※この作品はR-18です。

既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。   作:アルカミレス

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タチアイベント進行中
『看板娘』イベント継続中

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騎士の懇願は果たされず

「悪いんだがダリア、虎熊家の3人を連れてきてくれるか?」

「はい、駄肉二人とオッサン1人ですね」

「おいバカやめろ」

 

 虎熊家の人達の前で鍛冶をする約束の為にダリアに呼んできて貰おうとすれば、とんでもない事を言い出した。当主代行のオッサン呼びはまぁこの前俺がボコボコにされた影響だろうが、姉二人に対して駄肉呼びは私怨入り過ぎだろう。

 

「最早馴染み過ぎて忘れそうだが、当主代行は他国の大貴族だからな。あんまり失礼な事をすると国際問題になりかねないから気を付けてくれ」

 

 偶に忘れそうになるが、四葩も貴族令嬢なのだ。当主代行もアーレムの事や釣りの事でハメを外してる姿が印象を強くしてるが、一つの領土を治める領主である。思い返すと俺もよく無礼討ちされなかったと思える事が幾つも有る……その分だけ目の前で無様を見せられた気がしないでも無いけど。

 ダリアは不満そうにしながらも虎熊一家を呼びに行ってくれる、安堵しつつ鍛冶場に入り炉に火を入れた。少しして3人が鍛冶場に入ってくる。当主代行と三葉さんは先に入浴を終えて来たのだろう、髪が少し濡れていて着ている衣服も綺麗な物になっている。三葉さんに至っては引き摺っていた髪を纏めた上に、顔も見えるように前髪を分けている。大分印象が変わるな。

 いばらさんの姿は食事時と変わらず、見終わった後に入浴するつもりなのだろう。まぁ、これからかなり暑くなるしその方が効率は良い。

 

「それでは、早速取り掛かりたいと思います。質問は終わった後に纏めて聞きますので、鍛治の最中には一切の声掛けをしないで頂きたいです」

 

 始める前に最後の注意を行い、炉に向き直る。素材のミスリルインゴットを取り出して、赤める。鍛冶場の中は王玉から発せられる魔力の圧で慣れてなければ息苦しさを感じるだろう。俺はもう慣れた、むしろ適度な緊張感で身が締まり心地よさすら感じる程だ。

 水減しでミスリルを割り、詰み沸かし。お師様から贈られた鎚は今日も手に馴染み、俺に新たな剣を作る為に力を貸してくれる。叩く度にミスリルは一つになっていき、刀になる準備を終えていく。仮付を行い、本沸かしを実施して鉱滓を抜きミスリルの純度を上げていく。

 沸かしを終えて鍛錬を始める。折り重ねては鎚を振るい、叩き伸ばしていく。王玉の魔力で内を満たされたミスリルから余分な物を抜き、この世界に一つの存在として昇華していく。

 心鉄を刃鉄と棟鉄で挟み、皮鉄を重ねる。作り込みを行い本格的に刀としての形を整え、素延べしてその身を形作る。打ち延ばして鋒を落とし、再び打ち延ばす。

 火造りでその姿を定め、せんで形を最期に整えてから焼刃土を塗る土置きを行う。『創製魔法』で乾かした後に炉へと入れて熱する。全体に均一に熱を入れて、十分に熱が入ったのを見て水槽へと投入。焼入れでその刀身を急速に冷やし、硬く作り上げる。引き抜き、焼刃土を割れば研ぐ前から美しい銀色が姿を見せる。

 刀身を磨き、刃を研ぎ刀として完成させる。銀色はより澄んだ色へと変わり、その存在を強くしていった。刃を研ぎ終え、最期に茎を仕立てて日付と銘を入れる。

 お師様から伝授された『空裂』、今日も日課の一本を鍛え終えた。

 

「……ふぅ、見ているだけだというのになんという緊張感だ」

 

 作業を終えたタイミングで、背後から当主代行が溜息と声を漏らした。振り返ると、当主代行はいばらさんを背後から口を押さえながら羽交い締めしていた……ヒデェ絵面だな。

 

「お父様、もうお姉様を解放しても大丈夫だと思いますよ?」

「む、確かにな」

 

 三葉さんの言葉に今気付いたように反応した当主代行はいばらさんを解放する、見学するなら口を出すなと言い含めてたのを破り掛けたかな?

