既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント進行中。
想像以上に長居してしまった研究所をもってモニターの設置は完了である。本当、最後の最後で物凄く時間を使う事になった気がするが取り敢えず仕事は終了である。
「……お昼を軽く回ったくらいで作業終了とは、ね」
「それも最後の研究所で時間を使わなかったらもう少し早く終わってましたね」
時間が掛かってたのは主に病院と自警団本部だ。この2カ所は魔力炉の設置と魔力導線を敷かなければならなかった作業も有ったので一時間ずつ時間を割いている、入管は全て霊脈の上だったのでそっちから魔力を引いた為にモニターの設置と軽く魔力を汲み取れるようにしただけだ。
完全装備に戻った皇族夫婦は無言、流石に声で気付かれる可能性は低いとは思う。それでも警戒するに越したことはない。
「なぁ、タタラ。俺がまだ製作依頼を残してるのを覚えてるか?」
警戒するに越したことがないのに、なんで喋りますかね?
「……正直、さっきの研究所で殆ど忘れてました」
「そうか、俺も半分頭から抜けてたから仕方ないな」
一番の理由はミーアに皇族の血が流れてた事なんですけどね、アレの衝撃が強過ぎて記憶飛んだわ。
「それで、何を作って欲しいんでしょうか?」
「ああ、依頼品はアーレムだ」
そうですか、昨日の今日でお小遣い用意したんですね……早すぎねぇかな!?
「えっと……素材は」
「おう、緊急で集めさせたぞ。各素材アダマンタイトは300gしか無かったが、オリハルコンが1.7kg有ったしミスリルも1kgは集まった」
何故、ベストを尽くしたのか。
「……分かりました、見た目はどんな風にしたいですか?」
「それなんだがな、イメージは『城塞』だ」
城塞、か。真っ先に思い浮かぶ荒唐無稽で旧支配者と戦う萌より燃えが先に立つエロゲー出身のロボ、アレのイメージって城塞なんだよな確か。いや、アレも大好きなロボの一つだけど何となく
「あの、申し訳無いんですが……イメージから若干逸れません?」
「あー……まぁ、そうか」
後頭部を掻く
「……俺はまぁ、立場が立場だろ」
「……重荷、とも言えませんが次代に継げていると思いますけど」
「それでも、その次代から俺はまだ頼られちまってる」
成る程、荒事を引き受けてるのは子供が親離れしきれてないのと同じくらいにこの人自身が子離れ出来てないかこれ。自由人な印象が強かったけど、多分そんな事も無いな。
「そんな俺だからな、敵を打ち倒す強さとかどんな場所にもすぐ行ける速さよりも……倒れない姿を求められてんだよ」
「……だから城塞、ですか」
本当、物騒な渾名を貰ってるのが不思議なくらい優しい人だな。
「分かりました、作りますよ」
「本当か!?」
「ええ、それもとびっきりのヤツを」
俺の言葉を聞いて顔を青くした都市長が直ぐ隣に居るけど、取り敢えずはスルー。だって、退位したとは言え皇帝それも建国した人から直接言われたら断れない。何よりも誉れでしょこんなの。
「あ、でも時間掛かるかもな……」
「そうなのか?」
「ええ、ちょっとパパエンティア達に渡したい物を作らないと……って一時間も有れば終わるから先にそっちやるかな」
日課の『空裂』は兎も角、『厄切』は先に打ってしまっても俺の身体は特別な疲れを出さ無い。帰ったら早速打ってしまおうか。
「あ、もしかして製造過程とか見たいですかね?」
「作業に集中とかしなくていいのか?」
「鎚振ってる最中に話し掛けられたりしなければ大丈夫ですよ、アーレム関係の時は逆にデザインについて聞きたい事も多いので居てくれた方が助かったりしますけど」
まぁ、こんな事を言ってるが今まで俺がアーレム作ってる最中に要望言ってくる相手は居なかったんだけども。
「なら、俺はお邪魔しようかな。お前はどうする?」
「バディ組んでるんだから当然一緒よ」
さり気なくこの場で名前を呼び合わないのは流石だな、
「……本日は私の邸へは来ない、でよろしいでしょうか?」
俺達の遣り取りを見ていた都市長が
「悪いな、本来なら都市代表の邸に泊まるのが普通なのだろうが」
「いえ、大丈夫ですわ。邸の準備もまだ済んでいませんでしたし」
あ、これマジで言ってる。大丈夫って言うか副音声は『助かった』とかだ。
そう言えば、都市長に伝える事を忘れてたな。相談したかったけど……伝えるだけ伝えよう。
「あの、都市長。本当は相談したかったんですけどちょっと無理そうなので報告だけ」
「アンタが相談って珍しい……訳でも無わね、何かしら」
「エテルが妊娠しました」
