※この作品はR-18です。

俺は彼女の母親に寝取られる   作:葛轍偲刳

3 / 3
三日目

【Phase-009】

 

 二日目のテストも無事に終わった。というか、気付いたら終わっていたというべきか。

 昨日と同じで、頭の中は全く別のことで埋め尽くされているのに、シャープペンを握る手だけは勝手に動いていた。目の前の計算問題を解いたり公式を思い出したりするために悩んだり頭で考えたりしているはずなのに、まるで他人事みたいに現実感がない。

 

 シャワーも浴びたはずだ。――確かに洗い流したはずの女の匂いが、今も体に纏わり付いている気がする。

 食事も摂ったはずだ。――何を食べたか思い出せない。舌の上には、今も女と交わした口付けの甘さが残っている。

 ベッドに横になったはずだ。――まるで眠った気がしない。夢の中でも女と交わっていたような気がする。

 バス停に向かって、いつものように足だけは勝手に動いている。日頃の習慣で体に染みついた習性だけが、自動的に体を動かしてくれている。――頭の中はぼんやりと、今も女の面影を追っている。交わった女の肉の味を反芻し続けている。

 

 ポケットの中のスマホが着信を告げる。手が動いて、スマホを取り出し耳元に近づける。相手が誰なのかも確認せず、そもそも確認しようという思考さえ思い浮かばずに――

 

「もしもし」

「あら、ヒロ君。ごめんなさい。テストは無事に終わったかしら?」

「――え」

 

 何気なく応答したはずのスマホから聞こえてきた声に、ただでさえ動作不良気味の頭がフリーズする。

 もしかして幻聴か何かではないのかとさえ思う。あまりにも都合良く、頭の中で思い浮かべていた女の声が聞こえてきたことに。

 

「ヒロ君? もしもし? 大丈夫?」

「あ、え、いや、はい、大丈夫、ですけど…あれ、俺、何かしましたっけ? もしかして忘れ物とか、何か…」

 

 ナニをしたかと言えば、ヤり過ぎなほどにシているのだが。

 

「ああ、そうじゃないの。ごめんなさいね。実は娘のことなんだけど…」

「アナが…何か?」

 

 もしかして、母親と自分の関係を何か勘付かれたとか。そんな後ろめたさから来る邪推は、あっけなく否定される。

 

「今朝になっても体調が良くなくて。だから、今日は学校を休ませたの。本人は今日もテストだし、すぐ終わるから行くと言い張ってたんだけど、そんな体で無理を押しても良い点数が取れるわけないって言って、ベッドに戻したわ」

「そ、そうだったんですか」

 

 今さらのように、彼女の体調不良のことさえ完全に頭から抜け落ちてしまっていたことに罪悪感を覚える。

 

「だからね、もしヒロ君が良かったら、お見舞いに来てくれると娘は喜ぶと思うわ」

「は、はい。もちろん伺います。お邪魔じゃなかったら、ですけど」

「ありがとう。ごめんなさいね、気を遣わせちゃって。それから、こんな風に言うとおねだりするようで本当に悪いのだけど、リンゴジュースとか買ってきてもらえると、娘は嬉しがると思うの。昔から風邪を引いた時とか、体調が良くない時は、私が買ってきたリンゴジュースをよく飲んでいたから」

 

 世慣れているとか言われても、女の子のお見舞いになんか行ったこともなく、まして手土産なんて全く思いつきもしなかった。お勧めの品を彼女の母親が教えてくれたのは、むしろありがたいとさえ思ったくらいだ。

 

「いえ、そういうことなら買っていきます。今からでも、大丈夫ですか?」

「もちろんよ。ありがとう、ヒロ君」

 

 

■□■□■□■□■□

【Phase-010】

 

「え…ヒロ君? なんで…?」

「いや、お袋さんから電話で聞いてさ。アナが学校休んだっていうから、お見舞いに」

「お母さん!?」

「昨日の時点でヒロ君には知られているんだから、変に隠しても仕方ないでしょう。それとも、後になってからそんなに重態だったのかって変に気を回されたりしたいの?」

「……」

 

