ラキュースの部屋を覗く 作:カール
エロシーンは、ありません。すいません(汗)
レエブンとガゼフは、カルネ村に向かっていた。
王都では、パンドラが冒険者を率いて八本指の討伐を終えていた。
馬車の中では、2人が話し合っていた。
「後1時間程で、カルネ村に到着するのか・・・」
レエブンは、貴族が皆殺しにされると聞いてから息子の事をずっと考えていた。
「レエブン侯・・・顔色がすぐれないようですが?」
「息子の事を、考えていた・・・」
レエブンにとって幼い息子は、かけがえのない存在だった。
「大丈夫です!ゴウン殿の強さは、私が保証します!」
ガゼフは、レエブンを励ました。
「だが・・・魔皇ヤルダバオト殿の強さは・・・」
王国の貴族の半分以上は魔法の知識がないが、レエブンは魔法の知識があったので、魔皇ヤルダバオトが使用した魔法が第六位階だと知っていた。
第六位階の魔法を使用できるフールーダ・パラダインは、敵国なので支援の要請は難しい。
また、息子を養子に出す事も考えたが、相手は悪魔なので対応策としては弱いと思った。
アインズは、執務室で打ち合わせをしていた。
執務室には、アインズとアルベドとフォスが居る。
「蒼の薔薇のイビルアイが200年前に存在していた、十三英雄の仲間だったのですね。200年前に、プレイヤーが存在していた可能性が高いですね」
アルベドは、プレイヤーをかなり警戒している。
「プレイヤーに繋がる情報を、安全な方法で手に入れたのですね」
プレイヤーは、アインズと同等の力とリアルに行く方法を知っている可能性があるからである。
アインズもプレイヤーが、ギルドのアインズ・ウール・ゴウンを、心良く思っていない可能性もあるので警戒をしている。
「パンドラの手柄だ」
しばらくの間、2人は和やかに会話をした。
「話は変わりますが、シャルティアが第1王子に贈る最初のプレゼントが、性欲を高めるマジックアイテムとは驚きました」
(皆。俺とアルベドの赤ちゃんを楽しみにしているんだなぁ・・・)
「そうか・・・アルベドよ。大規模作戦が終わったら・・・話があると言ったのを覚えているか?」
アルベドは、羽をパタパタとさせてから笑顔で答える。
「もちろんです!アインズ様!今からでも大丈夫です!場所を変えましょうか?」
「いや、アルベドと話す前に、デミウルゴスとパンドラと話し合いをする必要があってなぁ・・・」
アルベドは、興奮気味に話した。
「どちらの話でしょうか?」
(えっ!?分かるの?)
「どちらの・・・とは?」
「はい!アインズ様が装備されているワールドアイテムを外して、超位魔法のウィッシュ・アポン・ア・スターを使用して子供が残せる体になる事でしょうか?ワールドアイテムを外して保管したり、その間の護衛も必要になりますから・・・」
(えっ!?星に願いをで、そこまで出来るのかな?)
「それとも、シャルティアの事でしょうか?」
「シャルティアの事?何だそれは?」
「違いましたか・・・不敬な考えですが、もしも、王子が産まれずに、王女しか産まれなかったら悲しむ可能性もありますので・・・」
アルベドは、少し暗い表情で話した。
「そうだな・・・その可能性もあるな」
「私!頑張ります!何人でも!産みます!」
「落ち着くのだ!赤ちゃんを産むのは、大変なエネルギーを使うのだ・・・ちゃんと期間をあけないとな!」
アルベドは、興奮気味に答えた。
「私の体調の事まで、お気遣いありがとうございます!」
一般メイドのフォスは、この会話を聞いてからアインズの後継にも忠誠が尽くせるかもしれないと興奮した。
(子孫を残せる体になる事もだけど・・・童貞だし・・・色々と不安なんだよなぁ・・・)
会話の途中に、ユリからレエブン達がカルネ村に到着したと連絡が入った。
アインズとアルベドは、カルネ村から少し離れた所に転移した。
エンリのゴブリン達は、ガゼフが訪ねて来たので隠れている。
アインズとアルベドが、カルネ村に近づくとマーレからメッセージが届いた。
[アインズ様。周りに異状はありません]
マーレは、ナザリックから遠隔視の鏡を使って、シャルティアを洗脳した者達が表れないかを警戒している。
コキュートスとシャルティアは、交代で緊急事態に備えてナザリックで待機している。
[うむ、警戒を頼む]
[はいっ!?アインズ様!]