 

「ぷはっ、お父様!?」

「怒鳴るないばら、事前にタタラ殿より言われていた事を破りそうになったのはお主だろう?」

 

 当主代行の言葉に痛いところを突かれたかのような表情になるいばらさん、どうやら俺の鍛治に口出ししかけたらしい。何と言うか、お義母さんが居たら折檻のフルコースだったんじゃないだろうか?

 そんな事を考えていると、三葉さんが近寄って来て『空裂』に顔を近付けて興味深そうに見ている。

 

「……手に持って見てみますか?」

「え、いいんですか?」

「はい、刃に触れるのは危ういのでそこだけ注意してもらえたら」

 

 峰に手を添え刃を上向きにして三葉さんに差し出せば、おっかなびっくりと三葉さんは『空裂』を受け取り出来栄えを見る。炉と鉄の熱を見やすい様にと照明を暗くされている鍛冶場の中で、角度を変えて光を当て矯めつ眇めつ見聞する。そう言えば、昼に包丁を一本打ちたいと言ったな……だから刃物の造りを見たくなったのだろうか?

 

「コレが天目一箇命様が伝えた剛刀修羅一文字なのですね……」

「いえ、それは『空裂』ですね」

 

 三葉さんも剛刀修羅一文字の名前を出すのか、こうなると本物を見てみたくなるな。俺の言葉に慌てる三葉さん、焦ると刃に触りそうで見てる此方が怖くなるな。

 

「わ、私ったら失礼を……」

「いえ、それより危ないので持ったままあまり派手に動かないで下さい」

 

 一応、この『空裂』は切る意思を持って振るわないとその力を発揮することは無い。が、それを抜きにしてもその刀身は普通に危ないので持ったまま動いて欲しくない。三葉さんを落ち着かせてから『空裂』を預かり、インベントリにしまう。気が抜けてから押し寄せる疲労を自覚した。

 そんな俺を見ていた三葉さんは心配そうな表情をするが、正直慣れた物なのだ。大丈夫と身振りで伝えるが表情は晴れず、早々に風呂に入って汗を流して寝たほうが良さそうだなコレは。

 

「……タタラ」

 

 そんな俺に声を掛けてきたのはいばらさん。さて、何を言いたいのだろうか?

 顔を向ければ何やら言い淀んでいる雰囲気だ。

 

「是程の設備を持ち、あれ程の技術を誇る事……素直に称賛します」

 

 俺の技術を認める言葉だ、まぁ俺の腕を疑ってたからそれに付いては言わないと心に何か残る感じがするのだろう。俺も偶になるから分かる。

 

「天目一箇命様から技術の伝授、そして皆伝を頂いていた事……疑って申し訳ないわ」

「……はい、ありがとう御座います」

 

 プライドの高いこの人が、コレだけ真摯に謝罪してくるのは素直に自身に非を認めたって事だろう。自分自身に厳しいだろうから、それだけ他人を認める事は少ないだろうし。

 

「ところで、天目一箇命様の作品で『空裂』という物をあまり聞かないのだけれど……どのような剣なのかしら?」

「え?」

 

 いばらさんの質問に疑問の声が漏れる。思わず当主代行を見るが、いばらさんの発言に疑問を持っていないらしい。もしかして『空裂』って、マイナーだったりするのか?

 でも、それなら何故過去作に出て来た虎熊の令嬢は『空裂』を知っていたのだろう?

 

「あの、当主代行」

「む、何だろうか」

「虎熊家に、その……虎熊姫香という方って居ませんでしたか?」

 

 俺の質問に虎熊家一同の空気が変わる……うん、腕輪探索投げ捨てて愛に走った人だから地雷だったか?

