「おぉーい、戻ったぞー」
「あっ、おかえりレイズくん♪」
はぐれ悪魔討伐から帰ると、エプロン姿の巫女の少女が出迎えてきた。
名前は星伽白雪、兵士の駒の眷属だ。
シャナと同じく刀を使うやつで、家事とかもホムラと肩を並べるほどのものだ。
帰ってくるとこうして出迎えてくれるし、料理も上手いし、家事も分担してくれる。
こうして言うと、家庭的な女の子って感じだよな。
「悪いな、留守中に全部やらせてよ」
「いいの、好きでやってるんだから♪」
と、俺に抱きつく白雪。
すると。
「すんすん…。
…ねぇ、何でレイズくんから私たち眷属以外の女の子の匂いがするのかな?」
「えっ、あぁそりゃあ、他の眷属と一緒にはぐれ悪魔を」
「それは嘘。
だってレイズくん、今日は別々ではぐれ悪魔を討伐するってなって、レイズくんは一人だったんだよ?」
「うっ」
白雪の据わった目が怖い。
「ねぇ、一体誰の匂いを付けているのかな?かな?」
「えっと、それは」
そういえば、今日討伐したはぐれ悪魔も女のやつだったな。
というかそれぐらいしか思い当たることがねぇ!
「…ねぇ、何で黙ってるの?
それとも、やっぱり眷属の女の子と一緒にいたの?」
「ちげぇよ、今回討伐したはぐれ悪魔が女だったんだよ。
燃やすのに接近しちまったから、多分それで匂いがついたんだろうよ」
「そっか……、私の勘違いだったんだ。
ごめんね」
と、いつもの笑顔に戻った。
白雪はこういうところがあるから怖いんだよな。
こう見えて、白雪は長い歴史を持つ神社の巫女だ。
白雪は数ある姉妹たちの長女で、浄化の炎という能力を操る巫女の中で一番強い存在、『緋巫女』と呼ばれる存在だ。
更にはかつて邪馬台国を治めていた女王・卑弥呼の子孫であるのだが、彼女たちはそれのせいで、あの禍の団・英雄派のクソ野郎どもと神社の宝を狙いにやってきたクソどもに襲われ、白雪と姉妹たちは命からがら、宝刀を持ち出して俺の領土に来た、というわけだ。
それで、一時的に保護した後に、白雪たちから事情を聞いて、俺はある提案をした。
この中で一番強いやつを眷属にする代わりに、この街に住まわせるって提案を。
そこで迷わず手を挙げたのが、白雪だった。
理由としては、俺の領土に来た時点で、あの時はまだ追っ手に追われてて、その時に俺がその追っ手を撃退して、それで一目惚れしたかららしい。
それから俺は約束通り、白雪を眷属にして、姉妹たちをこの街に住まわせることにした。
それからは、白雪が家事を分担してくれたり、眷属のみんなも俺の領地で平和に暮らしてる。
……まぁ、たまにヤンデレな一面が出るのは勘弁してほしいが。
「ねぇ、レイズくん」
「うん?」
と、白雪が俺を呼び止める。
「私ね、レイズくんのことは信じてるからね?でも」
と、俺の耳元でこう囁いた。
「……もし私たち以外の女の子と浮気したら……分かってるよね?」
……はい、肝に命じます。
「それじゃあ、このあとは私と楽しいことしようね♪ じゃあ早速部屋に入ろっか♪」
と言って、俺を部屋に連れて行った。
……これは今日寝れねぇな、と俺は思うのであった。