※この作品はR-18です。

ラキュースの部屋を覗く   作:カール

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オリジナルの設定と原作との矛盾がありますので、ご注意をお願い致します。
また、原作のネタバレも含みますので、ご注意をお願い致します。


アールビアとアルシェ

パンドラとラキュースは、王城で行われた贈呈式の説明会の後に国王に呼ばれて国王の執務室に居た。

 

執務室には、国王とガゼフとパンドラとラキュースが居る。

 

「モモン殿。アインドラ殿。八本指の討伐をして頂き、感謝致します」

 

国王は、頭を下げた。

 

「八本指の討伐は、冒険者の皆の協力があったからこそ成し遂げる事ができました。それに、討伐依頼があったので実行しただけです」

 

国王は、パンドラの謙虚な態度に関心した。

 

ラキュースも似た言葉を述べた。

 

「ラナーからの依頼ですな。ラナーは、王国の未来を考えている。親として誇らしい・・・私には、できなかった事だ」

 

「王女様は、漆黒以外の冒険者達の依頼主です。漆黒の依頼主は、別にいます」

 

国王とガゼフは、驚いた表情になった。

 

「そうなのですか・・・名前を公表していないのは、八本指の残党を警戒しているからですかな?」

 

「申し訳ありませんが、詳しく説明する事はできません」

 

国王は、少しだけ考えてから話し始めた。

 

「守秘義務があるのに、質問をして申し訳ない」

 

「私に話せるのは、八本指の討伐を依頼した人物は、1人の女性を守りたいという想いで依頼してきた事だけです」

 

国王とガゼフは、更に驚いた。

 

ラキュースは、カルの事を考えて胸が熱くなった。

 

「その様な想いがあったのですか・・・」

 

国王とガゼフは、自分にできなかった決断をした依頼主に直接会ってお礼を言いたいと強く思った。

 

ラキュースは、贈呈式の打ち合わせをした後にラナーの事を質問したが体調不良としか教えてもらえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

アインズとアルベドとパンドラは、王都の屋敷でイビルアイの対応について話していた。

 

「アインズ様。イビルアイの対応は、アレでよろしいですね?」

 

「アレかぁ・・・」

 

(アレって・・・イビルアイは、パンドラが結婚すると決めた相手だ!真剣に考えないと・・・)

 

イビルアイの対応に慎重なのは、十三英雄の情報を提供してナザリックの役に立っている事も影響している。

 

「あっ・・・パンドラよ。イビルアイは、パンドラの妻になるのだ!パンドラが、細かな所まで決めよ!」

 

パンドラは、お辞儀をしてから話し始めた。

 

「私も、アインズ様とアルベド様の考えでよろしいと思います。アインズ様には威厳ある対応をして頂いて、アルベド様には優しく接して頂きます。イビルアイは、正義感が強いのでヤルダバオトの事は伝えません」

 

(アレってそういう意味だったのか・・・)

 

「そうだな。パンドラの嫁と敵対関係になるのは・・・辛いなぁ」

 

「イビルアイの事を、気に掛けて頂きありがとうございます!」

 

「ヤルダバオトの件は、伝わらないように致します」

 

アルベドとパンドラは、頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラキュースは、イビルアイに相談したい事があると言われて、イビルアイの部屋に呼ばれた。

 

イビルアイは、蒼の薔薇のメンバーの中で婚約者がいるラキュースに相談したい事があった。

 

「ゴウン殿とゴウン夫人に、挨拶をするので注意点を聞きたいのね!」

 

「モモン様と挨拶の練習はしたんだが・・・モモン様の母上との接し方について相談したいんだ」

 

ラキュースは、アインズ達の事を人間だと思っている。

 

「基本的な事だけど・・・会話の際に配慮を忘れないようにする事と家訓を守るように心掛ける事かな?」

 

「配慮と家訓かぁ・・・」

 

「いきなり表れた息子の婚約者が、代々伝えられてきた教えを守らなかったりしたらどう思われると思う?」

 

「何だ!この女は!となるな・・・受け答えに、気をつければ良いのだな。ゴウン家の家訓は、ゴウン様の事を第一に考えるようにと言われた。全ては、ゴウン様の為にあると・・・」

 

「なるほど、当主の考えが全てなのね」

 

ラキュースは、イビルアイと一緒に簡単な受け答えの練習をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

五宝物の譲渡の式典の2日前に、イビルアイはパンドラと一緒にアインズとアルベドに挨拶に行った。

 

イビルアイは、アインズ達がヴァンパイアである事を知っているので仮面を取っている。

 

イビルアイはドレス姿で、パンドラは変身を解いている。

 

「私が、パンドラの父親のアインズ・ウール・ゴウンだ。アインズと呼んでくれて構わない」

 

