既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント進行中
アンケート実施中です、直感でお選び下さい。
そう言えば隠し文字とか透明文字とか使ったら台詞とか気付かれたりしないのかな?
《驚かせようと思ったのに、なんで気付くんですか?》
暗闇から進み出て来る『天使長』を見て、俺は苦笑いが浮かぶ。可能性としてはエテルも有ったのだ、口調を少し曖昧にしたのはその為だったりする。
「独りで居たからか、人が増えると何となく分かるんですよ」
何となく息遣いや衣擦れ、床の軋み等が聞こえる。それだけの静寂が広がる中だからと言うのもあるが、エテルや一華が隠行してても独りで居たなら分かる。
俺の言葉を聞いて溜息を吐く『天使長』を見つつ、俺は用件を確認する。
「さっき妹の『清掃長』が来てましたが、フィギュアは『天使長』が来た時にと言われました」
なので近い内に来るとは思ってた……尤も、時間をズラしただけでその日の内に来るとは思ってなかったが。
《ふふ、早速上の妹と仲良くなれたようで嬉しいです》
「仲良くなってるんですかね、微妙なところだと思いますが」
初手からタラシ扱いされてるしな、原作ゲームでは普通に出来る女ムーブして何となくメイドよりも秘書な印象を与えるキャラだったのだが。台詞は無かったけど。
「ま、取り敢えずはフィギュアを作りますね」
《お願いします!》
楽しみが抑えられないのか、俺の手元をキラキラ光る目で見詰める『天使長』が子供っぽくて可愛く見える。そんな期待に応えようと、ミスリルを一つ取り出して『クラフト』を実行。深く集中し、頭の中に『清掃長』を思い浮かべる。手元のミスリルに変化が感じられて『クラフト』が成功した事を察して瞼を開く。
手元には完成した造形のフィギュア。乱れた髪に着崩したメイド服、横座りで太腿が見える迄に捲れたスカートに胸元が開け片乳の露出した上着に胸元を隠す手には普段掛けている眼鏡。
何故か『清掃長』のエロフィギュアが出来上がっていた。
「あんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!?」
完全に意識外から殴られた気分だ、どうしていきなり……コレ確か数少ない元会社の同人誌出してるところの『看板娘』エロの『清掃長』陵辱物の表紙じゃねぇか!?
《……タタラさん?》
「ひぃ」
地を這う様なド低音で話し掛けられて悲鳴が溢れる、恐る恐る視線を向けると笑顔の『天使長』がいた。
笑顔と言うものは本来攻撃的なものであり、牙を剥く動作が元。何故かそんな言葉が脳裏に過ぎる。
《なんで妹の痴態の像が出来上がるんですかね?》
「いや、知らない! 本当に知らない!!」
コレ、もしや神像と同じく本人を目の前にしてないと別の電波受信するやつなのでは……?
《知らない訳無いでしょ、作った本人なんですから!!》
「事この手のクラフトに対しては世界から情報引き出して勝手に造形してるから俺の意思入ってないよ!?」
因みにこの本、『清掃長』が結構エグいプレイに遭って胸糞悪くなるオチだったやつだったりする。読んだあと結構気分が落ち込んだから記憶から消してたレベルだぞ。一番の問題はこのサークル、『看板娘』のエロ同人誌で純愛本出したの『天使長』だけとか言うアレさ加減だったし……その次に寝取られ物出した時にはサークル主を本気で殴りたくなったな。
「多分、本人前にしないと変な電波受信しますから次は『清掃長』本人を一緒に連れてきて下さい!」
《まさか、目の前でえっちな像を作る高度なプレイを……?》
「『料理長』の時は大丈夫だったやろがい!」
《でも体型的に上の妹の体型の方が好みという線も……》
「それで言ったら『天使長』が一番好みですからね!?」
《え、あっ……はぃ》
何か勢いでとんでもない事を言ったかも知れない、『天使長』が顔真っ赤にして俯いちゃったよ。
《うぅ、妹達に言われて久しぶりに二人きりで顔合わせたのに何でこんなになっちゃうんだろう……タラシさんのせいですよ!》
