ラキュースの部屋を覗く 作:カール
カルカ・ベサーレスの年齢は、24歳とさせて頂きます。
誘拐・脅迫的な表現がありますので注意をお願い致します。
アインズが、皇帝の相談役に任命されてから1ヶ月が経過した。
サンキとアールビアとカルとラキュースは、ロール商会の会長室で重要な会議を開いていた。
「カルよ。ロール商会の会長代理になる為には、店長達から認められないといけない」
「はい!」
カルは、真剣な表情で返事をした。
ロール商会は、王国全体に19店舗ある。
会長が不在の場合は、会長代理であるカルが大きな責任を背負う事になる。
アールビアは会長代行なので、会長の考えに沿ったやり方でしか権限を発揮できない。
「明日の会議で、店長達からの質問に正直に答えよ。嘘は、バレるぞ」
サンキは、笑顔で伝えた。
「分かった」
サンキは、カルが八本指の壊滅のきっかけになる依頼をした事を知ってから、カルに会長職を譲る事を決めた。
会長になる為には、店長達に認められて会長代理になってから1年以上の経験を積む事が必要である。
「カルは、事務の才能はあるが商売の才能はない。才能がなくても努力と周りの補佐があれば、やっていけるだろうと私は思っている」
「ありがとう・・・父さん」
アールビアは、ラキュースに話しかけた。
「ラキュースさん。カルの事をよろしくね」
ラキュースは、笑顔で答えた。
「はい!お任せ下さい!」
ラキュースの返事を聞いて、サンキとアールビアは安心をした。
サンキとアールビアは、ラキュースが会長になった方が良いのではないかと考えたが、ラキュースがカルの事を支えている姿を見て考えを改めた。
サンキとアールビアが自宅に帰ったら、アルシェとクーデリカとウレイリカが出迎えてくれた。
アルシェ達は、カルがロール商会の次期会長になる事に賛成している。
アルシェは将来の事を考えている途中で、クーデリカとウレイリカは花屋になりたいと言って、庭に花を植えて育てたり植物の本を読んで勉強をしている。
「クーデリカとウレイリカよ。植物の勉強は楽しいか?」
サンキが質問すると、2人は笑顔で返事をした。
「楽しいです♪」
「楽しいよ♪」
2人は、花は人を笑顔にする事ができるので花屋になって、沢山の人を笑顔にしたいと言った。
サンキ達は、出来る限り協力をしようと心の底から思った。
ロール商会の大会議室には、サンキとアールビアとカルとラキュースとロール商会の各店舗の店長が居る。
サンキが、カルを会長代理に指名する事を店長達に伝えた。
「カルちゃんが、会長代理かぁ〜。成長は、早いなぁ~」
「アインドラさんと婚約してから、目が輝いてるように見える」
「結婚は、人を変えるなぁ~」
ロール商会の店長達は、ゆるい感じの人達が多い。
ロール商会の本店の店長を務める高齢の女性であるルース・ツラバは、全体を見てから話し始めた。
「皆。会長代理を、決める大事な会議だよ♪」
店長達は、ルースの言葉を聞いて少しだけ考え始めた。
「ルースさん。あの質問を、するんですね?」
店長の1人が、ルースに話しかけた。
「もちろんだよ。カルちゃん。質問を、1つだけするから正直に答えてね♪」
カルは、緊張する事なく笑顔で返事をした。
「カルちゃんは、ロール商会と自分の家族。どちらが大事?両方を選ぶ選択肢はないよ♪」
カルは、ラキュースの方を見てから笑顔で話し始めた。
「自分の家族です」
ルースは、店長達の顔を見てから話し始めた。
「皆。カルちゃんを、ロール商会の会長代理として認めるよ♪反対意見はあるかい?」
店長達は、ゆるい感じで話し始めた。