イビルアイは、お辞儀をしてから話し始めた。

 

「ありがとうございます!アインズ様!私は、冒険者として活動している時はイビルアイと名乗っていますが、本名はキーノ・ファスリス・インベルンです!キーノと呼んで頂けたら嬉しく思います!」

 

イビルアイは、緊張して声が大きくなった。

 

「うむ」

 

アルベドは、イビルアイに優しく話しかけた。

 

「キーノさん。私の事は、アルベドと呼んでね♪」

 

「はい!アルベド様!よろしくお願いします」

 

パンドラは、タイミングを見計らってから話し始めた。

 

「父上。母上。私は、キーノと結婚します。認めて頂けたらと思います」

 

イビルアイは、アインズが仮面を付けていて表情が見れないので更に緊張した。

 

「私は、反対するつもりはない。パンドラが、結婚したいと思う相手と出会えたんだ。心の底から嬉しい。パンドラよ。キーノを大切にするんだぞ」

 

アインズは、カルがラキュースの両親に結婚の挨拶に行ったと、シャドウ・デーモンからの報告があったので、貴族であるラキュースの両親の会話の内容を参考にした。

 

「ありがとうございます!大切にします!」

 

「ありがとうございます!」

 

アルベドは、笑顔で話し始めた。

 

「パンドラ。キーノさん。おめでとう♪」

 

「母上。ありがとうございます」

 

「アルベド様!ありがとうございます!宜しくお願い致します!」

 

しばらくは、和やかな時間が過ぎていった。

 

「あら♪キーノさんは、パンドラとの子供が欲しいのね♪女性として、愛する人との子供が欲しくなるのは当然よね!」

 

「はい!パンドラ様の子供が欲しくて・・・」

 

パンドラは、イビルアイの方を見た後に話し始めた。

 

「父上。お願いがあります。キーノが、子供を産めるようにして頂きたいのです」

 

イビルアイは、パンドラが言った言葉を聞いて緊張した。

 

「キーノよ。第十位階魔法よりも上の魔法があるのは知っているな?」

 

「はい!知っています!」

 

「私は、貴重なマジックアイテムを持っている。その中の1つに、第十位階魔法以上の魔法が付与されているマジックアイテムがある。それを使えば、キーノを人間に戻す事が可能かもしれない。それと、人間に戻ったらヴァンパイアには戻れないだろう」

 

(多分・・・大丈夫だよね?失敗したらどうしよう!威厳がなくならないかな?)

 

イビルアイは、アインズの言葉が絶対ではあるが、第十位階魔法以上の魔法が付与されている、マジックアイテムを自分の為に使って良いのかと真剣に考えた。

 

イビルアイは、パンドラの方を見た。

 

「キーノ。心に思う通りに話しなさい。父上は、キーノの答えが聞きたいのだ」

 

イビルアイは、笑顔になってから話し始めた。

 

「アインズ様。私の為の提案をありがとうございます。ですが、ヤルダバオトの脅威が、まだ去っていませんので、貴重なマジックアイテムはいざという時の為に取っておいた方が良いのではないかと思いました」

 

イビルアイは、アインズがヤルダバオトの討伐に失敗した事を話したので、アインズのプライドを傷つけないか怖かったが、嘘偽りなく答える事がアインズが求める答えだと思って話した。

 

「キーノよ。ヤルダバオトの事は気にするな。次に会った時が、ヤルダバオトの最後になるだろう」

 

「秘策が、あるのですね!深い知識と思考力と洞察力を兼ね備えた、アインズ様に不可能はありません!失礼致しました!」

 

アインズは、ナザリックの外の者達もイビルアイのようになっていくのかなと少し不安になった。

 

「キーノよ。人間に、戻る件はどうする?」

 

「はい!お願い致します!」

 

イビルアイは、頭を下げた。

 

「明後日の式典が終わってから、八本指の残党の討伐が始まる。残党の討伐が終わってから適切な時期に、キーノを人間に戻す魔法を使用する」

 

パンドラとイビルアイは、お礼の言葉を伝えた。

 

「アインズ様。蒼の薔薇のメンバーに、この事を話したいのですが宜しいでしょうか?」

 

イビルアイは、自分が人間に戻る可能性がある事を、仲間に伝えたいと思った。

 

「冒険者チームとは、お互いに命を預け合う信頼関係だったな。許可する!」

 

「ありがとうございます!」

 

イビルアイは、頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イビルアイとパンドラは、挨拶が終わってホテルに帰宅した。

 

イビルアイは、パンドラはドッペルゲンガーなので、数百年の寿命があると思っている。

 

「パンドラ様。人間に戻ったら寿命があるので・・・パンドラ様とっ」

 

パンドラは、イビルアイを抱きしめた。

 

「キーノが、選んだ道だ。尊重する!」

 

200年以上生きているイビルアイには、色々と深く思う事が多かった。

 

 

 

 

 

 

バルブロは、式典の2日前に謹慎が解かれた。

 

バルブロの妻の父親である貴族派閥のトップのボウロロープは、バルブロを次期国王に推しているが、バルブロを支持していた貴族達は謹慎処分を受けた事で交流をしようとはしなかった。

 

(父上は、俺に八本指の残党の討伐を命じてくれた!)