「俺が悪いの!?」
はっとした『天使長』は頭を振ってから俺に詰め寄ってくる。
依頼されて作ったらコレって何なんだよいったい。
《なんで私にはこういう感情を向けないんですか、一番付き合い長いですよね!?》
「救ってくれた恩人だからですよ、初恋昇華した男の感情なめんな!?」
そりゃ前世でゲームやってる時は『看板娘』のエロを求めはしたけど、転生してからはその手の感情を向ける事は無い。精通した直ぐの頃は『天使長』相手に反応はしてたが、あの時は初恋も相まって罪悪感の方が強かった。今はエテル筆頭に想いの先を昇華してるから、基本的に『天使長』達にそう言った感情は無い。
《なら、下の妹の像を作ってみて下さい。タタラさんがあの子を優しい目で妹みたいに扱ってるのなら、えっちな像にならない筈ですよね!》
「造形に俺の意思は介在しないって言ったよね!?」
確かに『料理長』は妹というか、守ってあげたいと感じては居る。とは言え、『料理長』の居ない所で作った像がどうなるかなど火を見るより明らかだ。『看板娘』の中でぶっちぎりでエロを描かれて居たのは何を隠そう『料理長』なのだから。
《ほら作ってみて下さい!》
「嫌だ、嫌な予感しかしないから嫌だ!!」
《駄目です、やって下さい!!》
「力も押しも強いな!?」
妙に興奮した状態の『天使長』をなだめきれず、遂にはクラフトする事を押し切られた。心の底から嫌な予感がしつつも、そっと剣を手にとってる『天使長』を見て溜息を吐きつつミスリルを取り出して集中する。
頭の中に『料理長』を思い描きつつ、ひどい事にならないよう祈ってから『クラフト』スキルを使う。恐る恐る目を開けば、確かに『料理長』の像は出来ていた。
四肢を投げ出した様な仰向けの姿勢で、床に髪が広がっている。服装は魔導鎧用のピッチリスーツだが、ダメージを受けて所々破れている。片乳と割れ目がバッチリ見えているコレは恐れていた通りのエロフィギュアだ。これも確かさっきの『清掃長』の本を出したサークルの本で、『ゴブリン』に負けた『料理長』が集団で犯されるヤツの表紙だ。なんでこんなの引くかな。
《フフフ……下の妹にもそんな目を向けてたんですね、タタラさん》
「ふざけんな、嫌な予感がするから嫌だって言ったろ!」
因みにこの本を読んだあと、ゲームを起動して『料理長』で『ゴブリン』種を軽く100匹は殺しまくって憂さ晴らしした。友達に勧められて読むんじゃなかったと後悔した作品の一つだ。
《タタラさんのえっち、スケベ、クラフター!》
「クラフターを悪口にすんな!!」
マジでそれは赦さんぞオイ。俺の怒気を真正面から受けたためか、『天使長』の表情がはっとする。漸く落ち着いたか?
《……すみません、クラフターに失礼でした》
「分かればいい、人の生活に役立つ物を作る立派な職業なんだ……貶めないでくれ」
《自分が悪く言われるよりクラフターって職業が悪く言われるのを嫌がるのはなんかズレてますよね?》
「ズレてない。クラフターを馬鹿にされるのは都市長とかお師様を馬鹿にされるのと同義だ」
《他人のことばっかりですね……》
いや、大切な人達を馬鹿にされたら怒るだろ普通。他人事じゃなくて自分の感情を優先した結果だこんなん。
「今度から当人が居ない所で姉妹像を作るのは拒否しますからね?」
《分かってますよ……この像どうしよう、持って帰るのもタタラさんに持っててもらうのも嫌だし》
「この場で壊しましょうか?」
《像とはいえ妹達を壊すのは嫌です、それならもう持って帰ります》
妹達の事大好きだなこの人、そう言う面はむしろ大好きなところでもあるが。インベントリに淫魔像二つをしまう『天使長』に気になった事を聞いてみる。
「そう言えば、神像の依頼とかじゃないんですか?」
《ああ、それは大丈夫です。欲しがってる二柱はタタラさんがお祭りの期間中に作ってくれるって確信してるみたいですし》
はて、都市祭の準備期間で俺が神様へ像を奉納する場面なんて有るのだろうか?