アインズは、メッセージを終えてからカルネ村に入った。
「ゴウン殿!」
ガゼフは、アインズを見つけて話しかける。
「これは、戦士長殿!久しぶりですね」
「はい!お久しぶりです」
ガゼフは、アインズの隣に居る角と羽が付いた美しい女性が気になった。
「失礼ですが?お隣の女性の方は?」
「前にお会いした時は、鎧を装備していたので分からないでしょうが、私の妻のアルベドです」
「アインズ様の妻のアルベドです!あの時は、鎧を装備していたのと、緊急事態が発生していたので、挨拶ができませんでした」
「なんと!?そうだったのですか!?挨拶が、遅れました!王国の戦士長のガゼフ・ストロノーフと申します。ゴウン夫人」
「こちらこそ、宜しくお願い致します。はじめに言っておきますが、この角と羽はとても貴重なマジックアイテムですので、外してしまうと消えてしまいます」
アルベドは、王国を導く予定のアインズの妻として常に笑顔を心掛けた。
「貴重なマジックアイテムなのですね!」
ガゼフは、カルネ村の変化も気になった。
「カルネ村は、かなり変わりましたね・・・」
「私が、少しだけ手を貸したのです。けど、カルネ村の住人の努力のおかげですよ」
「なんと!?本来は、国の役目だというのに!申し訳ない」
ガゼフは、頭を下げた。
それから、カルネ村から離れた所にある豪華なテントの中でガゼフとレエブンとの話し合いを行った。
ブレインとレエブンの私兵達が、テントの周りを警戒している。
「ゴウン殿に、国王陛下よりの手紙をお渡しいたします」
(あっ!しまった!文字が読めない!)
アインズは、文字が読めないのでアルベドに読み上げて貰った。
「王国の貴族達を、皆殺しにすると宣言をした魔皇ヤルダバオトの討伐の要請・・・そして、戦いに使用したマジックアイテムの費用は国王陛下に請求ですか・・・う〜ん」
アインズは、腕を組んで考え込む演技をした。
ガゼフとレエブンは、アインズが仮面をしているので表情が読めない。
アインズが、立ち上がってからテントの外に出たので3人も後を追った。
そして、周りに聞こえるように大きな声で言った。
「隠れている悪魔よ。出てきたらどうだ?」
1分後に、成人男性と同じ体格くらいの悪魔が表れた。
「私の気配に、気が付くとは!」
周りにいる者達は、透明化の魔法を使っていたと考えた。
「要件は、何だ?」
「ヤルダバオト様は、貴族の皆殺しが終ってからゴウン殿との一騎打ちを望んでおられます。もしも、皆殺しの前に一騎打ちをすると、帝都に3千の悪魔の群れを召喚すると言っております」
レエブンは、ヤルダバオトがアインズの実力を知って計画の邪魔にならないように妨害してきたのだと思った。
「貴族の皆殺しが、終ってからか・・・」
(あれ?予定では、ここでヤルダバオトの部下と戦闘するんだったよな?帝都の人間達を人質にしてる感じになってるよ!?)
本来であれば、レエブン達にアインズの力の凄さを見せつけて、アインズの偉大さを広める役割を担ってもらう予定だった。
レエブンは、王国の貴族を助けてくれと訴える事は、帝都の人間を見殺しにしてくれと言っているようなものだったので印象を悪くしてしまうので静観した。
(多分!デミウルゴスの深読みだ!この作戦をもっと大規模にする為に動いてる!?)
デミウルゴスは、アインズが大規模作戦と言った事について考えていた。
王国を手に入れるだけが大規模作戦だろうかと考えて、帝国も手に入れる作戦に変更した。
(どっちが正解なの?)
アルベドの方を見ると、真剣な表情でアインズを見ていた。
(メッセージ送ると、レエブン侯にバレてしまう・・・えぇい!)
「ヤルダバオトに伝えよ。貴族の皆殺しの後に、激闘を繰り広げようとな」
悪魔は、お辞儀をしてから転移をしていなくなった。
「うっ・・・すまないっ。リーたんっ」
レエブンは、涙を流した。
「悪魔は去りましたので、王国の貴族を守る為の戦いの準備をいたしましょう」
その場に居る者達は、全員がアルベドの言葉に驚いた。
(アレ?どうなってる?)
