既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント発生中
新規アンケート実施中、直感でお選びください。
浴室内に湿った音が響く、シャワーではなく俺と一華が唇を合わせ舌を絡ませる音だ。一華とは何度か唇を重ねた事は有るが、此処まで深くした物は無い。天然なのか、それともNINJAとしての修練で鍛えてきたのかは分からないが確かな事は一華のキスは非常に上手いと言う事。積極的に攻めてくるので、翻弄されてしまう。
キスだけで身体が興奮してしまい、愚息が怒張する。その先端が一華の腹に当たってしまう。滑らかな白い肌に赤黒い愚息が当たる光景は中々にエグく、その先端は臍より上に当たっている。
一華は一旦キスをやめると視線を下に向け、俺の愚息を見てから嬉しそうに笑う。
「拙者で興奮してくれてるのでござるな」
「以前も興奮してただろ、つかお前の身体に欲情しない男は貧乳好きか児童性愛者か同性愛者だろ」
成熟した女性の身体と持って産まれた色香が合わさり、男の情欲を掻き立てる。俺の中に目の前の雌を支配したいと言う欲が湧き上がり、ともすれば滅茶苦茶に貪ってしまいたくなる衝動が胸を突く。しかし、一華は軽度とは言え男性恐怖症を患う程の経験をしたのだ。そんな相手に獣が如く欲望を滾らせ、本能のままに犯し尽くすなど言語道断である。
確かに目前の女体を味わいたい、支配したいと言うのも嘘偽り無い本能ではある。しかし、それよりも俺はこの一華と言う女性に笑っていて欲しい。だからこそ、内から湧き上がる本能を抑えて目の前の大切な人を愛する。そう決意して一華を抱き締める。
「ご主人、お願いでござる……私を奪ってください」
流石に、普段の口調からいきなり変えるのは卑怯だと思う。
可能な限り痛みを消す為に『性魔術』を使用し、一華の身体が俺を受け入れられるようにする。下手に痛覚を快楽に書き換えるとタチアのようにそっちに目覚めてしまうかも知れないが、勇気を出して受け入れようとしてくれている一華の初体験がただ痛くて苦しい物にしたくはない。『性魔術』による隷属を求めるものでも無いので、そう言った精神支配は回避するように調整する。
性感が上がった為だろう、一華の息が荒くなり肌が全体的に紅潮している。
「一華、大丈夫か?」
俺の問い掛けに何とかといった具合に俺を見詰めて頷く一華、その瞳は潤んでいて表情一つでも俺の情欲を掻き立てる。欲望のままに此方からキスをすれば、受け入れて舌を積極的に絡めてくる。舌と口蓋も性感を持っている為に、キスという行為だけでも一華の身体は加速度的に興奮していく。受け入れる為の準備を大体終えたであろう一華に向かって俺は言う。
「一華、自分で腰を下ろすんだ」
「え、あっ……きゅうん」
俺の言葉を聞いて、状況を認識した一華は何時もの鳴き声を上げる。俺に跨るような体勢をしたこの状況で、自身のペースで先へ進むように言いつけた。恐る恐る、ゆっくりと俺の愚息を自身の入り口へと当てる一華。先端を当て腰を降ろそうとするも、痛みと異物感を怖がって腰を上げてしまう。何度も繰り返し試して、尚も先へ進めない。
そんな自分が嫌になって来たのか、一華が涙目になり遂には鼻を啜り始めた。
「主、ごめんなさい……ごめんなさい駄目な狐で」
「一華は駄目な狐じゃない、怖いのなんて当たり前だろ」
俺に抱き着いてそうやって泣く一華の頭をゆっくりと撫でる。こんな事を言っているが普段の一華と比べて弱々しい態度と全身に伝わる柔らかさで愚息は最大仰角である。理性的にも限界なので、一華には申し訳無いが俺の方でやらせて貰う。
「一華、怖いと思うけど俺の方でするよ」
「はい、申し訳ありません主」