瞬間、空気が凍った。そう言えば都市長、まだ処女だっけ……とは言え学園の管理もしてるから伝えなきゃ拙いしな。
「あ、アンタね……それ今此処で言う!?」
「いえ、本当はもっと早く相談したかったんですけど今日は色々有ったのでこのタイミングになっちゃいました」
「だからって……それで、何時分かったのよ。そもそもどれくらいなの?」
「当たったのも分かったのも昨日です、エテル自身が夢魔の力で認識しました」
「……ええ?」
都市長の質問に答えた結果、宇宙を背負ったような表情になる。
「あら、タタラちゃんの彼女って力が強いのね?」
「ええ、生まれた時は『性魔術』スキルを持ってなかったんですけど……取得してからは意味不明な事が出来てますね」
「例えば?」
「分身したり年齢操作したり……」
「想像以上に凄いわ」
俺の言葉に興味を持った
「と言うか、今まではなんで妊娠しなかったのよ?」
「『性魔術』を持ってなかった時は身体の維持に俺の精を栄養として変換していたからってのと、取得した後は避妊魔法を使ってたらしいです」
「……アンタは使わなかったの?」
「才能が無いんで教えてもらわないと使えないんですよ、エテルは教えてくれなくて無理ですし」
俺の言葉を聞いた都市長は盛大な溜息を吐く、その避妊魔法が切れる切っ掛けが俺の寿命問題が有るからって知ったら流石に入院一直線かも……今は言わないでおこう。
「在学中に在校生同士の性交は兎も角、妊娠ともなれば双方退学なのよね……」
「待て、タタラ程の逸材を退学にするのか?」
「学則上はそうなります。が、一番の問題は種族間に横たわる溝ですわ」
都市長の呟きに
「タタラ、アンタとエテルって何かしら特殊な問題を抱えてないかしら?」
「特殊な問題……エテルが俺を夢魔としてパートナーと認定している事ですかね」
「待って、タタラちゃんとそのエテルちゃんってパートナーなの!?」
都市長からの質問に答えれば、やはり同じ夢魔の血を引く
「……もしかして、夢魔のパートナーって言うのは凄い大変な事なの?」
「エテル曰く、『肉体はおろか魂や魔力の波長が合わないと駄目』なのだそうで」
「そうよ、運命の相手としか言いようが無いくらいに出会うのが難しいんだから!」
都市長は段々と俺とエテルの事がヤバい物だと認識し始めたらしい、
「……あの時、ジュロンがエテルを拾ったのが運命だったと言う訳か」
「……あんまりいい運命じゃありませんでしたけどね」
エテルの両親が殺されて孤独になる、そんな残酷な物が
そんな俺を見ていた都市長は盛大に溜息を吐く。
「タタラ、アンタとエテルって到達階層は同じなの?」
「いえ、俺は70階層ですけどエテルはまだ60階層の筈です」
「卒業資格は取得してるのね……」
「それどころか学生の時点で中堅以上の実力を持ち、都市内で最高のクラフターとして認められる腕を持つ学生が妊娠で退学……学則とは言えこの逸材を退学にさせるのはあまりにもアレですね」
俺の到達階数を聞いて額に手を当てる都市長と、俺達を退学にした際に起きる問題に対して頭痛を覚えたらしいカラムスさん。
「なら、筆記試験までは家で安静にさせなさい。下手に運動させて流れたら嫌でしょ?」
都市長の言葉に思わず頷く。今回の学生運動には参加する気満々だが、その先の探索は出産を終えて子育てが落ち着くまでは俺も一緒に控えよう。初等部に入って学園に行っている間だけ探索して行けば、俺の寿命より早く攻略は出来るだろう。
まぁ、二人目を求められたりして戦線離脱期間が長引く可能性も無きにしも非ずだが。
「それとタタラ、アンタ直ぐに学園を卒業しなさい」
「入学前からもその冗談言われてますけど、出来るわけないですよね?」
「冗談でも何でもないわよ。アンタみたいな頓痴気とかタタラとか言われる奴、何時までも学生の区分に突っ込んでんのは体裁が悪いって言ってんの」
「頓痴気とかタタラって言ってんの主に都市長じゃん……」
俺の扱いは何故こうなのか。
「卒業資格の試験とかどうするんですか、俺は確かに探索科の課題で有る20階層到達はクリアしてますけどクラフターとしての卒業試験であるレポートとか出来てないですし魔法金属製の装備なんて入学前から作れましたし」
「……そう言えば、学園でも魔法金属を使った作品禁止したわね」
「更に言えばシャムスとエストの二人にはまだまだ教え足りないんで、学園には式までは残りたいんですけど」
俺が今、学園で一番重要視しているのがこの二人だ。俺自身の理論を1から教えて徐々に理解して貰えてるのだからもう少し教えておきたい。
「タタラ、その二人は?」