 彼女の部屋に入ると、驚いたように体を起こした彼女は初めて見るパジャマ姿で。

 ファンシーなデザインの仔猫がプリントされたそれはちゃんと女の子らしいパジャマで、やっぱりそういう可愛いもの好きな一面もちゃんとあるんだなと、おかしなところで微笑ましく思えた。

 

「悪い。長居する気はないからさ。ちょっと顔を見たかっただけだし」

「あ、別に、そういうつもりで言ったわけじゃ…」

「いいから、横になってろって。クッション、借りるな」

「う、うん」

 

 ベッドの横に、勝手知ったる何とやらでクッションを借りて腰を下ろす。

 

「今日の数学のテストで、ちょうど昨日アナが教えてくれたところが出てさ。そのお礼も言いたかったし」

「そ、そう。ちゃんとヤマが当たったのなら、良かった」

 

 腰を下ろして彼女の顔を見ると、今の今まで忘れていたことが勝手に口からスラスラと出てくる。自分の口から出た言葉で、ああそういえばテストでそんな問題も出てたっけと、自分自身で今日の出来事を思い出す有様だ。

 

「それにさ、来週には次のイベントも始まるだろ。新しいキャラも実装されるし」

「うん」

「アナがいないと攻略する張り合いもないし、協力プレイも出来ないし」

「別に、横になったままでも、スマホでちょっとゲームするだけなら…」

「そういう意味じゃないってば」

「…うん」

 

 俺は今、ちゃんと笑えているだろうか。

 心にも無いことを言っているように聞こえたりはしていないだろうか。実際、この口から勝手に出てくる言葉にどれほど心が篭もっているかと言われたら、自信は全く無い。

 だって、正直なところを言ってしまえば、今も俺は――

 

「はい、お見舞いにヒロ君が買ってきてくれたリンゴジュースよ。蜂蜜とレモンを足してあるから、喉が渇いたら飲みなさい」

「うん。…ありがとう、ヒロ君」

「これからヒロ君のお見送りのついでに夕飯の買い物に出るけど。一人で大丈夫? 何か食べたいものはある?」

「うん。今は、食欲ないから」

「それはわかってるけど。なら、食べれそうなものはある?」

「……」

 

 少し黙って考えている娘を見守る母親の、そのお尻を見てしまう。彼女の母親の、そのブラウスの胸元を見てしまう。その横顔の、優しげな笑みを浮かべた唇を見てしまう。

 あれも、それも、これも、全部。俺の体液で汚して、俺の色で染めて、俺のモノにした。全部が全部、俺だけの。

 

「…なら、ワンタンスープ、とか」

「わかったわ。ショウガを摺り下ろして、小さく切った餅も少し入れましょうか。それなら食べれそう?」

「うん。…あ」

「ん? 何か食べたいものが見つかった?」

「…マーラーカオ。蜂蜜と黒糖とレーズンが入った、ふわふわの」

 

 彼女が布団の端に口元を埋めるようにして、小さな声で囁くように言ったお菓子の名前に母親は少し間を置いて。

 

「…ああ、あそこのお店の。わかったわ、ついでに買ってきてあげる。でも、あの店はちょっと遠いから、もし何かあってもすぐには帰ってこれないけど。大丈夫?」

「大丈夫だってば。もう、子供じゃ無いし。何かあったら電話するし」

「そう、なら薬も置いていってあげるから。もし辛かったら飲んで、眠れるようなら寝ちゃいなさい。晩ご飯が出来たら起こしてあげるから」

「うん」

 

 頷いた彼女の枕元にリンゴジュースのグラスと痛み止めの薬を置いて、母親は立ち上がる。無言の促しに俺もクッションから腰を浮かす。

 俺を目で追うように見上げてくる彼女に、最後に何かを言うべきかと考えて。

 

「早く元気になって、またゲームしようぜ」

 