 

バルブロは、王城の控え室で喜びの表情をしている。

 

(八本指の残党の討伐で活躍すれば、汚名返上をする事が可能だ!そうすれば、貴族達からの信頼は回復するだろう!)

 

バルブロは、今後の事を心の中で考えた。

 

(汚名返上はできるが、元に戻るだけだ!王に選ばれる為には、大きな活躍をしないといけない・・・くっ!元はと言えば、漆黒のモモンが婚約者がいる事を公表していれば、俺が醜態をさらす事はなかったんだ!何とか、一泡吹かせたい!)

 

バルブロは、ある事を思いついて国王が居る執務室に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城の執務室には、バルブロと国王とガゼフ・ストロノーフが居る。

 

「父上!明後日の贈呈式なのですが、八本指の討伐の依頼主であるラナーは体調不良で欠席です。王族の体裁を保つ為に、ラナーの代理で王族の誰かが勲章を受け取るべきです!」

 

バルブロは、冒険者達が注目の的にならないように考えて提案をした。

 

国王は、少し考えてから答えた。

 

「検討するかぁ・・・ガゼフよ。ザナックを、呼んでくれ」

 

「畏まりました」

 

ザナックは、隣の部屋に居たので3分程で執務室に入ってきた。

 

「ザナックよ。前の会議では、ラナーが体調不良から回復したら王族だけで勲章の授与を行うと決まったが・・・王族の体裁を保つ為に、ラナーの代理で勲章を受け取る者を選ぼうと思う」

 

バルブロは、自分が代理で選ばれると思っている。

 

「ザナックに、ラナーの代わりに勲章を受け取る役を頼みたい」

 

ザナックは、少しだけ考えてから答えた。

 

「父上。私は、当初の予定通りに、ラナーの体調不良が回復してから、勲章の授与を行った方が良いと思います」

 

「理由は?」

 

「冒険者達は、ラナーからの依頼で命を懸けて戦いました。その冒険者達の前で、代理で勲章を受け取るのは如何なものかと思います」

 

国王は、笑顔で頷いてから話し始めた。

 

「王族の体裁を保つのは大切な事だが、それと同じくらい勲章を受け取る者達の事も考えないとな・・・。バルブロよ。王位を目指すなら、王族の体裁を保つ事以外の事も考えなくてはならん。エ・ランテルで暮らしている、私の友人の智者の所で教えを乞うつもりはないか?バルブロなら半年程学べば、良い智者になれると思う」

 

バルブロは、俯いてから話し始めた。

 

「父上!私は、智者になりたいのではないのです!」 

 

バルブロは、ある事に気がついた。

 

「あっ・・・それは、エ・ランテルで智者から学べば、次期国王に指名してくれるという事ですかぁ!?」

 

ザナックとガゼフは、バルブロの態度に呆れていた。

 

国王は、深呼吸をしてから話を続けた。

 

「バルブロよ。知っていると思うが、国王の指名だけでは国王にはなれない!最低でも4割以上の貴族達に認められないと、国王として国を動かすのは無理だ。今のバルブロを指名しても国王にはなれないだろう・・・謹慎処分を受けただけで、殆どの貴族達がバルブロから離れた」

 

「それは・・・自覚しています!ですが、八本指の残党を討伐すれば汚名返上は可能です!」

 

「うむ・・・。これは、極秘事項の話になるが、バルブロに話そう」

 

バルブロは、極秘事項と聞いて王位に関する話だと思った。

 

「ラナーは、漆黒以外の冒険者達の依頼主で、漆黒の依頼主は別にいるのだ。私が、個人的に冒険者組合の幹部に質問をしたら、依頼主は商人とだけ教えてくれた」

 

冒険者組合は国とは独立した組織ではあるが、ある程度は融通が利いた。

 

ザナックとガゼフは商人だったと知って驚いたが、バルブロは違った。

 

「父上!その商人を、王城に招待しましょう!」

 

「ほぅ・・・招待してどうするのだ?」

 

国王は、バルブロが正しい事を言うように願った。

 

「金銭を渡して、依頼の功績を譲ってもらいます!」

 