 

「タタラ殿、その名を知っているのはタタラ殿の事情に関係するのかね?」

「ええ、はい。俺はこの都市の迷宮に付いてが一番多いと思いますけど、この世界の歴史に付いてもそこそこ詳しいですよ」

「我が家の家系に付いて知っているのが歴史に関するのか……」

 

 いや、まぁ……貴方の家系でこの人がいないと下手したら複数の国が滅んでた滅んでいた案件ですし。俺達が済むこの『ナーハズヒト帝国』の傘下に入っている小国の一つに封印されていた魔神が解き放たれた際、その力がまだ不完全なタイミングで打ち破れたのが彼女がヒロインとして活躍した作品なのだ。その後、再度封印したタイミングでウチの皇族が封印の負担を請け負う代わりに属国化を条件に出して小国側が了承した結果が今に至る歴史だ。

 尚、ルートに関係なく虎熊姫香は鬼としては短命でその生を終えるのは公式で決定されている。ヒロインとしてのルートなら結ばれた主人公が亡くなってから十年後に、別のルートではラスボス戦の傷が祟り最終決戦の50年後でその命を終えた事がビジュアルファンブックに記されていた。

 尤も、『深く深い闇の先で』では2週目以降に解禁されるイベントにてフルメンバーが顔出ししている。過去作では存在しないハーレムルートを邁進しているらしく、更には元から大きめだった胸元が主人公の手により更に成長した事も語られていた。此方の原作主人公が血涙流しながら壁を殴ってたのは笑ったな。

 新規に描き起こした立ち絵でデザイナーが手癖で大きく描いた影響かと思ったが、どうも過去作ゲームの時代から十年は経っているらしく人間種のキャラは軒並み年を取っていたので正式に大きくなっていたのだろう。ロリ枠はエターナルロリータだが髪型だけは変わってたしな。

 さて、そんな過去作ヒロインの生家である虎熊家だが少し疑問が残る。四葩の姉があの姫香だと思っていたのだが、そうするといばらさんと三葉さんを姉とした三姉妹とされている事に矛盾が生じる。はたして、彼女の立ち位置とはどうなっているのか?

 

「タタラ殿、そなたの記憶では儂と彼女の関係については無いのであろうか?」

「詳しい家族構成などは全く知りませんね、男女問わずに兄弟が多かったとは知ってますが」

 

 確か、作中で内約は分からないが8人兄弟と溢していたな。親戚も多かったらしいし、鬼は子沢山になるんだろうか?

 

「うむ……タタラ殿、姫香と儂の関係は姉と弟となる」

「……へ?」

 

 姉と弟って、それはおかしいだろう。ここ十年以内で魔神復活の情報は出て無かったし2週目のイベントで彼女が顔出ししている事も矛盾する。

 いや、待て。

 俺はもう既に体験している、原作イベントの時系列が前後する事を。本来『天使長』の翼に関するイベントはもっと後の時間軸に起きる筈なのに、原作主人公が関わらずに俺が解決してしまっている現状が有る。それに、『深く深い闇の先で』の2週目以降のイベントはファンサービスの側面がとても強い。本来なら討伐されている筈のラスボス達が集まって某特盛り系ラーメンの注文をフルボイスで詠唱しているのだ。ならば、あの時に出て来た彼女達が既に故人であったとしてもおかしくない。

 

「姫香は100年程前に亡くなっている、原因はかつて戦った敵から与えられた古傷によるものとの事だ」

「そう、ですか……」

 

 過去作のキャラかつ一方的に知っているだけとは言え、人の死を知るのは胸が痛む。ビジュアルファンブックのコメントから逆算すると題材にされた時代は前皇帝陛下が現役な時代で、更にはまだ帝国制になる前だ。現皇帝陛下に譲位したのはたしか50年程前だった……自国を特定出来る要素が無かったとは言え年代を察するのが遅すぎるだろ俺。

 

「しかし、何故ここで姫香の話を?」

「その、俺が『空裂』をある程度詳しく知ったのは最終決戦に向けて姫香さんが言ってた冗談が切っ掛けでして」

 

 正しく言うなら神殺しが肖って技に名を付けた事が始まりではあるが、どこで生まれた武器なのかは彼女がヒロインの時に溢した会話からだ。

 