 そんな、当たり障りのない一言だけを言って。俺は彼女の部屋を出た。

 

 

■□■□■□■□■□

【Phase-011】

 

 何をやっているんだろう、と思う。

 扉一枚を隔てただけの部屋の中では、彼女が寝ているのに。それも、今も具合が悪そうにしているのに。俺は、そのお見舞いに来ただけのはずなのに。

 だというのに。頭では、これがおかしいと、してはいけないことだと、こんなことはするべきじゃないとわかっているのに。

 

 俺は、彼女の母親と抱き合って、唇を重ねて、卑猥に舌を絡め合っている。

 

 二人で一緒に彼女の部屋を出て、その扉を閉めた。その瞬間だった。もう、どちらからとも言えないくらい、ごく自然に、そうするのが当たり前のように、俺は。彼女の母親と。

 

「…ねぇヒロ君、変よね? きっとヒロ君もそうじゃないかと思うのだけれど。私も、別に最初からそういうつもりでヒロ君を見舞いに誘ったわけじゃないのよ?」

 

 娘のために、だったはずだ。彼の顔を見れば娘が喜ぶと思ったから、のはずだ。

 ただ、本当にそれだけが理由の全てだったのかと言われたら。こうなる事を全く期待していなかったのかと問われたら。疚しいところは本当に何もないのかと詰られたら。

 

「ふふっ、…でも、仕方ないわよね?」

「…仕方ない、ですか?」

「そうよ。仕方ないわ。だって、ねぇ…ヒロ君、私の体を前にして、今日は何もせずにこのまま手ぶらで帰れるの?」

「……」

 

 低く、小さな声で、けれど熱っぽく囁く彼女の母親は。

 

「無理、でしょ? 理由なんかどうでもいい、でしょ? 私も、ヒロ君も。欲しい、と思ったら、我慢なんか出来ない、でしょ?」

 

 ねっとりと、粘っこい情欲で潤ませた目を細めて。

 俺は、俺の手は、彼女の母親の胸を、ブラウス越しに鷲摑みにして。そんな自分に、もう驚きもしない。

 

「…うん、無理」

「そうよね。どうする? 外でする? それまで我慢できる?」

「いやだ、今すぐセックスしたい。今すぐここで、アナの母さんとセックスしたい」

「ふふっ。ヒロ君は本当に正直ね。でも、いいわ。私も、同じだから。もう我慢なんて出来ないから」

 

 二人で抱き合ったまま、廊下を歩いて、一昨日にも通された彼女の母親の寝室に足を踏み入れる。

 

「あまり大きくは動かないでね。大きな声も出せないし」

「わかってる」

 

 囁き合いながら、服を脱ぎ捨てて。俺は、ベッドの上にあぐらをかいて。彼女の母親は、その上に。

 

「でも、これはこれで。娘に見つかるかもってスリルがあって、興奮しない?」

「する」

 

 しないわけがない。今も、もしアナが目の前の扉から顔を出したらと思うだけで。俺は、不思議な興奮を覚えて腰の奥から湧き上がる熱に体を委ねてしまいそうになる。チラチラと扉を横目で窺いながら、彼女の母親とキスをして。

 

「んっ、ちゅ、れろ、んふ……っ♥」

 

 何度味わっても飽きるということがないくらい、彼女の母親のキスは巧みだった。舌の動きも唇の吸い方も、俺の口の中を這い回るその舌の感触さえ、全てが男の興奮を煽るためのものにしか思えない。

 

「はぁ……あむっ、んちゅっ♥」

 

 そんなキスをされて、俺はもう完全にスイッチが入ってしまって。目の前の女とセックスすることしか考えられなくなる。

 

「ちゅうっ、んふぅっ、ちゅるっ♥ ヒロ君ったら本当に元気ねぇ。もうこんなにカチカチにして」

 

 ゆっくり、じっくり、焦らすように下腹部で反り返る俺の生殖器を陰毛で撫でるように、互いの体を密着させて。

 

