既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント進行中。
やっぱり前回の更新速度と言うか執筆速度がバグり散らかしてました、何でほぼ一日で120000文字とか書けてんだ俺。
「……酷い目に遭った」
「いや、本当に申し訳無かったタタラ殿」
服の所々が焦げた俺の呟きに当主代行は謝りながらも笑っている。法務長と2人で俺をガン詰めしてたのに笑わないで欲しい、思わず恨みのこもった目を向ける。
法務長と当主代行に質問攻めにあい、途中で商会長も加わって輸送用の外骨格型アーレムである『ペガサス』に付いて説明させられたのだ。面白がったのだろう正規兵さんも参加して説明させられた為にそりゃもう疲れ果てた。
そうして詰められ、終わったと思えば都市長から『料理長』のアーレムに使われた技術に付いて詰められてと繰り返され最早体力の限界だ。とどめとばかりにストレス爆発した都市長が照射型魔導銃『
これだけの事が有ったのに結局、今日一日で決まったのは俺が当日に実況として参加することだろうか。まぁ、当主代行の問題を実質無くせたので良かったが。
「しかし、小柄巨乳のアーレムは強かったですね」
「『料理長』を変な渾名で呼ばないでやってくれ、拗ねるから」
あの激戦を思い出して楽しげに言うダリアに軽く注意する。本人はもう帰ってしまったが、下手な事を言うと空からすっ飛んで来そうである。何なら俺が『天使長』に向けて愛してると言えば光の速さでスッ飛んでくるらしいから、ダリアの悪口で『料理長』が呼べそうな事に妙な説得力が有る。
《結局、ボクは何も出来なかったです……》
「いや、今日はあんまり転びそうにならなかったからそれで十分だろ」
そんな中で落ち込んだ『バイト長』が口に出した言葉に、俺は即座に否を答える。今日一日で躓いたのも転んだのも二桁を少し超えた程度で収まっている、家から1時間前後は有るアリーナ迄の距離を10回に届かない数の転倒で済ませているのだから立派な成長だろう。
「それに、今日はお義母さん付きのメイドとして一日頑張っただろ。それで良いんだよ今は」
《……ふふ、わかったです》
俺の前向きに過ぎる言葉を聞いて、『バイト長』が笑顔になる。うん、これくらいはいいよな?
そうして談笑をしながら家に着く、夕飯の準備をしなくちゃな。
「へぇ、都市祭の開催中にイベントへ参加するんだ?」
「ああ、都市長からも正式に指示が出たしな。基本的にやる事が無いし、皆で祭りを回るくらいしか予定は無かったから丁度いいかと思ってな」
帰ってきたエテル達と食事を摂りながら今日の事を話せば、意外と言った雰囲気の声で言われた。まぁ、去年とか街の飾り付けを手伝ってただけで殆ど不参加みたいなもんだったしな。それを知るエテルが意外に思っても不思議は無い。
「む、そうするとダリアとの逢引の約束とやらはどうなるのかのう?」
「それはアーレム関係で一日一緒に居るので溜飲を下げました」
この辺はかなり驚いたのだが、ダリアはその日一日をアーレムデートと称して俺を振り回すと決めたらしい。何だよアーレムデートって。
「都市祭は5日間続くから、1日だけ割かせてそれに充てようかと思ってな。今回アーレム関係で協力して貰うからその礼って形だ」
「むむ、拙者達其々に1日を割くのは無理でござるか?」
「物理的に無理だな」
ダリアに1日使うのは確定事項とは言え、本当なら彼女達には其々時間を使いたいのが本音である。一華にはこう言っているが、俺としても無理矢理にでもデートプランを考えるべきかを悩んでいる。
まぁ、最終日には全員一丸となって騎士学校のゴミ共を叩き潰す事になると思うが。
「……ねぇ、タタラ」
「どうした?」
そんな中で思い悩んだらしいエテルが声を上げてくる、何事かと視線を向けると何やら苦しそうにしている雰囲気だ。
「1日イッさんに使ってあげてくれない?」
その言葉に驚いたのは俺以上に一華だろうか、実際に目を大きく見開いてエテルを見ている。
「どうしてだ?」
「だって、さ。私達が間違えた時もずっとタタラの側に居てくれたからね……だから、イッさんはダリアと同じ様に1日デートしてもらう権利が有るんだよ」
少し寂しそうにエテルはそう言った。この言葉に対する反応、四葩とタチアは気不味そうにしているが一華は何方かと言えば不満そうな感じである。
「奥様」
「え、あ……どうしたのイッさん」
「拙者の事、舐めてるでござるか?」
何処か据わった目、と言うか結構なレベルでキレてるっぽい一華の言葉にエテルは肩を震わせている。
「えっと……そ、そんな訳じゃ」
「なら、何故拙者に施しをするつもりでござるか。拙者もご主人を愛しているでござるし2人で逢引したり、路地裏に2人で入って誰かに見られるかもと言う緊張感の中でご主人と致したり、他の独り身の雄雌に仲の良さを見せ付けたり、隠して買っていた露出の多い服を着てご主人をドキドキさせたいと言う願望は有るでござるよ。けれどそれでも態々譲って貰わねば出来ぬと考えるのは少し傲慢が過ぎるでござるか?」
「なんか今、変な願望で構成されてなかったか?」
何故か物凄く一華の言葉に引っ掛かった気がするが、下手に干渉するなと本能が警告を放っている。このまま踏み込めば大乱交
「で、でもイッさんは確かにお腹の中にタタラの子供を宿してるけどそれだけだし。私は正妻だから何時でもデート出来るし一緒に学園に通ってるしタタラの童貞も貰ったし同時に処女捧げられたしえっちの回数も多いし中に出して貰ったのも1000回以上有るし皆と違ってタタラの服を選んでそれを着て貰った事も有るし卒業したら式も挙げられるし」
「おう、エテル。妾達も我慢の限界って物が有るんじゃぞ?」
「ちょっとイラッと来ますので敵対させて貰いますね?」
エテルが事実を挙げていった結果、友情に罅が入ったらしい。笑顔だがぶっとい血管を浮かばせた四葩とタチアがエテルサイドから離反している……ある意味で精神的に余裕が有るなエテル。
「そんな、二人とも夢魔の手技で男の人じゃ満足出来なくなっちゃうよ?」
「どんな脅しだよ」
敵に回れば何をするのかを明確にするエテルに思わずツッコミを入れる、確かにお前が本気出せば男女問わず虜に出来るだろうけどな。
「四葩、一華、エテルさん、タチアさん……はしたないのでお辞めなさい?」
『はい』
そんな中、飲んでいた汁椀から口を離したお義母さんの一言で醜い言い争いが一瞬で止まった。四人は即座に返事を返したが、言葉を向けられていなかった筈の俺や当主代行達もビビって肩を震わせてしまう。やはりヒエラルキーの最上位に居るのはお義母さんか。
「あまりそう言った事で争うなら、1日を三葉に割かせますよ?」
「はい?」
「お母様?」
お義母さんの予想外の言葉に頭に疑問が浮かぶ俺と三葉さん、視線を向けるとお義母さんも一つ頷いてから言葉を続ける。
「三葉、その人から聞きましたが独り立ちして此方に住むつもりなのですよね?」
「はい。身を立てようかと思います」
当主代行から聞いてたのか、つか三葉さん自身はお義母さんに伝えてなかったのか。それはそれで危うそうな?
