既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント継続中
恐らく今年最後の更新になると思われます。
一華とのエロシーン前に読者の皆様へ伝えたいことが有ります
キ ン グ ク リ ム ゾ ン
目の前の一華を強引に抱き寄せ、唇を重ねる。そのまま舌を伸ばして口内へと侵入して、舌を絡ませた。淫靡な水音を響かせながら、一華の臀部へと手を伸ばして揉む。柔らかくも弾力の有る感触に昂り、愚息が硬くなっていくのを感じる。
一華はそんな俺の愚息に手を這わせ、ズボンの中に手を入れて愚息に触れてくる。愚息に集中した熱に対して一華の手は冷たくて、それが刺激になって愚息を硬くする。怒張した愚息はその頭を縁から出して、俺と密着している一華の腹にその先端を触れさせた。
「あはっ、今宵も元気ですねタタラ様」
艶然と、それで居ながら慈しみが籠った声でそう言祝ぐ一華。声に『性魔術』が乗っているのか俺の興奮は留まることを知らず、一華の身体を貪れと本能が騒ぐ。
おかしい、エテルを相手にしている時のように抑えが効かない。もしや『えっちな下着』の『性魔術強化』が影響しているのだろうか?
僅かに残った冷静な部分でそう思考するが、身体は正直に一華を求めている。腰を抱いてベッドへと運び、押し倒す。一度身体を離して一華の身体を改めて見直す。
一華の身に付けた『えっちな下着』は黒く、肌の色が透けて見える薄さだ。それでいて精緻な蝶の模様とレースで飾られていて何処か気品を感じさせる。そんな作りをしているのに、性器は隠していないのでまだ色の薄い乳首や秘処が見える。そう認識した時、自然と口は硬く勃起した一華の乳首を咥えていた。
甘い声を上げる一華の反応に、もっとその姿を求めて本能は一華を責め立てる。ズボンを脱ぎ捨てて愚息を腹に押し付け、片方の乳房を持ち上げるように揉み先端を指で転がす。
刺激が増えたことに一華の処理能力が限界を迎えたのか、全身で俺にしがみついて来る。より強く密着し、素肌を通して『性魔術』の影響を受けた俺は快楽に染まり獣のようにその女体を求める。
腹に擦り付けていた愚息を下着の穴から一華の膣口へと押し当て、一気に奥へと侵入する。その刺激に一際高い嬌声を上げる一華は俺から腕を離してシーツを強く握る。身体が自由になり、俺は身体を離してから一華の腰を持ち上げる様にしてから腰を振る。一華は元の姿に戻っていて、腰を浮かして居なければ尻尾を背にして痛みを覚えていたかも知れない。
未だに狭い膣道が俺の愚息を搾り、内壁の感触が射精感を高める。一華は嬌声に混じり何度も俺の名前を呼んでいて、それを独り占めしたくて唇を重ねる。
興奮により何時もの舌技は発揮されず、拙く舌を絡ませる一華に愛しさが湧いてくる。昂りが最大になり、咄嗟に一華の内から愚息を抜いた瞬間に射精した。腰が抜けそうな程の快感と共に、白濁が一華の身体を汚していく。呆然としていた一華がその光景を見ている中、静かにその目から涙が流れた。
「どうして泣くんだ……って、もしかしなくても下手だったよな」
「ちがっ、そうじゃなくて……」
しゃくり上げる一華を抱き締めれば、縋って来て泣き続ける。理由を聞くために頭を撫でているのだが、気持ちは慰めようとしても身体は一華を求め続けて愚息が硬度を取り戻しつつある。
「なんで、なんで抜いてしまうのですか?」
「いや、流石に妊娠中の一華にそれは出来ないというか」
実は『性魔術』の使い方の中に多量の魔力を込めて相手に注ぎ込む事で中絶させるというのが過去作に有ったりする。一般的な夢魔の6倍は有るらしい俺の『性魔術』は、下手したら一華の中にいる子供を殺してしまいかねない。
その事を説明すると、一華は首を横に振る。
「今の私にも『性魔術』が宿っています、タタラ様の魔力をより効率的に私と
「なんだそのご都合的なスケベボディは」
妊婦に
「それに、物の本に有りました。男は女に中出しして支配欲を満たしてより気持ち良くなると」
「……何処に有った本だそれ?」
「この家の書斎です」
「あのクソ親父」
人生で2度目だよ父さんをクソ親父だと思った事。
「……まだ出来るし次は中に
少し強めに抱き締めてそう言うと、一華は頷いてくれた。
「あ、あのご主人!?」
「どうした?」
「流石にコレは駄目でござるよ!?」
体位を変えて一華を上にすれば、何時もの口調に戻って焦りを見せる。コレで髪と尾は本来の姿になっているのも中々に良いものだと思う。
「何が駄目なのか言ってくれ」
「だ、だって……愛しい人を下にするなんて」
恥ずかしげにそう口にする一華だが、
「ほら一華、自分で腰を下ろして好きに動くんだ」
「そ、そんな……」
「自分で気持ち良くなるように動くといい、そうすれば俺も気持ち良くなれるからな」
