既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント進行中。
夏バテか何なのか全く筆が進まなかった件。
多分エロのせいで筆が止まってたのではない筈。
もうすぐ連載開始から2年経つ……記念での更新は出来なさそう。
「タタラ殿、干物を一晩で作れる魔導具が有ると聞いたが本当かね?」
「帰って早々いきなり過ぎませんか?」
午後の『バイト長』の鍛練に付き合い、日も暮れた頃に帰ってきた当主代行から一発目で言われたのがコレである。つか、何処で聞いたんだフードドライヤーの事。
「有りますけど、販売価格や交渉その他は都市祭の後でお願いします。つか、正式な値段も付いてないので都市長からの査定待ちになるんでかなり後ですよ?」
「むぅ……この家には無いのかね?」
「干物を作る必要性が無いですからね」
諦めきれない様子の当主代行は俺の家にフードドライヤーの有無を確認して来るが、試作品はそのままカラー家に渡したからこの家に現物は無いのだ。まぁ、直ぐに作れはするけどな。
俺の言葉を聞いた当主代行は見るからに落胆した雰囲気になる、ちょっと気の毒に思えて作ろうか迷うが当主代行の背後に静かに立ったお義母さんから『作るな』と言わんばかりの圧が発せられて来るので作成は無しだ。
「そうだ、タタラ殿。明日は共に競技場の方へ来てもらえぬか?」
「明日ですか、良いですけど……何か問題が?」
突然の招集に戸惑う、明日は都市祭の準備期間の最終日だが何か問題が発生したのだろうか?
「うむ、商会長殿がアーレムを売る上での宣伝材料が欲しいとのことでな。タタラ殿の知恵を借りたいようだ」
当主代行の言葉に納得する、物を売るのに宣伝は大事なのは確かだ。それに、俺はアーレムの開発者なのだからそう言った企画にも関わらなければ無責任だろう。
「分かりました、明日はアリーナへ行きますね」
「そうか!」
参加の意思を伝えれば嬉しそうに笑われる、そんなに楽しみなのか……もっと一緒に遊べば良かったな。
俺は手紙を一枚書いて、サイファーに商会長へ届けさせる。内容は複数の素材の発注書、明日に必要だから用意して貰おうという物だ。ダリアにも協力して貰わないとな、後で工房で作る物も出来たし。
『ただいま』
そんな事を考えてるタイミングで探索組が帰って来た、見れば所々汚れた何時ものメンバーに混じって装備に一切の汚れが見えない
「……えっと、なんでそんな汚れてるんだ?」
「ふふ……この御仁、意味不明な戦闘力による力技で90階層まで無理矢理突破しおったわ」
「なんて?」
いや、確かに
それも、視界の利かない75階層という面倒な階層すらも問題無く越えて。
「セラス様、何してるんですか。75階層とか視界も利かないでしょうに」
「え、でもタタラちゃんの作ったこのバイザーで有る程度確認出来たわよ?」
「なんて?」
思わず苦言を呈すると、あっけらかんとした態度で答えられて戸惑う。思わずエテル達に視線を向けると、肯定の意を返される。
「まるで見えておるように先行されたのじゃ」
「私も『聞き耳』スキルである程度の範囲は分かったけど、多分セラスさんの方が周囲を理解出来てたと思うよ」
四葩とエテルが其々答えた事で、信じざるを得なくなる。
まさかあの階層の闇を『鑑定』で突破出来るのか?
「検証しなきゃならない事案が増えたな……俺も75階層に潜って『鑑定』が有効か試さなきゃならん」
「む、少なくとも妾の『鑑定』では無理だったのじゃ」
「なに?」
知らない事象の確認を決意するが、同じく『鑑定』を使える四葩からは無理だったと報告を受けて混乱する。何方にしろ、俺も見なければ何が違うかが分からないので潜る必要は有る。まぁ、都市祭が終わって落ち着いた後である事には変わらないが。
「……一華」
「はい、此処に」
探索組が檜風呂へ向かった後、一華を呼べば静かに姿を見せる。その服装は探索用の一式、今日一日陰ながら
「どうだった?」
「恐らく、拙者には気付かれていたと思うでござるよ。護衛であるのも含めて」
「勘が鈍るって事は無いか……空恐ろしいな」
現時点で其々が発揮できる限界値まで鍛えられている俺達のパーティをもってしても、メインを張っていたキャラに追い付けていない。才能は間違いなく有るのだが、それを越える程に修羅場や死線を潜り抜けて来たという事なのだろう……まかり間違っても敵対したくねぇな。
「兎も角、お疲れ様。バレないように夫婦風呂かシャワーで身体を洗ってきてくれ」
労いを込めてそう言うと、一華は何処か悪戯っぽく笑って身を寄せてくる。汗の匂いの奥から甘い一華自身の香りが届いて少しムラっときてしまった。
「ふふ、ご主人……労いを込めて一緒に入って欲しいでござるよ」
「……いや、駄目だ」
「イケずでござるなぁ?」
布越しに伝わる柔らかさや、指先で胸元に円を描くようにして擽ってくる感触に少しずつ情欲が増してくる。だが、今それをやるのは絶対に駄目だ。何故なら──
「イッさん、何してるの!?」
とまぁ俺の興奮を受信したエテルが突っ込んでくるのである、俺の背後から思い切り突撃してきたエテルはそのまま全身で俺に抱き着いてきた。両腕両足を絡めて更に翼で包んで来たその感触は濡れていて、フローリングを水が叩く音が聞こえてくるので全身ずぶ濡れのままリビングに突っ込んできた事が分かる。
「貴方ぁっ!!」
「ぐぁ目が、目がァァァッ!?」
少し離れた所から当主代行の悲鳴が聞こえてきた、恐らく呆然と俺に抱き着くエテルを見たが為にお義母さんから目潰しを食らったのだろう。申し訳無いがエテルの裸を目撃したのなら当然の報いである。
「……奥様、流石にはしたないでござらぬか?」
「正妻を脇に旦那様を誘惑するのもはしたなくないかな?」
「むむ、正論でござる……」
「正論も異論も置いておいて、俺をサンドイッチしながら会話すんのやめてくれないか?」
前後からの柔らかい感触と匂いで理性がガリガリと削られているんだが……ズボンを突き破らんばかりに勃起した愚息が一華の腹に当たっててヤバい。
このまま夫婦風呂に連れ込んで二人とも味わってしまおうとも思ったが、防音が殆ど死んでるのであんな所で盛ればまたツッコまれるだろう。突っ込んでるのは俺ではあるが。
いや、待てよ?