だが、お義母さんは三葉さんの言葉に少し口元を緩めながら頷いて言葉を続ける。
「その考えは立派です、意思も確かな物を感じます。しかし、貴女はこの都市に馴染みが殆ど有りません。見ず知らずの他国の都市にいきなり飛び込むのは危険でしょう?」
お義母さんの言葉は一理有る、どころか間違いなくド正論だ。三葉さんもお義母さんの言葉の柔らかさに戸惑いつつも、否定意見では無く肯定された上での言葉なので納得している様子だ。
「故に先ずはタタラさんの案内の下、この地域を知りなさい。知った上でどう身を守り、この国ひいてはこの街の人達にどうやって馴染むかを考えなさい」
うん、物凄く真っ当なアドバイスである。否定意見が一切浮かばないし、お義母さんが俺を選んだ理由も納得した。
「そう言う事なら俺も喜んで協力しますよ、普段はこの家で家事を任せきりで街全体を三葉さんは知りませんし案内を請け負います」
「タタラさん」
俺の言葉に三葉さんは驚いた様子だ。四葩の姉だし協力するのは全然構わない。
「それでしたら、お店の事は置いておいて先ずは地区の説明の為に二人で回るようにして下さい。都市祭の1日、三葉に割いて貰っていいですね?」
「はい、承りました」
「ふふ、お願いしますねタタラさん」
お義母さんからの依頼を了承すれば、三葉さんも嬉しそうに頼んでくる。当主代行も頷いているから認めてくれたらしい。
そして、お義母さんが顔を四葩達へと向ける。
「逢引の約束とはこうするのですよ、特にタタラさんのような性格なら正当性を持たせれば一発ですからね」
『はい!』
「はい!?」
とんでもねぇことを言われたぞ、つか何で四人はそんなに良い声で返事してんのかな!?
「やっぱり、既婚者の大先輩から貰えるアドバイスは大切だなぁ」
「しみじみ言うな」
「エテルさん、旦那の転がし方でしたら何時でも教えますからね?」
「華澄、本気でやめろ。タタラ殿が不憫でならん」
女房同盟と旦那同盟が出来上がってるなコレ、何故か当主代行と二人で釣りに行く回数が増える未来が見えた気がする。
混沌を極めた夕食を終えて、工房で作業を行う。作り出すのは大型のハイビジョンモニターだ、前世で言う所の100インチテレビと同じ様な大きさでオプションとして大型のスピーカーも作製して野外でも音が届くようにした。
都市長から正式に都市内で一次的な設置用のモニターの作製台数が送られて来たので、ようやく作業に入った状況だ。必要な台数は16台、数が数なのでゴーレム達にも協力して貰い一斉に作製している。まぁ、俺一人でも1台10分弱で作れるので3時間も掛からず作り終えられるのだが他にも作業が有るので頼った形だ。
都市長から久し振りに送られて来た鳥形ゴーレムからの手紙には、明日は中枢に朝から来るようにとの指示も書いてあった。
了承の手紙をサイファーで送ろうとしたら都市長の鳥形ゴーレムが一生懸命袖を引っ張って来たので任せたら凄い勢いでスッ飛んで行った。何か元気だな、あのゴーレム。
俺は俺で手持ち無沙汰になったサイファーに商会長宛の手紙を送って貰った、今回のモニターを別の形でも活用する為にある物の許可が欲しくなったのだ。商会長は疑問を持ちながらも了承とそれを送ってくれたので、早速モニターに共通する情報として発信元に術式として刻む。
一通り都市祭用の作業を終わらせた後、パーティメンバーの装備を整備する。其々の装備が強化される程に使い込まれていて、学生運動に向けて準備が整っていくかの様に感じる。まぁ、四葩の『手毬花』は概念武装故か完成していて強化されないのだが。『天使長』の剣に次ぐ超性能なのだが、『天使長』の剣はあの性能で更に強化されるんだよな……性能バグり散らかしてるだろあの剣。
作業が終わったゴーレム達が自主的にインベントリの中へ戻っていくのを横目に見つつ、モニターの試運転を行っていく。流石は俺のゴーレムと言うべきか、どれ一つとして不良品が無かった。
……いや待て、前世のオートメーション化した大型工場でも日に何個も不良品が出てるのに何でゴーレムが作った物に不良品が出てないんだ。普通に意味不明過ぎるだろ。
頭を抱えそうな現実に悩んでいると背後から肩を揉まれた、何事かと振り向くと『天使長』が微笑みながらそこに居た。
「え、『天使長』?」
《ふふ、はい。貴方の『天使長』ですよ》
俺の素っ頓狂な声に対して笑いながら答える『天使長』に違和感を覚える、見た目も声も『天使長』なのに俺の中に有る何かが目前のコレを違うと訴えている。
思考を巡らせる俺を無視して『天使長』の見た目をした何かは俺の前に回り込む、変わらず笑顔なのだが何処か作り物めいた物というか違和感を拭えない。
以前ならこの距離感でも大丈夫だったが、目の前のコレはダメだ。背筋が泡立つと言うか、拒否感が湧いて出る。
「……なぁ、離れてくれ」
《どうしてですか、ヒドイですよ》
違和感は強くなる、『天使長』なら今迄の会話中に俺の名前を一度は呼んでる気がする。しかし、此奴は名前を呼ぶ事も無ければ表情の変化すらしない。
「離れてくれ」
《どうしてですか、ヒドイですよ》
同じ言葉を繰り返してくる、そのまま顔が近付いてくるのを避けようとするが力が強くて逃げられない。何だこれ、嫌な予感しかしない。
《離れなさい、不出来な人形!》
そんな『天使長』モドキの横っ面を、そんな思念と共に巨大な拳が殴り飛ばす。
魔法金属アダマンタイトで作られた巨大な黒い拳、赤いラインの入った円筒型の腕の先には尖った肩と巨大なデルタ翼。
専用魔導鎧『
「『料理長』!?」
《油断しないで下さい!!》
