の民の命を差し出せ、それで貴族共は見逃してやる!」
「何と!?それは・・・でっ」
国王は断ろうとしたが、3人の貴族達が声を上げて訴えた。
「王都の民の命で、良いのですぞぉ!!」
「陛下!王都の民の命だけで、助かるのです!!」
「国王陛下!王国の貴族を見捨てるのですか!?」
国王は、貴族を見捨てるという言葉を聞いて決断する事が出来なかった。
「ふっ。ゆっくりと貴族共を殺していくよ」
ヤルダバオトは、手紙を会議室の机の上に置いてから、悪魔達を引き連れて、魔力を込めた殺気を王都中にばら撒きながら飛んでいった。
国王が、ヤルダバオトが置いて行った手紙を読むと絶望の表情になった。
「手紙には、何と書かれているのですか?」
会議室に居る者が、注目をしている。
「2週間後に、王都の側で貴族を皆殺しにするパーティーを開催すると書いてある」
「うわぁー!」
「今からでも、王都の民の命をヤルダバオト様に捧げましょう!」
「兵を集めて、王都の民を一箇所に集めさせるのです!」
王国の兵は徴兵した農民が主力で、集めるのに1週間はかかるのと、王都の民衆がこの事実を知れば逃げ出すだろうから実行は困難である。
それから、領地に逃げ帰る者やアダマンタイトの冒険者に護衛を依頼すると言ってから会議室を出る者、ヤルダバオトが置いていった男爵の遺体を丁寧に運び出す従者達で王城は慌ただしかった。
そんな混乱の中で、国王はレエブンと会議室で対策を話し合った。
ガセフは、レエブンが国を裏から支えていた事を知って驚いていた。
話し合っている最中に、ラナーが面会を求めてきた。
国王が許可すると、ラナーとクライムが入ってきた。
「お父様!お話は聞きましたわ!」
「ラナー」
「お父様!アインズ・ウール・ゴウン様に助けを求めましょう。ゴウン様の使った魔法を戦士長様にお聞きしました。その中で、大勢の者をマジックアイテムを使って転移させた話がありました。そのような強力なマジックアイテムを持っていて、魔法の研究をされているお方なら、ヤルダバオトより強い可能性が高いと考えられます!」
ガゼフは、お辞儀をしてから話し始める。
「陛下!私も、そう思います。ゴウン殿は、寛大なお方です。そして、魔法の知識と強力なマジックアイテムの持ち主でもあります。丁寧な態度でお願いするれば、力を貸してくれと思います!」
国王は、少し考えてから話し始める。
「ヤルダバオト殿も、2週間後と日にちを指定している。それまでは、何もしてはこないだろう。レエブン侯とガゼフは、ゴウン殿の所に行ってくれ。戦いに使用したマジックアイテムの費用は、私に請求して欲しいと伝えてくれ。これから、要請の書状を書く」
書状を受け取った、レエブンとガゼフは返事とお辞儀をしてから部屋を出ていく。
部屋には、国王とラナーとクライムの3人だけであった。
「それから、クライムよ」
「はっ!」
国王は、ヤルダバオトの魔力と殺気を肌で感じて死を覚悟した。
その時に、ある事を思い付いた。
「ラナーを、嫁に貰ってくれんか?」
「えっ!?あの・・・っ」
「お父様!?」
クライムは、国王が緊急事態に冗談を言うはずがないと思って聞き返した。
「ラナーが嫁に行けば、王族ではなくなる。ヤルダバオト殿は、見逃してくれるかもしれない。それに、安全が確保されたら離縁をして戸籍を戻せば元通りだ。この計画を知るのは、私とラナーとクライムと戸籍の担当者の4人だけだ」
「なるほど!安全の為ですか・・・安全が確保されるまでの間ですね!自分でなくても・・・もっとふさわしい一般の方がいるとっ」
クライムが混乱しながら答えていると、ラナーが途中から話し始めた。
「クライム!私は、例え安全の為でも、クライム以外と結婚したくはありません!」
ラナーは、クライムを抱きしめる。
クライムは、真剣な表情で話し始めた。
「国王陛下!その任務、お受け致します!」
ラナーは、笑顔になった。