「一昨日も、昨日も、あんなにセックスして。いっぱい私の口やオマンコにザーメン吐き出して。それなのに、全然小さくならないのね。それどころか、もっと硬くなって…、ますます大きくなって…本当に、元気よねぇ」

「俺が悪いの? アナの母さんがエロすぎるからだよ」

 

 お互いに密やかに囁き交わしながら、何度も何度もキスをして。じっくり、ゆっくり、お互いを昂ぶらせて。

 

「素敵よ、ヒロ君。好き、大好き」

「俺も、愛してる」

 

 当たり前のように、甘い言葉を囁き合って。

 

「それじゃ、そろそろ…ね?」

「うん、早くオマンコに挿れたい」

「もう、本当に元気なんだから」

 

 互いに抱き合ったまま、互いに向き合ったまま。俺は、俺の腰の上にまたがって。彼女が腰を下ろせば、淫らに開いた花弁を亀頭が押し開く。

 

「んっ♥」

 

 一瞬漏れた官能の吐息に、俺の興奮は否応なく煽られて。これで射精を我慢するとか無理だろと、心の中で愚痴りながらも。それでも俺は彼女の母親の中に挿入していく。

 

「あっ、あはぁっ♥」

「んくっ!」

 

 思わず声が漏れるくらいに気持ちいい。一昨日も昨日もしたはずなのに、まるでこれが初めてのセックスをするみたいに興奮していて。そのせいか、それともこんなシチュエーションだからか。俺はもう、すぐにでも果ててしまいそうなくらい昂ぶってもいるし、でも、まだ少し余裕があるような気もして。

 

「ねぇ……ヒロ君?」

 

 彼女の母親は俺の上に腰を下ろしたままで腰を動かすこともなく、ただじっと俺に抱き着いたままでいるだけで。そんな体勢のまま耳元で囁くからくすぐったいけど心地いい。

 

「動きたい?」

「……ううん、もうちょっとこのままでいたいかも」

 

 ピッタリと隙間なく密着して抱き合えるのは、激しく動くのとはまた違った安心感と幸福感に満たされているようで。

 

「…もう、ヒロ君ったら。私に甘えてるの? それとも、私に甘えさせたいの?」

「両方かも」

「ふふ、なにそれ。まぁいいわ。ヒロ君の希望なら何でも応えてあげるから、もっとギュッとして?」

 

 お互いに腕を背中に回して、脚を腰に巻き付け合って。

 

「ねぇ、ヒロ君」

「何?」

「私ね、今、とても幸せなの。好きな人にこうして抱き締められて、求められて。本当に、夢みたい」

 

 彼女の母親の囁きは甘く蕩けるような声音で。俺はその声をもっと聞きたくて、さらに強く彼女を抱き寄せて。

 

「……娘には悪いけれどね」

 

 そう呟いた彼女の母親は、俺の耳元に唇を近付けて。そっと囁くように。でもはっきりと聞こえる声で言うのだ。

 

「私の体も心も全部あなたのモノよ? 私はもうヒロ君のモノなの♥」

 

 そんな甘い言葉を囁かれて我慢できる男なんていないだろうと思う。少なくとも俺には無理だったし。そんな誘惑に抗えるほど人間が出来ていなかったし、それに何より……このシチュエーションが最高過ぎたから。

 腰を振るというよりは、体を揺らすように、ゆっくり、ゆっくりと膣奥を突く。コツン、コツンと子宮口をノックして、その度に亀頭が疼くような快感を覚える。

 

「あっ……♥ ヒロ君ったら、また焦らしてる?」

「何のことだろ」

「ふふ、とぼけちゃって。可愛いんだから」

 

 彼女の母親は俺の首に両腕を回して抱き着いていて、耳元で囁かれるその声がくすぐったい。

 

「ねぇ、もっとキスしよ? 舌出して」

 