驚きのあまり名前を呼べば叫ぶ様な思念で注意される、視線を殴られた『天使長』に向ければ拳を受けた頬を中心に顔が歪んでいた。しかし、それこそおかしい。我駕牙の性能が高くとも、『料理長』と『天使長』の間には明確なステータス差が存在していてそれは専用武装の無い状態では覆せない筈だ。それに、身体が離れて漸く分かったがこの『天使長』の背中には俺が作った剣が無い。
翼を持たない『天使長』モドキ、それが目の前に居る謎の存在だ。
《……まったく、躊躇なく姉の顔を殴りますか?》
《姉さまの似姿をしただけの偽物など、躊躇する理由にはなりません》
目前の『天使長』モドキから伝わる思念に答える『料理長』に油断は無い、そしてこの思念の感じは身に覚えが有る。
「……態々『天使長』の姿を真似て出てくるとかどう言う了見だ
俺の言葉に歪んだ口元を笑みの形にする
あまりにも不愉快である。
《行動を真似したと言うのに、違和感を持たれてしまうとは》
そう言いながら立ち上がる
「……何の用事で来た」
俺の問い掛けに
《貴方を籠絡するため、と言ったら?》
「だったら『天使長』本人かこの『料理長』にでも頼れよ、お前より遥かに成功率高いぞ」
《性交率は確かに高そうですね》
「多分、字が違うと思うぞ」
緊張感が行方不明になりそうな遣り取りだが、俺は警戒を解いていない。『料理長』も戦闘態勢を解いておらず、場を満たす圧は強まっていく。
《……随分と面白い玩具をその子に与えたようですね?》
「依頼されたから作っただけだ」
《そうですか、
やはり、何かしらの法則を敷いて自身を害さないようにしているのか。『我駕牙』が存在を保てている、という話なら攻撃してきた対象を消滅や崩壊させる系の法則だろう。傷付けられないと世界に定められた神殺しが剣技『空裂』を使った龍よりも厄介だな。
ならばと同じ様に世界法則から外れた刃である『空裂』を取り出して、世界法則を見据えて構える。直接的にダメージを与えて肉体を守る概念その物を無効化する、そうすれば少なくとも撤退を選ばせられるはずだ。
《その物騒な刃を引っ込めませんか?》
「不同意で性交を迫ってくる奴にはこれで十分だろ」
《せめて塩を撒く程度で抑えて欲しいですね本当》
口調から本心を読み取り難い、それでも警戒は解かずに見据え続ける。やがて
《分かりました、降参です》
「……何を狙っている?」
《裏も何もなく、その子と貴方を同時に敵に回したら面倒なので降参して帰るだけですよ》
そう言いながら苦笑いをする
《そもそも、貴方の籠絡もそうですが目的は他にも有るんですよ》
「へぇ、何が目的だ?」
《クレームです》
「……はい?」
《だからクレームです》
今回の目的は俺へのクレームと、いや何で?
《その表情、理由が分からないみたいですね》
「いや、お前に向けた物なんて作ったか?」
《作ったでしょう、私のフィギュア!!》
なる程な、フィギュアを作られたから意趣返しと。
「アレはお前が『バイト長』の身体を使ったりしたからだろ」
《だからって本当にえっちなフィギュアを作りますか、しかも二つも!?》
それまでの冷静さをかなぐり捨てた勢いで言ってくる
「『バイト長』はノリノリで
《あの子は何を!?》
「いや、大好きな姉をあんな風に言われてた上に身体も勝手に使ったんだからそうもなるだろ」
明らかに目が本気だったし。
《うう、それはそれとして何で二つも作ったんですか。一つ目はまだマシでしたけど、すぐ壊したとは言え二つ目のアレとか一目見たらトラウマですよ!!》
「仕方ないだろムカついたんだから、それに俺も気分悪くなって直後に壊したわ!!」
《直ぐに壊したからって過去は消えない、罪は灌がれないんですよ!!》
「ならお前も『天使長』や『バイト長』の身体を乗っ取ったやらかしが有るだろうが!!」
《……子供の喧嘩でしょうかコレは?》
言い合いを続ける俺達の姿を見た『料理長』が何処か呆れた雰囲気でそんな事を溢した。
《第一私は恋をしたことが有っても処女なんですよ、そんな相手に複数戦とかさせますか普通!?》
「寧ろ前世でこの世界を外からの見てた時は処女相手に複数戦とかメジャーに過ぎたわ、主に敗北とか最悪の結末で!」
《最悪ですね!?》
「それを回避したくて基本足掻いてんだよ俺は!」
実際タチアが騎士見習い相手にヤラれ掛けたからな、ギリギリ回避は出来たが一手間違えてたら騎士学校で林間学校されてたわ。
言い合いを続ける俺と
《もういいです、実家に帰ります!》
「さっさと帰れ、せいせいするわ!」
《何ですかこのクラフト馬鹿タラシ!》
「何だとこの陰険喪女
《……まるで旧来の悪友との口喧嘩ですね》
「……確かに幼稚園生の喧嘩みたいだったな。って!?」
ぼそっと零した『料理長』に振り向けば、いきなり膝から崩折れた。思わず抱き締めて支えようとするも、『我駕牙』の重さを咄嗟に支え切れずに膝を付いてしまう。
「『料理長』!?」
《すみま、せん……流石に
そんな事を言ってくる『料理長』に焦りが募る。身体を乗っ取られるのとは全く違う負荷なのか、『料理長』の額には玉のような汗が噴き出している。鎧を消して俺への負担は軽くしてくれたが、『料理長』は動ける状態になるのかも不安だ。
どうすれば良いのか混乱が続く中、唐突に一つ思い付いた。効果も何も考える間もなく、即座に実行に移す。『料理長』を抱き寄せ、後頭部に手を添えてから唇を重ねる。そのまま舌を差し入れて俺の唾液を流し込む。
一瞬だけ『料理長』の身体が硬直するが、直ぐに俺の背中へと手を回して抱き返してくる。存在する最大の特異点、『看板娘』の在り方にさえ干渉する俺の体液なら