「学園の後輩です。制度として見学を許可してるんですが、俺が幾つか技術を教えて取得してます」
「成る程、未来の廉価版タタラか……」
あの、『王立研究所に連れてくか』みたいな表情はやめて貰えませんかね
「タタラちゃんの技術って言うと、何を覚えたの?」
「自覚は無かったんですけど特殊な『鑑定』スキルの使い方と、そこから派生して魔鉄と形状記憶合金に強化銅の精製ですね」
「特殊な『鑑定』スキルの使い方?」
後輩二人に伝えた物が気になった
「俺の『鑑定』スキルはちょっと特殊になってしまってて、物質……無機物に限りますけどその存在そのものへ『鑑定』を行なって弱点なんかを見れるんですよ」
俺の言葉に鋭い目を向けてくる
「あくまでも無機物に限りますが、それに『破壊不可』の概念でも無ければ例えアダマンタイトで作られていようと破壊出来ます。俺はこの物質が持つ概念的な弱点や歪みを魔力で埋めることで魔鉄って素材を作りました」
「……成る程、な」
俺の簡単な説明を聞いて頷く
「俺には理解出来ない事が分かった」
「ですよね」
完全に理解を投げ捨てた顔でそう言った。うん、知ってた。
「タタラちゃん、それって出来ると相手の武器とかも破壊出来たりする?」
「武器破壊も出来ますし、何ならゴーレム等の無機物の敵なら防御を無視して攻撃出来ますよ」
俺の言葉にまたも視線が鋭くなる
「ただ、この『鑑定』スキルの使い方って個人差が有るんですよね」
「それは使用出来る事と出来ない事か?」
「それもですし、『鑑定』で観れる物が違うのも有ります」
真剣味を増していく
「俺と後輩二人は無機物を観れますが、他に教えた虎熊家の姫は逆に無機物が観れずに有機物……生命に対して此等が発動しました」
「お前、他所の国の重鎮にまで教えてんのかそれ」
「一緒に探索していますからね、本来はゴーレム対策として覚えたいって請われて教えたら対生物特化の『鑑定』が身に付きました」
俺の言葉を聞いた
「それに、長時間使用しっぱなしだと脳に負荷がかかり過ぎて顔の穴という穴から血が出ますし」
「お前、頼むから身体には気を付けろよ?」
「なんだろう、クラリエッタが居たら甲斐甲斐しくお世話しそうねタタラちゃん」
「確かにな」
このクラリエッタとは闇の女神様の聖女で、建国時に
シリーズを通しても出番が多く、一作目と二作目の他にも神殺しと関わる話でも出て来る。二作目迄は神官長だったのだが、神殺しと関わる話では聖女になり
まぁ、会社からは聖女というより性女扱いであり赤い月の夜に魔神の血が騒ぐ
「聖女クラリエッタ様はカラン様専用のお世話好きだと思うのですが、そもそも建国戦争時のお世話係ですよね?」
「そう言えばお前はその辺の知識持ってるんだったな……まぁ、世話係なのは間違いなかった」
俺の言葉に対して若干言い難そうに答える
「そう言えば、クラリエッタとカランの経緯とか知らないのよね。タタラちゃん、二人の初エッチの流れとか知ってる?」
「クラリエッタ様がドジって顔を見せた結果我慢出来ずにって流れでしたよ」
「……そう言うのも知られてんのか、俺」
「カラン、あの娘にも無理させてたの?」
「”も“ってなんだ”も“って!?」
「だって、自陣営の女の子皆に手を出してたでしょ?」
まぁ、エロゲーの宿命というか本当にコレだからな。唯一ヤッて無いのなんて乳母役だったクラリエッタ様の祖母くらいの物だろう。傭兵達にすら手を出してたからな、この人。
「何だろうな、過去の女性遍歴をここ2日で抉られてるのは……」
地味に苦しそうな顔をする
グダる中で解散し、俺と
「……まるで要塞だな」
「自警団の本部より強固じゃない?」
俺の家を見た
ミスリル製の門を開きつつ二人を招き入れて、一旦リビングへ案内する。
「窮屈な格好を強いてすみませんでした、ここならもう大丈夫ですよ」
「ったく、気にすんなよ」
「そうよ、久し振りの事で私達も楽しかったのよ?」
俺の言葉に仕方ないと言ったふうに笑いながら
「鎧も脱ぐなら脱衣所も有りますけど」
「帰る時に着直さなきゃならんからな、このままでいい」
続けた言葉には軽くそう返される、
「失礼します」
一言声を掛けてから、三葉さんが俺達三人にお茶を出してたくれた。流石にうちの国の皇族の顔までは知らないだろうけど、二人からただならない雰囲気を感じたのかその振る舞いは貴族のそれだ。
この辺、お義母さんの教育が凄いのか本当に隙が見えないな。
「……虎熊家の御息女か」
「はい、次女の三葉と申します」
額の角を見て判断したらしい
これ以上は話の邪魔はしないと意思表示として下がって行くのを見送って、