国王は、ザナックの方を見た。

 

「あっ・・・ザナックよ!私には、バルブロが商人から功績を奪うと言ったように聞こえたが・・・」

 

ザナックは、頭に手を当ててから話し始めた。

 

「私にも、そう聞こえました」

 

バルブロは、商人なら買収できると考えていた。

 

「父上!奪うのではありません!八本指の残党から守る為に、私が代わりに依頼主だと名乗るのです!」

 

国王は、ため息を漏らした。

 

会議の途中だったが、レエブンが緊急の報告があると言って執務室に入ってきた。

 

「レエブン侯よ。どうした?」

 

「陛下。この書類の確認を、お願い致します。これは、八本指のアジトにあった暗号化されていた書類を解読したものです」

 

国王は、書類を読んで驚いた。

 

「なんだと!?バルブロよ!八本指から賄賂を受けとったのか!?」

 

バルブロは、身に覚えがなかったので激怒した。

 

「私は、八本指から賄賂など受け取ってはいません!?レエブン侯!絶対に、解読ミスだぁ!解読した者を、呼び出せ!」

 

「王城の大掃除の際に出たゴミを回収する業者を選ぶ際に、バルブロが便宜を図った事になっている!」

 

「ゴミ回収の業者です!伯爵からの紹介で会った業者から、大掃除の際に便宜を図って欲しいと頼まれただけです!八本指では、ありません!」

 

レエブンは、書類を見ながら話し始めた。

 

「八本指は、回収業者に扮して王城の警備兵の位置と構造について調査していたようです」

 

国王は、疑問に思った事を質問した。

 

「レエブン侯よ!何の為にだ!」

 

「八本指のアジトには、詳しい書類はなかったので推測になりますが、構成員達が王城の構造を直接確認して何かを盗む予定だったのかもしれません。賄賂を渡した貴族達から構造の詳細を聞くよりも確実ですので・・・」

 

「父上!私は、知らなかったのです!八本指と知っていれば、受け取っていません!その回収業者を使ったのは、大掃除の一度だけです!それに・・・業者は、裏庭にあるゴミ収集所しか入れないと聞いています!」

 

レエブンは、暗い表情で話し始めた。

 

「大掃除の際に・・・メイドの立ち会いで、壊れたソファーと厨房にある壊れた棚を運び出す為に4名の業者が建物の中に入っています」

 

「運び出したのは、何処の部屋のソファーだ?」

 

「はっ!ラナー王女の部屋の・・・隣室の控え室です」

 

国王は、激怒した。

 

「皆!心して聞け!」

 

バルブロとザナックとレエブンは、普段とは違う国王の雰囲気に気負った。

 

ガゼフは、真剣な表情で静観している。

 

「ザナックよ。私は、八本指の残党の討伐が終わってから、ザナックを次期国王に指名する。レエブン侯は、貴族達を集めて会議を開く段取りをせよ!」

 

ザナックとレエブンは、国王が決心を固めた表情をしていたので返事をした。

 

「私は、バルブロに王位に就いて欲しかった!智者から学べば、きっと良き国王になれると思っていた!ぐっ!」

 

バルブロは、鬼の形相で話し始めた。

 

「もしかして!?レエブン侯の策略か!?父上!レエブン侯は、王族派閥と貴族派閥の立ち位置を変えて蝙蝠と呼ばれている人物です!その情報は、改ざんされている可能性も有ります!私が便宜を図った回収業者は、起業してから半年程で倒産したと聞いていますので、調査が難しい事を知ってから利用したのでしょう!」

 

その場に居た者達は、怒りを通り越して呆れた。

 

「レエブン侯!誰に頼まれた!」

 

バルブロは、ある考えが浮かんだ。

 

「もしかして、ゴウン殿の命令か?ゴウン殿が、戦闘中に提案した事を怒っているのか?」

 

「ガゼフよ!バルブロは、体調を崩したようだ・・・警備兵に、自宅まで送らせよ!」

 

「はっ!すぐに準備します!」

 

バルブロは、警備兵と一緒に執務室を出ていった。

 

「レエブン侯よ。暗号を解読した担当者には、特別手当を渡してから3週間の休暇を与えよ」

 

「畏まりました」

 

レエブンは、お辞儀をしてから執務室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

国王は、ザナック達が執務室から出ていってからガゼフに話しかけた。

 

「ガゼフよ。今まで、支えてくれてありがとう。礼を言う」

 

「陛下!私は最後まで、陛下の側にいます!」

 

「ガゼフの力は、ザナックの為に使って欲しい」

 

国王の表情は、とても晴れやかな表情だった。

 

「しかし・・・私はっ」

 

