オオゾラがホウエン地方のチャンピオンになって数日が立った。
「今日は何をしようかな・・・」
オオゾラはカナズミシティを歩いて何をするのかを考えていた。チャンピオンとして挑戦者を迎え撃つ事もあったが、それ以外がツツジと授業を聞く以外特に用事は無かった。自分に何か出来る事はないか、オオゾラはそれを思いながら一人街を歩いていた。
「ねえ、そこの君」
その時、一人の女性がオオゾラに声をかけて来た。オオゾラが振り向くと、ボロのマントを付けた、薄灰色のノースリーブに短パン、白のニーソックスを履いた女性が気さくにオオゾラに手を振っていた。
「ヒガナ・・・」
オオゾラは前世の記憶で彼女がヒガナだとすぐに気付いた。
「君だよ君、君に用があってね」
ヒガナは戸惑うオオゾラに構わず、歩いてきて笑顔を向けた。相手に警戒させずに陽気に近付いて来る彼女にオオゾラは相手に対する接し方を心得てるなと感じた。
「僕に用があるの?」
「そうだよ、君にしか頼めない事があってね。君、チャンピオンでしょ?」
ヒガナがオオゾラの顔を覗いて言った。瞳の奥にある底知れぬ深さをオオゾラは感じていた。
「チャンピオンだなんて何で知ってるの?」
「だって君、ホウエン地方を救った有名人なんでしょ、私もそれぐらいは知ってるよ。そんな君だからこそ頼みがあるんだ」
「頼みって何かな?」
「今から話す事はね、とても大事な事なんだ。まあ、付いて来てよ」
「うん」
ヒガナに言われるままにオオゾラは彼女に付いて行った。街を出て、森を抜けて海を通ってある塔に辿り着いた。
「さて、着いたよ。ここが世界を救う為の場所なんだ」
ヒガナが拍手をして世界を救う場所だとオオゾラに言った。
「話をするとね、このホウエン地方に隕石が迫っているんだ。それもかなり大きな。このままだとホウエン地方は大変な事になる。だから私と君の力で食い止めようって訳」
「そうなんだ、ヒガナお姉ちゃんは優しいんだね」
「おお、流石は君、話が分かるいい子だね。そうだよ、これはホウエン地方を救う大事な役目なんだから」
「それで、僕に出来る事って何かな?」
「そうだね、メガストーンを持ってるかな、君?」
「え、持ってるけど・・・」
「それをちょっと貸してくれないかな。そのエネルギーであるポケモンを呼ぶんだ」
「そのポケモンって?」
「レックウザだよ、レックウザをメガシンカさせて隕石を破壊させてもらうんだ」
「分かった、それでホウエン地方が助かるなら、いいよ」
「ありがとう」
オオゾラがメガストーンをヒガナに渡した。
「終わったらきちんと返すから。じゃあ、始めるよ」
ヒガナが自分の持っているメガストーンとオオゾラのメガストーンのエネルギーを光らせた。すると大きな地震がして塔が揺れ出した。
「君、危なくなったら逃げていいから」
ヒガナがそう言うもオオゾラは立ち止まってヒガナを見守っていた。やがて地震が止まって、上空から何かが降り立った。
「出た、レックウザ・・・!」
ヒガナとオオゾラの目の前にレックウザが現れた。レックウザは真っすぐな目でヒガナを見ていた。
「レックウザ、私は世界を救いたい、力を貸して!」
ヒガナの言葉にレックウザは頷いて、咆哮を上げた。
「行くよ・・・」
ヒガナがメガストーンを使ってレックウザをメガシンカさせた。
「乗って」
レックウザに乗るとヒガナがオオゾラに乗るように言った。
「僕も、いいの?」
「いいんだよ、これから君は世界を救うヒガナさんの活躍を間近で見てほしいんだ」
「分かった」
ヒガナと一緒にレックウザに乗った。レックウザは上空に上がって空を飛んだ。空の最果てまで来ると隕石が迫っていた。レックウザははかいこうせんを放って隕石を粉砕した。隕石を無事に破壊するとレックウザはヒガナ達と一緒に塔へと戻っていった。