「お前、此処を大使館か何かにするつもりか?」
「いえ、普通に俺の家ですよここ。虎熊家の人達が半ば住み着いてるだけで」
いきなりの言葉に思わず素で返してしまった。だよなと言わんばかりに溜息を吐く
「正直、皇都に住む貴族の邸よりも防備が上だぞ此処。軍事施設並みと言ってもいい」
「俺に出来る事を全力でやった結果ですね、結界の術式は虎熊家の当主夫人に手伝って貰いましたけど」
「異文化交流かよ……」
言い得て妙だ、始まりが俺と四葩の出会いな訳だからこの場所が陽出國との文化交流点とも言える。
「庭で打ち合ってる子達と、演武をしてる子は何かしら?」
「打ち合いをしてるのは俺の幼馴染と虎熊家の剣術指南役、それと虎熊家の長女と護衛役ですね。演武をしてるのは虎熊家の当主夫人と……カラン様は分かりますよね?」
「まぁ、な……なんで此処に居るのかは想像付くが内容は想像付かないがな」
流石に『看板娘』から直接依頼を請けたことは想像が付くだろう、過去作では無くした皿を一緒に探して欲しいって頼まれてたし。
「ところでエテルちゃんは居ないの?」
「今は探索に行ってますね、帰るのはもう少し後になると思います」
「そっか……少しお話ししたかったな」
少し寂しそうな
「あの……?」
「タタラ、あのお前と同じくらいの歳のやつは?」
話し掛けると視線をあのバカに向けているらしい
「……彼奴は俺の幼馴染です。子供の頃から一度も喧嘩に勝てた事が無い、自慢の幼馴染です」
「あの若さで近衛に就いても問題ねぇ剣技してるぞ……相手の剣士は?」
「虎熊家の剣術指南役ですね、当主代行に無理言って連れてきて貰いました」
正しくはお義母さんが雛菊さんの教え下手見て要請したんだけど、護衛役こと雛菊さんの名誉の為に秘密にしておく。
「……不思議な刀剣だな、確かに斬っているのに命にまで届いてない」
「対人と不殺の概念を合わせた人を殺せない剣ですね」
「陽出國にはそんな物が有るのか」
「いえ、俺が依頼されて作りました」
俺の言葉を聞いた
「……そう言えば、このナイフもタタラ作だったか」
そう言って
「あ、持ってたんですねカラン様」
「本当は息子に持たせときたかったんだがな」
「カラン、コレって?」
「それは概念武装の一種で『厄切』と言います」
「『厄切』……概念武装って言うと神造の武器なのね」
「いえ、俺が作りました」
「ほぇ?」
ついさっき
「概念はそのまま『厄切』、所有者に対して振りかかるありとあらゆる状態異常……というか不利になる効果を切り裂きます」
「所有者に対して、か?」
「ええ、詳しい人に聞いたところ不死者が持ったら回復魔法すら弾くらしいですからね」
「それはちょっと強過ぎない!?」
俺の説明に
「今日これからこの『厄切』を五本打って、二本を御二方に残りをスキエンティア家に貸そうと思ったんですが……一本は余計ですかね?」
「いや、この一本はさっさと息子に渡したいから助かる。俺とセラスの分は献上して貰っていいか?」
「御二方のは元からそのつもりでした。つきましては……少しばかりお願いが有るのですが」
「相当に無理な案件でも無いなら聞こう、それで?」
「今回の視察で御二方以外の皇族が視察団の代表として来ると思います、その方の護衛役として10人……いえ5人でも構いません。腕利きを就けて貰えませんか?」
「……そんな事、か?」
俺の頼みを聞いた
「この『ワールウィンド』内で明確に皇国軍と連携を取れる戦力は自警団だけです、探索者はパーティ単位でしか連携が取れません」
「待て、大規模討伐って物が偶に起きるんだろ?」
「確かに起きますが、それは都市部の様に広大な場所で起きるのでは無くあくまでもダンジョン内で起きるものです」
そもそも、それを指揮する役割の
「故に、皇族の護衛は軍で確実に出来る様に腕利き……近衛とかその辺りの人達を用意して侍られせて下さい」
「……はぁ、お人好し過ぎるぞお前?」
「違います。より確実な勝利の為に最善の選択をしているだけです」
俺の言葉に溜息を吐いた
それなら、俺は俺の切れる手札を全て切ってでも未来を掴む。
「分かった、
「ありがとうございます」
「礼は不要だ。献上品に報いただけだからな」
何処か笑いを噛み殺すかのような雰囲気の
「それでは、先に『厄切』を作ってからカラン様のアーレム作成に入ります。デザインは改めてその時でいいですか?」
「ああ、先ずは憂いを払ってからにしろ。その方がいい仕事が出来るだろお前は?」
なんだか俺に対する理解度がどんどん高くなってるような気がするのだが気の所為だろうか、それとも俺が分かり易すぎるだけか?