「アインズ様は、ヤルダバオトを出し抜く為に提案を飲んだふりをしたのです」
「何と!?」
「ですが・・・どうやって?」
アルベドは、皆をテントの中に集めてから説明をした。
「まずは、ストロノーフ殿が帝国の皇帝に面会して、帝都を覆う結界を発動する事が可能なマジックアイテムを渡します。マジックアイテムの発動は、フールーダ・パラダイン殿にお願いして下さい」
「分かりました・・・。ですが、私は敵国の人間ですので、面会には時間が掛かると思いますが・・・」
「皇帝も、ヤルダバオトの件で王国の貴族達の命が危ないのを知っていると思いますので、そんな状態で王国の戦士長であるストロノーフ殿が訪ねて来たらすぐに会うと思いますわ」
(そうか・・・帝都を守って、皇帝にも恩を売れる!良い手だなぁ〜)
「レエブン侯は、アインズ様と私と一緒に王都に向かいます。途中で、悪魔が様子を見にくる可能性もありますので、王都に入るまでは絶望の表情でいて下さい」
「分かりました」
レエブンは、頭を下げる。
それから、アルベドはマジックアイテムを取りにテントを出た。
10分程して戻ってきてから、ガゼフにマジックアイテムを渡した。
「マジックアイテムの効果は10日で消えますので、発動のタイミングは悪魔が帝都に表れてからにして下さい」
「心得ました!今から、出発をします」
ガゼフは、帝都まで掛かる4日分の食料を持ってから馬に乗って出発した。
アルシェは、ロール家の養子になってからロール商会の帝都での開店準備を手伝っていた。
「アルシェとイミーナさんは、会長代行の所に行って下さい」
カル・ロールに言われたので、2人は会長代行の部屋に向かった。
フォーサイトのメンバーは、アルシェが養子になってからロール商会で用心棒として雇われた。
部屋に入ると、アールビア・ロールが腕を組んで考え込んでいた。
アルシェは、自分と妹達の為に840枚の金貨を使ったので、資金繰りに困っているのではないかと思った。
「会長代行・・・もしかして、資金繰りでしょうか?」
アールビアは、真剣な表情で答えた。
「資金繰りではないわ。アルシェの事よ・・・クーデリカちゃんとウレイリカちゃんが、ヤーバン商会の策略で奉公にいかされかけたでしょう?あの事を調べたのよ」
2人共、真剣な表情になった。
「狙われていたのは、アルシェだったの・・・」
イミーナは、妹のように思っているアルシェが狙われていたと知って怒った。
「アルシェが、狙われてた!相手は、誰ですか!」
アールビアは、名前を教えるとイミーナが暴走するのではないかと思った。
「名前は伏せるけど、公爵家の次男よ。アルシェは、妹達が奉公に行かされたら・・・」
アールビアは、少し言いづらい感じになる。
「アルシェの体が、目当てなんですね!多分ですが、妹達の奉公の期間を1年間から1日に短縮してやるとか言って、ベッドの上でアルシェを玩具にするつもりだったんですね!」
イミーナは、怒りながら言った。
「えっ!玩具!?」
アルシェは、青ざめた表情になった。
「大丈夫よ!?お義母さんが、ついてるからね!?アルシェは、商会と自宅を出る時は、フォーサイトの誰かと一緒に行動するのよ。イミーナさんは、アルシェの出勤と帰宅の時間に迎えに行ってね」
イミーナは、真剣な表情で返事をした。
アルシェは、アールビアの言葉に愛されていると感じた。
アルシェは養子になってから、魔法を学びたいなら支援をするし、ワーカーを続けたいのならフォーサイトの皆と話し合うと言ってくれた。
アールビアは、ロール商会の後を継ぐ事を強制してこなかった。
アルシェは、アールビアに疑問に思った事を質問したら『私は、自分の子供にはやりたい事をさせると決めている』と笑顔で答えた。
アルシェは『自分の子供には』の部分を聞いて、ロール商会の後を継ぐ為の養子縁組ではなく、親子になるための養子縁組だと知って涙を流した。
公爵家の次男は、ワーカーの天武にアルシェの誘拐を依頼した。