一華の尻に両手を添え、反り返った愚息を膣口から先へ進める。痛みと初の感触で腰が逃げようとするのを押さえつけ、無理矢理一華の雌を拓いていく。何かを裂いていく様な感覚、此処最近で何度も味わう事になったそれを感じつつ一華の最奥まで姦通する。その衝撃からか、一華の体毛が普段の焦茶から本来の金色に変わる。どうやら隠蔽の術を維持出来なくなってしまったようだ。そして妖怪故か、俺の愚息を全て飲み込むことが出来た一華の結合部からは血と愛液が流れているのが見えた。
「一華、コレでお前は俺のモノだ」
普段は言わないような強い言葉を囁く、その事に身体を震わせた後にゆっくりと結合部を確認する。
「……はい、私は主のモノです。心も身体も、好きに使って下さい」
「ああ、分かった」
好きに使えと言われたので、早速その唇を味わう。予想外だったのか驚きに目を見開く一華だったが、直ぐに舌を絡めて応えてくる。しばし戯れた後に顔を離して、見つめ合う。
「一華、動けるか?」
「はい、痛みは引いて来たので大丈夫です」
何となく嘘なのは分かる、身体を貫かれた痛みが早々に引くはずが無い。だが、一華の態度から何処か余裕とは違う物も感じる。腟内の蠢きから、俺を求めているのではとそう感じてくる。
拙く動き始める一華、腰を内壁を擦らせながら降ろす。単なる上下運動は始めだけで、直ぐに腰の使い方が変わっていった。俺の愚息の形を膣全体で味わうように、腰をくねらせて更に自身の性感帯にも擦り付ける。
俺も『性魔術』を使い続けて一華の痛覚を鈍く、快感を強くする。その影響か一華は腰の動きを加速させ、遂には俺を押し倒して座位の体勢から騎乗位へと体位を変える。俺の愚息の動きが外から見える程に薄いその肚を眺めていると大きくM字に開脚して、結合部を俺に見せ付けるようにして淫靡に笑う一華。激しく揺れるその豊かな乳房に手を伸ばし、先端を刺激してやれば高い嬌声を上げる。腟内の収縮が激しくなり、愚息は搾られる様に全体を慰撫される。エテルと言う名器になれている故に耐えられているが、仮にコレを先に経験していたら即座に射精していただろう。
一華は身体を倒し、俺の頬に手を当てて唇を合わせてくる。どうやら一華はキスが好きらしい、俺も応えて舌を絡ませる。唾液が顎を伝い身体に落ちる、蕩けた一華の眼はそんな事も気に出来ない程の快楽を得ているのか腰の動きも舌のソレも激しくなる一方だ。そして、幾度も刺激を受け続けて遂に俺も限界を迎える。
「くぅっ、一華……出るぞ!」
「はい、私の内に……私に
俺の声に応えた瞬間に、一華の腟内も俺を一際強く搾り上げてくる。それに合わせて思い切り膣内射精をした、学生運動に備えて本番は控えると以前言っていたがその事を考えていられない程に頭が快楽で染まっていた。
俺の精液を腟内に受け入れて、一華は絶頂を迎えたらしい身体を反らせて痙攣し更に抑えていた尻尾が9本になっている。
力が抜けてくたりと俺の上に身を預けてくる一華、荒く息を吐いている中で顎を上げさせて唇を重ねた。舌を絡ませず、吸う。一華もそれに応えて、浴室内はその音が響いている。
「……前にエテルと子供が出来るまで控えるって言ってなかったか?」
賢者の如き精神の凪を得た俺は、そういえばこんな事を言ってたよなと確認する。一華は少し戸惑ったような、というよりも何やら隠し事が有るような雰囲気で視線を彷徨わせる。答えるのを渋っている様子なので、陰核や乳首を指で刺激して快楽を与えて白状させようとする。攻防は3分程続き、遂に一華は音を上げて答えてくれた。
「え、エテル様に頼まれました。私が先に子を産んで少し子守の練習をさせて欲しいと!」
「あいつ、マジで何やってんだ」
発想が若干飛んでる……のと違うな。多分これ、一華の不安を払拭される為の何かだな?
あの天使族との戦闘で、一華は俺が死にかけた姿を直接見ている。あの日から時間は経っているが、一華の中でまだ消化しきれていなかったのだろう。その感情を何とかする為に行為を推奨した、そんなところか?