《私もその二柱に付いては問題無いと判断しました。ただ、タタラさんには新しい問題が発生しているのでそちらが気になります》
「新しい問題?」
まさかこんなタイミングでそんな重要そうな事を言われるとはな、『天使長』が言うと余程の事が起こりそうなのだが。
《タタラさん、此処最近変わったことは無いですか?》
「……色々有りすぎて何とも」
《えっと……具体的には前まで出来なかった事が出来たり》
「直近で一件、少し前から何件かありますね」
直近ではモンスター武具の改造、少し前では術式の解析等がそうだろう。一華と子供が出来た、ってのは違うだろうから脇に置くが。
《多分、その影響だと思うんですが……覚悟して聞いてください》
前置きをしてから深呼吸する『天使長』、何だか嫌な予感がする……今日嫌な予感がしてばっかりだな?
《タタラさん、このままだと近々肉体が崩壊します》
「……はい?」
肉体が、崩壊する……?
《タタラさんの身体は純粋な人間です。それはまぁ複数の神様から認められていたり、エテルさんから寿命を分けられてりしていますが現状はただの人間です》
言葉を続ける『天使長』を呆然と見つつ、紡がれる言葉に対して脳がフル回転して状況を理解する為に思考する。
《タタラさんの魂が何かしらの成長……または進化を迎えている現状、器が脆弱である為にその力に耐えられていません。今はまだ大丈夫ですが、数カ月以内に肉体が耐えられなくなり恐らくは病という形で倒れ亡くなると思われます》
つまり、なにか。俺がこの世界の法則を超えるのは魂が何かしらの変質をしたが故で、それに対して肉体が追い付かないって事か?
いや、それなら解決策は有る。この世界には世界法則の中に対策足り得る物が有るのだ。
「……つまり、数カ月以内に『存在昇華』を行わないと俺は死ぬって事なんですね?」
《はい。しかし、言い難いですが一度の『存在昇華』では付け焼き刃に過ぎません。十年寿命が延びるのが精々ですので……目標は最大、レベル100に届く必要が有ります》
俺の最大レベルは60、あと40上げなければならないと。
「『天使長』、俺の『存在昇華』は此処のダンジョンを進めば出来ますか?」
《はい、この都市の方々と同じように特定の階層のボスを倒せば条件を満たせます》
住んでるのがこの『ワールウィンド』で良かった、ゲーム時代と同じなら上限レベルと同じ階層のボスを倒せば条件の一つは満たせる。尤も、倒した上で更に自分のレベルを最大にしないと無理なのだが。
ボス部屋手前で戦ってれば大丈夫だが、そうすると数カ月以内に満たすのは難しいか?
「世界を追放されない為の条件が分からない上に、更には『存在昇華』しないと死ぬとか……中々にハードだな」
《それは……はい》
俺の言葉に何とも言い難い雰囲気を出す『天使長』、そりゃ本来追放する役割を持ってるだろうこの人が何を言えるのかって感じか。そうだな、物は試しで聞いてみるか。
「『天使長』、俺がこの世界から追放されない為の条件は何ですか?」
システム側の『天使長』なら、ヘルプ機能を備えてる筈だよな。コレくらいは聞いておきたい。
《タタラさんがこの世界に留まるには幾つか方法が有ります》
俺の質問に淀みなく答え始める『天使長』、システムに乗っ取られてる風でも無いし大丈夫そうだな。
《一つは、神核を体内に作り神になる事》
「いきなり無理な事が挙がるな」
《うーん……タタラさんなら出来なくは無いと思いますよ?》
そう言われてもな、『錬金術師の卵』では神核足り得る出力は無いから聖人止まりだろう。人造の神になるなど、それこそ追放案件な気がしてならない。この世界の神々と始まりは同じだろうけど、それでも今は認められない可能性の方が高い。
《一つは、世界に座す神と交わり世界と同一化する事》
「……それってつまり、俺が俺で無くなるって事では?」
《そうですね、タタラさんの場合自我を保てる可能性は有りますけど……運営システムの一つになってしまうという点では人間を辞める事になりますね》
怖っ、つまり過去作で女神と恋に落ちて情を交わした神殺しはこの世界の存続を守るシステムとして世界に取り込まれてたって事じゃん。俺は世界に新しい法則を生み出す機械みたいな扱いになるんじゃないか?