 言われるままに舌を突き出すと、彼女の母親も同じように舌を伸ばしてきて、お互いの舌先を絡めてキスをする。彼女の母親の腰は小刻みに前後に動いていて、その動きに合わせるように俺も小さく腰を突き上げて。それは決して激しくない動きなのに、俺はすぐにも限界を迎えそうになる。それくらいに気持ち良かったから。

 

「んっ、ちゅぷ♥」

 

 唇を重ねると舌を絡め合う濃厚なディープキスが始まる。そうやって口を塞ぎ合っていれば、ふと漏れそうになる大きな声を上げずに済む。

 

「んんっ、んくっん♥」

 

 彼女の母親が声を漏らしてしまいそうになる寸前で唇を覆い、その鼻から甘い息を漏らす。俺が彼女の母親の口の中に押し込むように舌を押し込んで、そうしてからまた腰を小さく突き上げる。

 

「んっ♥ んふっ、んんっ、ちゅぷ……っ♥」

 

 腰の上で彼女の母親が体を揺すって。お互いにもどかしさを味わうように、けれどそれ以上に快感を共有する快楽と興奮を求めて舌を絡め合う。

 

「ふぁっ♥あっあぁっ」

 

 お互いに貪るように相手の口をむしゃぶり尽くすように舌を伸ばして唇を合わせる。そうして吸い付き合う唇の隙間からはお互いの唾液が混ざり合ったものが垂れ落ち、それがまた媚薬のように思考を狂わせる。

 

「んふぅっ♥んっ、んくっ……ぷぁっ♥はぁ……ヒロ君のオチンポもキスも美味しいし気持ちいいのに、いつまでもこうしていたいくらいなのに、早く子宮にヒロ君の精子をいっぱい出して欲しいっておまんこキュンキュンして疼いちゃってる♥」

「俺も。ずっとこうしていたいのに、早く射精したくてチンポがビクビクしてる」

「いつでも出していいよ?」

「でも、もうちょっと。もうちょっとだけこうしてたい」

「ああ、もう、目の前で一生懸命我慢してるヒロ君が可愛くて堪らないわ。私の中でイキたくて腰を震わせてる男の子なんて、たまんないわ。愛してる♥」

 

 そう言われてしまうと本当に我慢するのが辛い。そもそも彼女の母親がこんなに俺を締め付けて、いやらしく吸い付いてくるからすぐにも果ててしまいそうになるんだと言いたいのを堪えながら。

 

「ねぇ……もう出ちゃう?」

「う、うんっ」

 

 耳元で囁かれた言葉に俺は思わず頷いてしまって。同時に、彼女の母親の膣襞がキュウッ、ギュッと締まって俺の射精を促す。

 

「うあっ!?」

 

 不意打ちにも等しいその動きに堪え切れず俺は射精してしまった。びゅるっ!という激しい音が子宮の中に放たれる音まで聞こえてきそうな絶頂の脈動が迸って、彼女もまたその快感で絶頂を迎えた。

 

「ああぁんっ♥」

 

 そんな声と膣襞の締め付けに搾り取られるように、彼女の母親の胎内に精液を放出する。ドクンドクンと脈打つ度に吐き出される大量の精液は、まるでゼリーのような塊となって鈴口から勢いよく飛び出していくのだ。

 

「ああん♥出てるぅ……ヒロ君の熱いザーメン、このままいっぱい出してくれる?」

「俺が嫌だなんて言えるわけないの、もう知ってるくせに」

 

 射精のたびに背筋を震わせ、彼女の母親の体にしがみつく。柔らかい女の体に抱きつきながら射精する快感は、やはり麻薬のように依存性が高くて。まして、その雌が、

 

「イイわぁ…、凄くイイ。やっぱりヒロ君のオチンチンって最高♥ 子宮にドクドクって新鮮なザーメン注がれるの、すごくキモチイイわ♥」

 

 俺を誘惑するように、いやらしく淫らな声音で囁いてくるから。

 

「っ…は、ぁっ、まだ出る…っ」

「ええ、もっと出してぇ♥」

 