「うう……御意にござる」
初体験の時は痛みと恐怖で出来なかったが、今回は問題無く腰を下ろせた。ゆっくりと腰を下ろして、俺の愚息を下の口で飲み込んでいく一華。最も深い所へ俺の先端が当たるが、流石に全ては入らなかった。
俺の愚息を飲み込んだ一華は荒く呼吸をしている、少し時間を置いてからその腰を動かし始めた。最初は辿々しかったが、自らの擦れて気持ち良くなれる箇所を探して快楽を求めている。目に宿っていた理性は溶けていき、やがて快楽を貪る為に腰をくねらせる。一華の腰の動きに合わせて俺も腰を動かし、一華の快楽を手助けする。自身の体重、相互の腰の動きが一華の脳髄に衝撃を伝えそれが快楽になっている様子だ。
一華の表情が快楽で蕩ける様子は俺自身にも得も言われぬ充足感を齎し、この
唇を離した一華の顔は快楽に染まりながらも何処か幸せそうに見えて、指を絡める様に両手を繋いで来る。それに応えて、更に腰の動きを速くした。一華の腟内が蠢いて俺の愚息を刺激して、二度目の射精を促した。同じタイミングで一華も絶頂したらしく、背を大きく反らせて俺の精を受け止める。身体を細かく震わせながら、俺の精を受け入れる一華。
少しして、俺の上に乗ったままの一華は愛おしそうにその下腹部を撫でる。既に居る俺の子と、今注がれた俺の精を愛おしむ様に。
その姿に、俺の愚息は三度硬度を取り戻す。一華を俺の上から退かし、壁に手をつかせて俺に尻を向けさせる。
「た、タタラ様……?」
戸惑う一華を無視して、一息に愚息を挿入する。衝撃に悲鳴にも似た艶声を上げる一華、そんな彼女を後ろから覆い被さる様に抱き締めて腰を動かす。
「やだ……かおみがみえないのいや……」
一華からそんなか細い声が聞こえる、腟内は強く俺の愚息を締め上げてくる。左手で一華の顔を上向かせて、そのまま唇を合わせる。拒絶は無く、されるがままになるその姿に更に独占欲が満たされる。
「一華、お前は俺の……俺だけの良妻賢狐だ」
「は……い……」
耳元でそう言えば、一華は弱々しく答えながら腟内を蠢かせる。主人である俺の為にその身体をいやらしく使う事に満足して、更に腰を速くする。吊り下がる乳房を弄べばか細い嬌声を上げつつも腟内は俺に快楽を与えるように動いて種を搾ろうとしてきた。以前語っていた一華の先祖たる
「受け取れ、一華……っ!」
「う、あ……あぁん!!」
一番奥まで愚息を突き入れ、全てを解き放つ。一華は壁にもたれながらも嬌声を上げて受け入れている。三度目とは思えない程に長い射精を終えて愚息を引き抜けば、収まりきらなかった白濁液が一華の秘処から溢れ出て来た。その光景があまりにも淫靡で、俺の愚息は間を置かずに勃起する。
今度は一華の片脚を抱えて片脚立ちにさせる、壁に手を着いたままバランスを取る一華の秘処へ四度目の挿入をする。疲れているのか弱々しい声を上げる一華に構わず腰を動かし愚息を挿送する。
何時の間にか寝てしまっていた俺は、ベッドの上で目が覚めた。俺の腕を枕にした一華が穏やかとは言い難い疲れ切った表情で寝ていて、色んな意味でやり過ぎたと反省する。
朝も早くから一華の姿に勃起するのは俺の『性魔術』のせいか、それとも一華が着る
我が良妻賢狐の準備のお陰であと1時間程で米が炊けるので、朝食は陽出國風にしようと決める。
削った鰹節で味噌汁の出汁を取りつつ、具材として蕪と長葱を用意する。煮立つ前に火を消して鰹節を湯から笊に上げる、そのまま自然と水が切れるまで笊を湯の上に置いて味噌の用意だ。今日は白5に対して赤1の割合の合わせ味噌に決めて、蕪と長葱を出汁の中へ入れて弱火に掛ける。沸騰しないように気を付けつつ蕪と長葱に火が入るまでゆっくりかき混ぜて、頃合いを見て味噌を入れる。中火にして味噌が溶け切るまで煮立たないようにして完成。
次は主菜だが、簡単にベーコンエッグに決める。早速ベーコンを薄く切り分けて、フライパンの上に並べて中火で焼く。焼き目が付いたら裏返して、その上に卵を割って行く。少量の水を入れてから蓋をして、表面が固まった辺りで取る。最後に玉菜の千切りを用意して、朝食の完成だ。我ながら簡易だが良いレシピだと思う、ベーコンエッグは其々の好みに味付けして貰うために塩も振ってない。
「……ご主人、何処でござるか?」
そうして一通り準備が出来たタイミングで一華の声が聞こえた。振り返るとバスローブ姿で半泣きの一華がリビングに入って来た。
「おはよう一華、どうした?」
俺が声を掛けると一華の顔がパッと明るくなって飛び付いて来た。頭を俺の胸元に押し付けてグリグリと擦り付けてくる、一華がよくやる大型犬仕草だが、朝からこうしてくるのは珍しい。
「……起きたらご主人が居なかったでござる」
「疲れてただろうからゆっくり寝させるつもりだったな」