《一つは、世界に座す神に認められて楔になってもらうこと。多分、コレが一番タタラさんが果たす可能性が高い物になりますね》
「神に認められる……」
《此処だけの話、タタラさんはこの世界で信仰を受ける主要な神々からの認知が高いです。あと……三柱くらいですね、認められたならタタラさんは追放される可能性が無くなります》
何やら空恐ろしい事を言われた気がするが、残れる可能性が高いのならそれに越した事は無い。
《最後の一つは、私達姉妹から力を奪う事ですね》
「嫌だよそんなの、なんで大切な友達からそんな事をしなきゃいけないんだ」
《……ふふ、タタラさんならそう言いますよね》
何処か慈しみと哀しみが混ざったような表情でそう言ってくる『天使長』。かつて力の象徴である翼を奪われた『天使長』を助けたくて剣を作った身としては、自分が助かりたいからと『看板娘』達から力を奪うなんてあり得ない。
《でも、タタラさんが本当に無理そうな時……少なくとも私は身を捧げる事が出来るのを忘れないで下さい》
「ふざけんな、俺が一番幸せを願った相手からそんな事されたくねぇよ」
《そう思ってくれてる貴方だからこそ、私は全てを捧げたいって思えちゃうんですよ。メイドの奉仕精神、軽く見ちゃ駄目ですよ?》
何処か茶目っ気混じりにそう言ってくる『天使長』に軽く怒りが湧く、この人を犠牲にするくらいなら例えエテル達を悲しませたりしたとしても俺はこの世界から追放される道を選ぶ。
「絶対、俺は貴女達を犠牲になんてしません」
《しても構いません。私はそれだけ貴方を好きなんですから》
結局、この事は平行線で話は此処で終わった。
苛立ちを残した邂逅の後、窓が静かに叩かれた。振り返ればサイファーが居たので窓を開けて招き入れる。足に括られた手紙は商会長からだった。時計を見れば20時50分、ギリギリだな。
手紙を開いて読んでみると、内容は期日内でやって欲しい案件が三つだった。
一つは酒造ギルドで新しく蒸留器を納品する事。
一つは商会ギルドに計算機の納品をする事。
一つはとある会場の建設をする事。
特に三つ目は商会長立会の下で行うそこそこ大掛かりな物で、作業に立ち会える日付と一緒に書かれていた。事前に連絡をしないと駄目な案件なので、三つ目は可能な限り早い複数の日取りに丸を付けてもう一度サイファーに仕事をしてもらう。サイファーは嬉しそうに一鳴きした後にまた飛び立っていく。元にしたのが猛禽だからか夜間でも飛べるんだなと今更な事を考える。
「タタラ、ちょっといい?」
控え目なノックの後に聞こえてくるエテルの声、何事かと思い扉を開けると何故かたたら人形を持った薄いネグリジェ姿のエテルが居た。
「どうした?」
「明日は探索行くのか確認に、ね」
さて、明日は都市祭の準備をしようか迷う。俺にタイムリミットが設けられている事も有り、あまり悠長にしていられない。具体的にどれだけの時間が有るのか聞いておけば良かったな、最悪の場合はダリア頼りで60階層を攻略しなけりゃならんし。
「明日は都市祭の準備に充てようか迷ってるんだよな、前にサニーちゃんと約束した事をやってしまおうかとも思うし」
「え、何か約束したの?」
「ああ、家が雨漏りするらしくてな。直してあげようかと」
「……それはやってあげないと可哀想だね」
エテルの頭の中ではアンナちゃんとニーナちゃんの事が過ったのだろう、それでもサニーちゃんの事を考えてやるべきと判断したっぽい。
「とはいえ、ゴーレム達と一緒にやれば1時間も掛からないだろうから何なら終わった後に探索してもいいな」
「うーん……それなら、行こう?」
「何か有るのか?」
「ほら、私だけレベルが20代だからね。ちょっと焦ってるんだ」
それなら、いっそ45階層迄は潜るのも良いか。朝には四葩とも話して決めようか、タチアも朝来るだろうし。それなら35階層からの異臭対策も考えないとな、商会で匂い袋でも買うか……いやボディソープの応用でいけるか?