「カルちゃんが、会長代理かぁ~。かなり支えないといけないなぁ〜」
「カルは、商売の才能がないからねぇ~。けど、会長に必要な心構えはある」
「そうそう。家族を大切にする事が、重要だからなぁ~」
ロール商会は、家族の事を優先している。
ロール商会の先代の会長が、仕事にのめり込んで家族関係が壊れたので、その失敗を教訓にしている。
ロール商会の家族の事を優先する姿勢は、強みでもあると同時に弱みでもある。
業務の負担が多くなるような、無理難題を言ってくる客の注文は断るようにしている。
負担が大きくなると、従業員達が家族と過ごす時間がなくなるからである。
断った事で、大口の取引がなくなって利益が減る事も多い。
ラキュースは、ロール商会の家族を大事にする姿勢をとても気に入っている。
会議が終わってから、カルとラキュースは帰宅した。
ラキュースは、帰宅してから戸締まりの確認と手洗いをしてから寝室に向かった。
「カルさん!格好よかった!」
ラキュースは、カルに抱きついた。
「えっ?ゆるい感じだったと思うのですが・・・皆。昔から知っているし・・・質問の答えもすぐに分かったので・・・」
ラキュースもロール商会の手伝いをしていたので、質問の答えは分かっていた。
「調子に乗らずに、落ち着いている所も格好良いです♪」
ラキュースは、カルにキスをした。
「カルさん♪明日は、お休みですので・・・その・・・しませんか♪」
カルは、晩御飯前ではあったが、食欲よりも性欲が強くなったので返事をした。
2人は、服を脱いでからベッドに入った。
「あんっ♪」
カルは、ラキュースの胸を舐め回した。
「あんっ♪あっうっ♪」
カルは、ラキュースのアソコを指で弄った。
「カルさん♪早く入れてっぅ♪あんっ♪」
カルは、勃起したペニスをラキュースのアソコに挿入した。
「あっ♪うんっ♪」
カルは、ペニスをラキュースの気持ちが良い場所に擦りつけた。
「ダメっ♪いっちゃう♪」
「ラキュースさん!もう!?出でっ」
カルは、射精した後もラキュースの胸とアソコを弄り続けた。
「ラキュースさん。愛していますっ!」
「はいっ♪私もカルさんを、愛しています♪」
2人は、両手を繋ぎながら愛を語り合った。
ガゼフ・ストロノーフは、王城の会議室で部下達からの報告を受けていた。
「貴族令嬢の護衛の担当者達からは、異状無しと報告がありました」
「見張り小屋からも、異状無しと報告がきました」
「分かった。聖王国の首都の周辺で悪魔の目撃情報が多数あると報告がきているが、陽動の可能性もあるので警戒を緩めないように伝えてくれ」
「了解しました!」
「警戒を緩めないように伝えます!」
ガゼフは、勤務が終わってからロール商会に向かった。
ガゼフは、元貴族の令嬢であるアルシェとクーデリカとウレイリカが、清らかな乙女の可能性があるのではないかと心配していたので勤務が終わってから立ち寄るようにしていた。
ガゼフは、元貴族の令嬢が清らかな乙女の可能性が高い場合は、アインズや国王が対策をするだろうと思っているので個人的に行動している。
ロール家とロール商会の人達は、ガゼフの事を心から歓迎している。
聖王国の首都のホバンスの王城で、聖王女のカルカ・ベサーレスとレメディオス・カストディオと10人の貴族がヤルダバオトの対策会議をしている。
「ご報告します。昨日の夕方に、ホバンスより東に13キロ程進んだ所にある森の周辺に50体前後の小型の悪魔が表れたと、哨戒中の部隊から報告がありました」
「被害は?」
「悪魔達は、戦闘をする事なく立ち去りましたので被害はありません」
カルカは、報告を聞いてから話し始めた。