「あんなに責め立てられて、身体中愛して貰った充足感よりも隣にご主人が居ない事の寂しさの方が辛かったでござる」
「……おう」
「……私は、この辛さをこの先何百年と経験しなければならないのですか?」
擦り付けるのをやめて、力いっぱい抱き締めてくる。俺も抱き返して、一華の頭を撫でる。起き抜けでシャワーを浴びていないのだろう、髪にぶっかかってしまった物が少し固まっていた。
「そうだな、俺の代わりに子供達が居る……んじゃ駄目か?」
「……分かりません、その時にならないと」
「そうか、なら子供達とも沢山楽しい思い出を作らないとな」
存在昇華への意欲が湧かない俺の声に、一華はただ抱き着く力を強くするだけだった。
「それよりシャワー浴びてこい、昨日の影響で獣臭凄いぞ」
「ご主人、流石に無神経に過ぎるでござるよ」
「この家で二人暮らしだったのなら問題にしないしなんなら朝から押し倒すけどな、今は当主代行や虎熊姉達も居るから許されないんだわ」
なんならタチアと四葩が居るだけなら問題にもしなかったけどな、タチアとはもう致してるし四葩はその辺理解してるし。
俺の言葉を聞いた一華は唸り声を上げながら俺から離れて入浴に向かって行った、俺はそのままリビングのソファーに座って調理中に始まっていた四葩と当主代行による舞の鍛錬を眺める事にした。
当主代行の笛の音に合わせて、四葩が唄いながら舞う。以前よりも動きに緩急が付いている気がする、踊りについては素人なのでなんと言うのが正解か分からないが……ロックアクションを多用して一瞬一瞬を積み重ねるようにしてキレを上げてる?
一瞬の溜めと動き出しを重ねる事で勢いの様な物を出していると素人目には見える、以前の四葩の舞に比べて生命力みたいな物が漲った瑞々しさよりも荒々しさに振っているように感じる。なんと言うか、鎮める物じゃなくて盛り立てる物じゃないかな?
「おはようございます、タタラ様」
そんな風に四葩の舞を見ていた俺に、三葉さんが挨拶をして来る。
「おはようございます、三葉さん」
「ふふ、四葩の事を見ていたのですね?」
「ええ、以前から朝稽古を見学してたんですよ」
微笑む三葉さんに挨拶を返しつつ、隣に座ってくる相手に以前から見ていた旨を伝える。
「それでしたら、今の四葩の舞をどう思います?」
「そう、ですね……生命力が溢れて荒々しい印象でしょうか?」
質問に対する俺の答えに、三葉さんの目が鋭くなる。流石にお義母さんの娘だけ有って、舞に対して何か有りそうだな。
「荒々しい、ですか?」
「ええ、以前の四葩はもう少し穏やかな流れみたいな印象で何方かというと瑞々しさを感じてました。今はなんと言うか……緩急が強く成りすぎた感じというか」
相手に説明する為の言語化は非常に苦労する、自身の見解や理解を伝えようとするなら相手も分かる言葉を使わなければならない。以前四葩に『概念鑑定』を伝える時の説明は感覚を上手く伝えられずに苦労させてしまったし後輩二人の時も説明が微妙だっただろう。技術関連の物はほぼ専門用語で問題無いのでそっちの方が楽だとすら思ってる。
「成る程、タタラ様は四葩の舞が好きなのですね」
「え、確かに好きですけどなんか唐突ですね?」
「いえ、タタラ様の持つ瑞々しさや荒々しさといった感想は恐らく四葩を好んで見ていないと感じ取れないものだと思いますよ」
そうなのだろうか、一目瞭然だと思うのだが。
「そこで聞きたいのですが、四葩のその荒々しい舞はこのままだと思いますか?」
「いえ、完全に一過性のものだと思いますね」
恐らく今の四葩は『早熟』がどれだけ効果を発揮するのか分からず、振り回されている状態なのだろう。生まれつき持っていた身としては理解が難しいが、『舞踊』スキルがそれまで以上に新しい技術を四葩に提示していてそれを取り入れた為に練度が足りてない。その練度不足が所々見える為に荒々しいと俺は認識しているのだろう。『早熟』によりこの練度不足も少ししたら無くなるだろうし、その時には四葩の舞はより鮮烈に印象を刻むものに生まれ変わっている筈だ。
と、以上の事を三葉さんにスキルの事を抜かして伝えたところ物凄くいい笑顔を向けられた。
「やはり、タタラ様は四葩を理解していますのね」
「どうなんでしょうかね」
地雷踏み抜かれてガチギレした身としては理解者とは程遠いと思うのだが……まぁ、三葉さんは俺と四葩の事情を知らないしそう見えるのかも知れない。
「ふふふ、私はタタラ様が義理の弟になるのは歓迎ですよ」
そんな事を笑って言う三葉さんに辟易しつつ、俺は四葩達を見守っていた。
尚、このあとの朝食にて『目玉焼きに何を掛けるか戦争』が勃発した事を此処に記す。塩派の俺は醤油派揃いの虎熊家と上手くやっていけるのだろうか?