「お、怒りましたか?」
「若干イラッと来てるな、一華は言われて俺に抱かれに来たって事だろ?」
「そ、その……我慢の限界はもう少し先でした」
いや、限界が近い自覚は有ったのか。
「せ、拙者はその発情期がこの季節というか今までは特に強くも無かった中でご主人と出会ってから一気に強くなってしまって秘伝の薬を調合して何とか抑えてましたが此処最近薬の効きも悪くなりご主人と居ると発情の具合が強くなってたのでござるが流石にご主人に鎮めて貰うのもどうかと言うか使って貰う立場なのに手を煩わせるのも違うというかそれは流石に主と仰ぐ人に頼るものでは無いと思い自分で慰める日々が続く中でエテル様から同情でご主人と交わる許可と言うかお情けを頂いて本来断る所を本心を押さえられず思わず飛び付いてしまい『ジュロン家には浴場で欲情する遺伝子が受け継がれている』との情報からこうして挑んだところ想像以上に拙者の身体がご主人の遺伝子を求めてやまない事をわからせられてしまい拙者の先祖である九尾の狐はこうして交尾の狐になったのだなと納得したというかいっそご主人の専用の愛奴として家では裸で首輪のみにして服従してしまいたいと考えてしまうもそうするとご主人と並んで料理が出来ないから早々に却下しつつも全てを捧げる宣言をしたいなと思いつつも今拙者自身何を言ってるのか分かってない状況でござる!?」
「あ、服従を示すなら白い襦袢を着て寝室で三指揃えて欲しい」
「分かったでござるよご主人……ってそれ初夜の挨拶じゃないでござるか!?」
お、ちょっとは落ち着いたらしい。しかしそうか、一華も発情期で我慢の限界だったのか。
「しかし、主人と仰ぐ俺よりもエテルの言う事を聞くとはな」
「あ、その……それは」
上に乗っている一華と俺の位置をそっと替える、床に寝かせる格好になるが此処からはお仕置きなので文句は受け付けない。
「ご、ご主人……?」
「悪いんだがな、一華。そんな風に主人を蔑ろにしたならお仕置きも必要だよな?」
片脚を抱え込む松葉崩し、以前エテルにもやったが一華は尾が有る関係で正常位をすると潰れて痛そうなのでこの体位である。
繋がったままだった愚息は『性魔術』を使うまでも無く硬度を取り戻していて、反り返っている。『性魔術』を使って一華の感度を上げる、痛みすら快感にする可能性も有るがコレはお仕置きなのだと自分に言い訳をする。
突き入れた衝撃が脳天を抜けたのか、嬌声を上げて背を仰け反らせる一華。目を大きく見開き、口を開閉させながら音にならない声を上げている。その姿に嗜虐心を刺激され、腰を動かす。
一突きするたびに一華は単音を発するだけ、本能からか快楽から逃がれようとするも俺に脚を抱えられている為に出来はしない。打ち付けた腰をそのままにして内部を掻き回すように動かす、喘ぐ一華の艶姿に興奮を滾らせて動きを加速させる。簡単に限界に達した射精感に従い、最奥へと愚息の先端を押し付けて子種を注ぎ込む。一華も絶頂を迎えたのか身体を痙攣させ仰け反らせ、その瞬間に盛大に潮を噴き出した。俺の身体を人肌のような温い水分が吹き付けられる感触がする、一華は自身が粗相をした自覚も無いのか何処か悦びが混ざった声をこぼすだけだ。
冷静になってその姿を見てやり過ぎたと少し後悔する。ただ、その一華の姿は何処か幸せそうに見えたのは何故だろう。
「……ご主人、申し訳ないでござる」
湯船に漬かり俺に身を預けている一華から謝罪される。なんと二度の絶頂により腰が抜けてしまったらしく、身を起こすのも難しくなっていた。そんな一華を俺が洗い、こうして身体を支えて湯船に入ったのだ。まぁ、身体を洗っている最中にその豊かな乳房を弄んだり潮を吹いた場所を丁寧に手で洗ったりと大分意地悪な事をしてしまい一度一華を泣かせてしまったのはやり過ぎたと反省している。まぁその、泣き出した一華が可愛くて後悔をしてないのは我ながらどうかと思うが。
「でもご主人、普段と違っていじわるでござったよ」
耳に負担を掛けないように気を付けながら湯に髪が浸からないようにタオルを巻いた頭を俺に押し付けながら、恨みのこもった声でそう言ってくる一華。俺に世話を焼かせた事は気にしてるが、それと同じだけ動けなくした事を恨んでる様子だ。
「悪い、俺が一華の反応が可愛くてやり過ぎた」
そう言いつつ、今でも身体に押し付けられる柔らかい乳房や先程まで繋がっていた秘部へ指を挿入したくなる衝動を抑える。
何ならまだ足りないと欲望が湧いて来るがこれ以上は一華に嫌われてしまいそうだと精神的なストップが掛かっている。
「可愛いと言ってくれるのは嬉しいでござる、それはそれとして拙者は処女だから加減して欲しかったでござるよ」
「アレでも何とか加減したんだけど」
「嘘でござろう?」
いや、割と本気だ。加減して無ければ今頃一華は気絶していたと思う、多分エテルの影響で俺の『性魔術』は一般的なそれよりも効果が上がってるだろうから。
「ぐ、具体的にはどう加減してたでござるか?」
「エテルに使ってる物より『性魔術』の出力は落としてたぞ、他者をこの場で引き合いに出すのもなんだが……タチアは『性魔術』で痛みを誤魔化したら痛みに対して快感を覚える脳になったからな」
「……拙者、ご主人との交わりしか求めぬ雌にされるところでござったか?」
多分、一華の予想はそんなに大きく外れては無さそうだ。
「うう……最早拙者の腟内はご主人に耕されて、種を蒔かれた専用の畑にされたでござる」
「その、そんなに嫌だったなら」
「ただの軽口で後ろ向きにならないで欲しいでござるよ、もうお腹の中でご主人の稚児を宿したのに今更文句は言わないでござる」
「そう……ん?」
え、何だって?