一分間はその状態が続き、そろそろ大丈夫かと思い顔を離そうとしたが出来ずに思わず焦る。口を塞いでる上に舌が絡んだままなので声も上手く出せない、『料理長』の背中を叩くがその手を緩める気配が見えない。無理に身体を離そうとしても余計に腕に力が入るだけだ。
《やぁ!》
思念が飛んでくるけど赤ちゃんみたいに嫌がるなよ『料理長』、何とか身を離す手段は無いかと酸欠になりかける頭を使って取り敢えずその小柄な身体に見合わない大きな胸を揉んでみる。
エテル程の大きさは当然無いが、それなりに大きい俺の手でも少し余る程の大きさを持つ乳房に指が沈み込む。
ゴムにも似た手触りのパイロットスーツ越しでも柔らかいが、その張りとも言うべき適度な抵抗が何度もその感触を味わいたいと思わせる。愚息が興奮で硬度を増してズボンを押し上げていて、布に抑え込まれる圧迫感が不快だ。
ズボンとパンツを下ろし愚息を解き放てば、熱の籠もった状況と圧迫感からの解放感で心地良い。反り返る愚息は『料理長』の腹に当たり、その衝撃を受けた『料理長』は視線を向けた後に嬉しそう……なのだろうが艶然とした笑みを浮かべる。
ハイレグレオタード状の股間部をズラして『料理長』は己の秘部をさらけ出す。毛はなく、ピッチリと閉じたそこへ俺は本能のままに愚息を充てがった所で漸く状況を理解し始めた。
ヤバい、身体が本能に縛られてまともに制御出来ていない。『料理長』の身体から発せられる制御されていない性魔術の影響だろうか、以前何とか止めれていたのが全く出来てない。
《えへへ、タタラさんはやくください》
伝わる思念は幼さを持ち、余計に身体から自由が奪われる。このままだと
身体の制御権を奪おうと魔力を巡らせる、『料理長』の秘処へと愚息を挿入しようとする腰を何とか遅らせて状況を打破する方法を考える。俺のゴーレムならと考えたが、『料理長』の為に作ったヤツはインベントリから出て来たと思えば団扇を持ち出して応援している始末。ぶっ飛ばしたい。
いよいよ『料理長』の処女を奪う手前となった時、顔面を凄まじい衝撃が襲い吹き飛ばされる。『料理長』も俺と反対方向へと吹き飛ばされた様子で、身体が離れたのが分かった。
衝撃の元を確認すれば、薄らと黄金の光を放つ張扇だった。それを認識すると同時に身体が自由を取り戻し始め、自分の意思で更に一歩『料理長』から身を離せた。
同時に思考を巡らせる、この張扇には見覚えが有りその持ち主にも心当たりが有る。視線を張扇の持ち主に向ければ案の定、怒り心頭と言った表情の『天使長』が見えた。
《……タタラさん、妹に何をしてるんですか!?》
届く思念にも怒りが見える、滅多に無い事なので珍しいと思いつつも言葉を聞いて貰おうと抑える様に頼む為に手を上げる。
そうして上げた手は『天使長』の手首を掴み、その身体を引き寄せる。
《え?》
呆気に取られ引き寄せられる『天使長』を抱き締めて、唇を重ねる。驚きで半開きの口へ舌を侵入させてその舌を絡め取る。突然の事で対応出来ていない『天使長』を他所に、俺の身体は『天使長』を求めて半自動的に動き続ける。
《や、やだ……タタラさんやめて!》
張扇を取り落とした『天使長』からそんな思念が飛んでくるが、身体は一向に止まる気配が無い。その場で『天使長』を押し倒し、キスを続けながらメイド服越しにエテルに匹敵しそうなその胸を揉む。
俺より遥かに高い身体能力を持つ筈の『天使長』が口で拒否をしているというのに突き飛ばそうとしない、コレはもう合意だろうと考えてスカートの下へ手を差し入れる。
上質な素材で出来ているのか触り心地の良い下着と、それすらも遥かに超える滑らかさを誇る『天使長』の肌。その間に有る秘処の溝を指先で撫でれば湿り気を帯びていく。
「口では嫌がってても身体は正直じゃないですか」
《ちが、違うの……こんなの嫌!》
両手で顔を覆い拒絶の言葉を続けるのに、『天使長』の身体は受け入れる為の準備を続けている。剥き出しの愚息は我慢の限界を示す様に先走りの汁を吹き、目前の『天使長』を己の物に出来ると期待している。
エテルとの初体験の時と同じくらいに硬く反り返った愚息を『天使長』の膣口へと当てるが、期待の滑って上手く挿入が出来ない。何度となく手間取りながら、遂に腰を進め──
「だぁーっ!!」
「たー!!」
謎の強制力に支配された身体を無理矢理『天使長』から突き放し、更には『天使長』のインベントリから出て来た専用ゴーレムが張扇を拾って全力で俺を殴り飛ばした。
勢いよく背後に向かった為に背中から地面に叩き付けられ、そのまま後頭部もぶつけた為に痛みで漸く身体と意識の支配権を取り戻す。尚、身体の興奮は収まっておらず愚息は元気一杯のままだ。
《た、タタラさん!?》
俺とゴーレムの行動に驚いた『天使長』が心配の声を掛けてくる、俺に弄ばれたせいでメイド服が乱れて深い谷間が見えているがそこに気を向けない様に気を付けつつ身を起こす。
「すいません、『天使長』。
つか、今変な読みを強制されてなかったか?
《姉さま、すみません……》
《いえ、上司に逆らった影響でタタラさんを此方側に引き入れる為の仕込みを使われたんだと思うから気にしないで》
此方も正気を取り戻したらしい『料理長』が『天使長』に謝っている。そもそも『料理長』を救おうとしての行動から先ずおかしかったな俺。
「すまない『料理長』、いきなり……」
《い、いえ。タタラさんの考えは分かりますし嫌では無かったですし……》
キスした事を謝れば、何やら焦って言うべきでは無さそうな事を言う『料理長』。
《正直、タタラさんの考え自体は間違ってなかったんですよ》
「え」
《タタラさんと言うか、特異点の体液を使って上司からの影響を抑えようとしたんですよね?》
うん、なんで察してるんだろう?
