「結局、これが一番って訳よ。
そっ、鯖缶、それもカレーに乗せてね」
「お前そのうち出禁くらうぞ」
ファミレスで、最後の眷属となった少女と飯食ってるのだが、こいつ店の中で自前の鯖缶取り出して、修正テープで貼り付けて、ピンセットを当てるとボンッ!と鯖缶が爆発し、中の鯖が黒焦げの状態で飛び出し、べちゃっとテーブルで音を立てる。
「あちゃ~、結局火力強いのと間違えちゃった訳よ…」
「お前杏子に見られてたら殺されてるぞ」
あいつは眷属になる前、教会を出てから彷徨ってたから、こうやって食いもんを粗末にされるとキレるんだよな。
「つーか、何もこんなファミレスで持ってきてまで食う必要ねぇだろ」
「だってファミレスで食べるのも鯖缶食べるのも好きなのよ」
「あっそ」
こいつのバカみたいな食い意地は筋金入りだ。
つーかこいつどんだけ鯖缶好きなんだよ。
この鯖缶大好き金髪碧眼少女の名はフレンダ、フレンダ・セイヴェルン。
俺の最後の眷属だ。
元々は買い物帰りのホムラが連れてきた少女だ。
何でも、行きつけのスーパーでホムラが買った鯖缶が最後の一個だったらしく、買った直後で泣き崩れてる様を見ていたたまれなくなり、思わず助けてしまったらしい。
ホムラの奴、俺も人のことは言えないがお人好しがすぎるな。
それで屋敷にあげて鯖缶を使ったサバカレーを食わせてから、話を聞いた。
何でも唯一の肉親の妹のために様々な組織から依頼を受けては報酬をもらって生計を立ててるそうだ。
それで俺は、フレンダにここで働かないかと提案をした。
しばらく様子を見て、どれだけの実力があるのか、どんな能力があるかを見ておきたいからな。
それでフレンダも妹の安全とお金と鯖缶が出るならと、二つ返事で了承した。
そしてフレンダに何ができるのかと様子を見たが、彼女はどうやら魔力込みで触れた物を爆弾やその爆弾に関する物に変える神器を持っていたのだ。
しかも、魔力込みで触れて爆弾に変える時の魔力の消費も少なく、爆弾の威力や時限式かリモコン式か、はたまた爆発させるために電気信号を送るツールを選べるおまけつきだ。
威力に関しては、爆弾に変えた元の物によるし、爆発やそれに関するツールに変えてもある程度威力や仕様が変えられる。
だが、彼女自身はやることはやってくれるが、何となくお調子者というか、軽薄な雰囲気を感じたから、情報を持っているであろう敵がいればそいつをギリギリ生きてるレベルで再起不能にして、そうでないやつはさっさと始末するようにってことと、もしも万が一マジでやられそうになったら、俺たちが指定した場所や情報だけを言うようにと、フレンダには教えた。
その後、しばらく様子を見た結果、フレンダの能力自体やフレンダ自身は眷属にしても問題なしと判断し、眷属にした。
もちろん、その際に妹もこの街に住まわせるのも含めてな。
「あ〜でもこれ、どうしよ…。
鯖缶、これ一個しか持ってきてない訳よ」
「…ちっ、仕方ねぇな。
ほら、とっとと帰るぞ」
「レイズ!?何で帰るのよー!」
「ここにいても迷惑かけちゃいそうだからな。
俺がサバカレー作ってやるから、それで我慢しろ」
「え!?マジ!?やったぁ!レイズのサバカレーは美味しいから好きなのよ!」
「はいはい、わかったからさっさと帰るぞ」
「はーい!」
フレンダが嬉しそうに俺の後ろをついてくる。
「ぷはーっ、結局、サバカレーが一番美味しい訳よ!」
「おう、お粗末様だな」
屋敷に帰って、フレンダにサバカレーを作ってやった。
飯ぐらい当主の俺からすれば朝飯前だしな。
「ねぇレイズ、いつもありがとね?」
「カレーのことか?
お前のさっきのファミレスで鯖缶を爆発させたような醜態を、これ以上晒させないために仕方なくやっただけだぜ」
「もう、素直じゃないんだから。
でも、そんなレイズも好きよ」
フレンダが俺に抱きついてくる。
「何だかんだ言って、私のこと見捨てないし、フレメアに安全な家を用意してくれるし、私を大切に思ってくれてるって伝わってくるから。
結局私はレイズといるの、好きって訳よ」
「へいへい、そーかよ」
俺はフレンダの頭を乱暴に撫でてやった。
「んにゃ〜っ♪」
フレンダが嬉しそうに悲鳴をあげる。
「ねぇ、レイズ?
この際だから、お礼にレイズの好きなこと、何でもしてあげるわよ?」
「女がそんなこと安々と言うんじゃねぇよ」
「わ、私が誰にでもこんなこと言うわけないって訳よ!
結局、こう言うのを言うのは、レイズだけって訳よ」
「はいはい、そうですか」
俺はフレンダをお姫様抱っこして、部屋に連れて行った。
「え?ちょ、レイズ?」
「お前が俺の好きなこと何でもしてくれるって言ったんだろ? なら、俺が飽きるまで付き合ってもらうぞ」
俺はフレンダをベッドに押し倒した。
「あ……うん……。私でよければ……」
そして、俺はフレンダの体を覆い被さった。