「おい、子供って……」
「拙者に流れる血の影響なのか、自分の内側の事は簡単に分かるでござるよ。ご主人の子種、しっかり拙者を孕ませたでござる」
疑問を口に出したら即座に返された。いや、腟内射精したその場で受精や妊娠が分かるってなんだ?
普通はそういうのって最低でも一ヶ月は分からない物なのではないのか?
「お腹が目立つのは3カ月を過ぎた辺りの頃でござるな、それと男女はまだ分からないでござる」
いや、マジで言ってるのか?
エテルにどう報告すればいいんだこれ、下手しなくても殺されるだろこれ。物凄い裏切りじゃんか、ヤベェ今すぐ死にてぇ。
「因みに、エテル様は察してたでござるよ」
「待って?」
「夢魔の特性で性的な相性とか見れるでござるからな、拙者がご主人の子供を確実に孕むのを理解して許可出してたでござる」
「嘘だろ……」
奪われたりした訳でも無いのに脳が破壊された気分だよ、エテルには寝取らせ趣味でもあんのかな?
「それと、もう一つ問題があるでござるよ」
「……何だか聞くと死にそうな気がする」
「拙者、多分もう一生ご主人以外と子供作れないでござる」
「本当に死にてぇ……」
何の呪だよそれ、一華が別の道を見付けても俺の存在が縛るとか。
「あ、コレは拙者の血に宿る呪いなので建前としては気にしないで欲しいでござるよ?」
「建前はってどういう意味だよ」
「建前としては責任取らなくていいでござるが、本心はご主人のモノになった証明みたいで嬉しいでござる。一生を添い遂げるので覚悟するでござるよ」
「……結構余裕なのな?」
「ご主人以外ならこの場で自分の首を落としてたでござるよ」
「誇り高いと言うより覚悟が重いな」
口調がござるのままだが声音は本来の冷徹なそれになってる辺り、冗談めかそうとして本心が抑えられてないな。
「それと、ご主人のこの凶悪極まりない大きさの逸物は妖怪でも受け入れるのは難しいでござる。拙者が妖狐で地方のものとは言え豊穣神の血を引いてる故に受け入れられたでござるが、只人相手では冗談抜きに身体が壊されるでござる」
「何か以前にも四葩に言われた気がする」
「む、拙者より以前に四葩に言われたでござるか?」
「ああ、確か一華と初めて肌を重ねた時にな」
「……拙者が工房へ入る前の事でござるか」
察しが良くて助かる。
「その時の愚息へ鬼包丁とあだ名が付けられたな」
「ふむ、確かにご主人の剛刀修羅一文字はそう呼ばれても仕方ない狂気でござるな」
「何かまた仰々しいあだ名付けられてる……」
「陽出でもお伽噺に出て来る有名な刀でござるよ、今は天に昇った酒呑童子様が使ったと伝わるジッ様が打ったとされる原初の刀でござる」
「なにそれ知らない」
此処でお師様の名前が出るとはな……ピロートークで名前が出て来る師匠ってちょっと可哀想な気がする。
そんな会話をツラツラと続けていると、一華の肌が湯の熱で紅潮しているのが分かる。のぼせる手前だろう。
「そろそろ出るか……立てるか?」
「……無理でござる、ご主人」
まだ一華の腰は抜けたままで、自力で立てないらしい。そういう事ならと俺が横抱きにして風呂から出ると、一華は俺の首に腕を回して姿勢を安定させる。脱衣所で一華の身体を拭いている間にその身体の柔らかさに興奮してしまった。しかし、此処は我慢だ。湯上がりでいきなり行為をしてしまうのは再度の入浴をする事になる。
横抱きのままで脱衣所から出ると、エテルと出くわした。
「タタラ、なんでイッさんをお姫様抱っこしてるの?」
「その、初体験で腰が抜けたらしい」
「……タタラ、もしかしてえっち上手くなってる?」
「俺の相手はエテルとタチアしか居なかったんだが、エテルなら俺の実力を把握してるだろ?」
俺の言葉に何か考え込むエテルだが、それよりも一華を部屋に連れてってやらなければ。