「そう、か……確かに『空裂』が有れば姫香姉さんも重傷を負うことが無かったかも知れんな」

 

 何処か遠くへ懐かしそうな目を向ける当主代行に、声を掛けられない。感傷の切っ掛けが俺自身なので尚更。

 

「それではお父様、何故私達にその『空裂』と言う刀の話をしなかったのですか?」

 

 そんな当主代行の姿を無視して、自分が知りたい事を問い掛けるいばらさん。うん、そう言うところが相手に嫌がられる(お見合い失敗の原因みたり、)んだと思いますよ(って感じでござるな)

 ……今、何か干渉されたか?

 

「正直に言うなら、過剰過ぎる力であるからだ」

 

 いばらさんに問われた事に答えた当主代行の言葉に、いばらさんは少しの納得が見えたが三葉さんは疑問を持った様子だ。俺としては反応が逆だと思っていたが予想が外れたな。

 

「何故ですかお父様、天目一箇命様の作った絶大な力を所持していることが知られれば虎熊の領内外に対する抑止力になる筈では?」

 

 成る程、三葉さんの疑問はそこなのか。前世で言う核の傘と同じ理論だろう、強い力の存在による抑止力を考えるのはある意味では普通の事だ。現にウチの国では前皇帝陛下が、他所の国ではあの神殺しがその役割を担っている。

 ただ、コレにも少し問題が有るんだよな。

 

「残念ながらな、三葉。相手も同等の戦力を所持する事で拮抗状態にせぬ限り、ただ『空裂』の存在を知らしめただけでは抑止力にならん。剛刀修羅一文字のように鬼神にのみ振るえる刀ならば畏怖も生まれよう。だが、『空裂』は誰もが握れ振るえる故にその力がどれだけ優れていても軽視される。それを危惧した天目一箇命が曽祖父に伝えたのだ、『虎熊家で真に理解できる者にのみ伝えよ』と」

 

 神殺しの記憶に名を残す剣である筈の『空裂』が知られておらず、酒呑童子に贈った剛刀修羅一文字が知られている理由は何故なのかずっと疑問では有った。その理由がコレなのか……実は神殺しが知ってたのって結構凄いことなんじゃなかろうか、本来なら『空裂』は虎熊家の内だけで完結していた筈の情報なのだから。

 あれ、そう考えると『剣の魔神』に『空裂』を作って見せようとした俺って大分ヤバくねぇか?

 未遂だからセーフなんて言えない気がする。

 

「……確かに、是程強力であっても振るう恐ろしさを知られ無ければ逆に領を滅ぼしかねないわけですね」

「その通りだ。伝家の宝刀は抜かぬ事こそ意味がある、対して『空裂』は量産が利く……それ故に振るうことに軽視が生まれる可能性が恐ろしいのだ。何より、存在を知った者達が我先にと求める可能性も有る故に、下手に諸外国に知られれば結託され虎熊潰しを誘うやも知れぬ」

 

 気軽とも言えないが1日一本の『空裂』を打っている俺に刺さる言葉である。世に出回せるつもりは欠片ほども無いが、俺が死んだ後の管理はどうしようかな。カラムスさんに頼んで軍神様の宗派に預けるか、それとも『天使長』に預けるべきか?

 

「そう言うわけでタタラ殿」

「あ、はい」

「タタラ殿の性質から打つなとは言えぬ、だが……ばら撒いてはくれるなよ?」

「肝に銘じます」

 

 当主代行からも釘を刺されてしまったな、本格的に封印出来る場所を作らないとだめだなコレは。

 

 

 俺がお師様から皆伝を受けた事を証明し終え、夫婦風呂で汗を流してから自室に入る。明日も商会長とのアーレムに関する打ち合わせだ、サイファーに頼んで都市長へ手紙を届けて貰ってから就寝しようとした時に扉をノックされる。

 誰だろうか、夜に用件が有る人物に心当たりがない。

 疑問に思いつつ扉を開ければ、青色で薄いネグリジェ姿のタチアが立っていた。あの、裏地が無いのか普通に乳首が透けて見えてるんですが?