「1ヶ月以上前からホバンスの周辺で、小型の悪魔達が様々な場所で目撃されています。ヤルダバオトは、ホバンスの周辺で何かをしているのは間違いありません」
貴族達は、自分の考えを述べた。
「清らかな乙女を探しているにしては、目撃された場所が森や山の麓なのが気になるなぁ・・・」
「清らかな乙女を誘拐するために、主力部隊をホバンスの外に誘い出す為の陽動でしょう」
「陽動か・・・だが、ホバンスの周辺で悪魔達が事件を起こしたら主力部隊を出撃させて討伐しないと、民衆の不安が爆発するのでは?」
「主力部隊を、支援する部隊が必要だな」
「国家総動員令までは必要はないと思うが、他の都市の部隊の一部をホバンスに移動させておくか・・・」
他の都市から部隊の一部を移動させて、ホバンスの防衛を強化する事を決定した。
ナザリックの執務室で、アインズとデミウルゴスが打ち合わせをしていた。
「昨日。ホバンスに、他の都市からの支援部隊が到着致しました。支援部隊の合計は2880人です」
「ホバンスの警備体制は、強化されたな」
「はい」
被害を最小減に抑える為に、ホバンスの周辺に悪魔達を出没させて警戒を促した。
「予定通りに、進めてくれ」
「畏まりました。明後日、ホバンスを急襲致します」
アインズは、気になる事があったのでデミウルゴスに尋ねた。
「デミウルゴスよ。カルカとの結婚についてだが・・・」
「はい。カルカを、虜にする計画の準備は万全です!」
「うむ。万全なら良い。結婚した場合は、カルカを大切にせよ」
「はっ!畏まりました!大切に、致します!」
デミウルゴスは、お辞儀をしてから部屋を出て行った。
(ウルベルトさん・・・ごめんなさい)
アインズは、デミウルゴスの結婚を止める考えが思い付かなかった。
カルカとレメディオスは、部下達と一緒に王城の執務室で打ち合わせをしていた。
「カルカ様。支援部隊の配備が、完了しました」
「分かりました」
打ち合わせの最中に、聖騎士団の副団長のグスターボ・モンタニェスが慌ただしく入室してきた。
「何かあったのか?」
「はっ!ご報告をします!ホバンスの東側に6000体前後の悪魔の集団が表れました!悪魔の体格は、成人男性の2倍です!」
カルカは、すぐに民衆を安全な建物の中に避難するように命令を出した。
悪魔達が、表れてから5時間が経過した。
時刻は、夕方になろうとしていた。
王城の作戦室には、カルカと上位の貴族達がいる。
「奇妙な叫び声を上げたり、変な光を放ったりと行動が読めん。今の所、進軍の気配はないようだが・・・」
悪魔達は、聖王国軍を精神的に追い詰める為に奇怪な行動をしている。
伝令が入室して、現状の報告をした。
「民衆は、建物の中に避難しました。貴族と王族の令嬢は、城の地下室で保護しています」
貴族の令嬢は、清らかな乙女の可能性が高いので厳重に保護している。
「分かった。聖王女様。対応は、どうされますか?」
カルカは、慎重に考えてから話し始めた。
「守りを固めて下さい。ヤルダバオトの狙いが、判明していません」
「畏まりました」
悪魔達との睨み合いが、夜通し続いた。
ホバンスに居る者達は、悪魔達の叫び声や怪しい光に怯えながら一晩過ごした。
レメディオスは、仮眠を終えてからホバンスの城壁にある指揮所に入った。
「悪魔共の現状は?」
「はっ!5キロ程離れた場所で、30分毎に奇怪な叫び声と怪しい光を放つ事を続けています!」
「分かった。皆。交代で朝食をとれ」
「了解しました」
レメディオスは、机の上に置かれたホバンス周辺の地図を見ながら考えた。