「その、ご主人……部屋が雛菊と共有なのでこの姿を見られるのはその」
「あぁ、確かにな」
恥じらう一華を可愛いと思いつつ、何処へ寝かせるか悩む。
「なら、私の部屋を使うといいよ」
エテルの提案に一華が視線を向ける。
「良いのでござるか?」
「うん、そのかわり私がタタラの部屋で一緒に寝るし。イッさんは身体を休める方が先決だろうしね」
「忝ないでござるよ」
そういう事になったので、エテル先導で部屋に入る。ベッドに寝かせてやると、一華にそっと袖を引かれた。
「どうし──」
顔を近付けて用件を聞こうと思えば、そのまま唇を重ねられた。5秒程の時間の後に顔が離れる。
「おやすみなさい、タタラ様」
そっと、本来の口調で主では無く名前で呼ばれた。多分コレが一華なりの夫の呼び方なのだろう、中々にいじらしい。
「……エテル、悪いけどちょっとインテリアを増やすな」
「え、うん」
俺の呼び掛けに一瞬反応が遅れたエテルだが、了承をしてくれた。なので、インベントリに入れていた俺達のパーティのぬいぐるみを取り出して一華を囲ませる。
「きゅうん!?」
「んに!?」
一華とエテルが最近中々聞かなかった鳴き声を上げる。まぁ、コレだけの数は驚くか。何故かゴーレムのリーダーも出て来たが、その腕にはえてる人形が抱きしめられたままだ。そっと一華に近付いたゴーレムは、そっと一華のお腹を撫でた。もしかして、分かってるのか?
「とりあえず、コレで少しは淋しくなくなるよな?」
「逆に威圧感を覚えるでござるよ!?」
枕の両サイドに置かれたえてる人形とよひら人形から圧を感じるのか、一華が若干焦っている。その腕の中に俺の人形が有るのは何故なのか。
「……タタラの人形、私より先にイッさんの匂い付いちゃう」
「何なら今度新しいの作ってやるから今は、な?」
「約束だよ?」
拗ねるエテルを宥めつつ、エテルの自室を後にする。俺の自室へ向かう最中、エテルが口を開いた。
「幾つか聞きたいんだけど」
「ああ、あのゴーレムがエテルの人形持ってるのは作った時に離してくれなくてな。それで新しくえてる人形を部屋に飾る為に」
「ごめん、それも非常に気になるんだけど違うの」
「えっ?」
適当に言ったらえてる人形の事が気になるのか?
「さっきイッさんを夢魔の目で見たら妊娠の予兆が見えたんだよね」
「それは一華に言われたな、宿したって」
早速ツッコまれた一華の妊娠、まだ受精してない筈だけど妊娠が確定しているのは分かるらしい。夢魔の目も大概だな?
「むぅ、タタラの赤ちゃんは私が最初に産みたかったのに」
「それは……はい、最低なパートナーですみません」
「……はぁ、認めちゃったのは私だしね。それに、タタラが避妊魔法使えないのも私が教えなかったせいだし」
肩を落としたエテルに心が痛くなる、なんだかんだ行為中は俺も変にノッてた訳だし言い訳も出来ない。こんな最低だったんだな、俺。
「今の学生って身分が恨めしいよ、騎士見習いの学生運動が終わったら次は卒業課題だし」
「エテルは探索科の課題は終わってるからいいだろ、後はレポートに軽く纏めるだけだし」
「そうなんだけどさ……20階層迄の探索レポートが一番面倒だよ。タタラ、代わりに書いて?」
「ダメ。教えはするけどちゃんと自分でやる事」
最初から無理と分かってて聞いたのだろう、ポーズだけ膨れるエテルを見て沈んでた気持ちが少し持ち直す。こういう場面でさり気なく心を使う、俺がエテルの好きなところだ。
「エテル、俺に避妊魔法を……」
「ダメ。タタラがそれ覚えちゃうと他に襲いかかる子が出るしなんなら無効化出来る人が狙ってくるから」
どんな心配してるんだよ。つかその事に対してやる相手に心当たりでもあんのか?