「うむ!頼んだぞ。今から、戸籍の担当者に手紙を書くから少し待っていてくれ」
手紙には、国王の印が押されている。
「ラナーよ。担当者は、知っているな」
「はい!お父様」
「では、任せたぞ」
ラナーとクライムは、お辞儀をしてから部屋を出て結婚の手続きを済ませた。
その日の夜にクライムは、ラナーに部屋に来るように言われた。
クライムが許可を得てから部屋に入ると、ラナーが笑顔で出迎えてくれた。
ラナーは、可愛いネグリジェを着ていている。
「クライム。こっちに来て♪」
ラナーは、クライムにベッドに座るように促した。
「ラナー様。ベッドは・・・その」
クライムは顔を真赤にして、ラナーとは目線を合わせようとはしない。
「旦那様。横に来て下さい♪」
「ラナー様!旦那様とは、駄目です!一時的な安全確保の為の手段ですので・・・お戯れは・・・お止め下さい。国王陛下の信頼を裏切ってしまいます」
ラナーは、ほっぺたを膨らませた。
クライムは、その表情を見て純粋無垢な女の子に見えた。
「隣に座るだけですので・・・」
クライムがベッドに座ると、ラナーは笑顔になった。
「クライムは、ラキュースとロール殿の話を知っていますか?」
「はい。婚約をされたと、聞きしています」
「お二人のデートの事を、教えてもらいましたわ」
クライムは、ラキュースがカルの事を楽しそうに話している様子を見て幸せそうだと思った。
「2回目のデートで、ロール殿と手が触れて、ラキュースが顔を真赤にしていたそうですよ」
「そうなのですか!?アインドラ様が・・・その、堂々とされているイメージが強いので・・・」
「それから・・・8回目のデートの後に、ロール殿のお部屋で、ラキュースがロール殿をベッドに押し倒したそうです♪」
「えっ!?ラナー様!?」
クライムは慌てた、純粋無垢なラナーに何て事を話してるのだと思った。
それに、次にラキュースと会った時に、ベッドに男性を押し倒した女性なのだと思って見方が少し違ってしまうと思った。
クライムは動揺したが、ラーナは話を続けた。
「ロール殿を押し倒してから体に馬乗りになったんですって♪その先は、私にはまだ早いと言って話してくれなかったの!イジワルよねぇ~♪」
「あの、えっと・・・あの」
ラーナは手を叩いてから、ある提案をした。
「そうだわ♪私が、クライムを押し倒して!馬乗りになれば、続きが分かりますわ!」
「えっ?」
ラーナは、クライムをベッドに押し倒してから馬乗りになった。
クライムは、本気を出せば抜け出せるが、ラーナに救われた恩義があってそれは出来なかった。
「クライムは、ズボンのポケットに何か入れているのですか?」
クライムの勃起したペニスが、ズボンを押し上げていた。
「それは、駄目です!?」
ラナーは、ズボンの股の部分を手で触る。
ラナーの柔らかく美しい指が、クライムの敏感になっているペニスを掴んだ。
「あっ!?だめでっす!?」
ラナーが、手を離したのでペニスが爆発することはなかった。
「はっぁ!はっぁ!」
クライムの息は荒い。
「クライム!ごめんなさい。苦しいのね」
ラナーは、ベッドから降りてクライムに謝った。
クライムもベッドから降りて、深呼吸をしてから話し始めました。
「ラナー様・・・大丈夫です。落ち着いて頂けて良かったです」
「ごめんなさい。結婚が嬉しくて・・・」
ラナーは、涙目になる。
「いえ!大丈夫ですので!いつもラナー様でいてください!」
クライムは、笑顔になった。
「クライム、結婚記念にあるものを贈りたいの良いかしら?」
「えっ!?そのような物を受けっ」
クライムは、ラナーが泣きそうな表情だったので受け取ることにした。
「ビックリさせたいので、目を瞑って下さい」
クライムが目を閉じると、唇に柔らかくて温かいものが当たる感触があった。
クライムのファーストキスは、少し甘い味がした。
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