(悪魔共の狙いは、清らかな乙女だろう・・・カルカ様が、清らかな乙女だった場合は、カルカ様をヤルダバオトの所に連れて行くのだろう)
レメディオスは、団長が最前線に居ないと聖騎士団の士気が下がる可能性があるので、カルカの護衛につけなかった。
1時間後にホバンスの城壁付近に、体格が成人男性の3倍程の厳つい人相の悪魔が近付いてきた。
「悪魔よ!止まれ!」
城壁の兵士達は、弓を構えて威嚇した。
《私は、第2旅団の旅団長のビルジネスと申します。聖王国軍の代表に、伝えしたい事がありますので取り次ぎをお願いします》
ビルジネスは、魔法で声を大きくしてから話した。
レメディオスは、自分が交渉すると聖王国軍の幹部達に伝えて強引に交渉役になった。
「聖騎士団の団長のレメディオス・カストディオだ!要件を言え!」
レメディオスは、城壁の上から叫んだ。
《聖王国で最強と謳われるレメディオス・カストディオ団長殿ですか、お会いできて光栄です》
レメディオスは、悪魔が礼儀正しい態度をとっているので、何かを企んでいると思って警戒した。
「世辞はいらない!要件を言え!」
《分かりました。ホバンスに居る貴族の独身女性を、引き渡して頂きたい。そうすれば、ホバンスに居る者達の命は見逃してあげます》
レメディオスは、激怒した。
「ふざけっ!」
グスターボは、部下達にレメディオスを抑えるように命令をした。
「団長!落ち着いて下さい!」
「うるさい!離せ!」
ビルジネスは、その様子を見ながら話し始めた。
《交渉は、決裂ですね。2時間後に、総攻撃を開始します》
レメディオスは、ビルジネスが去ってからカルカの所に向かった。
カルカとレメディオスと上位の貴族達は、緊急の会議を開いた。
「第2旅団の旅団長のビルジネスかぁ・・・」
「聖王女様!全軍で、一気に叩きましょう!」
「ホバンスの中に、侵入されないように守りを固めるべきだ!悪魔共の狙いは、独身の貴族の女性なのだ!」
貴族達の一部は、自分達の家族が心配だった。
カルカは、決断を迫られた。
「皆。落ち着いて下さい」
その場の者達は、カルカの話に耳を傾けた。
「第2旅団の総攻撃は、防戦で対応して下さい。ですが、勝機が見えた際は主力部隊を投入して、第2旅団を壊滅させて下さい。主力部隊の投入の判断は、聖騎士団の団長のレメディオス・カストディオに一任します。冷静な判断を、お願いします」
カルカは、レメディオスが感情的になる事を知っているが、主力部隊を動かす時は聖王国最強と謳われているレメディオスが先頭に立った方が士気が上がると考えた。
「畏まりました!勝機が見えた時は、悪魔共を殲滅して灰に変えてみせます!」
レメディオスは、お辞儀をしてから会議室を出た。
2時間後に、第2旅団がホバンスの城壁のすぐ近くまで移動してきたので聖王国軍は弓矢で迎撃をした。
ビルジネスは、矢が飛んできた瞬間に全体に命令をした。
「炎の魔法を放て!」
悪魔達は、口から炎を出して弓矢を燃やした。
レメディオスと軍の幹部達は、城壁の上で戦況を確認している。
「矢が効かないとはやっかいだ」
「だが、進軍はゆっくりで、魔法を兵士に向けてこない」
「清らかな乙女を傷つけないように、慎重に進軍をしているのだろう」
レメディオスと軍の幹部達は、上空に表れた30体の翼がある小型の悪魔に気が付いた。
「小型の悪魔が、何かを叫んでいるな」
皆は、耳を傾けて聞いた。
小型の悪魔達は、第2旅団の上空で叫んでいた。
「ヤルダバオト様からの命令である!第2旅団はカリンシャに移動して、第1旅団と合流せよ!急げ!遅れた者は殺す!」
第2旅団が混乱しながら移動を始めたので、レメディオスは総攻撃を命じた。