「私が退位を決めたのは、八本指の討伐の依頼主の話を聞いた時だ。私にできなかった決断をしたラナーと商人と討伐を実行した冒険者達・・・王国は、その者達によって救われたのだ。ヤルダバオトの件は、ゴウン殿がいなければどうしようもなかったが・・・」

 

「確かに、ラナー王女と商人と冒険者達によって王国は救われたと思います!ですが、私は政治の事は詳しくはありませんが、陛下がレエブン侯と一緒に動いていたから王族派閥と貴族派閥が衝突せずに均衡を保てたのだと思っています!」

 

「ありがとう」

 

国王の表情は、笑顔だった。

 

「まだ、王国には、ヤルダバオトの件と帝国との関係という重大な問題が残っている。ガゼフには、ザナックを支えるのと王国を護る事を頼みたい」

 

ガゼフは、国王が望むのは王国の安泰だと思った。

 

「畏まりました」

 

国王は、気が楽になる感じがした。

 

 

 

 

 

 

 

 

王城では、譲渡の式典が行われた。

 

式典の会場では、王族や貴族や冒険者等の多くの者達が居る。

 

「ヤルダバオトを撃退してくれた。王国の恩人であるアインズ・ウール・ゴウン殿に、五宝物を譲渡する!」

 

国王が、譲渡証書をアインズに手渡した。

 

アインズは、会場全体に聞こえるように、声を大きくする魔法を使用して話した。

 

「私は、ヤルダバオトを取り逃がしてしまったが、次にヤルダバオトが私の目の前に表れた時には必ず討ち取ると誓う!」

 

拍手喝采が起こったので、アインズは手を振って応えた。

 

式典が終わった後に、八本指の討伐に参加した冒険者達の勲章の贈呈式が行われた。

 

贈呈式の司会が、挨拶をした。

 

「贈呈式では、八本指の討伐に参加した冒険者の方々に、勲章型のメダルを贈呈します。依頼主のラナー王女は、体調不良で欠席です。体調が回復後に、勲章型のメダルの贈呈式を王族だけで行います」

 

冒険者達は、ラナーの体調を心配した。

 

「討伐に参加した冒険者で、4名の方が討伐任務中に重症を負って休養中ですので、回復後に王城で贈呈式を行います」

 

贈呈式は、冒険者の名前を読み上げてからザナックが勲章型のメダルを対面で渡した。

 

アインズとアルベドと冒険者達は、式典と贈呈式が終わってから王都内を馬車で移動した。

 

王都の民衆から歓喜の声援が送られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガゼフは、式典と贈呈式が終わってから国王からの王令が出されたので、八本指の残党の捜索を開始した。

 

ガゼフが、八本指と関わりが強いと噂されていた伯爵家の屋敷の前に着くと、伯爵家の当主が出てきた。

 

「戦士長殿。式典から屋敷に帰ると、賊が侵入していたので私兵に討伐させました」

 

「あっ・・・賊の確認をさせて頂きたい!」

 

ガゼフは、政治的なやり取りは苦手だった。

 

「もちろんです」

 

八本指と繋がりがあったと噂されていた貴族達の屋敷や別荘等から55人の八本指の構成員と思われる遺体が見つかった。

 

国王は、八本指から賄賂を受け取っていた貴族達を捕まえると王国が混乱すると考えたので、深い調査は命じなかった。

 

それと同時に、八本指と深い繋がりがあった貴族達に罰を与えると、バルブロも罰を受けることになると思った。

 

国王は、国を良くしようと決心を固めていたが、家族の事が絡むと決心が揺らいだ。

 

 

 

 

 

 

 

蒼の薔薇のメンバーは、八本指の残党が討伐されたと知らせを聞いてホテルのバーの個室で会議を開いていた。

 

「残党狩りは、予想通りだった」

 

「貴族達が、犯罪の証拠ごと消し去った」

 

「八本指は完全に消滅したが・・・八本指と関わっていた貴族達は、お咎め無しだもんなぁ〜」

 

王国の殆どの民衆は、王国の上層部に対して不信感を募らせていた。

 

「これから産まれてくる子供達の為に、明確な処分をするべきなのよ!」

 

ラキュースは、酒は飲んでいないが珍しく興奮していた。

 

「お父様が中心になって15人の貴族を集めて議題に挙げたけど、次期国王を決める会議で忙しいと言われて有耶無耶にされたそうよ!」

 

「おっ!これから、母親になろうとしている人間は違うねぇ〜」

 

ガガーランは、笑顔で話しかけた。

 

「鬼ボス!赤ちゃんできたのか?」

 

ラキュースは、頬を染めた。

 

「うーん、多分だけどまだかな?もしかしたら、私が気付いてないだけで、お腹の中にいるかも♪」

 