「タタラ?」
「いや、エテルのレベル上げなら41階層以降が良いかなって。『ハーピィ・クイーン』相手なら火力として十分だろうし」
多分、『グロリオサ』の特殊弾頭ならやれるだろう。数が揃えられたなら『吸血鬼』相手でも通用するしな。
45階層から戦う『精霊』種は属性が偏っている為に戦うのは危うい、出来れば属性の核石を集めて全員が属性攻撃出来るようになってから挑みたいところだ。
「それは明日、皆と相談しながら決めよ?」
「それもそうだな」
その言葉で解散する流れになった。なった筈なのだ。
何故か俺はエテルの肩を抱き、部屋へと誘っていた。
エテルもエテルで断らず、人形を俺の勉強机の上に置いてから俺とキスをしている。
今更ながら、死にかけた事による性欲が溢れてきた。ダンジョン内でエテル達が俺を回復させる為に色々してくれたみたいだが、どうも俺の身体はアレだけでは足りなかったらしい。
湿った音が室内に響く中で俺はエテルの胸を服の上から揉む。下着は着けていない上に生地の薄さから柔らかさと固く尖った乳首が分かる。ベッドに腰掛けてエテルと向き合えば、エテルはネグリジェの裾をめくりその肌を俺の前に晒す。元々そのつもりだったのか、下着は着けて無かった。
そっと素肌に触れ、何よりも目立つその乳房を弄ぶ。服に使われていた布よりも遥かに手触りの良い肌、指が沈み込む柔らかさと手応えを返す張りを持つ乳房は何度も触れているのに飽きることが無い。
顔を近付けて、舌でなぞる。乳輪の形に合わせて円を描き、先端の乳首を転がす。更に奥へと顔を近付けて、付け根の辺りを舐める。先端よりも鈍い刺激に戸惑ったエテル声が頭上より聞こえる。調子に乗って胸の間に唇を当てて吸う、突然の刺激にエテルは大きく反応して嬌声を上げる。逃れようとするエテルの背に腕を回し抱き寄せる、胸元から顔を上げて今度は唇を重ねる。
エテルは積極的に舌を絡ませに来て、互いに絡め合わせる。舌使いは夢魔の才能で巧みだが、何時までたっても初心さを無くさない姿に昂る。最早興奮が限界だ。
愚息を取り出せば天に向って雄々しく勃ちあがり、エテルの腟内への挿入を今か今かと待ち構えている。その様を見たエテルから唾を飲む気配が感じられて、その後は俺に跨ってくる。
互いに対面する形で、エテルは俺の上に座り込む様にして自ら挿入した。対面座位となった俺達は互いを貪るように動き始める。エテルは腰をくねらせ俺の愚息を下から上へと絞り上げ、俺は下からエテルを突き上げる。
唇を嫐り合い、舌を絡め合い下と上何方の口も快楽に染める。
俺が先に我慢の限界を迎え、エテルを一際強く突き上げてその奥に射精する。エテルの腟内はその精を一滴とて逃さぬとばかりに蠢き、俺の陰茎を扱いて全て吐き出させる。
「……悪い、死にかけたからか求めちまった」
「んー?」
射精後の賢者が如き凪いだ精神は、エテルの身体を求めた事に罪悪感を抱かせた。対してエテルの反応は緩慢と言うか、何時もの子供っぽいそれだ。
「んふふ、たたらはしょうがないなぁ」
そう言ってエテルは俺を抱き締める、なんというか……子供をあやす母親みたいな挙動だ。
「きょう、たたらがしんじゃうかとおもった」
今日の『不死の王』戦の事だろう、振り返れば一番重傷を負ったのは俺だ。タチアも大きなダメージを負ったが、最後に腹を貫かれた事で俺は本気で死ぬ手前だった。まぁ、直後の自爆砲撃に付いては言及されなかったので大分温情が掛かってそうだが。
「まほうでなんとかできたけど、むりかもしれなかった。まにあわなかったらいっしょにしねたんだけど、そんなことおもいだせないくらいにあせったんだよ」
子供の口調のままだが、コレはエテルの悲鳴だ。俺が生き残ったから抑えられただけで今日ずっと抱えてたもの。
「やっぱりね、いのちをきょうゆうしててもこわいのはこわいよ。たたらをうしなうのがこわい」
「……大切な相手を失うのが怖くない人間なんて居るものかよ」
過去作の主人公達は誰もが大切な相手を失い、傷付いている。アレだけ強い人達がそうなのだから、ずっと弱い俺達が違う道理は無い。
「そうだよね、やっぱりこわくていいんだよね」
「いいよ、普通だそれくらい」
エテルにそう返すと、肩に額を乗せてくる。
「ならさ、たたら」
「なんだ?」
「何を隠してるか言って、きっとそれは怖い事だよね?」
急に低い声で言われてゾッとした。そうか、バレてるかぁ……なんで?