「悪魔共を、カリンシャに行かせてはならん!」
聖王国軍と聖騎士団の主力部隊は、城壁から出撃して次々と悪魔達を倒していった。
レメディオスは、悪魔達が仲間が倒れても移動をする事に集中しているのは、ヤルダバオトの命令に怯えているからだと思った。
グスターボは、ある事に気が付いたので、レメディオスに報告をした。
「団長!ホバンスから離れ過ぎです!ホバンスには、後方支援の部隊しか居ません!もしも、これが罠だった場合は別働隊がホバンスを襲撃する可能性もあります!」
レメディオスは、冷静になってホバンスに戻るように命令をした。
レメディオス達が、主力部隊をまとめてホバンスに戻ると、ホバンスは怪我人で溢れていた。
「ぐっ!」
レメディオスは、カルカの無事を確認しに王城の会議室に行った。
「カルカ様は、ご無事か!?」
レメディオスは、会議室の前でカルカの護衛を担当している兵士に確認した。
「はっ!聖王女様は、ご無事です!」
レメディオスは、安心をした。
カルカ達は、状況を確認してから会議を開いた。
「主力部隊が、出撃して30分程してから上空から羽を生やした悪魔が600体以上降りてきて、避難所の扉や窓を破壊して回りました。破壊後は、特に何もせずに去っていきました。まだ把握途中ですが、逃げる際に怪我をした者が8000人以上いると思われます。今の所、死者の報告はありません。貴族の令嬢達も無事です」
貴族達は、報告を聞いてから話し始めた。
「悪魔達が、城に侵入していないのが気になりますなぁ・・・」
「貴族の令嬢を探すなら、城内を探すと思うのだが?」
「別動隊の指揮官が、無能なのだろう。それよりも、悪魔達の陽動に引っかかった事に対する処分を決定する事が重要だと思う。旅団長のビルジネスを、討ち取れなかった事も含めてだがな!」
その場の者達は、レメディオスの方を見た。
「全て私の責任です!申し訳ありません!」
レメディオスは、頭を下げた。
カルカは、その様子を見てから話し始めた。
「レメディオスに、権限を与えたのは私です」
カルカの言葉に、貴族達が反応した。
「聖王女様!聖王女様の任命責任が問題になったら、南部の貴族達が何を言い出すか分かりませんぞぉ!」
「南部の貴族達と揉め事を起こしたら、ヤルダバオトの対応に支障をきたします!」
北部と南部の貴族達は、対立関係にあった。
レメディオスは、ある程度の状況を理解しているので責任を背負う覚悟だった。
「カルカ様。私が、判断を間違えました!」
カルカは、何も言えなかった。
「処分は、ヤルダバオトを討伐してから決めましょう」
「そうですな。念の為に、カリンシャには伝令を向かわせた。まぁ、陽動の可能性が高いと思うがな」
「聖王女様。王国のアインズ・ウール・ゴウン殿に、国書を送っておいた方が良いのでは?」
会議では、アインズに国書を送る事と聖王国全体にヤルダバオトを警戒するように伝令を送る事が決定した。
カルカは、会議が終わってから自室に帰った。
(何か・・・変な感じがする)
カルカは、部屋に少しだけ違和感を感じたので、部屋の外にいる兵士を呼ぼうとしたら、目の前に翼がある成人男性と同じくらいの体格の悪魔が表れた。
「悪魔がっ」
兵士達が部屋の中に入ったら、悪魔がカルカの両手を縄で縛っていた。
「聖王女様!?」
「聖王女様を離せ!」
悪魔は、翼を広げて窓から飛んでいった。
レメディオスは、知らせを聞いて100人の聖騎士を集めて捜索に出た。
カルカは、第四位階の魔法で安寧の権天使を召喚する事は可能だが、上空なのと両手を縛られているので抵抗する事を諦めた。
(脱出の機会は、必ずあるはず!)