ラキュース達は盛り上がっているが、イビルアイは少し違った。

 

「イビルアイ?どうかしたのか?」

 

「皆に、聞いて欲しい事がある」

 

イビルアイは、アインズがイビルアイを人間に戻す為に、貴重なマジックアイテムを使う事を話した。

 

「人間に戻れるのか・・・凄えなぁ!」

 

「そんなマジックアイテムがあるなんて・・・」

 

「世界は、広いなぁ・・・」

 

「そんなに凄いマジックアイテムを持ってるなんて、ゴウン家は何処かの国の王族だったとか?」

 

イビルアイは、少しだけ考えてから答えた。

 

「ゴウン家の事については、まだ話を聞けていないが・・・王族だとしても驚かない」

 

ラキュースは、イビルアイの肩に手を当ててから答える。

 

「イビルアイとは、ママ友になれるかもしれないわね♪」

 

「ママ友かぁ・・・考えた事がなかったなぁ〜」

 

ガガーランは、酒を一口だけ飲んでから話し始めた。

 

「ラキュースは結婚したらロール商会で働いて、イビルアイは人間に戻って結婚!蒼の薔薇は、どうする?正直2人が抜けたらオリハルコン級の冒険者クラスの実力しかないぜ」

 

アダマンタイトの冒険者を続けるには、それなりの実力が求められる。

 

実力が低下している状態でアダマンタイトを名乗ると、他の冒険者に示しが つかないので真剣に議論した。

 

話し合いの結果、蒼の薔薇の戦力が低下する事を冒険者組合に報告して改めてランクを決めてもらう事になった。

 

冒険者組合は、蒼の薔薇のメンバーが1人でも抜けた時点でオリハルコン級の冒険者に降格する事を決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインズは、王都の屋敷のリビングで皇帝から届いた礼状の件について相談をしていた。

 

「辺境伯の地位に就くようにと言ってくるとは・・・辺境伯は、帝国の中央政治から独立している領地ではありますが、帝国全体に影響を与える地位ではありません」

 

アルベドは、アインズが国の統治者と同等の地位に就く事を望んでいると思っている。

 

「その通りだ」

 

(領地で問題が起きたら、俺の責任問題になってしまう!王国の王族と同等の地位みたいなのが理想だな!)

 

「まぁ、アインズ様が、辺境伯の叙爵の話を断る事を見越していて、皇帝が帝国の恩人として特別な地位を用意する流れでしょうが・・・」

 

(えっ!そういう感じかぁ・・・まぁ、マジックアイテムを渡した功績だけでは、皇帝と同等の地位は与えられないよね)

 

「いきなり特別な地位を用意すると、貴族や民衆の一部から不満が出るだろうからなぁ・・・」

 

アインズは、リビングの窓から夜空を見上げながら今後の事を考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラキュースとカルは、新居に引っ越しをしていた。

 

前日にアインドラ家の使用人達が荷物を運んでくれていたのと、引っ越しの手伝いをガガーランとアルシェがしてくれたので夕方には終わった。

 

蒼の薔薇の他のメンバーは、個別に急ぎの依頼がきたので手伝いができなかった。

 

新居のリビングで、ガガーランがラキュースに話しかけた。

 

「しかしよぉ〜。新居が、ロールの実家の隣の家とはなぁ~。去年結婚した後輩の冒険者は、旦那の実家が近いと色々と小言言われそうだからと言って、実家から離れた場所に家を構えていたぞ」

 

ラキュースとカルは、カルの実家の隣の家を購入した。

 

「まぁ、色々な考え方があるわね。私は、カルさんのお父様とお母様から沢山学びたいのと義妹達とも仲良くなりたいから♪」

 

2人が、楽しく会話しているとカルとアルシェが、ロールの実家から取ってきた弁当と飲み物を持ってリビングに入ってきた。

 

「引っ越しパーティーだなぁ!」

 

「そうねぇ〜」

 

4人は、飲み物で乾杯をしてから夕食の弁当を食べた。

 

「ラキュースの旦那さんは、八本指の討伐依頼の事を公表しないのか?」

 

ガガーランは、気になってた事を質問した。

 

「八本指は、完全に消滅したんだから公表しても問題はないだろ?」

 

ラキュースとアルシェは、カルの方を見た。

 

「公表はしません。もともとは、ラキュースさんが八本指と命を懸けて戦うと聞いてから、漆黒に八本指の討伐を依頼したので、ラキュースさんが無事な事が嬉しいんです」

 

「カルさん♪」

 

ガガーランは、ラキュースとカルの様子を見て質問するのをやめた。

 

カルは、暗い表情で俯いてから話し始めた。

 