当主代行と寝坊してきたダリアは今日もアリーナでリハーサルとのこと、昨日ようやく劇団から台本が上がってきたらしいので大変なのだとか。その割に昨日は早く家に帰ってたなと思ったが、当主代行が此方の文字を読み慣れるまで時間を必要とした為に早上がりしたがリフレッシュで剣を振るってたと言われた。いや、現実逃避して台本から逃げてただけだろアレ。
ダリアは演劇には興味が無いとのことだが、台詞を覚えるだけなら得意なのだとか。偉いなと頭を撫でたらドヤ顔をしていた……一華に向けて。ペットの座を相争った2人なので、この手のスキンシップに関しては喧嘩が簡単に起きるようだ。何とか諌めようとするが、互いが互いにマウントを取り合う為に止まらない。一華の妊娠中のマウントが特に効くらしく、ダリアにとって禁止カードなのだろう……朝までしてた事を言い出さないのは最後の理性かな。
とは言え、言い合いに負けてるダリアは少し可哀想に見える。
「……なぁ、ダリア」
「ぐっ、なんですかマスター!」
悔しがるダリアを見てて何となく頼みたくなった事が出来て声を掛けると、少し乱暴な返事が返ってくる。荒れてるな。
「出来れば、さ。生まれた子達の姉代わりになってくれないか?」
俺の言葉を聞いて鳩が豆鉄砲を食らったような顔になるダリア。
「いやさ、お前は見た目が変わらないだろうしアーレム含めて俺の作った遊びに慣れてるから良い姉になるかもなって」
「……」
呆然といった表情をしていたダリアは、少しして輝くような笑顔に代わる。
「Yes my Master!」
元気よくそう答えたダリアは、一連のやり取りを見ていてヤベェ物を見たといった雰囲気の表情をした当主代行を連れてアリーナへと向かって行った。
「タタラ、お主なんだか女誑しっぷりが上がっておらんか?」
「流石にそれは酷いと思うんだが……俺は単純に俺が死んだ後を考えてだな」
「タタラ殿、その悍ましい考えをそれ以上口に出すならダンジョン探索を取り止めて孕むまで搾りますよ」
「はい」
子供達に寄り添ってくれる相手が一人でも多い方が良いと考えて頼んだのだが、どうも思考の根本が咎められるレベルの物だったらしい。以前はエテルだったが最近は一華とタチアが役割を代わってるような気がする、脅し方がそれって無駄に効くから勘弁して欲しい。
「ところで、今日は何処まで潜るのじゃ?」
気分を切り替える為だろう、四葩が質問してくる。
「一応、前回と同じく70階層を考えてる。途中でアイテムを集めながら進めばタチアの存在昇華も視野に入るしな」
「私は今の騒動が終わった後で大丈夫だと……」
「それでもだ、出来ない状態なのと出来てもしてない状態じゃ全然違うからな」
正直、タチアの存在昇華は初期ステータスよりも下がるから旨味は殆ど無い。それでも『早熟』が有ればスキル上げは楽だろうし、現時点で全ステータスが1しか上がらないのも改善されると俺は見ている。それに、存在昇華抜きにしても魔力を最大まで上げればバーストエッジの威力が200近く上がるのだ。学生運動の際に活躍が見込める。
「それなら妾からも提案じゃが、タタラは次にスキル枠が空いたのなら『鍔目返し』を取るべきじゃ」
「ふむ、『鍔目返し』か」
四葩からの提案に少し考える、鍛冶の際に制御が難しい面は有るが今の俺の物理攻撃を考えるなら悪くは無いだろう。今なら『早熟Ⅲ』で成長も早くなっているし、選択肢として悪くは無い。
「分かった、そろそろ『隠密』と『忍び足』がコンプリートするから『鍔目返し』を取得するよ」
俺も大分戦闘関係のスキルを取得しているが、不要にはならないだろう。魔導具には効果が無いものも多いが、それはそれだしな。
「問題は、取得した直後はあのクソボスの防御を抜けなくなることかな」
「なに、その時は妾がタタラの分も働こう。大船に乗ったつもりでおれ」
胸を張って答える四葩に頼もしさを覚えつつ、俺達は探索を始める。
そこからはいつも通りと言える程の流れで探索が進む。21階層からの『ムゥ
もしかしたら、俺が本来取得する筈だったスキルの一つは『鍔目返し』だったのではないだろうか……そう思える程にレベルアップが早い。それと、切り札とは言い難いがコンプリートした『隠密』の次は『渾身』を取った。隙を見て何度か使い此方もレベルが上がっている……もしかして、『渾身』も俺の本来取得してたスキルなのではないかってくらいに此方も成長が早い。本来の俺、もしかしたら超攻撃型のスキル構成だったのでは?