カルカが、脱出の機会をうかがっていると悪魔が転移をした。
「えっ!?」
カルカが周りを確認すると、屋敷の広いリビングだった。
リビングは清潔で明かりもあって、テーブルとソファが置いてあった。
悪魔は、カルカの両手の縄を解いてからリビングのドアを開けた。
「聖王女様を、お連れしました」
リビングに、緑色の仮面をつけた黒い羽根がある悪魔が入ってきた。
「聖王女様。私は、ヤルダバオトと申します」
「ヤルダバオト!?」
「聖王女様。立ち話もなんですので、ソファにお掛けになってください」
カルカは、警戒したがソファに座る事にした。
ヤルダバオトも、ソファに座ってから話し始めた。
「まずは、ホバンスの襲撃と聖王女様を誘拐した事をお詫びします」
「謝罪は、怪我をした軍人と民衆にするべきです!そして、誘拐した事を謝罪するなら今すぐに解放しなさい!それに、此処は何処なのですか!」
カルカは、毅然とした態度で言った。
「此処は、ホバンスより東に13キロ程進んだ所にある森の中です」
「えっ!」
カルカは、悪魔が目撃された場所だと思った。
(ここなら、レメディオスや軍が発見する可能性があるわね!)
カルカは、冷静になって考えた。
「マジックアイテムを使用して、この屋敷は外からは見えないようになっています。5メートル程まで近づけば、見えてしまう事が弱点です」
(えっ!見えないの!確かに、森の中に屋敷が建ってたら哨戒中の兵士が気が付くわよね!?)
カルカは、屋敷が発見される可能性は低いと考えた。
「私を、解放しなさい!」
「申し訳ありません。この屋敷に、夜明けまで居て頂きたいのです。その後は、ホバンスまでお送りします」
カルカは、ヤルダバオトの目的が清らかな乙女を殺害する事だと思っているので恐怖した。
「それは・・・私を、夜明けに殺害して強力な力を得た後で、私の遺体をホバンスに届けるという意味かしら?」
カルカは、恐怖心を抑えながら質問をした。
「はい。そうです」
カルカは、ヤルダバオトが嘘を言っているようには思えなかった。
(レメディオスが、言っていた通りだったわ!しかも、夜明け!何かの制約とかかしら!?)
カルカは、自分が清らかな乙女だった場合は、最悪の場合は自らの命を断つ覚悟だった。
カルカは、第四位階魔法を使用できるので、ヤルダバオトが使用する第六位階魔法が強力な魔法である事を知っている。
ヤルダバオトが、それ以上の力を得たら聖王国や周辺諸国が大変な事になると思っている。
「聖王女様が自ら命を絶った場合は、悪魔として復活させて差し上げます。悪魔になった聖王女様に、聖王国を滅ぼせと命令をします」
カルカは、激怒した。
「ぐっ・・・この悪魔!」
ヤルダバオトは、笑いながら話した。
「私は、悪魔ですよ。面白い冗談ですね」
カルカは、悔しい表情をした。
「清らかな乙女を、見つけるのには苦労しました。清らかな乙女は、1000万人に1人いるかいないかです」
「えっ!?」
カルカは、清らかな乙女が極めて稀な存在だと知って驚いた。
「最初に目を付けたのは、王国の蒼の薔薇のリーダーであるアインドラ殿なのですが、アインドラ殿にはカル・ロール殿という商人の婚約者がいました。アインドラ殿は19歳で、ロール殿は22歳・・・人間は、16歳から23歳くらいで婚約や結婚をするそうですね」
(アインドラ殿には、商人の婚約者がいたのね・・・それに、婚約者がいれば、清らかな乙女ではなくなるのね!)
「王国の民衆は、ラナー王女が清らかな乙女ではないかと噂をしているようですが、ラナー王女は従者のクライム殿と結婚して平民になってますからね」
「えっ!結婚!病気で療養中のはずでは!?」
カルカは、ラナーの件を聞いて驚いた。
「ご存じではありませんでしたか・・・申し訳ありませんが、私は用事がありますので屋敷を離れます」
ヤルダバオトは、お辞儀をしてから部屋を出た。
カルカは、悪魔達に監視された。
カルカは、リビングで手紙を書いている振りをしながら脱出の手段を考えていた。
(リビングに2体、ドアの外に1体の悪魔が居る。安寧の権天使を、召喚しても3体を同時に倒せる可能性は低い。それに、屋敷の外にも悪魔達が居るだろうから・・・)
カルカは、疲れと不安で弱りかけていた。
(夜明けまで、後30分くらいかしら・・・まだ!やりたい事がいっぱいあるわ!結婚とか!結婚とか!結婚とか!)
