オオゾラ達はホエルオーの口の中を進んでいった。
「お待ちください!」
そこへツツジとナギもやって来た。
「ツツジお姉ちゃん?」
「私も付いて行きますわ」
「おいおい、これは遊びじゃねえんだぜ?」
「分かってます、でも、どうしてもこの子が心配で・・・」
そう言ってツツジが少年を後ろから抱き締めた。
「私達も見ているだけでなく役に立ちたいのです」
ナギがポケモンの力になりたいのだと言った。
「やれやれ、まあ人数は多い方がいいしな、気を付けて行くんだぜ!」
アオギリと一緒にホエルオーの体内を歩いていく。ルナトーンが灯りになって道のりを照らしていた。
「大分、奥まで来たな」
ホエルオーの胃袋の辺りまで進んでいた。ここで異変が無いか辺りを見渡していく。
「あれ、何かいるよ!」
ランが何かがいる事に気付いて指を差した。見るとそこには一体のペンドラーがいた。
「なるほど、こいつが悪さをしていたんだな」
アオギリがボールを取り出してサメハダーを繰り出した。ペンドラーはうなり声を上げると、アオギリ達に向かっていった。
「きゃあ、来ましたわ!」
「ここは私が!」
「ちょっと待った!」
ナギが立ち向かおうとしたがアオギリが制した。
「これしきの相手、俺で充分だ、行くぜサメハダー!」
アオギリの指示でサメハダーがハイドロポンプをペンドラーに飛ばした。その威力は強力でペンドラーをあっという間に倒してしまった。
「凄い・・・」
「おじさん、強いね!」
オオゾラとフウがアオギリの強さに驚いていた。
「なあに、これぐらいどうって事ねえさ。さて、こいつだがどうするか?」
アオギリがペンドラーを指差していった。
「どう言う理由でこいつの体の中にいたのかは分からねえが、ここで独りぼっちってのも可哀想だよな・・・」
「確かに、ここに閉じ込められているのは可哀想ですね・・・」
アオギリの言葉にナギも悲しそうな顔をした。どうすればいいのかを皆が考えていると、少年が手を上げた。
「あの・・・」
「何だ、ガキンチョ?」
「僕がこのポケモンを引き取ります」
「てめえが、こいつの親になってくれるのか?」
「はい、ここにいるのも可哀想だし、僕が育てます」
「流石ですわ、オオゾラさん、このペンドラーの親になってくれるなんて」
「貴方ならそう言ってくれると思ってました」
ツツジとナギが流石だと少年の決断を褒めた。
「確かに、ここにいるよりは誰かに育ててもらった方がいいよな。ガキンチョ、こいつを大事に育てるんだぜ」
「はい、約束します」
少年はペンドラーをボールに入れて仲間に加えた。
「オオゾラさん、君が親になってくれてこの子も幸せだよ」
オオゾラが親になった事にランも祝福していた。
「さて、問題も解決した事だし、このジメジメした所から出ようぜ!」
ペンドラーを捕まえると、オオゾラ達はホエルオーの体内から出ていった。口の中から出ると、ホエルオーは元気そうに潮を噴いた。
「お、喜んでるみたいだな。嬉しいぜ」
「そうみたいですね、ホエルオーも喜んでいます」
ホエルオーの嬉しそうな表情にアオギリ、ナギ達も喜んでいた。
「やっぱ、ポケモンも為に頑張ると、嬉しくなってくるよな・・・」
「そうだね、おじさんもいい人みたいで安心したよ」
「う、うるせ、そんなお人好しちゃねえぜ、俺は!」
フウにいい人と言われてアオギリは頬を赤くして照れ臭そうにしていたが、内心は嬉しさで一杯だった。
「あ、ホエルオーが行きますわ!」
ホエルオーは潮を噴いて海を泳いでいった。別れ際にダイブをして遠くの海へと去っていった。
「お~い、元気でな、達者で暮らせよ!」
アオギリが大声でホエルオーの別れを惜しんだ。少年やツツジ達も手を振ってホエルオーと別れた。
「やれやれ、今日はいい事しちまったな」
「そうだね、でもアオギリらしくてあたしはいいと思うよ」
「よせやい、イズミ。じゃあ、俺達は行くぜ。あばよ、ガキンチョ共!」
「うん、おじさんもまたどこかで会おうね!」
「今回はいい事をしましたわね。そうしてくれると嬉しいですわ」
「貴方達がまたいい風を流してくれる事を祈っています」
「おじさん、さようなら、また会おうね!」
「バイバイ、アオギリさん!」
フウ、ツツジ、ナギ、ラン、オオゾラが手を振ると、アオギリは後ろを向いたまま手を振って別れたのだった。