「さて、昨日ぶりのクソボス相手な訳だが」
「タタラ殿、『鍔目返し』は?」
「レベルが8まで上がってるから大分打撃力は戻ってる、背面から殴れば多分一合で体力を削りきれると思うぞ」
俺の言葉に何処かドン引きした表情を向けてくるパーティメンバー達、流石にその反応はちょっと傷付くのだが。
「成長著しいと言うか、以前妾をタタラが見ていた時の気持ちが少し分かったのじゃ」
「一応言っておくが、俺はスキルガン積みで何とか火力出してるからな?」
素の攻撃力で俺と殆ど同じ事が出来る奴に言われても納得いかない、『概念鑑定』を考えたら防御を無視して高火力をそのまま連続で当てられる四葩の方がぶっ飛んでると思うのだが。
「スキルレベルを上げつつ俺も3レベル上がったから火力は保証するよ」
「なら、倒す順番を決めるかのう」
四葩の提案で最初の『精霊王』の撃破の担当と順番を話し合う。
一華は前回と変わらず風を担当する事に決まる、と言うのも前回コンプリートした『騙し討ち』のスロットに『炎魔法適性』を取得した事で狐火を纏わせる攻撃の威力を底上げ出来ているとの事で採用された。
そうなれば自然と俺はその対面に居る属性が相手になる、配置が前回と変わって無ければ土属性が相手になるだろう。属性吸収が作用しなかった時が怖いので『渾身』は無しかな。
タチアは一番遠い属性を狙う事は確定で、自然と近かった水は四葩が相手になる。そうなるとタチアが相手をするのは炎で、『爆発』に気を付ける必要が有るだろう。
「前回の配置と同じならこうか?」
「タタラの知識ではどうなのじゃ?」
「大きな変更が有った記憶は無いから、多分コレで問題無い筈だ」
土属性相手だと『飛行』が有れば有利を取れるが、生憎と今の『黒煌』には無い。とは言え、属性吸収効果が有るので特に問題は無いが。
「それじゃ、倒しに行こうか」
俺の言葉に頷くメンバーを確認して、ボス部屋の扉を開ける。前回と同様に転移は無く、アレはもう初回に限った物だと判断した。そして素早く敵の配置を確認、『念話』で全員に共有する。
『配置は前回と同じ、先ずは一華!』
『御意でござるよ!』
各員が敵を認識し、一斉に駆け出す。最初に倒すのは一華が担当する風属性で、極めた『鍔目返し』による5連撃で『精霊王』を倒している。
それに合わせて対面の土の『精霊王』へ鎚を振るう……土に対して鎚って今更気付いたが何かのギャグだろうか?
武器命中20+302−30=292。命中判定。
風属性攻撃2×(327×【鍔目返しⅠ】×0.8)−40=483致命打判定×2。連続攻撃×2。
素早く鎚を2回振り抜く、真芯で捉えた為に初撃で既に死んでいたがオーバーキル気味に追撃を入れてしまう。流石に『鍔目返し』が強過ぎる気がするな。崩れ去る土の『精霊王』を無視してクソボスに視線を向けるのと、全ての腕が無くなるのはほぼ同時だった。
『炎、撃破しました!』
『水、撃破じゃ!』
タチアと四葩の『念話』が届き、いよいよクソボスである。真っ先に役目を果たすのは一華。『牡丹』が纏う蒼い炎が強く燃え盛り、そのまま分身してクソボスを斬り刻む。5人に分身した上で何連撃叩き込んだのかは分からないが、少なくともクソボスが塵になったのは見えた。……そう言えば、ゲームの時とは『鍔目返し』の仕様が違う気がする。ゲームの時にはレベル割2の攻撃回数が+されていたが、現実になってからランク数の倍になってる事に今更だが気付いた。しかし、そうなるとランクⅠの時とⅡの時は攻撃回数はランク分だけ増えてるだけに留まっている。スキルの計算式がどうも途中から変わってるようだ。
そんな思考を置き去りにして、一華に身体を向けたクソボスへ駆け出す。スキル使用『突撃Ⅱ』、ランクの上がった威力を食らいやがれ!
武器命中20+302−40=282。命中判定。
風属性攻撃0.5×((327×【鍔目返しⅠ】×0.8+【突撃Ⅱ】50+移動距離6×20)×【不意打ちⅡ】1.83×【闇討ち】×1.83)−25=698致命打判定×2。連続攻撃×2
その背に突き刺さる俺の一打は、まさかの限界値のダメージを叩き出した上に2回入った。ボス相手にオーバーキルなんて初めての経験で一瞬頭が真っ白になる。そんな俺に身体を再構成したクソボスが魔法を撃ってくる。
魔法命中100+速力40−302=-162回避判定。
目前に迫る炎の上位魔法の『
俺への反撃が空打ちに終わったクソボスに対して次に仕掛けたのはタチアだ、俺の目からするといきなりクソボスの胸に刃が生えた挙句抜き差しされ更に魔力が内側から解放されたように映る。どんだけ殺意が高い攻撃してるんだコレ。
そしてタチアに向き直り風魔法を使う、タチアは真正面から受けて吸収している……さり気なく『魔法防御上昇』のレベル上げしてるなアレ。
大トリを飾るのは四葩だ、地を削りながら斬り上げられた『手毬花』により斬り裂かれバランスを崩したクソボスへ更に三連撃を当てる。分割されたクソボスは粒子になり消えて、その場にはボスドロップの宝箱が残された。
「……危な気なく倒せたな」
俺の言葉を聞いた面々が、一斉に俺へと顔を向けてくる。ちょっと怖い。
「見ておったがな、タタラ。なんじゃあの威力」
「いや、諸々乗ったらカンストした挙句に致命打になっててな」
やはり『不意打ち』と『闇討ち』の相乗効果は凄まじいの一言だ、思えば一華も使えるんだよなコレ……このパーティ過剰火力気味じゃね?