「けど・・・討伐に参加した冒険者の方々に死者はいませんが・・・重症を負ってしまった方が、4人いると聞いています」

 

ガガーランは、真剣な表情で話し始めた。

 

「その4人は、冒険者組合が治療費を全額出している。完治には、2ヶ月程かかるらしい。まぁ、完治するまでは無収入だからなぁ~。気になるなら、復帰してからロール商会で依頼してやれよ。4人は、一緒のプラチナ級の冒険者チームだからな!」

 

重症を負ったのは、プラチナ級の冒険者チームのメンバーで、暗殺部門のアジトに乗り込んだ時に反撃されて重症を負った。

 

「はい!会長と相談してから依頼します!」

 

カルは、笑顔で答えた。

 

「ラキュースは、良い旦那さんを捕まえたな!」

 

「えぇ・・・まだ、婚約者だけどね♪早く、結婚式を挙げて夫婦になりたいわ♪」

 

「結婚式が、楽しみです」

 

4人は、楽しく過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

式典と贈呈式が、終わってから10日が経った。

 

アールビアは、帝都からロール商会の従業員達と一緒に王都のロール商会の本店に戻った。

 

クーデリカとウレイリカは、アルシェの姿が見えたので抱きついた。

 

「お姉様♪会いたかった♪」

 

「やっと会えた♪」

 

「ごめんね。会いに行けなくて・・・けど、元気そうで良かった」

 

アルシェとイミーナは、妹達とフォーサイトのメンバーとの再会を喜んだ。

 

フォーサイトに新しく加入したエルフ達は、問題なく受け入れられていた。

 

1時間後に、会長室で会議が開かれた。

 

会議の参加者は、サンキとアールビアとカルとラキュースとアルシェである。

 

ラキュースは、冒険者の依頼がない時はロール商会の経営について学んでいる。

 

「会長。帝都での開業計画は、中止しました。帝都で、店を畳んで在庫を抱えていた家具屋と武器屋から買い取った商品は、エ・ランテルの店舗で販売をするように指示しています」

 

アルシェは、帝都での開業計画を中止した理由が気になった。

 

アルシェは、アルシェ達を養子に迎える為に使用した840枚の金貨は、ロール家と商会の従業員に何か問題が発生した時の予備費から出しているので、開業計画には問題ないと説明されている。

 

「代行。なぜ中止にしたんですか?」

 

アールビアは、優しく微笑んでからサンキの方を見た。

 

「会長。理由を、話しても良いですね」

 

「私から話そう」

 

サンキは、腕を組んでから真剣な表情で話し始めたので、カル達も真剣に聞いた。

 

「この事は、私と代行とロク商会の会長しか知らない事だ。帝都での計画の本当の目的は、ロール商会とロク商会の従業員達と家族を帝都に逃がす為の準備だった」

 

王国は、八本指と帝国との戦争で疲弊していたので、数年以内に敗戦するか八本指が国の実権を握っていた可能性が高かった。

 

「私達は、10年いや・・・早ければ5年後には、王国は崩壊するだろうと考えた。商会から商品を強奪した八本指の構成員を役人が捕まえてもすぐに釈放されているのと、上層部の指示ですぐに釈放するので役人達の意欲が低下して治安が悪化していた」

 

貴族であるラキュースは、王国で有名なロール商会とロク商会が王国を見捨てる考えだった事を知って複雑な心境だった。

 

「だが、カルが漆黒に依頼して、ラナー王女がラキュースさんや冒険者の皆さんに依頼して八本指を討伐してくれた。私達には、できなかった事をしてくれた。八本指の討伐に参加してくれた、皆さんには感謝の言葉しかない。私達は、器が小さかった」

 

「カルとラキュースさんは王国の人達の事を考えていて、私達は従業員と家族の事しか考えてなかったわ」

 

カルは、慌てながら話し始めた。

 

「俺は、ラキュースさんの事しか考えてなかった!ラキュースさんが、八本指の拡大を防ぐ為に動くと聞いて、俺にできる事はないかと考えて漆黒に依頼したんだ!正直に言うと、王国の事や父さんと母さんの事とか考えてなかった・・・ごめん」

 

ラキュースは、両親の事を考えていなかったという言葉が気になったが、カルの話をうっとりとした表情で聞いた。

 

サンキ達は会議中だったが、カルとラキュースの様子を見て笑顔になった。

 

「カルが、ラキュースさんを想う気持ちが王国を救ったという事にしておこう。私達、家族だけの秘密だがなぁ~」

 

アールビアとアルシェは、笑顔で返事をした。

 

アールビアは、帝都での活動の報告が終わってからアルシェの方を見て話し始めた。

 

「アルシェ。ご両親に、会いたくなったらすぐに言いなさい。フォーサイトの皆さんに、帝都まで送ってもらうから・・・」 

 