「学生って身分のせいで出遅れるの本当にムカつく」
「いや、その……」
「タタラは私を惚れさせた逸材だって自覚持ってよね、イッさんだからまだ我慢出来るけど……泥棒猫1号2号相手だったら私も退学覚悟で孕みにいくんだから」
「なんでそんな恐ろしい覚悟してんの?」
つか、泥棒猫1号2号ってもしやアンナちゃんとニーナちゃんの事か?
あの二人を泥棒猫認定ってエテルの中で何が有ったんだろう?
「それと」
「それと?」
「あのぬいぐるみは素直にありがとう、タタラ以外にトラッちゃんとチーちゃんだけじゃなくてイッさんのも有るのは高得点だよ」
「……なんだかんだ、一華の事好きなのな?」
「うん、ちゃんと私を正妻として立ててくれたし。何より発情期で苦しんでる時に頼ってくれたしね……タタラの子供を先に産むのは複雑だけど、先輩ママとして頼れるだろうし」
意外にエテルの中の一華は好感度が高いみたいだな。
「そうだ、少し相談いいか?」
「え、タタラが私に?」
そんな意外な反応するものだろうか、結構してる気がするんだが。
「一華がこれから妊娠で日常生活が大変になるだろうから、俺達のパーティにそれぞれサポート用のゴーレムを作ろうと思うんだ。エテルはどう思う?」
自宅内や街中でのサポート用に中たたらと同規格の物をそれぞれ付けようと思う、コレは一華から妊娠を言われた時に考え付いた事でまだまだ中身は練れていない計画だ。エテルは少し考えてから頷く。
「私は賛成かな、あの中たたらに助けて貰えるなら助かるよ」
先ずは肯定意見1か、残るは四葩とタチアに一華だな。明日に回すか。
「あ、私としてはイッさんにはサプライズで即座に渡す事をオススメするよ」
「え、意見聞かずにか?」
「イッさんはその手の事を聞くと多分、遠慮しちゃう人だからね」
エテルの意見に納得する。確かに一華なら俺から質問されたら断るだろう、素材に関して心配させてしまうだろうから。まぁ、素材に付いては鍛造ミスリルと『錬金術師の卵』なので特に問題は無いから気にして欲しくはないのだが本質が繊細で他人を気にする一華だからな。俺も形を示す恰好で大切だと伝えないと難しいかも知れない。
「そうだな、明日の朝早くに起きて一華用のゴーレムを作ろう」
「うん、きっと喜んでくれるよ」
エテルにそう言われて決める。俺も大分チョロいな、エテルの言う事を簡単に聞くんだから。
そんな会話をしてから部屋に入った直後、エテルを抱き締めてキスをする。そのままベッドまで連れていき、押し倒す。
「……お昼にチーちゃん、さっきはイッさんといっぱいえっちしたんじゃないの?」
頬を赤らめ、蕩けた目のエテルからそう問われる。
「それでも足りない、やっぱり俺のベストパートナーはエテルなんだなって実感したよ」
言いながら愚息をズボンから取り出す、既に最大仰角でエテルの腟内に入りたいと主張している。
「仕方ないなぁ、私の旦那さんは」
何処か楽しそうにそう言って、服をはだけてから両手を俺に伸ばして来るエテル。
「来て」
我慢の限界を迎えた俺は、そのまま本能に則ってエテルと交わった。
翌朝、傍らに眠るエテルの寝顔を一番に見る形で目覚める。そっと頭を撫でた後にベッドから出て、シャワーを浴びる。結局昨夜はダリアが帰って来なかった、どれだけの実験をしていたのだろうか?