「そうですけど、よく分かりますね」
《コレでも
「その仕込みっていうのは?」
《妹の魔力と魔法攻撃力を全て『性魔術』にしてタタラさんの耐性を突破して、そのままえっちさせて
「九割方上手くいってて笑えねぇ罠だな本当」
内容を聞いた俺は思わず頭を抱えてしまう、チラ見えした『料理長』もなんと言って良いのか分からないといった雰囲気である。
「……あれ、そうするとなんで俺は止めに来た『天使長』にまで?」
今の話を聞いてそんな疑問が湧いて出る。『天使長』の殺さず張扇でぶん殴られて正気を取り戻して然るべきなのに、俺は『天使長』を性の対象と認識して押し倒してしまった。その理由が分からない。
そんな俺の疑問に『天使長』は頬を染めて顔を逸らしてしまった、これは聞けないっぽいな。
「そう言えば、『料理長』は俺を助ける為に来たのか?」
《すっかり忘れてました。タタラさんに私のアーレムを本格的に修理して貰おうって思いまして》
「あー……うん、なる程?」
本格的な修理と言われるが、あの時点で修復は完了している。実際に『鑑定』で観てみるが歪みや欠けは無い。
「……そうだな、少し預かる」
《はい、お願いします》
差し出された『料理王ジェネシックガガガ』を預かって、工房の奥の鍛冶場に入る。外装を一度全て外して、アダマンタイトとオリハルコンを分解してから溶け合わせる。
オリハルコンとアダマンタイトを織り交ぜる事でその硬度を増す配分で掛け合わせ、鍛造して行く。全身の装甲を形成し、それらを『クラフト』で整形してから装着させていく。
多分、ダリアが見たらキレ散らかしそうな程に性能を引き上げて『料理王ジェネシックガガガ』は修復を通り越して改修された。見た目こそ同じだが、装甲強度が数倍に跳ね上がっている。操縦者の気合一つで防御力上げるのは流石に不味いと思うが、それでもやっておかないと依頼主が不機嫌になる。仕方ないから今度ダリア用の魔法金属アーレムをフルスペックで作ろう。
《凄い、キチンと直されてます!》
「直すどころか超強化されてんだよなぁ……」
今までが装甲表面に魔力が漏れ出してた程度なのに対して、今のコレは漏れ出した魔力を整えて魔力の鎧に変えている。ようは元ネタの
コレを削れば自然とコアの魔力も削れはするのだが、そもそも魔力の鎧として出来上がっている為に削る事自体が難しいという凶悪具合だ。本当、自分で作っといて何だけどヤベェなこのアーレム。
《コレなら次にあの子と戦う事になっても、私が勝てます!》
「操縦技術で勝とうと思わんのか?」
《そっちでも何れは勝ちますけど、先ずは性能差で圧倒します!》
あのさ『料理長』、それは流石に性格悪いと思うよ?
「つか、このアーレムの理論を元に魔導鎧の方の強化とか頼まれるのかと思ったが」
《そんな事をしたらタタラさんが追放されちゃうじゃないですか、そもそも『我駕牙』だってちゃんと活躍させてあげたことも無いのに》
確かにそうだが、『料理長』と『我駕牙』がフルスペックで戦うべき相手とかそれこそ『剣の魔神』相手くらいのもんだろ。普通にダンジョン内ならはぐれ魔神相手でも最上位の奴等じゃ無いと過剰戦力だからな。
《そう言えばタタラさん》
「はい、なんです『天使長』?」
《私も新しくアクセサリーが欲しいんですけどいいですか?》
いきなりだな。
「アクセサリーって言うと『錬金術師の卵』とか『厄切』ですかね?」
俺の作れる装飾品に分類されるの装備の代表と言ったらこの辺だろう、まぁ『厄切』は兎も角『錬金術師の卵』は『天使長』の剣の性能を考えると必要無いだろう。アレ一撃入れるとダメージの半分も諸々が回復するからな、しかも『貫通』付きだし。
俺の確認に『天使長』は手を振って否定してくる。
《そう言った効果の有る装備じゃなくて、純粋にアクセサリーが欲しいんですよ》
「純粋なアクセサリー……センスの無い俺だと一番難しいまで有るんだけどな」
なんだ効果の有る防具としての装飾品が欲しい訳じゃ無いのか、逆に難しいな。デザインセンスとか俺には無いし。
「……なんか、方向性とか有りません?」
《方向性……可愛らしく!》
「違う、そうじゃない」
可愛らしいデザインで作るのはまぁいいのだが、指輪とかネックレスだとかの方向性が欲しい。まぁ、今のは俺の聞き方が悪いか。
俺が『天使長』に詳しく確認を取るとネックレスを作る事になった。しかし、可愛らしいデザインのネックレスか……安易だが天使の翼あたりのデザインがいいかな?
またはシリーズ製作会社のロゴマークとかか、アレ『天使長』を元にしたデザインだろうしピッタリ来るだろう。そう考えて会社のロゴマークをミスリルで作る、入っていた会社名を排した物で天使の輪にチェーンを通す形にしてみた。
「こんな感じでいいですか?」
《ダメです》
「即答……」
差し出した瞬間にダメ出しを貰った、結構ショックなんだが。
《あんまり可愛くないです》
自社マスコットに全否定されてて笑えない、俺は好きなんだけどなこの会社のロゴマーク。
《もっとトゲトゲした可愛いデザインでお願いします》
「トゲトゲで可愛い……?」
もしや、『天使長』のセンスが俺達とズレてるとは……いや待てよ?
そう言えば昔の頓痴気イベントで過去作キャラの絵皿を集めるとかで『天使長』が欲しがってたのって一番不人気のブサイクゴーレムだったような……センスのズレの伏線有っても気付かんだろこれ。今の世界でもないと影響も殆ど無いし、つか今の今まで影響無かったし。
しかし、トゲトゲしたデザインか……そう考えて手早く一つ作る。1本の剣を中心に片側5本の剣が連なって出来る刃金の翼、早い話が『天使長』の剣をアクセサリーにしたものだ。中心には鉱石の中から採れた極小のダイヤモンド、素材そのものはミスリル製なのでアクセサリーとしてはかなり上等ではなかろうか?