 

「夜遅くに申し訳無い、タタラ殿」

「あ、ああ……なんの用件だ?」

 

 普通なら羞恥で顔を赤くしてそうな物なのだが、タチアの表情は覚悟を決めたそれだ。俺の言葉に、タチアは躊躇い無く返答してくる。

 

「夜這いに来ました、入れて下さい」

「威風堂々と言うことかそれが」

 

 部屋に入れて下さいって意味だと思うのだが、赤ちゃん部屋に挿入し(いれ)て下さいって意味なのか1000分の1秒程悩んだ。意味は同じか畜生。

 このままになんて当然できず、タチアを部屋に入れる。取り敢えずベッドに座らせて、俺は勉強机の椅子を引っ張り出して向かい合うように座る。

 

「で、討ち入りの理由を聞こうか?」

「扱いは夜這いですら無いのですか」

「こんな威風堂々とした夜這いがあるか」

 

 夜這いってのはこんな覚悟を決めて正面から挑む物では無いと思うんだが、なんでこんな決死の覚悟が見えるんだろう。

 

「理由は簡単です、初めての時より夜毎に身体の疼きが強くなり自ら慰めるのにも限界です。なので、主の言葉を疑った愚かな騎士に仕置を頂きたく参りました」

「なぁ、それ本当にお仕置きなのか?」

 

 ご褒美の間違いじゃなく?

 

「仕置です、私とて女を丁寧に解きほぐされ見つめ合い手を握り合いながら最奥に子種を頂きたい所です。しかし、それでは主の憤りに対して分不相応と言うもの。なので、後ろ手を拘束されながら頭を抑えつけられ背後から剛直を無理矢理捩じ込まれた挙句に容赦無く種付けをされる事で報いを受けようかと」

「なぁ、それ自分の性癖満たそうとしてないか?」

 

 俺が不用意に性魔術使ったせいで被虐趣味に目覚めかけてた訳だし、口では仕置と言いながら当人にはご褒美である可能性もある。

 

「第一、タチアは『性魔術』を取得してるのか?」

 

 一華でも取得しなければ俺の『性魔術』の出力が強過ぎて繁殖モンスターみたいになるとか言われてるのに、耐性を獲得しないで受けるなど自殺行為だろう。タチアのスキル関連は触れていないが、直近でレベルが最大になる物は有っただろうか?

 

「いえ、未取得です」

「尊厳的な意味で死ぬ気かお前」

 

 痛みを快感に変換した結果被虐趣味に目覚めかけてるのに、何が悲しくて痛みと快楽に従順な雌犬を仕立てなきゃならんのだ。

 

「ロード、これには深いかも知れない理由が有るのです」

「自分でかも知れないなんて言う理由なのか」

 

 真剣味を帯びた目に、気を入れ直す。ただ、自分で『かも知れない』とか言ってる理由なので信憑性は若干薄い。

 

「はい。先ず失礼を承知で申しますが、私は私の行いにより仰ぐべき主である貴方を傷付けました」

「それに付いてはもう謝罪を受けただろう、気にするな」

「いえ、そうはいきません」

 

 ストイックな性根であるタチアらしいと言えばらしい、俺の赦しが有ったとしても自分で自分を赦せない。主への忠誠は己の命よりも重いと言うのが騎士の精神性なのだろう、タチアは以前の精神性から理想の騎士を心に構築する事で人間社会に適合しようとしていた影響がこの辺の反応に表れているように思える。

 

「ロードタタラ、お願いです……貴方の『性魔術』で私を壊して下さい」

「何を言い出すんだお前……っ!?」

 

 まさか『性魔術』を取得して来なかった理由はそれなのか?

 俺の手で人としての尊厳も何もかもを壊して俺に従順な存在になるとその為に今日来たのか!?