「さて、ボスドロップの宝箱だが」
「拙者、絶対に嫌でござるよ!!」
前回『えっちな下着』を引き当てた一華が全力で拒否してくる。うん、流石にエロ装備を引いたボスドロップ宝箱とか嫌になるよな。40階層のボスドロップ宝箱を俺が空けた時は『龍角の金隠し』とか言う前世で何処かの部族が着けてそうなペニスサックが出て来た、その場で破壊しようとすら思ったがコレまた高性能なので捨てに捨てられずインベントリ内で眠らせている。
流石に店に並べるのも嫌だが、ネタとして置いとけば欲しがる人が居るかも知れない。置いとくのも嫌だが。
「一華、そんなに怖がることはなかろう?」
「なら四葩が開けるでござるよ!」
「まぁ、トドメは四葩だしな。タチアは開けたいか?」
「いえ、私はお譲りしますよ」
「仕方ないのう……」
溜息を吐いた四葩が宝箱を開けて中身を取り出す、その手に握られているのは──
「嘘じゃろ、前回お守りだったであろうが!?」
案の定『えっちな下着』である。一華のは黒だったが四葩のは白だ、褐色肌に映えてエロそうだな。
「……コレ、スケベイルアーマーと同じ流れなのでは?」
「そうなると次はタチアか、何色だろうな」
「タタラ殿!?」
完全に思考を放棄して発言した、正直エロ下着姿のタチアを見たいのは本音である。
そのまま先へ進み、前回と同じ『ムゥ
そんなこんなで54階層の下り階段前で、俺達は立ち止まっている。
「さて、四葩は存在昇華をどうする?」
「ふむ、体力と技力を最大まで上げられるのならしようと思う」
そうして四葩に体力上昇を205個、技力上昇を123個渡す。
「存在昇華は『早熟』のランクを上げて欲しい、ステータス上昇系はオススメが『幸運』でそれ以外は好きに選んで構わない」
「ふむ、ではそうするかの」
輝石に似たアイテムを握り砕いて使用し、ステータスを上げ終わった後に四葩は存在昇華をした。吹き付ける魔力、目を閉じて集中していた四葩は魔力が落ち着くのと合わせて目を開いた。
「タタラの勧める『早熟』のランクアップと『幸運』を取得したのじゃ。それと、先で必要になると言っておった『聞き耳』を取得した……レベルを即座に上げて『歌唱』と『舞踊』を取らねば父上達に叱られてしまうな」
そう言って苦笑いする四葩、探索向けのスキル構成に合わせてくれて助かるが家庭で重要視されてる二つのスキルは早急に取り直させてあげないとお義母さんが特に怖いだろうな。
「タチアはどうする?」
タチアの魔力上限に届く195個を渡して問い掛ける、タチアは呆れながらもアイテムを使用してから答えた。
「何度も言ったように、私は存在昇華を今の問題が片付いてから行います。ステータスが軒並み下がる事で50階層を越える事が難しくなれば、今のようにアイテムでステータスを補うのが難しくなってしまうでしょう?」
少し悪戯っぽくそう言うタチアに、思わず笑ってしまう。初対面の時から考えると、コレだけ他者を思いやれるようになったのは驚く程の進歩だ。こんな優しい女性を複数で囲み犯そうとした騎士見習いというか人にすら至ってない糞共はやはり燃やすべきだと思う。前世には『汚物は消毒』という格言というか名言が有る、俺もそれに倣うべきだと思うのだ。
「……ご主人、何か物騒な事を考えてござらんか?」
「気のせいだ」
どうやら少し漏れ出ていたらしい、気を付けなければ。
「さて、このまま探索を続けていく方向で大丈夫か?」
俺の確認に全員が頷いて了承する、それを確認して次の階層へと進む。出現する『エンシェントドライアド』を四葩に蹴散らさせて早々にレベルを上げて貰う。途中で『鍔目返し』がランクアップしたようで攻撃回数が増えて更に戦闘力が上がっている。なんだかタイマンの状況なら『不死の王』を正面から倒せるんじゃなかろうか?