「……はぁ、さっき神託みたいなもんを受けたから俺も今さっき知ったばっかりの事だ。それは了承してくれ」
そう前置きをして、先程『天使長』から言われた俺の崩壊に付いて話す。そして、俺の世界追放回避の方法に付いても。
「分かった、トラッちゃん達にも言って少なくとも90階層までは行こう」
「ちょっと待て」
目標が凄まじく先になってんぞ、目下は60階層だろ。
「だって、そこまで潜ってもタタラと30年しか一緒に居られないじゃん」
「世間一般では人間の平均寿命なんてそんなもんだからな?」
人の命が軽いと言うか、危険が溢れて死にやすい世界だから50歳でも長寿のレベルだ。肉体的に優れた面を持ち普通に生きるだけなら1000年を越えるエルフやらの長命種のせいで感覚バグるが。
「そもそも、エテル達は先ず50階層到達からだろ。『精霊王』に対する為の装備も用意しなきゃならんし」
タチアと共に探索する上で必ずぶち当たる問題だ、レア種との遭遇は経験値的にはあまり美味しくは無いがドロップアイテムが破格に過ぎる。『精霊王』から得られる核石の最上位『王玉』が手に入れば、属性防御に付いては問題が無くなる。まぁ、エテルの『ロニセラ』を進化させる上でも必要になりそうだが。
「でも、急がないとタタラの子供がお父さんを途中で亡くしちゃうんだよ?」
それは、かなり心に刺さる言葉だった。
「私もタタラも、お父さんとお母さんを亡くしてるの。子供に同じ思いをさせたくないよね?」
「それを言われたら何も返せないぞ」
両親の死を経験した俺が、子供に同じ思いを強いるのは間違いだ。なら俺は、何としてでも子供の独り立ちまでは生きなければならない。
「分かった、明日トラッちゃん達にも言って先ずは60階層を目指そうよ」
「……まぁ、先ずは10年延ばす事を目指すか。それはそれとして、エテル達の安全の為に先ずは50階層を安全に踏破する事を前提でな」
強引な取り決めに対して受け入れつつ、先ずは直近の壁を越える事を念頭に押させる。それに、『存在昇華』には俺のレベルが最大に達してる事も必要になる。60までは51階層以降でないと上げにくいから、結局は50階層が当面の目標だ。
属性武器は51階層以降も活躍するから、装備の強化も必要だしな。そう考えると、意外に時間が無いかも知れない。
「まったく、タタラは本当に必要なところを話そうとしないんだから」
「いや、知ったのは本当についさっきだからな?」
エテルにそう言われて言い訳する。まぁ、黙っていようと思ってたのは流石に悪いとは思うが。
「むぅ、本当に反省した?」
「明日、皆に言うって事で反省と取ってくれないか?」
「駄目!」
力強く拒否された。どうしろと?