 

「俺がそれを進んですると思うのかお前は!?」

「思いません。貴方は私の自由意志を尊重して、私と言う人格を尊ぶ貴方が、例え本人に頼まれようとそんな事が出来ないなどと100も承知です」

「ならなんで!」

 

 言葉が段々強くなっていると自覚しているが、感情を抑えられない。そんな俺の顔を見ていたタチアは、何処か自嘲のこもった表情で続ける。

 

「大切な相手の心を踏み躙る私のような人格など、必要無いのですよ」

 

 ツウッと、片目から涙を流すタチア。

 

「最愛の人を否定して、未来への生存を諦めさせたのです。化け物だった私を人間にしてくれた人を否定して、そんな私に何の存在価値が有るのですか?」

 

 タチアは両手で顔を覆い、言葉を続ける。

 

「お願いです、ロード……私を()して下さい。愚かな……人になりきれない私を、どうか……」

 

 そんな懇願を受けて、俺の内側に有る何かが切れた。

 タチアの腕を乱暴に掴んで引き寄せる、涙で濡れる顔を戸惑いに染めたタチアの唇を無理矢理奪いその口内へ舌を侵入させる。最初こそ戸惑い気味だったタチアだが、辿々しく俺の舌に自身の舌を絡ませてくる。

 タチアの意識が口へ向いてる間に、ネグリジェの裾から手を侵入させる。滑らかな肌を弄り、その豊かな胸に届かせる。軟肉を堪能し、刺激で硬くなるその先端を転がす。

 合わせた唇は開き、舌を絡ませた事で響く水音が部屋を満たす。乳房と乳首を(もてあそ)べば段々とタチアの声に甘いものが混ざっていき、白い肌だけでなく興奮で尖ったその先端の色も透けて見えている。なんとも情欲を刺激する光景だ。

 そんなタチアをベッドへと押し倒し、ネグリジェを捲る。窓から差し込む月光により妖しく照らされるその柔肌は、美しさと艶めかしさを両立させる。自然と生唾を飲み込みつつ、上から覆いかぶさるようにして再び唇を重ね、舌を絡ませる。

 口を離し、肌を吸い、首筋に舌を這わせながら鎖骨、胸とどんどん下へと向かう。乳房を舐め、その先端を甘噛みすれば甘い声が聞こえた。腹筋の筋に舌を這わせれば反応が大きくなる、どうやらタチアの性感帯はここらしいが大分特殊に思える。更に下へ向かい、臍下から鼠径部を越えて秘処へ辿り着く。

 

「あ、やだ……ダメですロード」

 

 薄い陰毛の間に隠れた秘裂へと舌を伸ばすも、タチアに言葉と手で拒絶される。目を向ければ、タチアの顔は羞恥の赤と別の何かを混ぜた感情がこもっていた。

 

「どうしてだ?」

「主にそのような行為をさせるなど……」

 

 どうやら俺に此処だけは舐めさせたく無いみたいだ……いや、エテルも暴走してないとやらせようとはしなかったけど。

 顔を離し、タチアに覆いかぶさるようにして耳元へ口を運ぶ。そしてそっと囁く。

 

「騎士が、主に意見か?」

「ちゅ、忠節故の言葉です」

 

 俺の問い掛けにどもりながら答えるタチア、そんな言葉に対して俺は秘処へ指を挿入する事で答える。言葉に対しての回答が快楽である事に抗議をしようとするタチアに、唇を重ねる事で言葉を封殺する。上下の口を責められ涎を垂れ流すタチアは、下の口から獲物を前にした獣が如く涎を誑し続けている。挿し入れた指がそのせいでベトベトだが、その指を動かしてタチアの感じる場所を探す。

 まだ一度だけしか男を受け入れていない膣内だが、俺の指一本がでは余裕が有る。いや、俺の愚息は普通に指一本より太いとは言え流石に余裕があり過ぎる気がする。かと言って別に緩いという訳でもない、騎士として下半身を鍛えている為かキチンと指を締め上げてくる。指を増やしてそのまま内壁を擦り、様々なところを刺激してタチアの反応を探る。

 口を離し、捲り上げたネグリジェから覗く乳房の先端を舌で刺激してタチアを喘がせる。秘処から溢れる愛液が増え、軈て膣内が大きく収縮して潮が吹き出して左手を濡らす。十数秒間という長い絶頂と潮吹きを終えたタチアは身体から力が抜けて、荒い息を吐き続けている。