「元ワーカーの娘ですか・・・第三位階の魔法が使えるようですが、私の敵ではありません」
「頼もしいなぁ〜。頼むぜ!あっ!それと、殺しはダメだからな!賄賂の額が多くなってしまうからなぁ〜」
天武のエルヤー・ウズルスは、チームのエルフ達を引き連れてからアルシェを誘拐するために動き始めた。
エルヤー達は、馬車の中で覆面を被ってロール商会の店とアルシェの自宅の中間地点で待機した。
その場所は、夕暮れから人通りが減ると公爵家の次男から聞いていた。
アルシェとイミーナは、17時になったので帰宅した。
カルとアールビアは、貴族の家に挨拶に行ってから直接自宅に帰る予定だったので別行動をしていた。
「ターゲットが表れた!行くぞ!」
アルシェとイミーナは、突然4人組が襲ってきたので対応が間に合わなかった。
「あんた達!何者!?」
エルヤーは、イミーナを棍棒で殴って気絶させた。
エルヤーは、アルシェに剣を向けてから馬車に乗るように伝えた。
アルシェは、剣を持った覆面の男の正体は分からなかったが、ワーカーとしての経験からその男の強さが桁違いだと分かった。
アルシェは、第三位階のフライで逃げる事も考えたが、気を失っているイミーナを残して逃げる事は出来なかった。
「お前達!何をしている!」
アルシェのピンチに、表れたのはガゼフだった。
ガゼフは、皇帝に3千の悪魔の襲撃がある可能性が高い事を伝えて、魔法防壁のマジックアイテムを渡した。
フールーダは、魔法結界のマジックアイテムに第八位階の魔法が込められていると知って、神の領域だと興奮してアインズに会いに王国に行こうとしたが皇帝に止められた。
ガゼフは、届け終ってから帝都の外で野宿するつもりで移動している途中だった。
「ほう・・・かなりの実力者だな」
エルヤーは、ガゼフを見て自分と互角の実力があると判断をしたので、棍棒を投げてから剣を抜いて構えた。
ガゼフも、剣を抜いて構えた。
縮地改を使って、足を動かさずスライドする様に移動してガゼフに襲いかかる。
エルヤーとガゼフの激闘は、10分程続いた。
アルシェは、ガゼフの戦いを見て胸の鼓動が強くなった。
戦いはガゼフが勝利した。
エルヤーは、覆面を取ってから名前を名乗った。
「はぁっ!はぁっ・・・。私は、エルヤー・ウズルスと申します。失礼ですが、お名前を教えて下さい」
「ガゼフ・ストロノーフだ」
エルヤーは、ガゼフの強さに心を打たれて、自分の未熟さを知って剣士としての死を選んだ。
「さらば!」
ガゼフは、エルヤーが自らの首を剣で刺そうとしたので止めた。
「待て!この剣の強さを、他に活かせ!」
エルヤーは、エルフ達に自由に生きろと伝えて去っていった。
エルフ達3人は、覆面を取ってからアルシェ達に謝った。
アルシェは、イミーナを起こしてからガゼフにお礼を言った。
「助けて頂いて、ありがとうごさいました!私は、アルシェ・ロールと申します。王国のロール商会のロール家の者です」
「王国のロール商会・・・アールビア・ロール殿の親戚かな?」
「はい!少し前に、アールビア様の養女になりました」
ガゼフは、アールビアと商談をした事があった。
「2年前に、商談をした事がある。申し遅れた。私は、王国の戦士長のガゼフ・ストロノーフだ。今は訳あって帝都に来たが、すぐに王都に向かわないといけない」
「王国の戦士長様!?」
アルシェは、ガゼフが急いでいるのを知って王国に着くまでの食料を渡したいと言った。
3人のエルフ達は、行く所がないと言うのでロール家に連れて行く事になった。
アルシェ達は、自宅に帰ってからアールビアとカルに襲われた事を伝えた。
アールビアは、アルシェとイミーナを抱きしめた後に、ガゼフにお礼として1週間分の日持ちする食料を渡した。
その際に、アルシェがガゼフを見る目が恋をしている女性の目だと気が付いた。
ガゼフは、馬で帝都を出て行った。
3人のエルフ達は、フォーサイトに加入する事になった。
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