カルカは、ヤルダバオトが話していた言葉を思い出した。
(何が!16歳から23歳くらいで婚約や結婚をするそうですね!よっ!ふざけないでよ!私は、24っ!?)
カルカが混乱していると、リビングに居る悪魔達が会話を始めた。
「そういえば、清らかな乙女の条件は特殊な女で、処女である事と婚約や結婚をしていない事だったな」
「そう聞いているが・・・どうかしたのか?」
「つまり、尻の穴にペニスを突っ込んでも清らかな乙女のままなんだよなぁ!」
「そうだな。という事は、ペニスを舐めても清らかな乙女のままだな!」
カルカは、悪魔達の下品な会話を聞きながらペンを握りしめた。
(こんな奴等に、いいようにされてたまるもんですか!)
悪魔達は、笑いながらカルカに話しかけた。
「聖王女様。疲れているようですし休憩されては?」
「ベッドの上で、マッサージを受けてみませんか?」
カルカは、怒りの表情になった。
「お断りします!」
悪魔が、笑いながら話した。
「聖王女様には、夜明けと同時に発動する即死魔法がかけられているんですよ!」
「えっ!?」
別の悪魔は、焦って話し始めた。
「それは、言ったらダメなやつだろ!」
「大丈夫だ!今さら処女を捧げる相手も婚約や結婚する相手もいないだろ!」
「そうだな!」
「ふざけないで!そんな魔法!聞いたことがないわぁ!」
「人間達は、第六位階魔法の事を詳しくは知らないんだろ?」
カルカは、第六位階魔法の事を詳しくは知らないので混乱していたら、屋敷の外が騒がしくなっている事に気が付いた。
「敵襲だ!召喚された天使が外で暴れている!」
リビングに入ってきた悪魔が、慌ただしく叫んだ。
「聖王女を、別の隠れ家に転移させる!」
カルカは、リビングに入ってきた悪魔と一緒に転移した。
カルカは、リビングに入ってきた悪魔の声に聞き覚えがあった。
「聖王女を、別の隠れ家に転移させる!」
(もしかして、ゴウン殿?)
カルカは、悪魔と一緒に転移した。
転移した先は、屋敷のリビングだった。
「聖王女様。救出が遅れて、申し訳ありません」
デミウルゴスは、変身を解いた。
「ゴウン殿!」
「此処は、私がホバンスで借りている屋敷です。お怪我は、ありませんか?」
「怪我ではないのですが、夜明けと同時に即死する魔法がかけられています!解除条件は、その・・・」
「何ですか?」
「こっ!婚約か結婚する事です!」
カルカは、処女を捧げるとは言えなかった。
デミウルゴスは、リビングの窓から空を確認した。
「夜明けまで、後少し・・・」
デミウルゴスは、カルカの目を見ながら話し始めた。
「カルカ・ベサーレス様。私と結婚して下さい!」
カルカは、頬を赤く染めてから返事をした。
「はい」
カルカの体が、魔法の光に包まれた。
「解除されたみたいですね」
「そのようですね」
リビングの窓に、朝日が入ってきて2人を照らした。
レメディオスは、カルカの捜索を続けていた。
「30分程休憩したら捜索を再開する!」
レメディオスが休憩をしていると、ホバンスから伝令が表れた。
「ご報告します!聖王女様が、ホバンスに帰られました!怪我等は、ないそうです!デミウルゴス・ウール・ゴウン殿が、救出されました!」
「そうか!良かった!ゴウン殿には、感謝の言葉しかない!」
「聖王女様が閉じ込められていた屋敷には、ホバンスより聖王国軍が向かいました!」
「分かった!休憩は、終わりだぁ!ホバンスに帰る!」
レメディオスは、ホバンスに帰ってからカルカとデミウルゴスが婚約したと聞いて驚きを隠せなかった。
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