「えっと、『天使長』の剣を元にしたやつですけどこれはどうです?」
《はい、コレがいいです!》
満面の笑みで俺からネックレスを受け取った『天使長』は早速身に付けていた『地母神の祝福』を外してネックレスを身に着ける、そう言えば『天使長』の此れって俺が子供の頃に使ってたヤツなんだよな。ずっと使ってたのか、大分古びてるし。
《えへへ、似合いますか?》
「ええ、似合ってますよ」
《はい、姉さま可愛いです!》
俺と『料理長』に褒められて満面の笑みになる『天使長』、こう言うところが可愛らしいなこの人。
《それでは、今回のお礼をしなくちゃ駄目ですね!》
と、相変わらずの流れでになるが今回はちょっと受け取れない。
「いえ、今回は……」
《む、駄目ですよタタラさん。妹から聞いてる筈ですよ》
「それはそうなんですけど……それよりもさっき『天使長』に酷いことをしかけたから、そのお詫びにそのネックレスがなれば」
《駄目です》
ネックレスの作製を先程のお詫びにしようとすれば、『天使長』からは感情の抜けた思念が飛んでくる。顔を見れば表情が抜け落ちていて、目
《まさか、アクセサリー一つで赦されるとでも?》
「はい、思ってません」
流石に無理とは思っていたが、過去作でも見たことが無いブチ切れ姿を見せられるとは思わなかった。交流が始まってから少しして、俺が寝てる時に遊びに来た『天使長』に夢精してぶっ掛けた時ですら怒ってなかったのに。まぁ、あの時はあまりのショックで泣いたから赦されたのかも知れないが。つか、何であの時の俺はズボン履いてなかったのだろう。前日はしっかり着て寝てたのに。
俺の返答に満足気に頷く『天使長』だが、怒りは収まっていない様子。俺、生き残れるのだろうか?
《ね、姉さま。少し穏便に……》
《あら、私が来なかったらタタラさんとえっちして此方側にしてた可能性が高いトロイの木馬を仕込まれた駄目な妹は誰だったでしょうか?》
諌めようとした『料理長』が泣きそうになりながら黙ってしまった、『天使長』の当たりがこんな強いの初めてだぞ。
《全く、御屋敷に帰ったらお説教ですからね》
《はい……》
呆れた風な『天使長』の言い方に、完全に涙声な『料理長』。コレだけ怒る理由ってなんなんだろうか、俺が
「あの、『天使長』」
《詳しい事情は話せません》
質問内容を先回りで潰されてしまった。
「……それなら、そのネックレスに関して聞いていいですか?」
《はい、いいですよ》
「さっき『天使長』に失礼な事をしたのが相殺出来ないなら、どういった扱いになるんですかそれ?」
お詫びとして作ったつもりだったが認められて無いのだ、この辺キッチリしないと
そんな俺の質問に『天使長』は少し考えてから思念を飛ばして来た。
《コレ一つでのお詫びにはなりませんから、また何かを作って貰う時に罪を相殺していきます》
うん、流石にそれくらいは重くなるか。出来るだけ早く完済したいな、俺の寿命問題も有るし。そんな事を考える俺をじっと見続けてきた『天使長』は、一つ頷いてから思念を飛ばしてくる。
《コレを含めて全部で五つのお願い、それで相殺します》
「分かりました」
《それでは早速二つ目のお願いです》
「え」
いや、かなり早くに依頼してくるな。何だろうか?
《存在昇華をして、寿命を延ばして下さい》
「……え?」
まったくの予想外な依頼内容に、思考が固まる。
「え、何で……」
《少しでも長くタタラさんと居たいから、では納得出来ませんか?》
思わずついて出た疑問の言葉に間髪入れず答える『天使長』、その言葉に益々混乱する。
《タタラさんと共に死ぬ事を許されてるエテルさんも、子供と共に遺される一華さんの事も知ってます。ですけど、お二人よりも長い付き合いである私にも思う所が有るんですよ》
真っ直ぐに俺の目を見てそう伝えてくる『天使長』、その視線の強さに思わず俯いて視線を外してしまった。
《タタラさん、存在昇華をして下さい》
素直に受け入れられない、エテルを道連れに死ぬ事を考えた俺が『天使長』の言葉一つで存在昇華を受け入れるなど赦される筈がない。
《……そんなに生きるのは嫌ですか?》
伝わる思念には悲哀が混じる。確かに今の俺は生きる事に意味を見出せていない、そんな無意味な人生を続けるのは嫌だ。
《私も、妹達も……タタラさんの生きる意味にはなれませんか?》
静かに近付いて来た『天使長』が俯く俺の頭を抱き締めてくる、柔らかく温かな感触が包み込んできた。
《生きてください、タタラさん》
その声は懇願で、混じる音には涙が混ざっていた。
結局、『天使長』達に答えを返せずに居たら泣き出してしまい何とか帰すだけに留まった。昔みたいに声を上げて泣かれなくて助かったが、心が痛かった。
俺は、あの二人まで泣かせて何をしたいんだろう?
「……タタラ、大丈夫?」
日課の『空裂』を心が入らない状態で作った後、自室に戻ったらエテルが入ってきた。ベッドに座る俺の顔を屈んで覗き込んでくるが、薄手のシャツの襟口から深い谷間が見えて理性が切れた。
あの二人の身体に対して湧き出た情欲が一気に噴出し、エテルに全てぶち撒けようと身体が動く。シャツを乱暴に引き裂き、履いていたホットパンツを剥いで前戯無しに挿入する。
エテルは受け入れ準備が整っていて、愛液で潤う膣口を通りその奥へと愚息が入っていく。恐らくはあの二人に対して身体が発情したのを受けて、エテルの身体も随分と前に準備を終えていたのだろう。『空裂』を打っていた時ですら消しきれなかった煩悩が、吐き出し先を求めている。
「……いいよ、タタラ」
俺の感情の置き場が己自身に無いことを察したのだろう、エテルがそんな事を言ってくる。申し訳無く思うと同時、そんな彼女が俺の為なら幾らでも献身してくれる事に暗い喜びを覚える。
興奮により勃起したエテルの乳首を舌と指で弄びつつ、腰を打ち付ける。嬌声を押し殺すくぐもった声が聞こえてより興奮する。
射精感が近付き、エテルへの支配欲が強くなっていく俺は自然とその耳元で願望を吐き出した。
「孕め」
「ぅぁ」
その支配欲からくる命令にも似た言葉に、エテルは弱々しく言葉を吐いた後に腟内を蠢かせる。
極上の慰撫により限界を迎えた愚息が吐き出した精液によりエテルの子宮が満たされていく。今までとは何かが決定的に違う、コレは恐らくエテルが避妊魔法を俺の言葉で切ってしまった影響だろうか?