早速鍛冶場に向かおうと思ったが、はたと気付いて一つ確認する。
「あ、『厄切』の作成の見学とかしますか?」
「いいのか!?」
「ええ、鎚を振るっている最中に話し掛けたりしないのが条件ですけど」
「作業中に集中が乱されるのはどんな仕事でも赦されんから妥当だな」
「あ、私は気になると声を掛けちゃうから遠慮するわ」
納得してくれる
「皇都でもお前の使っている機材のレプリカが売っているが、ここのは流石というべきか……格が違うのを感じるな」
「そんなですか?」
昔に都市長が俺の使う機材を見て特別なモデルとして売り出すと言った際に、徹底的に解析した事がある。俺が使い易い様にフルカスタマイズした代物では有るが、精々が積層魔法陣の展開機巧や採寸の細密性の向上くらいしかした物は無い。微妙に都市長から呆れられたりはしたが、特別な機能は少ないのだ。
「機材の良し悪しは正直言えば分からん。だが、此等の機材に向き合ってお前が情熱を注いでいたのは気配で分かる」
成る程、そういった事ならば分かる気がする。俺が長年使ってきた物だから細かな傷や汚れで俺の道程を把握したのだろう、確かにそう言ったものには貫禄が見える。
「手入れは欠かしてませんから、長年積み重なった俺の努力がそう見えたのなら嬉しいですね」
「ふっ、若い身だが立派な職人だなお前は」
何処か楽しそうな
「集めた王玉で設備を強化してるので精霊の気配が強いと思いますが、害は多分無いですよ」
「それはいいが……正に圧巻、だな」
ちょっとした自慢でもある鍛冶場にそんな反応をされれば嬉しくなる、俺は常のとは違う大型の炉に向かい早速火を入れる。
「む、向こうのでは無いのか?」
「『厄切』を複数作る際は此方の方が効率が良いんですよ、一本の刃を五分割して作りますから」
「うん、なんだって?」
俺の言葉に微妙な反応を見せる
それはそれとして、早速作っていく。『厄切』をはじめとした概念武装はどの素材で作っても効果の強弱は無く、本体の武器性能が変わるだけだ。スキエンティア一家は見たところ魔法使いの家系なので、ミスリルだけで作った方が魔法触媒にも使えていいだろう。
早速ミスリルのインゴットを1kg取り出して作業開始……の前に、メインで使っている炉と同じ強化を大型の炉にも施す。幸いなことに『料理長』が大量に置いていった魔法金属が有るので、材料にも困らず術式の最適化も慣れたのだろう簡単だった。
変わらず四方詰めで刀身を作り上げて行くのだが、日々『空裂』を作る事だ鍛えられた作刀技術により器になる刃の出来がかなり良くなっている。内部の路は歪みなく、刃も鋭い。
正直に言うならミーアに渡した剣杖が比較にならないくらいには魔法触媒としての性能が高くなっている、コレは完全に予想外だ。
「……俺は陽出國の剣に詳しくは無いが、多分この短刀を一本作るってのも只管に難しい事なんだろうな」
拵えを施した『厄切』の一本を持って
「正直、俺も剣を一本打って欲しくなるな」
「御依頼ですか?」
「流石にお前から献上品を貰いすぎると他から彼是言われるからしねぇよ、本来ならお前は魔法金属製の代物を売れないんだしな」
都市長達が決めたそのルールに則る
「一応言っておくがなタタラ、皇族だからとかトップが好き勝手したらそれは独裁に繋がるからな?」
言われてみれば確かにそうだ、前世の会社でそんな奴ばっかり見てたからか大分偏見が強かったな俺。
「それでは製作依頼の方に移ります……けど、その前に素材を鍛造してしまいましょうか。すみませんが材料を一通り渡して貰えますか?」
「……何をするって?」
「素材を鍛造します」
「……何故だ?」
「前に試して分かったんですが、魔法金属を鍛造してアーレムを作ると性能が上がるんですよね」
「いや、加減しろ?」
手を差し出して待ち続ける俺に根負けして素材を差し出してくる
素材を全て鍛造し終えた俺は、次に工房へ移って魔導式ワードプロセッサーとプロジェクターを取り出して接続する。
「では、デザインを詰めて行きましょうか。先ずは基本の方向性をお願いします」
「方向性、か……具体性に欠けるが安心感を与えるような物がいい」
「安心感、ですね」
ベースになるイメージがそれならば、成金さんと同じ方向性だろう。先ずは『フォートレス』の図面を展開する。
「アリーナで練習していたうちの一人が使ってたヤツだな、うちの軍で正式採用されてる重装鎧か」
「はい、安心感となるとやはり重厚さかと思いまして」
まぁ、俺の中で重厚な物となるともっと別の物になるのだが。一例を挙げるなら
「安心感は有る。だが、流石に芸が無いな……」