 射精が続く。ザーメンの残りを吐き出して、それから亀頭を子宮口に押しつけて少しでも長く余韻に浸ろうとするみたいに腰を止めて。この、彼女の母親の体の奥深くに自分自身を注ぎ込む瞬間が、一番安心できるというか、報われるというか、愛されていることが実感できて幸せな気持ちになれるんだ。

 彼女の母親が、俺の顔をうっとりと覗き込んでいる。愛しげに、あるいは甘えるように。

 

「私のナカに出している時のヒロ君の顔、もう可愛くて可愛くて、見ているだけでもイッちゃいそうなくらい、本当に素敵よ」

「……」

 

 そんなことを言われても、自分が今どんな顔をしているかなど想像もできないし、わざわざそのために鏡を見ようとも思わないが。

 

「好きよ、ヒロ君。大好き。もっと、私に甘えてね?」

 

 だけど。そう囁きながら、俺の背中に回された彼女の母親の腕にギュッと力が籠もったのを感じて。

 

「俺も……、好き。愛してる」

 

 そう囁きながら俺はまた腰を揺すり始める。射精したばかりだというのに、もう次の快感を求めて。それは彼女だって同じで、俺の動きに合わせるように腰を動かしてくるから、余計に気持ちがいいし興奮してしまう。

 俺は、俺達は。お互いに、お互いの事しか見えていない。俺と彼女の母親は、もう一度唇を重ねて舌を絡め合うキスをする。お互いに相手を求め合って。いつまでもこうしていたいと願いながら。

 

 

■□■□■□■□■□

【Phase-012】

 

 お腹が痛い。眩暈もする。いつものことと言えば、いつものことだけど。でも、やっぱり慣れない。

 目を開けていると世界がグルグルと回っているような気がして気持ちが悪いから、目を閉じる。そうすると、今度はお腹がキリキリ痛む。

 

「はぁ…」

 

 溜め息をついて、少しだけ体を起こす。すると吐き気まで襲ってくる。

 でも、少しでも何か口に入れないと体が持たないってわかっているから、唇を噛んで吐き気を堪え、お母さんが持ってきてくれたお気に入りのグラスに手を伸ばす。

 

 ――ヒロ君がお見舞いに買ってきてくれたリンゴのジュース。

 

 グラスに触れるとひんやりと冷えていて、気持ちいい。

 口元に運ぶと甘酸っぱい匂いがして、それで少しだけ吐き気が和らぐ。一口飲むと、リンゴに足された蜂蜜がほどよく甘くて、風味付けにレモンが少し足されていて、それで喉を潤す。

 

「…はぁ」

 

 コク、コクと小さく喉を鳴らして少しずつジュースを飲む。

 美味しい。素直にそう思えたのが嬉しかった。いつもは、何を口に含んでも気持ちが悪くて、トイレに駆け込んで吐いてしまうことも少なくないのに。

 空にしたグラスを置いて、痛み止めの薬を飲んでからまたベッドに横になる。薄目を開けて天井を見上げながら、いつものように薬が効いてくるのを待つ。

 

『早く元気になって、またゲームしようぜ』

 

 ――誰かに、お見舞いに来て貰えたのも。誰かに、優しい言葉をかけて貰えたのも。初めてだった。

 

 すごく、嬉しかった。

 お母さんは色々と気を遣ってくれるけど。でも、学校でも友達なんて呼べる人は誰もいなくて。

 いじめられずには済んだけど、でも、それはただ私が地味で目立たなくて、いじめられるほど誰かに目をつけられるような存在ですらなかったというだけ。空気と同じ。教室にいても、いなくても同じ。誰かとお喋りすることもなくて。誰かと楽しい思い出を作れるようなこともなくて。

 きっと、このままずっと私は独りぼっちなんだろうなと半分諦めてた。

 

『あ、そいつサルスケを使わないと倒せないぞ』

 

 それは何気ない、本当に何気ない一言。

 でも、それが私にとってどんなに大きな出来事だったかなんて、きっとヒロ君は知らないだろう。

 たまたま同じゲームをしているというだけの、たまたま同じバスで学校に通っているというだけの、名前も知らない同級生の男子。

 