後ろ腰に両足を絡ませる所謂だいしゅきホールドの姿勢で、エテルは俺を一番奥まで迎え入れて性を受ける。荒い息を吐く中で唇を重ねて、舌を絡ませたがエテルからの動きは弱々しい。
スタミナが切れたかの様に身を投げ出して荒い息を吐くエテルに、俺の欲望はまだ満たされていない。自分からは動けなさそうなエテルを俺の膝の上に乗せ、愚息を挿入する。
腰掛背面座位の形を取り、エテルが逃げられないように羽交い締めにも似た体勢で下から突き上げる。言葉にならない声で鳴き続けるエテルを俺に寄りかからせて、乳房を弄んでやれば声はより高くなる。激戦による弾切れから回復した後で是程迄にエテルが無抵抗になる理由は分からないが、今の俺にはこの姿が支配欲を満たすのには最適な為に丁度いい。
二度目の射精を迎え、エテルの体重でより深く繋がった腟内を更に俺の遺伝子で満たしていく。エテルの身体は絶頂を迎えたのか痙攣し、俺の精液を受け入れ続ける。
早々に二度の射精を迎えた俺だが、まだ性欲は尽きていない。身体に力の入らないエテルに三度目を実行しようとしたタイミングで、扉がノックされた。
『ご主人、大丈夫ですかご主人!?』
扉の向こうから焦った様子の一華の声が聞こえた。丁度いい、エテルを休ませる為に一華を頼ろう。
「……今開ける」
そう返事をして、隆々と勃ち上がる愚息を隠しもせずに扉を開ける。俺の姿を見て一瞬安堵するも、戦闘態勢を万全としたままの愚息を見て顔を紅潮させる一華。
「ご、ご主人!?」
驚きのあまり俺を呼ぶ一華の手首を掴んで、自室へと引き込む。突然の事に驚く一華は、ベッドの上で力無く倒れるエテルを見てさらなる驚愕に襲われた様子だ。
「ご主人、これはいったい……ひぅっ!?」
何かを言う前に一華を壁に押し付け、そそり勃つ愚息を押し当てる。寝間着である浴衣の襟から手を差し込みその乳房を揉む。
「た、タタラ様……!?」
妊娠の影響かその柔らかさを増した気がする乳房を弄ぶと、段々と一華の息遣いは荒く熱くなっていく。やがて腰が抜けたのかその場に座り込んだ一華の眼前に愚息を突き付ける。
「収まりがつかないんだ、お腹の子を守りたいなら……分かるよな一華?」
俺の言葉に一華は蕩けた目で一つ頷いてから愚息を頬張った。浴衣をはだけさせて胸で俺の愚息を挟み込み、口の中で舌を使う。
唾液が愚息を伝い、胸元と床を汚していく。懸命に奉仕をする一華の頭を撫でながら、この美しい雌が雄を悦ばせようとする姿に支配欲が満たされる。今はその肚に子種を注げない事が残念だが、理由は己の子を宿した事であるのを思えば喜ぶべき事だと思い直す。
むしろ、そうと考えれば愛しさが増すという物だ。
既に二度の射精を迎えていると言うのに、三度目の射精で吐き出される精子の量は凄まじい物だった。一華の口に収まりきらず、嚥下も間に合わずに溢れ出る。
咳き込む一華から浴衣を剥ぎ取り、ベッドの上に連れて行く。
仰向けのエテルの上に覆い被さる様な姿勢を取らせ、膣口を重ならせる貝合せの姿勢を取らせてその間に愚息を挟み込む。
挿入が出来ない一華の為というと変だが、エテルを通して擬似的な挿入状態を味わわせてやる。
エテルは向き合った一華の頬に手を添え、唇を重ねている。口内の俺の精液を舐め取っているのか、それとも俺の代わりに口内を愛撫しているのかは分からない。が、その舌技により一華は興奮して愛液を溢れさせているのは確かな事実だ。
俺の愚息により二人の陰核を刺激し、その身体に快楽を与える。
二人の身体が絶頂を迎えようとして、そのタイミングでエテルの腟内に挿入して射精する。一華が潮を吹き出して俺に掛ける中、エテルは俺の精液を受けて高い嬌声を上げた。
荒い息遣いが部屋を満たす中、俺の愚息はまだ硬度を保ったままだ。そんな俺の愚息を前に、何とか身を起こした二人がその乳房で俺の愚息を挟み更には愚息を舐めて来る。
淫靡な色に染まる二人の目、そして感触の違う乳房に挟まれた状態に俺は嗤った。
まだまだ夜は始まったばかり、心行くまでこの雌を味わい尽くそうと決心した。
「……本当、申し訳ありませんでした」
朝、全身に俺の精液を浴びて乾いた跡で汚れたエテルと一華に土下座する。因みに起きてから二人を見て早々に一戦かました後であり、エテルは都合50回程の腟内射精を受けた事になるらしい。
ついこの前の三桁に比べれば少ないが、よくもまぁコレだけ出せるな俺。エロゲーでも早々無いぞこんなん。
「その、ご主人が求めてくれるのは嬉しいからいいでござるけど……」
「どうしよう、本能のままに求められたから私も避妊魔法切っちゃったよ……」
下腹部を抑えるエテルとそれを見る一華の姿に、察してしまう。
「……当たったのか」
「そもそも避妊魔法使っててもギリギリだったのに、使わなかったら必中にもなるよ」
エテルの苦笑い気味の言葉を聞いて、思わず天を仰ぐ。学園の校則に違反するから二人とも退学じゃねぇかコレ。
「責任を取るのは変わらんが、流石にコレはなぁ……」
正直、最終学歴が学園中退程度なら特に気にするものでも無いとは思う。卒業証の腕輪が貰えないのも残念だが一応代わりになる物は作れるから大丈夫だろう。
しかし、俺は兎も角エテルが世間から冷たい目で見られるのは流石に嫌だ。
「お腹が目立つまで三ヶ月くらい有るし、卒業迄は誤魔化せるよ。何ならお腹を目立たなくする幻術とかも使えるし」
「そんなの有るのか?」
「うん、性魔術のちょっとした応用でね」
「何でも有りだな……」
エテルが対策を言ってくるが、本当にコレで良いのだろうかと疑問を抱く。どうせ今日この後で都市長と顔を合わせるのだし、いっそ相談してしまうか。
取り敢えず三人で夫婦風呂に入り身体を清め、勢い余って戦闘態勢に入った愚息を処理して貰った後にキッチンに入る。三葉さんが先に来ていたので挨拶をすると、俺達三人を見て何かを察した顔をされる。そんなにわかり易いだろうか?