身体からエテルとの行為による体液を洗い流した後に、インベントリから中たたらと小たたらを何体か出す。今日はえてる人形を持っていない中たたらに向かって、俺は命令を下す。
「俺はコレから一華用のゴーレムを作るから、朝食の準備を頼む。食材と食器の準備だけで大丈夫だ、『頼む』」
『たー!』
俺の命令に嬉しそうな声で答えた後、中たたらを先頭にゴーレム達はキッチンに向かっていった。俺はそれを見送ってから、工房に入る。インベントリから取り出すのはミスリル1kgと特殊な端材300gで、この端材は一華の『牡丹』を鍛える際に発生した鉱滓だ。一華の武器から零れ落ちた素材故に、一華専用に使う上では最適解だろう。
早速ミスリルを赤めてから端材を混ぜ込む。普段の鍛造ではこの鉱滓を外に出していくが、今回は内に籠もらせ良質なミスリルと織り交ぜる。一つの鍛造ミスリルになった1.3kgのインゴットに『クラフト』と『ゴーレムクラフト』を使用して形成する。そうして出来上がるデフォルメされた俺……なのだが、今回は細部が違った。
俺の服装が先ずNINJAのそれで、更に頭頂には三角形の耳と頬には3対の線そして腰部から伸びるモフッとした尻尾。
明らかに一華の特徴を取り込んだ特別仕様です、本当にありがとうございました。
「……イメージ、どっから来たんだ?」
「たー?」
思わず零した声に、目の前のゴーレムが応える。が、生まれたてのコイツがそんな事を知ってる訳も無いか。
「お前には、俺の大切な人を専属で助ける役割を与える」
「たー!」
「コレからその人は少しずつ不自由になっていくから、お前が補助してやってくれ」
「たー!」
「いい返事だ……任せたぞ」
「たー!!」
狐たたらは片手を伸ばすよく見るスタイルで了承を伝えてくる。頼もしい限りだ。
新しいゴーレムを連れてキッチンに入ると、中たたらを筆頭に食材の用意を終えてくれていた。一華はまだ動けないのだろう、まだ調理に付いていない。さて、俺は俺で仕事をしよう。
用意された食材は千切られたレタスに薄切りのトマトとコッペパン、湯の張られた鍋の中ではソーセージが茹でられている。ホットドッグを一人二つずつ、それが今日の朝食だ。
コッペパンには切り目を入れて、専用のスチーマーに掛ける。内部に三角の突起が有り、此処に切り目を入れてスチームを掛けると熱でこの突起に触れている面が焼かれて外はふんわりで内側がサクッとした食感になる。前世でバーガー屋でのバイトで見た構造を参考にして作ったが、コレが大当たりで両親も絶賛してくれた。子供の頃は両親と一緒に縁側で並んで風を感じながら食べたな。
次に玉葱を取り出して微塵切り、水を軽く絞ってからボウルに入れて白ワインのビネガーと塩と胡椒に卵黄、砂糖を少量入れて混ぜる。時間が足りないが、味を馴染ませてピクルススプレッドを作る。本当は胡瓜の方が食感も瑞々しいのだが、前世で拘ってた友人のレシピを思い出してアレンジした物だ。
次に茹でられたソーセージを、少量のお湯を張ったフライパンに入れて火に掛ける。茹で焼きにして茹でた際の肉汁を内に閉じ込めた旨味と、焼き目を入れた香ばしさを合わせる。あまり焼き過ぎると皮を破って肉汁が飛び出すので注意して、出来た物は皿に移す。
スチームの終わったコッペパンを取り出して盛り付ける、最初にピクルススプレッドを塗ってからレタスの次にトマト続いてソーセージを乗せて最後にピクルスフィリングを乗せる。余裕が有るならザワークラウトを乗せるのも良いが、今は無いのでコレで完成。後は人数分の量を用意してから、何時ものようにソファに座る。ホットドッグならスープよりコーヒー辺りが合う、本当なら炭酸飲料を用意したいが生憎ガスを注入する魔導具は作ってない。なのでコーヒーだ。
「……タタラ様、朝食の用意を手伝えず申し訳ございません」
呆っとしていた俺に声を掛けていたのは一華だ、歩き方にやや違和感が見えたのでまだ異物感が残っているのだろう。そんな一華に向けて俺は自分の太腿を軽く叩く。
「ほら、おいで」
そう言うと、一華はおずおずと近付いた後に頭を乗せてくる。その髪をゆっくりと撫でて感触を堪能する。
「あの、怒らないのですか?」
「昨日無理させたのは俺だしな、初体験の影響まだ残ってるんだろ?」
一華の問いに軽く返しつつ問い返せば、一華は軽く頷く事で答えた。
