ラキュースの部屋を覗く 作:カール
蒼の薔薇は、王都から離れた所にある都市のホテルのバーで打ち上げをしていた。
「3日振りの酒は美味いなぁー!うっー!」
ガガーランは、任務中は酒が飲めなかったので開放されて嬉しそうだった。
「鬼ボス?何かあった?」
「そういえば、今日中に王都に帰れないかなとか言ってたな?けど、3時間程長引いたからなぁ」
イビルアイは、少し考えてから質問をした。
「明日。何かあったのか?予定では、3日後まで依頼は無かったはずだが?」
ラキュースは頬を染めながら、小声で話し始める。
「特に、理由はないの・・・ただ単に王都に帰れたらなぁと思っただけよ」
ラキュースは、任務中は的確な指示を出していたが、任務が終わってからは何処か遠くを見るような感じになった。
「おい!全員個室に移動するぞ!」
「えっ?」
皆は、バーの個室に移動した。
「鬼ボス!王都で何か楽しいイベントでもあるのか?」
「無いわよ」
「王女からの極秘の依頼か?」
「今の所は、無いわよ」
ガガーランは、趣味や仕事の話では無いと思った。
「ラキュースよぉ~。あたい達は、任務中は命を預け合う仲だ!それは、分かるな?」
「分かってるわよ!」
「誰か、会いたい男がいるんだな?」
ラキュースは、両手で顔を隠して下を向いた。
「鬼リーダー!相手は?」
ティアとティナは、興味津々だったが、イビルアイは違った。
「恋愛よりも八本指を壊滅させて、この国を救う方が大切だろ」
ガガーランは、腕を組んでから言った。
「おいおい。恋愛と国を救うのは話が違うだろ」
イビルアイは、少しだけ考えてから話し始めた。
「王国の治安が更に悪くなったら、恋愛どころの話ではなくなるだろ?」
ガガーランは、酒を一口飲んでから話し始めた。
「まぁ、その話は置いておいて、相手は誰だ?貴族か?冒険者か?」
ラキュースは、顔を真赤にしながら答えた。
「あの・・・恋愛じゃないのよ・・・1ヶ月くらい前から、ホテルの廊下で何回かすれ違って挨拶したり、少しだけお話しているだけなの・・・カル・ロールさん・・・ロール商会の跡取り息子で、独身の22歳で・・・隣の部屋に宿泊しているの・・・」
「鬼リーダー!出会った時の第一印象は?」
「えっ!?そうねぇ・・・ロール商会の跡取り息子がホテルに、宿泊しているのは少し変かなぁと思ったわね」
「えっ!ふつーだ。一目惚れじゃないのか」
ガガーランは、ラキュースが暗示をかけられて操られたりしてないか心配だったが、時間をかけて心境が変わったなら、その可能性は低いと思った。
「で!?いつ頃から、意識をするようになったんだい!」
「そうね・・・1週間前に、ロール商会が開くイベントに一緒に行きませんかと誘われたときに、少し気になったの・・・」
「なるほどな!つまり!挨拶する程度の関係だった男から、突然デートを申し込まれたから、意識したんだなぁ~!」
「多分・・・そうなのかな?分からない」
イビルアイは、思った事を口にした。
「ロール商会は、武器とか馬車とか家具や食器まで幅広く扱っている。宣伝効果の為に誘われた可能性もありそうだな」
「おいおい!まぁ、ゼロじゃないけどよぉ~。相手も22歳の独身で、有名なロール商会の跡取り息子だぜぇ。王国じゃあ、17歳から22歳くらいでだいたいの人は結婚しているのだから、結婚を焦ってラキュースにアタックしたのかもしれないぞ!」
「結婚!?」
蒼の薔薇のメンバーは、ラキュースは貴族なので数年後にはお見合いとかで、結婚を無理強いされる事もあるかもしれないと思っていたので、ラキュースが好きな人と結婚出来るなら、それが良いと思っていた。
だが、これはカルがラキュースにかけた催眠で、ゆっくりと自分の事を好きになってもらう為にした事であった。
もしも、急にラキュースが変わったら蒼の薔薇のメンバーは催眠や洗脳を疑って、専門家の所にラキュースを連れて行った可能性が高い。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
カル・ロールの年齢を、22歳に変更しました。ご理解の程宜しくお願い致します。