ヒースノーランドさんからのリクエストで、鷲尾須美は勇者であるの三ノ輪銀の話を書かせていただきました。
「おぉ!ここにもイネスがあるんだぁ!!」
「たかがショッピングモールなのに、そんなに好きなのかよ」
「もうっ、レイズ兄ったらぜんっぜんわかってないんだから!
イネスは色んなものが売ってあるし、とても楽しいところなんだよ!
前に住んでた所から離れることになったのは寂しかったけど、まさかこの町にもイネスがあるなんて!」
「あーそうかそうか。
迷子にならねぇよう離れるなよな」
俺たちは今、イネスってショッピングモールに来ている。
ここはデカい所で、食品・化粧品・生活必需品・衣服・靴と、何でも売ってる。
それに飲食店もあるが、中にはフードコートっていう一つのデカい広場に様々な店があって、セルフサービスだがそれで色んな飯を注文して食うことができたりする。
まぁ別に俺としてはそれだけのもんだから別に興味はねぇが、こいつはとことん興味があるらしい。
こいつの名は銀、三ノ輪銀。
戦車の駒を持つ俺の眷属だ。
かつては大赦っていう日本独自ではぐれ悪魔を討伐する悪魔祓いの組織に所属していたんだ。
しかも、その中でも銀は勇者と呼ばれる存在だった。
俺とこいつが出会ったのは、強大なはぐれ悪魔が出現したから、俺が出向いた時だ。
俺ははぐれ悪魔を討伐しに、その地へ向かった。
俺からすればそのはぐれ悪魔は他のと比べれば、まぁザコ以外なんでもないが、それでも強力で、傷ついた二人の仲間のために身を挺して戦ってたのが銀だった。
悪魔でも天使でもねぇ人間の身で、それも小学校も卒業してねぇガキの身で、だ。
俺が駆けつけたときには、もう全身が血まみれで目が虚ろで、てめぇの体よりもデケェ斧を2つも振り回してたんだろうが、片腕が千切れて、腹から腹わたが飛び出ていた。
そんな風になるまで戦って、はっきり言って無謀も良いところだったが、そうやって仲間のために身を挺して戦うってのは嫌いじゃねぇ。
だから俺はこいつを助ける形で前に出て、はぐれ悪魔を焼き尽くした。
そして、銀に戦車の駒を埋め込んで転生悪魔にしたんだ。
傷が治ったことや転生悪魔になったことは最初は驚いていたが、それでも銀は俺に感謝してくれた。
それに、倒れていた仲間たちからも、銀を助けてくれたことの礼を言われたし、銀が悪魔になっても以前と変わらない関係のままでいる。
だが、大赦では銀が悪魔になったことが容認できず、何でも悪魔祓いの組織に悪魔がいるのは外聞が悪いからと、追放したんだ。
まぁ、これに関しては俺が原因だし、責任を取るために追放された銀と銀の家族を領土に住まわせることにした。
その際、銀が悪魔になったから追放されたのが納得いかなかった二人、銀が守った二人、確か須美と園子だったか。
あの二人は大赦を辞めて銀を追ってきたらしい。
だから、二人のことも領土に住まわせることにした。
最初は俺の領土に来て不安だったようだが、それでとイオスがあるってわかったら目をキラッキラに光らせてた。
それからというもの、イオスを始めやたらと俺の領地にあるものに興味を持ってたな。
「えへへ、レイズ兄!
またイネスに来ようね!」
「あぁ、また今度な。
つーかお前、汗だくじゃねぇか」
こいつ、イオスの中走り回って汗塗れだ。
どんだけ好きなんだよ。
買い物でもフードコートでもはしゃぎ回ってたし。
まぁ、元気よく走り回ってるところとかは嫌いじゃねぇけどな。
「あっ、そうだった!
ねぇ、帰ったらお風呂一緒に入ろ?」
「はぁ?てめぇ一人で入れよ」
「えぇー、いいじゃん! 一緒に入ろうよ!ね?」
「ったく、しょうがねぇな。
ならさっさと帰るぞ」
「やったぁ!」
俺は銀と手を繋ぎながら帰路につく。
そうだな、またイネスに行くのも良いかもな。