「俺は一華から処女を貰ったんだから、文句は言わないよ」
「……そんなに、嬉しい物なのですが?」
「男ってのは単純でな、初めてを貰うってのを特別視するんだよ。一華がその人生で全てを捧げても構わないと思ってくれたって嬉しさも有るしな」
特に遊んだ経験の少ない男なんてそんなもんだ、前世では童貞で一生を終えた拗らせた人間の経験則なので間違いは無い。
「俺としては、一華がもっと甘えてくれたならって思うがな」
「ふふ、今でも十分に甘えてるんですよタタラ様」
人生経験から甘え下手になってしまっている一華にとって、このささやかな物ですら沢山の甘えなのだろう。コレはエテルの言う通り、俺から積極的に構わないと駄目か。
「ところで、その……そちらの傀儡は?」
「ああ、紹介を忘れてたな。ほら、挨拶」
「たー!」
狐たたらは一華の目前に立ち、挨拶をする。その様子を戸惑って見ていた一華に、俺は説明をする。
「一華が妊娠するから、日々の生活を補助する専用のゴーレムを作ったんだ。あくまで日常生活用だから、家と街中だけで使ってくれ」
「たー!」
元気に声を上げた狐たたら、その姿を身を起こして見やる一華。そっと片手を伸ばせば、狐たたらはその手を両手で挟む。
「……宜しくでござるよ」
「たー!」
静かに一華がそう言うと、狐たたらは嬉しそうに応えた。
「……で、一華を孕ませた故に専用の新たなゴーレムを作ったと言う訳じゃな?」
「それで合ってる」
朝の鍛錬を終えて朝食を取っている最中に四葩に問われたので答える、狐たたらは中たたらと一緒にソファで待機中だが何時でも一華のフォローを出来るようにスタンバっている。
「タチアに続き一華もか、妾は先を越されるのう」
「すまん」
「立場が厳しい故に仕方ないのは分かっているのじゃ、愚痴ってすまぬのう」
複雑そうな表情だが、一華の妊娠自体は歓迎しているらしい。心が広いな本当。
「……駄狐、お前タタラ殿と通じたのか?」
「そうでござるよ。人生で初めての発情期に耐えられず、エテル様から許可を得て身を捧げたら的中したでござる」
「……おめでとう、と言っておく」
「ありがとうでござるよ、雛菊」
付き合いの長い二人は静かにそんなやり取りをしている。雛菊さんは一華の妊娠を知ったからか、それとも食事の味が分からないのか食レポをしてない。
「本格的に動けなくなるのは3カ月は後の事らしいから、学生運動の対処は出来るらしい」
「その後は大事を取って探索も控えるでござるが、朝の鍛錬くらいはするでござるよ」
「ふむ、無理はするなよ一華。妾も可能な限り手助けするのじゃ」
「ありがとうでござるよ、四葩。でも、あまり気にし過ぎないように頼むでござる」
四葩に取って一華は姉的な存在なのか、大分気にしている様子だ。
と、そんな時に庭先に物凄い衝突音が響いた。外部からの攻撃を防ぐ結界が一時的に破られたが、即座に修復される。慌てて庭先に出ると、フル装備状態のダリアが
「……おかえり、ダリア。遅かったな?」
「ただいま、マスター……コレを」
目の下に濃い隈を作ったダリアが挨拶もそこそこに、紙束を渡してくる。軽く目を通せば簡易転移門と魔導マーカーの使用感や問題点、更に改善点や要望等が纏まったレポートだった。
「都市長から預かりました、申し訳ありませんが私は寝ます」
「ああ、お疲れ様……ゆっくり休んでくれ」
「Yes my Master」
欠伸を噛み殺し、フラつきながら自室へ戻っていくダリア。本気で限界だな、アレ。
「今日は登校だから対応出来ないんだよなぁ……」
軽く流し見した後、最後のページに『大至急』と赤字で書かれた改善要求に俺は溜息を吐いた。
『たたらコーンレム』
体力 800
魔力 100
技力 100
物理攻撃 30
物理防御 80
魔法攻撃 0
魔法防御 80
速力 80
運 10
移動力 4
特殊能力『忍術』『隠密Ⅲ』『忍び足Ⅲ』『クラフトⅢ』『魔力充填』『体力回復Ⅴ』『魔力回復Ⅴ』『技力回復Ⅴ』『概念共有:【牡丹・成長】』
生存するか否か
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生き残る(元は生き残る予定)
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生き残らない