そうして60階層のボス部屋に着き、流れ作業のように撃破。ボスドロップ宝箱を開けるた役を4人でじゃんけんして決め、負けたタチアが諦めた表情で開く。
「……服?」
取り出したのは衣服らしい何かだ、俺も見覚えが無いので『鑑定』を使って調べる。
上半身防具『妖精のビスチェ』
物理防御 18
魔法攻撃 20
魔法防御 45
速力 12
特殊能力 『魅了耐性』『女性専用』
うん、下着だコレ。しかも上半身用の防具だから隠せねぇヤツだ。
「……タチア、それ下着だ。しかも高性能な上半身用防具」
俺の言葉を聞いてタチアの表情が死んだ、50階層に続いて下着装備が出れば誰でもこうなるよな。
「……タタラ殿」
「保管はタチアがしてくれな」
「……Yes My Lord」
何もかもを諦めた表情で了承したタチア、済まないが俺が持ってたら事案になりそうなので諦めて欲しい。
その後も潜り続けるが、タチアが荒れて『突撃』を使いまくっていた。レベルを上げたい四葩と2人で殲滅し続けていて、『突撃』をコンプリートした上に『鍔目返し』のランクが上がったようだ。この先の探索に向けて『聞き耳』を取得したらしいが、騎士学校の教師に聞いて必須のスキルを取らなくて良かったのだろうか?
その後の61階層から先も四葩がレベルアップの為にほぼ一人で殲滅していった。俺と一華は斥候役だけしか出番が無く、四葩とタチアが相変わらず殲滅を続ける。勢いのまま70階層のボスに挑み、双方の殺し合いを待つ事も無く四葩が2体とも膾斬りにして終わった。完全に戦闘力が魔王級を通り越して準魔神級である。
「……四葩、宝箱を」
「断る」
最後まで言う前に言い捨てられた、まぁエロ下着引いてるから嫌だよな。
「タチアは……」
「私は先程の階層で開けましたが?」
圧が凄い。
「……」
「そんな泣きそうな顔をしないでくれ一華」
顔を向けた瞬間に涙が目尻に溜まる一華、その様子に罪悪感が湧いてくるが俺だって嫌な予感がしてこの宝箱を開けたくない。仕方ないので此処は公平に行こうか。
「誰が開けるか、じゃんけんで決めよう」
俺の言葉を聞いて、場が殺気立った。円陣を組み全員が深呼吸をする。
『最初はグー!』
裂帛が重なる。
『じゃんけん!』
全員が腕を振り上げる。
『ぽん!!』
突き出された手はグーが3つ、そしてチョキが1つ。
「そんな……拙者、負けたでござるか……?」
呆然と呟く一華に同情するが、自分が勝てた事に安堵もしてしまう。いや、なんか俺が開けたらヤベェ物が出て来る予感しかしないんだが。
諦めて宝箱を開け、中身を取り出した一華はそのまま地面に物を叩き付ける。咄嗟にそれに鑑定を掛けた。
上半身防具『天使のブラ』
物理防御 35
魔法防御 50
特殊能力 『光属性耐性』『体力回復Ⅲ』『女性専用』
下半身防具『小悪魔のショーツ』
物理防御 50
魔法防御 35
特殊能力 『闇属性耐性』『魔力回復Ⅲ』『女性専用』
強い。強いんだけど……なんでこんなエロ装備が今回多いんだ?
まさかダンジョンの主がエロゲー世界だって思い出してレーティングが高くなるような装備を出しているのだろうか……今更遅くないか?
別に作者はスタンド使いでは無いのでそんな能力使えないんですけどね。
それでは少し早いですが、皆様よいお年を。
オマケ
下半身防具『龍角の金隠し』
物理攻撃 25
物理防御 45
魔法攻撃 18
魔法防御 38
速力 25
特殊能力 『男性専用』
雄々しく天を衝く龍の角を使った下半身用の防具。一点だけを防御する潔い構造で、長い時を生きた龍の魔力で満ちている。
着用出来るのは最大値30cm未満の男性だけで、それ以上の者には先細りの構造上外せなくなってしまう呪いの装備である。
オマケその2
人通りの少ない道を軽い足取りで歩く女性が一人、肩に掛かる長さの黒髪に花をあしらった髪飾りを着け夜色の外套を羽織ったその人物はカルミア・スキエンティアと言う名前だ。
学園を卒業し、研究者となった彼女は同じく学園を卒業した直後に結婚して約束と初恋を砕いた片想いの相手の店へ向かっていた。
裏切られたとも思ったし、幾つも眠れない夜を越えたがその相手の周りに事実上内縁の妻が複数人居ることにまだ終わってないと奮起してアピールしている最中である。尚、彼女は側に居れるだけで幸せになってしまうのでアピールは届いてない。そんな彼女は目的の店に着き、高鳴る胸を深呼吸で落ち着けながら入店する。入店を知らせるドアベルの後、低く落ち着いた声が響く。
「いらっしゃいませ……って、ミーアか」
親しみの込められた声でそう迎え入れたのは店主にしてカルミアの片想い相手、タタラ・ジュロンである。学生時代は伸ばしていた髪を短く切り揃えた姿で、精悍な輪郭が見える今の姿もカルミアは好んでいる。
「ぁぅ、とと! みぃちゃ! みぃちゃ!」
「ああ、みぃちゃだな」