「それでしたら何かモチーフは有りますか?」
「モチーフ?」
「はい、ドラゴンを筆頭にした魔獣やライオンなんかの獣……そう言ったものをデザインに落とし込むのも一つの方法ですよ」
俺の言葉を受けて
「……なぁ、タタラ」
「はい、なんですか?」
「これ、モチーフって動物以外もいけるか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「なら……『城塞』ってのはいけるか?」
「ええ、大丈夫です」
成る程、『城塞』と『安心感』でロボ……真っ先に浮かぶのは某
イメージからまんま引き出された為にこの世界用に変換されてない元ネタまんまの姿だが、やはりエロゲー発とは思えないよなこの格好良さ。
「此奴は良いな、城ってイメージがピッタリ来る」
そりゃまぁイメージ元は城塞って言われてるからな、ピッタリ来るだろう。ただ、コレをまんまはちょっとな……『料理長』の我駕牙が既にやらかしたものとは言えこれ以上増やすのはどうかと思う。
「申し訳ないですが、コレをそのまま作るのはちょっと」
「……何か有るのか?」
「ええ、あの演劇と同じ理由です」
「そうか……」
俺の言葉を聞いて消沈する
「コレをベースに変えていくのは?」
「それなら大丈夫です」
途端に嬉しそうな表情になる
元の積層を思わせる角張ったシルエットから、全体的に丸みを帯びたデザインに変える。両肩は側防塔をイメージして、側面から頭部への攻撃を防げるように少し高めにする。
脚部のシールドは門塔をイメージした、関節の関係で難しいが脚を揃えればピッタリと閉じるように対になるデザインにしている。
身体は皇都にある王城の主郭をイメージ、胸の部分には国章を刻む。
顔は元ネタと同じように人型、魔石をカバー状にしたバイザーを付けて更に口当てを装着。
頭部のブレードは元ネタよりも短く太くし、やや前に倒す。正直そのままにすると鍛造オリハルコンとは言え衝撃でへし折れかねない。特徴とも言える鬣は昇華ミスリルで作成、夜闇の眷属の霊核で昇華させたので原作とは違い暗いオーラを纏っているがコレはこれで格好良いのではないだろうか。
本体が一通り完成してから武装の作成、本来なら
ならばと刺突剣を用意……してみれば本体のゴツさに対してあまりにも細くて見た目がアンバランスだった。
「あの、カラン様」
「おう、完成か?」
「いえ、武器なんですけど……カラン様が得意な刺突剣だとあまりにも細くてバランスが悪いんですよ。騎乗槍に変えてもいいでしょうか?」
「レイピアからエストック飛び越えてランスかよ、面白いなおい」
一応、許可と見て騎乗槍を作成。柄は短めにして、特大のエストックにも見える代物にした。見方によっては某
続いては脚のブレードに浮遊こと『反重力』術式、足裏には『圧縮』と『解放』の術式を刻む。コアからの魔力を流す事でこの三つは可動し、瞬間的な加速と機体の軽量化により高い跳躍が可能。更に、『反重力』術式だけを切り、足裏の『圧縮』と『解放』を零距離で使用する事で
そうして出来上がったのがこの世界ナイズされた
流石に
「これで完成ですね」
「うん、予想以上にヤベェの出来てんな?」
完成した本体を渡せば、口では彼是と言いつつその目はキラッキラに輝いていた。男の子だもんな、ロボの玩具なんて幾つになっても嬉しいもんだ。
「後はハンガーを兼任したコントローラーですね、デザインのリクエストとか有りますか?」
「特には無いな、これが収まるもんならどんなのでも格好良くなりそうだし」
期待に期待を重ねられて中々に重いが、だからこそクラフターとして血が滾るという物だ。作成するのは陽出國の鎧台に似た構造だが、着座する部分を玉座に似せる。更にはそれを囲むように城壁と側防塔、正面には門塔と城門を備える。滑らかに動く故に火花を散らせたりは無いが、開門はこのサイズにしては遥かに重々しく行われる形になる。流石に原作再現として虚数展開カタパルトなんて今の俺には作れないし、あのハンガーもロマンは有るが此方は皇族が使うのでこの辺も拘った。
尚、素材が足りなかったので俺の手持ちから足している。ハンガーの殆どがミスリル製だったりする。
「ちょっと仰々しくないか?」
「何を言ってるんですか、ちょっと仰々しい機体が泥臭く戦うのが格好良いんでしょう?」
「分かる」
掌返しが速い。
「まだ地下にバトルフィールドとか作ってないんで試運転は諦めて下さい」
「作るのかよ」
「まぁ、ダリアと『料理長』が誰憚れること無く全力で戦える場所を用意したくて」
「……まぁ、アリーナでの戦いを見りゃそうなるか」