 そんなタチアの脚を広げて、愚息を取り出してタチアの膣口に当てる。力無くタチアが首を横に振るが、それを無視して愚息を挿入する。男の象徴を受け入れ慣れてない為に指とは比べ物にならない太さの愚息を締め付けてくる、ここ数日感じてなかった刺激に脳が白く染まり理性が削られる。タチアの腰を抱えるようにして、ブリッジに似た姿勢にする。そのまま内壁を削るように愚息の先端を擦り付けながら、腰を動かして注挿する。

 タチアは自らの左手の指を噛み、懸命に声を堪える。その姿を見ながらも、俺は『性魔術』を使用せずにタチアの雌を拓いていく。

 タチアは俺に『性魔術』を求めたが、俺は使うつもりは無い。タチアを壊すつもりなんて無い、タチアはタチアのままで居てこそだ。人格と思考を無くさせるつもりは無い、そんな事は絶対許さない。そんな俺の意地で行うこの性行為はきっと慣れないタチアには痛みを与えていることだろう、だが俺は先程のタチアの言葉に怒りを抱いた。故に絶対に『性魔術』は使わない、タチアに逃げ道なんて用意してやらない。

 久し振りの性行為に対して俺の欲望は随分と弱くなっていたらしく、すぐに限界が来てしまう。しかし、構うものか。タチアの腰を掴み持ち上げる様にして逃げを防ぐ。そんな俺の挙動に対してタチアは無意識なのか脚を俺の腰に絡め、より深く繋がる。そして、大きく収縮する膣内へ向けて俺は性を放った。

 数日ぶりに感じた射精感は腰が抜けそうな程の虚脱感と、頭の中が真っ白になる程の快楽に襲われた。本能がタチアを孕ませようとしたのか、腰を更に引き寄せてより深く愚息をタチアの奥へと挿し入れた。自身の腰が痙攣するが、同じタイミングでタチアの身体も震えているのが分かった。

 荒く息を吐いて、自分自身では長いと感じる射精を終えて愚息を引き抜けばその身は二人の体液で汚れ月の光を反射している。栓かはたまた蓋を抜かれたタチアの卑劣からは粘性の強い白濁がゆっくりと流れ出ている。

 まだまだ収まらない愚息と性欲のままにタチアを俯せの体勢にして、腰を高く持ち上げる様にして再び挿入。疲れ切った状態のタチアはただ呻くだけだが、受け入れた膣内は反応して俺の愚息に奉仕する。望み通りに頭を押さえ付け、乱暴に腰を打ち付ける。隠していた翼が飛び出て来るので、その付け根へ顔を近付けて舐める。

 やはり関節部は皮が薄く、神経が集まっている為に刺激が強いのだろう。一度絶頂を迎え意識が弱まっている筈のタチアの身体が反応している。

 そんな姿に気を良くして、両手首を掴み引く。より深く突き入れる形になり、タチアはその刺激で言葉に成らない声を上げる。腰を打ち付ける衝撃でタチアの乳房が揺れるのが背後からも見え、それがより興奮を強くさせる。腰を加速させより快楽を貪り、再び湧き上がる射精感に身を任せて今度はタチアを背後から逃げられないよう抱き寄せて再度最奥へと性を放つ。タチアの顎を上向かせて、背後から覆うように唇を重ねる。舌を絡ませる上で響く淫猥な音に、三度愚息が硬度を取り戻す。

 

 それから何度も体位を変えてタチアに己の欲望を吐き出し続けた。改めて思うが、エロゲー世界とは言え性欲が強く成りすぎだろう俺。




久し振りにエロを書いたら全く筆が進まなくなりました、遅くなって本当に申し訳ない。
エロ描写のネタを取り入れようと同人ゲームに手を出したらシミュレーションパートで100時間以上遊んでて本当に何やってんだ自分となりました()

生存するか否か

  • 生き残る(元は生き残る予定)
  • 生き残らない
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