そんなタタラの腕の中、頭頂から三角の耳を生やした幼児が声を上げる。タタラの第一子で、最近国交が始まった陽出國に住む『妖怪』という種族との子供だ。タタラに似た髪色と、母親譲りの耳と尻尾を生やした男児だ。卒業してから間もなくして産まれた子供で、在学中に子供を作っていた事にカルミアはショックを受けたが実際に顔を合わせたら直ぐに絆させれてしまった。子供も子供でカルミアをタタラが呼ぶあだ名でカルミアを呼ぼうとするので、タタラを囲う女性達からは『親譲りの女誑し』等と言われている。ひどい。
「それで、今日はどうしたんだ?」
「うん、お休みだから買い物したいなって」
「こんな街の端に有る店へわざわざ来るとか変わってるなミーアは」※現工匠長という製作者のトップに立つ人間の台詞である。
カルミアがタタラの言葉に困った顔をしつつ、求める物を伝える。
「魔力触媒か、高い防御力をもつ防具が欲しいの。何か有るかな?」
「有るには有るけど……いや、でもなぁ」
カルミアの注文に難しい顔をするタタラ、そんな父親が心配なのか腕の中の子供がタタラの頬に触れる。そんな姿にほっこりしているカルミアだが、タタラがそんな反応をする事に疑問だった。
「何か問題が有るの?」
「なんと言うか、問題しか無いのがな」
そう言ってインベントリから取り出すのは黒い小さな布だ、蝙蝠の翼をイメージした造形をしているそれにカルミアが首を傾げる。
「『常闇の洞』70階層のボスドロップ品、下半身用の防具で女性専用の代物でな。性能は凄まじいんだが……うん」
物凄く嫌そうな顔をするタタラに疑問を抱きつつ、カウンターに近寄って物を見る。それは、黒く精緻な意匠を施された下着だった。
「名前は『小悪魔のショーツ』」
「タタラくん、流石にこれはセクハラだよ?」
こんな事を言っているが、タタラの出す品なので購入を考えているカルミアである。母から流れる裸族の血はこの程度を問題としていない。
「うん、そうなんだ……そうなんだけどな」
「そんなに性能がいいの?」
「物理防御が50で魔法防御35、闇属性耐性と魔力回復のランクⅢ」
「セクハラを差し引いても凄い装備だね」
カルミアが学生時代に買った今纏っている外套『死霊王の衣』よりも性能は上、更に言えば上下で分かれているので何方も使えるのは魅力的だ。
「それで、これは幾らするの?」
「商会からは450万って査定出てる、弱点無しでこの性能なら妥当かなとは思うな」
「うん、むしろ安いくらいだね」
カルミアの財布の紐が緩む、元々家が裕福な上に学生時代から研究者として働いて貯えのあるカルミアにとっては特に問題の無い金額の為に飼う方向に傾き始めていた。
「まぁ、防具として高性能では有るけどな……ミーアには正直此方の方がお勧めしたいけど」
そう言ってインベントリから取り出されるのは掌に収まりそうな宝石に似た結晶だった、光を常に違う色で反射するそれをカルミアは以前見たことが有った。
「それって『錬金術師の卵』だよね?」
「ああ、アクセサリーとしても身に着けられるぞ」
高性能なボスドロップ品よりもタタラの手で作られた低性能な品の方が魅力的に見えるのがカルミアである、早速どんな物かを確認する。
「このショーツより高性能なの?」
「方向性は若干違うけどな、体力、魔力、技力にプラス100と各回復のランクⅤ」
想像を遥かに越えて高性能だった。
「そ、それは凄いね……」
「まぁ、値段は9000万するけどな」
「買えないね」
値段が『小悪魔のショーツ』の20倍でとても手が出せる物では無かった、皇都の一等地で屋敷が買えそうな金額は流石のカルミアでも用意が難しい。とは言え、タタラの作った物なので欲しい。
「うう……わ、私の処女で買えない?」
「高々装備1つで何考えてんだお前、自分を大切にしろ」
タタラと繋がれて装備も手に入りそうなカルミアにとっての名案を提示するが、秒でダメ出しされる。コレが原作主人公だったりタタラがもっとイケイケなエロ系主人公なら秒で通っただろうが、タタラはそうでは無いのである。
「ショーツにしとけ、防御上げときゃ炎属性食らってもある程度は抑えられるんだから」
「うう……そうするね」
3年後なら今の稼ぎでも買えるのにとそんな後悔をしつつ、今買える『小悪魔のショーツ』を購入するカルミア。早速装備を変更する為にスカートを下ろして下着に手を掛ける。
「いやちょっと待てお前、何しようとしてやがる!?」
「え、何って……装備変更だよ?」
焦るタタラの声に普通に答えるカルミア。
「家に帰ってからやれ!」
都市の片隅で、子持ち店主の叫びが木霊した。
生存するか否か
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生き残る(元は生き残る予定)
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生き残らない