アルシェは、笑顔で答えた。

 

「ありがとうございます。けど、会いに行くよりも手紙を送ったりして、距離を縮めていけたらと思います」

 

アルシェの本当の両親は、ヤルダバオトの復活の際に犠牲になっている。

 

王都の冒険者組合は、ヤルダバオトの件で混乱していたので、帝都に知らせるのが大幅に遅れた。

 

冒険者組合の職員は、本人達が帝国貴族を名乗っていたので、帝都の役所に貴族のフルト家の事を確認した。

 

役所は、古い記録までは確認をしていなかったので、フルトという貴族はいないと伝えた。

 

王都の冒険者組合は、身元不明だったがヤルダバオトの犠牲者なので丁重に埋葬した。

 

アルシェ達は、その事実を知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロール家のキッチンで、アールビアとアルシェとクーデリカとウレイリカは、楽しく夕食を作っていた。

 

「お姉様。野菜を洗うね♪」

 

「私は、鍋を用意するね♪」

 

夕食を作り終わったら、サンキが帰ってきた。

 

「お義父様。おかえりなさい♪」

 

「おかえりなさい♪」

 

「ただいま」

 

サンキには、クーデリカとウレイリカが天使のように見えた。

 

サンキは、アルシェに話しかけた。

 

「アルシェ。ストロノーフ様から手紙が届いた。内容は、次期国王を選ぶ会議が忙しくて、夕食の招待は少し後にして欲しいと書いてあった。それと、アルシェの手料理を楽しみにしているとも書いてあったぞ」

 

アルシェは、食事会が後倒しになったのを残念に思ったが、手料理を楽しみにしてくれていると聞いて嬉しかった。

 

「はい!もっと料理が上手くなって、戦士長様に喜んでもらえるように頑張ります!」

 

話しを聞いていたアールビアは、アルシェに沢山の料理のレシピを教えようと心の中で思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインズとアルベドとイビルアイとパンドラは、王都から少し離れた森に来ていた。

 

「父上。周りには、誰もいません」

 

パンドラは、周囲の確認をしてから報告をした。

 

「うむ。キーノを、人間に戻す魔法を使用する」

 

イビルアイは、お辞儀をして仮面を外してから話し始めた。

 

「アインズ様。宜しくお願い致します!」

 

アインズは、シューティングスターを使用して、超位魔法のウィッシュ・アポン・ア・スターを発動してからイビルアイが人間に戻れるようにと願った。

 

美しい光が、イビルアイを包み込んだ。

 

「温かい・・・あっ!」

 

イビルアイは、自分自身の体の変化を感じた。

 

アインズは、イビルアイの変化を確認した。

 

「成功したようだな」

 

イビルアイは、自分自身の体温を感じて泣いた。

 

イビルアイは、感情が込み上っている状態だが、アインズにお礼の言葉を伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イビルアイは、落ち着いてからホテルに帰った。

 

イビルアイは冒険者の姿で仮面を外していて、パンドラはドッペルゲンガーの姿に戻っている。

 

「パンドラ様♪空気に触れるだけで、幸せを感じます♪それに、歩くと疲れるのですね♪忘れていました♪」

 

イビルアイは、笑顔でパンドラに話しかけた。

 

「キーノ。子供の話しだが、出産は命懸けと聞いている」

 

パンドラは、イビルアイを抱きしめながら話しを続けた。

 

「心の準備ができたら言って欲しい」

 

「子供が欲しいと言った時に、心の準備はできていました♪」

 

イビルアイは、入浴をしてからパンドラと一緒にベッドに入った。

 

パンドラは、濃厚なキスをした後にイビルアイの服を脱がしてから胸を優しく舐めた。

 

「あっん♪」

 

イビルアイは、パンドラが乳首を強く刺激したので声を上げた。

 

「あっ♪」

 

パンドラは、イビルアイのアソコを舐め回した。

 

「気持ちっ良い♪」

 

「キーノ。愛している」

 

「私もパンドラ様を愛しています♪」

 

2人は、抱きしめながらキスをした。

 

イビルアイは、顔を真っ赤にしながらパンドラを見つめた。

 

「パンドラ様に全てを捧げます♪」

 

「キーノの全てを大切にする」

 

パンドラは、イビルアイをうつ伏せにしてからお尻を舐め始めた。

 

「パンドラ様!?そこは!お尻ですっあぅ!」

 

イビルアイは、お尻の刺激に動揺した。

 

「イビルアイの全てをもらう!」

 

パンドラは、イビルアイのお尻を舐め続けた。

 

「はい♪あんっ!全てを捧げます♪あうっ♪」

 

2人は、激しく愛し合った。




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