「じゃあ、タタラには反省する機会をあげるね!」
そう言って硬度を失って尚エテルの膣内に入っていた愚息を抜いてその場に立つ。今迄の会話、ずっと挿入したままでしていたのは流石にちょっとアレ過ぎるな。俺の部屋から出ていったエテルは、5分しない内に戻ってきた。
金の紐で繋がれた極小部位を守るアーマー、胸、肩、腕、腰、股間、脛、足にだけ施された赤いアーマー。背中の翼も合わせれば竜族の戦士に見えなくもない格好。
ダンジョンで見付けたビキニアーマーを着たエテルがそこにいた。
「君が、近くの街で悪さをしている悪い奴だな!」
どうやら、悪い奴を倒しに来た勇者か戦士みたいな役らしい。
「……ククク、コレはコレは珍しい客人だ。このワタシに何かようかな?」
「街の人達に依頼をされて、君を止めに来た。大人しく手を引けば、痛い目にはあわないぞ!」
取り敢えず、魔王っぽい役を演じてみればエテルもノリノリである。偶にこう言うのをしたがるよな、エテル。
「そのような力でワタシを倒せるとでも?」
「ボクをなめるなよ、とても強いんだからな!」
そう言って此方に向かってくるエテル。負けてもいいけど、純粋なステータスで俺がエテルに勝てないのって速力くらいなんだよな……それに本気では動いて無いし。
ぽこっと言うか、もうちょっと軽い衝撃が伝わる。エテルも俺を怪我させないように手加減をしているのだろう。俺もエテルを傷付けないように、力を抜いてそっと手首を掴む。
「勇ましい女だ。だが、力不足だ!」
「なに……キャッ!?」
そっと場所を入れ替える様にして、エテルを背後から抱き締める。かろうじて乳首と乳輪を隠すだけの胸当ての下へ手を差し入れ、更にはハイレグをズラして陰核を弄る。
「ククク、この様に男を誘う身体をしていて戦士とは片腹痛い。お前は娼婦の方が似合っているだろうよ」
「何を、ひゃん!?」
乳首と陰核を弄られて感じてしまったのだろう、エテルが甘い声を漏らす。そのまま弄り続けていると、足腰から力が抜けて行く。ベッドに押し付けるようにして、背後から硬度を取り戻した愚息を膣口に当てる。
「ほら、抵抗しないとお前の中にワタシが入ってしまうぞ?」
「うう……やめろ、やめてぇ!!」
「恨むなら、無力なままワタシの前に立った無謀を恨め」
そう言ってエテルの腟内へ再び愚息を挿入する。気分を盛り上げる為のロールプレイなので、エテルの方も受け入れ準備が整っていた。
「ふは、いい具合ではないか。以前も男を受け入れている様子だな、それはお前の恋人か?」
「う、ひぐ……ひどいこんな」
俺はロールプレイを続けて意地の悪い台詞を言い、エテルは挿入された事がショックであると演技する。
「それとも、旅の途中で行きずりの男と寝てきたか?」
「ち、ちがう……ボクは今まで受け入れたのは一人だけで!」
「ほう、お前のような極上を手放すとは……そいつは本当に男か?」
俺も演技に対して乗ってきて、悪そうな台詞を続ける。
「ぼ、ボクの好きな人を馬鹿にしな……あぁん!」
「はっ、口では何と言おうと身体は正直だな!」
「ちが、違う……こんなの違う……たすけて」
結構本気で泣き出しそうなエテルの声に、演技なのかどうかの判断を迷う。前は途中で止めたら文句言われたし、此処は完走しよう。
「ワタシを殺しに来た勇ましさはどうした、そのような情けない声を出してどうした!?」
「やだぁ、たすけてぇ……たたらぁ!」
「クハハハ! ソレが愛しい男の名か女戦士よ!?」
エテルの悲痛な声に合わせ、腕を掴んで腰の動きを加速させる。腰を打ち付ける音が部屋に響く程に強く打ち付ければ、エテルの腟内も俺の愚息を強く扱き射精を促してくる。
「ならば良いことを教えてやろう」
「なに、やめて……こしをうごかさないで……」
「女戦士……いや、エテル。俺の名前はタタラ、旅立つあの日お前と契りを交わしたタタラだ」
「……え?」
入れ込み過ぎて演技とごっちゃになってそうなエテルにそう告げれば、呆然とした様子を見せる。演技だよな?