 でも、私に声をかけてくれた。優しくしてくれた。それだけのことを、誰もしてくれなかった。そうしてくれたのはヒロ君だけだった。

 その時は、本当に二言か三言の短い会話だけで終わってしまって。でも、それだけで終わらせてしまいたくなくて。悩んで、迷って、躊躇って、それでも、やっぱり諦めきれなくて。

 

 ――なけなしの勇気を振り絞って、ヒロ君にゲームのID画面を見せてみた。

 

 ヒロ君は、何も言わずに私の顔とスマホを見比べてから、やっぱり何も言わずにフレンド申請を送ってきてくれた。それが、たったそれだけのことがどんなに嬉しかったか。

 通学中のバスの中で、別に顔を見ても挨拶をするわけでもなく、何か話すわけでもない。でも、ゲームの中ではお喋りが出来る。

 私でも、誰かと話せる。他愛ないお喋りをして、テストや授業のことで相談したり、ゲームの話で盛り上がったり、それが楽しくて、とても嬉しくて。ついつい、それで夢中になって夜更かししてしまって、お母さんに怒られて。それをヒロ君に言うと、慰めてくれたりもして。

 

『ううん、いいの。だって、ヒロ君は、別に私の彼氏ってわけじゃないんだし』

 

 ――そう。忘れちゃいけない。勘違いしちゃいけない。

 

 心が浮つきそうになると、私は何度も自分に繰り返し言い聞かす。

 ヒロ君は、私の彼氏じゃない。私は、ヒロ君の彼女じゃない。

 ただ、同じゲームで遊んでいるだけの友達。ううん、違う。友達ですらないのかも。ただの知り合い。今日ヒロ君が来てくれたのも、お母さんが電話で言ってくれたから、仕方なく来てくれただけ。

 

「…ヤな女の子だよね、私」

 

 粘着質で、気に入った相手には入れ込んでしまう。私はお母さんの娘だ。だから、そういうところもお母さんとそっくりそのまま、とてもよく似ている。

 ヒロ君に好きって言いたい。私だって好きな男の子に告白してみたい。普通の女の子みたいに恋をしてみたい。当たり前のようにデートもしてみたい。…そして、それから、その先も。それが出来れば。それを、ヒロ君が受け入れてくれるなら。

 

「はぁ…」

 

 ぼんやりと意識が溶けてくる。だんだん薬が効いてきた。目を閉じる。眩暈も吐き気もお腹の痛みもぼんやりとしてきて、眠気が襲ってくる。

 

「ヒロ君…ヒロ君に、逢いたいな」

 

 ポツンと呟く。

 私がヒロ君を好きでも、ヒロ君は私をどう思っているんだろう。一応、少なくとも、嫌われてはいない、と思う。私がそう思いたいだけかもしれないけど。

 でも、もし私が告白したら。それでもし、ヒロ君に迷惑がられたらどうしよう。ウザい勘違い女だと思われたら。引かれたら、嫌われたら、それで距離を置かれるようになったら。

 それぐらいなら、何も言わないで今のままの関係の方がいい。嫌われるよりは、遠ざけられるよりは、ずっといい。今のままでも、

 

 そうやって、今日も。

 そうやって、いつもと同じ結論になる。何度考えても、結局そういう風に逃げてしまう。私は臆病で、そして卑怯だ。自分から告白する勇気もないくせに、でも、出来れば、ヒロ君から告白してもらえたら…なんて、都合の良い妄想で自分を慰めるくらいには。

 

 ――溶け落ちていく意識の隅っこで。

 

 もし、私がヒロ君よりも年上で。お母さんみたいに胸も大きかったら。そうしたら、ヒロ君も私に魅力を感じてくれるのかな、なんて。

 そんな他愛も無い思考が泡のように浮かんで、消えた。




拙作『俺は彼女の母親に寝取られる』は以上となります。ご笑覧いただき、ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。