正しくは見る前から予想できてます計画はしてたが間に合ってないだけなのだが。
「そう言えば、なんて名前を付けるんですかこの玉座機」
「面白い呼び名を付けるなお前。そうさな……」
少しの間宙に視線を巡らせて、俺に視線を向けて口を開く
「ヴァンキッシュ、だな」
「……古代語で『英雄』ですか」
本来の意味は『打破』とか『克服』や『征服』なんて意味で、転じて英雄を意味する言葉に変わった物だったりする。
そんなこの世界における言葉の意味を思い出していると、
そうした後に俺へと向き合う
「よく勤めを果たしたくれた」
いきなり威厳を出して元とは言え皇帝の威を俺に向かって叩き付けてくる。無意識なのだろうけど『不死の王』や『剣の魔神』とは違った威圧感に圧倒される、敵ならば抗おうと精神が働くが王を前にして傅きたくなるのはどうしょうもないな。
「お前の働きに私は満足した、褒めて遣わす」
「有難き幸せ」
思わずその場に片膝をついて頭を垂れる。
「……さて、堅苦しいのは終わりでいいよな?」
「……本当、百年以上王位に就いていたのにこう言うの苦手なんですね」
「三つ子の魂百まで、とは言うが百を越えても根っ子はかわんねぇよ」
快活に笑うそんな
前世で彼の半生を見た者としてその一助になれたのなら……結構、いやかなり嬉しいかも知れない。
オマケ
ナーハズヒト王国の王、カラン・ナーハズヒトは城の廊下を全力で走っていた。心臓は早鐘を打つが、それは全力疾走の影響だけでは無い。
向かう先は己の寝室、その扉が道の先に見えてくる。切れる息をそのままに、扉を破壊する勢いで開く。
その先に広がっているたのは最悪な光景だった。
己の幼馴染であるセラスが、男に腰掛けその肉棒に貫かれている。
結合した秘処からは止め処無く愛液が溢れ、腰掛けた男の膝と寝台を汚している。
与えられた快楽からかセラスの顔は涙と鼻水や涎によりぐちゃぐちゃに汚れていて、言葉にならない声を上げ続けている。
その身体が痙攣するように震え、その後に結合部から白濁した物が垂れてくる。己と情を交わした幼馴染が、他の男に汚されるその光景を見てカランは怒りの声を上げる。
『タタラぁ!!』
『なんだ、遅かったじゃないかカラン?』
その怒りの声を飄々と躱しつつ、セラスを背後から抱くタタラはその豊かな乳房を持ち上げるように揉みしだく。
『お前の幼馴染を使わせて貰ったけどよ……中々にいい具合にだな』
『貴様ぁ!!』
『おいおい怒るなよ、血圧上がるぜ?』
数度抽挿してからその肉棒を引き抜くタタラ、セラスを腰掛けている寝台へと放る。直前までタタラを受け入れていたその秘処からは、粘性の強い白濁が流れ出す。
うつ伏せになり荒い息を吐くそんなセラスの姿を見て、カランは思わず剣を抜いた。
『裏切ったのか!』
『裏切り?』
激昂するカランのその言葉に、タタラは首を傾げる。少し考えてから思わずと言った具合に笑い出した。
『そうか、カラン。お前にはそう見えたのか』
『セラスに手を出しておいて、裏切り以外の何だってんだ!』
『おいおい、セラスを妾にしてフローラを正妃にした男がそれを言うか?』
タタラの態度は変わらない、薄ら笑いを浮かべたまま言葉を続ける。
『幼馴染から向けられる慕情を裏切っておいて、その相手が自分から心が離れないとでも思ったのか……とんだお花畑だな?』
『なにっ』
『セラスがどんな事を思ってたかお前は把握してたのかって聞いたんだよ!!』
瞬間的に激した声を上げるタタラに、思わずカランは怯む。タタラは表情を変えず、淡々と語り出す。
『昔から愛してた男が他の女と結ばれる姿を見て、何も感じないと思ったのか?』
復讐の為に国を奪うと駆け抜けるカランに寄り添った想いを先に踏みにじったのは誰か。
『何方も憎む事が出来ず、逃げ場を求めた奴の気持ちが分かるか?』
双方からの相談を受ける立場が、どれ程に心を削る物だったか。
『その苦しみから逃れる為の行動がコレだ、それすらお前は責めるのか!?』
強い言葉を受け、カランの鋒が降りる。激情をぶつけていた姿は既に見えず、その姿は母に叱られ俯く子供にしか見えない。
『……だが、それも終わりだ』
寝台からタタラが立ち上がり、カランへと歩み寄る。その細い顎を持ち上げ、顔を無理矢理上げさせる。
『ようやく俺を見たな、カラン』
『なに、を……』
重なった視線、タタラのそれは粘つく熱が込められていて、カランは背筋を震わせる。
『お前をずっと見ていた、お前をずっと支えて来た……その理由にすら気付けないか?』
『なん』