朝食はパン食で、エテルの手による久し振りのスクランブルエッグだ。三葉さんが法蓮草のバターソテーを作ってくれて、一華がスープを担当しコーンポタージュを用意してくれる。
俺はパンを焼きつつサラダの作製、ドレッシングはワインビネガーにオリーブオイルとスパイスを足した物にした。
そうして起きてきた面々と朝食を囲む中で、今日の予定を共有する。
「ふむ、タタラ殿は都市長殿との会合であるか」
「何か、都市外からのお客様案件みたいですね」
俺の話を聞いた当主代行が少し残念そうな雰囲気で言ってくる、アーレムバトルをしたかったのだろうか?
ダリアに視線を向ければ、一つ頷いてくる。
『お任せください、道案内は果たします』
『ありがとう、頼りにしてる』
口の中に物が入っている為に『念話』を飛ばしてきたダリアに、此方も『念話』で返す。満足そうに頷く姿を見つつ、エテル達に目を向ける。
「うん、今日も探索してレベル上げかな」
「……本日は拙者も同行するでござるよ」
代表したエテルの言葉に、追随する一華。多分これ、ダンジョン内で妊娠の事をメンバーの報告するな?
「タタラよ、心配事かの?」
「まぁ、少しな」
じっと二人を見ていたことに気付いた四葩に声を掛けられて、答えに窮する。そんな俺の反応を見て、案の定箱推し鬼に気取られたらしい。目からは複雑な色が見て取れる。
「ご安心下さい、ロード。私が皆の安全を守ります」
「正直、お前も心配なんだけどな」
力強い笑みを見せてくるタチアだが、現時点だとエテル以外のメンバーに比べて物理防御が低い。俺達のパーティの装備は属性魔法を吸収するので、実質的にタンクとしての役割が弱い。
まぁ、コンプリートした『突撃』と『鍔目返し』を活用した戦闘力は相当にヤバいのだが。
「まぁ、エテルと一華の二人が斥候をするなら不意打ちやら罠やらは大丈夫だろう。エテルと四葩は『聞き耳』が育つといいんだが」
「私は大丈夫だと思うけど、トラッちゃんはどう?」
「索敵は二人に任せつつ、目を閉じて探索すれば育つじゃろ」
「迷子になるからやめろ」
以前と同じ事をやろうとすら四葩に注意する、反省した筈だろお前は。
朝食を終えて早速俺は中枢へと向かう、インベントリには昨夜用意したモニターも有るので準備は万端だ。すっかり都市祭の為の飾り付けで雰囲気を変えている道を進みつつ、街の様子を分析する。
一見すれば祭りに向けて賑わう活気の有る光景だ。大人も子供も楽しそうに準備に奔走していて、笑顔で溢れている。
しかし、よく見ると警邏している自警団の数が多い。全員漏れなく連射式のトリモチランチャーを保持していて、そこそこの頻度で声掛けを実施している。
笑顔の奥にこの街の平和を守るとそんな覚悟が見え隠れしている姿に、心が熱くなる。今度、自警団の為に形状記憶合金を織り交ぜたボディーアーマー的な物を作ろう。1000人分くらい用意すれば大丈夫だろう。
そうして中枢に到着して、受付をしてから案内されたのは貴賓室だった。いや、此処に来た中で一度も入った事の無い部屋を案内されたな。流石に慣れてない場所で驚いた。
都市長の執務室が有る三階から更に先、四階へと上がり一番離れた部屋の前に着く。軽く2.5mは有る巨大な扉、その脇に付いている魔導式インターホンを鳴らす。因みにコレ、俺が作ったやつだったりする……家では設置してないが。
『……何者か』
「タタラ・ジュロンです。本日、都市長様との会合の予定で参りました」
『分かった、少々待たれたし』
ノイズ混じりに聞こえてくる声に答えれば、待機を言い渡されてインターホンが切れる。一分もしないうちに扉から開錠を示す音が聞こえ、開いた先から完全武装状態のカラムスさんが出て来た。
「おはよう、ジュロン」
「おはようございます……え、なんで完全武装?」
軍神様の宗派の統一したデザインの鎧、しかし素材が魔法金属製で他と一線を画するのが察せられてしまう。所々に傷が見えて、長年カラムスさんと実戦を潜り抜けてきた戦装束なのだと分かる。
「それだけ、今日の来客は重要人物でな」
「……帰っていいですか?」
「脚を切り落としてでも止めるぞ」
カラムスさんの言葉に半分本気の冗談を言えば、冗談抜きに脅される。勘弁して欲しい。
胃が痛み始める中、貴賓室の中へ入り進む。迎撃用なのか、扉の先から10m程の通路が続く。その通路を抜けた先、広いスペースに豪奢なソファと机が並ぶ中に三人の人影。
「あら、おはようタタラ」
自然体で声を掛けてくる都市長に挨拶を返そうとしたが、目に入った人物に思考が完全に停止する。
視線の先にいたのは一組の男女。男性は濃紺の髪に赤い瞳、若草色の貴族服の上に黒い外套を纏い刺突剣らしき物を佩いている。
女性は赤毛に翠の瞳、豊満な肢体を
ナーハズヒト帝国の建国者、カラン・ナーハズヒトとその妻セラス・ナーハズヒト。
この国でも最重要人物の二人を前にして、俺は軽く気絶した。
何となくエテルと一華だけでなくパーティメンバー全員を並べて一発ずつ出す流れも思い付きました。が、また脳がフリーズしそうなのでやめました()
その次に思い浮かんだのが『料理長』のパイズリフェラを受けながら『天使長』にキスをされる『看板娘』ご奉仕でしたが、解釈違いを引き起こしたのでやめました()
生存するか否か
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生き残る(元は生き残る予定)
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生き残らない