「あの街の中にエテルを陵辱しようと考える下衆共が居てな、許せず鏖にしたのさ、そうしたら魔王扱いだ……コレが穢れた人間の考えなんだよエテル!」
「ちがう……そんな、ボクはだまされてなんて……」
「どうせお前が俺を殺せたとして、街に戻れば男達に囲まれ犯されるだけ。俺の所まで堕ちてこいエテル、俺の花嫁になれ!」
腰を動かしながら台詞考えるの難しいな、それにそろそろ限界が近い。
「ほら、奥へくれてやる。俺の子を孕め!!」
「いやぁぁぁぁ!!」
台詞と共に一番奥まで突き入れて、全てを解き放つ。解放感と共にエテルの奥へ俺の精液が注がれて行く。腕を持つ姿勢から、後ろから抱き締める格好へと変えて最後まで奥へと射精する。
エテルの腟内が動き、尿道に残った一滴も逃さないと言わんばかりに刺激してくる。頭が真白になりそうな快楽で腰が抜け、なんとかエテルと位置を入れ替えてベッドに倒れ込む。俺の身体の上のエテルと共に、荒い呼吸を繰り返す。
「……台詞考えるの疲れた」
「その割にノリノリじゃなかった?」
「エテルが言うかそれ?」
姿勢を変えて、俺の上で俯せになったエテルが俺の台詞にツッコミを入れる。ノリノリだったのはエテルがそうだからなのだが、言っても俺が助平だからで済まされそうだ。
「ねぇ、タタラ」
「どうした?」
「在学中に妊娠したらどうなるんだっけ?」
「妊娠した生徒の方に罰則だな、させたのが在学生だとそっちにも行くが」
俺の言葉を聞いて、エテルが難しい表情をする。在学してない相手を孕ませても訴えられなければ問題無いが、在学生同士だと不純異性交遊として罰則が双方に掛かり更には重くなる。
「在学中は妊娠を控えないと駄目かぁ……って、あれ?」
「どうした?」
「タタラ、私が妊娠してたらどうしたの?」
「学園を自主退学して支える為に店を主体にしてたぞ」
元々人生に責任を負う覚悟だったのだ、それくらいはする。
「……どうしよう、私の身体が妊娠出来なかったのが逆に幸運だったなんて」
「そうか?」
「そうだよ、だってタタラが卒業出来ないとお店もその肩書が使えないんだよ?」
「いや、有っても無くても変わらんし」
『クラフト』の技術的な面では問題が無い。諸々の知識の擦り合わせは大部分終わっている。卒業の証でもあるダンジョンの転移を可能とする腕輪が貰えないのは少し痛手だがそれだけ。
学園を卒業してなくても、エテルを養うくらいは出来る自信は元から有った。
「半人前とか技術的な保証がないってのはある程度響くかも知れないけど、そもそも入学前から個人で持ってる特許が最多だったしな」
「偶にタタラがなんで学生やってる理由が分からなくなるよね」
バカにも言われるな、都市長の冗談の事も有るしなんなんだろうな?
そんなやり取りを続ける中、俺とエテルは自然と眠気に従って眠りにつく。朝は二人して夜間の戦闘でドロドロに汚れた身体を見て苦笑いをする事になった、一緒に風呂で汚れを落としてリビングに入れば一華が先に料理を始めていた。
「おはよう、一華」
「おはようイッさん」
俺とエテルの挨拶に、一華は振り返って笑顔を向けてくる。
「おはようでござるよ、ご主人にエテル」
「たー!」
一華の挨拶に合わせてコーンレムも挨拶してきた……ん?
「コーンレム、なんかお洒落してるな?」
「……コーンレム?」
「狐の鳴き声がコンってなるから、ゴーレムもあやかって名前付けた」
「コーンレム……」
膝立ちでコーンレムを見ると、首元に赤いスカーフと言うかマフラーみたいな物が巻かれている。
「それは拙者が作ったのでござるよ。日々のお手伝いに対するお礼でござる」
「たー!」
一華の説明に嬉しそうに手を上げるコーンレム、仲良くやれているようで安心だ。
「タタラ、この子達は私達にも作ってくれるの?」
「其々の専用ゴーレムは作るぞ、妊娠期間中もそうだけど日々のサポート用に」
「そっか……」
エテル、何やら目が怪しいんだが……ゴーレムの為に早期に妊娠するつもりじゃ無いよな?
因みに、神と交わった際に相手を性魔術で屈服させると普通に子供が出来るだけで眷属化やシステム化はしなかったりします。
魔導剣『フォルジュロン』
物理攻撃+110
魔法攻撃X+Y
速力 +40
射程 X✕Y
特殊能力『魔法攻撃が使用者の魔法攻撃力(X)と魔力(Y)の合算した数字になる』『射程が使用者の魔法攻撃(X)と魔力(Y)を乗算した数値になる』『ダリア・ジュロン専用』
生存するか否か
-
生き残る(元は生き残る予定)
-
生き残らない