戸惑いの言葉を紡ごうとしたその口を、タタラが己の口で塞ぐ。抵抗しようにも力が入らず、カランはなすがままだ。
『俺が何故、妻を取らないか疑問に持っていたな……これが答えだよ』
そうしてタタラの手がカランの服にかかり──
「タタラ、お前たしか炎属性の魔法使えたよな」
「ああ、本一冊程度なら塵も残さず燃やせんぜ。証明してやるよ」
「やめてぇぇぇぇぇぇ!?」
やたらと薄い本を前に、ナーハズヒト王国国王カラン・ナーハズヒトとその親友タタラ・ジュロンは笑顔でそんな遣り取りをした。その目は全く笑っておらず、なんなら額にぶっとい血管が浮き上がり怒りの度合いを示している。
そんな二人の遣り取りを見て悲鳴を上げたのは緑の髪に葉を繁らせた女性、木々の妖精である
「流石にコレは不敬罪って取られても文句言えねぇぞ」
「つか、カランに俺が愛を抱いてるとかどんだけだよ」
呆れを含ませた視線をサンササリーナに向けるカランと、パラパラとページを流し続きを適当に流すタタラ。サンササリーナが執筆した絵巻、タタラの前世で言う漫画というか同人誌にはカランがタタラに責められ女のように喘ぐ姿が見て取れた。
「いえ、タタラ様はカラン様に確かな愛を抱いているかと」
そんなタタラの言葉に否を唱えるのはカランの正妃であるフローラ・メイティス・ナーハズヒトだ。その豊かな波打つ金髪を揺らして小首を傾げる姿は、人妻とは思えないあどけなさを見せる。
「……え、そんな印象なの俺?」
「ああ、愛とは言っても友愛や親愛の情ですよ?」
「それは当たり前なんだよな、持ってなかったら潜伏期から今まで手を貸してねぇわ」
タタラの疑問にフローラが手を振りつつ答えると、タタラは当然だと呆れを滲ませた声で答える。
そんなタタラの姿を養分として、サンササリーナの脳内に存在しないカランとタタラの関係が溢れ出る。
顔が紅潮し、無限遠を見つめこの世の真理でも読み解くかのような表情になったサンササリーナを見たカランとタタラが盛大に溜息を吐く。
「どうしてこうなったかな……」
「植物が腐葉土を栄養にしてるのは知ってるが、貴腐人通り越して根腐れ起こしてねぇかなコレ」
そんな二人を見てフローラは苦笑する。改めてその手に有ったサンササリーナの新刊を思い起こし、其々に対する解釈違いに思考を巡らせる。
タタラとカラン、この二人で矢印がより大きいのは何方かと言われればそれはカランの方である。タタラはカランを友人として見ているし、なんなら親友とすら思っているが……彼が結婚出来ない理由などカランがなにかに付けてその縁談を阻止しているからである。
タタラは人が良く、面倒見が良い。そんな彼に絆される相手は老若男女問わず、何なら捕虜になった自分が反乱軍内でマトモで居られたのは自分の面倒を甲斐甲斐しく見て仕事を仕込んだ老婆とタタラが居たからとすら思っている。
カランの事を相談すれば親身に乗ってくれて、不便が無いかを確認しては解消する為に道具を用意してくれた。結婚が決まった時など心から祝福してくれたと同時に、カランを不幸にしたら許さないと釘を刺してくるくらいに情に厚い。正直、カランの態度がもう少し悪かったならタタラを好きになっていたと自己分析している。
領土を拡大し、同盟国と妾が増える中で確認してみれば同じ考えの相手が多くて軽く笑ってしまったくらいである。
このサンササリーナも同じだと言うのに、彼女の描く絵巻はだいたい同じ組み合わせになる。時たま読者からタタラがカランに屈服されるのを望まれるらしいが、本人にとっては解釈違いで描けないなどと答えている始末。
それならカランの幸せを願う同盟だったタタラとセラスが関係を結ぶような物を描くなとフローラは思うのだが、閨では見れないカランの弱々しい表情とその画力には抗えず既刊は全種揃えている重度のファンでもあった。
『原本全部廃棄しないとガルバンとレオニクスの濃厚な衆道の漫画を描いて見せつけんぞ?』
タタラのその脅しに屈しないと叫ぼうとしたサンササリーナの前で『クラフト』スキル全開で濃厚を通り越して最早汚いの域に達したむさ苦しい漢二人による汗臭そうな濃密な情事の絵を前に、サンササリーナは1秒と掛けず屈服した。
なお、この絵が原因で腹心たる二人の臣下に音も葉もない噂が立った事をカランは心の底で詫びる事になる。
生存するか否か
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生き残る(元は生き残る予定)
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生き残らない