「……御主人、いきなり何を取り出してるでござるか?」
「あれ、それって寝室に置くタイプの消音魔導具?」
取り出した物を訝しむ一華に対して、以前見たことのあるエテルは正体を当てる。コレはバカの奴に渡そうと思った魔導具で、エテルの言う通り置いた場所から半径3m圏内の後を消して周囲に漏らさなくなる魔導具だ。
お盛んなアルバードさんとレイチェルさんの営みの声を子供達に届かなくする為に用意したが、結局は渡す事が無かった。手元に残ったままなら、コレを使おう……今から行ってもバレてはいるがせめて音だけでも配慮するべきだ。
「このままだとエテルが湯冷めして風邪引くから夫婦風呂に行くぞ」
「建前で拙者は誤魔化されないでござるよ」
俺の言葉に対してジト目になってそんな事を言ってくる一華、ただ一華の中で高まった情欲が『性魔術』を通して伝わってくる。
「仕方ないなぁ、イッさんも一緒していいよ」
「むぅ……」
エテルが許可を出して、それを聞いた一華は複雑そうに唸る。一分もせずに頷く辺り、
そんな遣り取りの後、俺達三人は夫婦風呂に来ていた。消音の魔導具が問題無く稼働している事を確認し、早々に俺は服を全て脱いだ。既に愚息は戦闘態勢を取っていて、天に向けてそそり勃つその様には何とも言えない感情が湧く。
対してエテルと一華はそんな愚息を左右から挟むようにして顔を寄せ、舌を伸ばして舐めてくる。夢魔らしくとろけるような、恍惚とした表情のエテル。戸惑うような表情、けれども丁寧かつ的確な刺激を与えてくる一華。
時に別方向に、時に同方向に刺激を与えてくる二人の奉仕は確実に俺の理性と限界を削ってくる。極上の女体を持つ二人が跪いて奉仕してくるその光景だけでも情欲を刺激して来るというのに、そんな二人の肚には己の子が宿っていると考えれば支配欲から更に興奮する。
そうして遂に限界が訪れて、勢い良く射精する。摘める程に濃い精液が二人を汚し、そんな俺の欲望を浴びた二人は片や歓喜の声を上げて片や純粋な悲鳴を上げる。
「……悪い」
粥の如き粘性を見せる己の精液が身体を伝う二人を見て、賢者の如き凪の
「もう、こんなに溜め込んで……仕方ないなぁ」
身体を伝う白濁を指で掬っては舐め取るエテルは淫靡そのもので、まさに夢魔を体現していた。対して一華は呆然と自身の身体を汚す白濁を眺めていて、心此処にあらずと言った様子である。
「一華、大丈夫か?」
「……だいじょうぶでござる」
心配で声を掛けるも何処か呆然としたまま反射的に答えた雰囲気だ。声を掛ける前に濃いの掛けてるとかクソ喧しい事を考えたが速攻で破棄した。
エテルは呆然としたままの一華に近付くと、妖しい笑みで背後からその身体を弄った。
「きゅぅん!?」
「ふふ、隙だらけだよイッさん?」
久しく聞かなかった一華の鳴き声を笑って受け流したエテルは、まるで俺の精液を擦り込むように一華の身体を愛撫する。御庭番の修行時代に様々な手練手管を学んだと言っていた一華だが、流石に天才的な夢魔の淫技を前にすれば翻弄されるだけのようだ。
一華の白い肌が段々と紅く染まっていく様は艶っぽく、一度精を吐き出した後だった俺の身体も再度興奮で熱くなってくる。再び硬度を増し天を突き始めた愚息を見て、エテルと一華が嬉しそうに笑った。しかし、そんな中でエテルが急に難しい表情をした。
「……イッさん、少し認識が甘いよ」
「ふぇ?」
エテルのそんな指摘に対して声を上げる一華だが、疑問を持ったのは俺もだ。
「あのね、イッさんの身体も夢魔に近い物が有るみたいなんだけどね」
「……そりゃまぁ地方のものとは言え豊穣の女神扱いされてた存在の子孫だし、その判定も仕方ないか」
「ご主人?」
エテルの言葉に納得した俺をジト目で見てくる一華、心外って反応してるけど以前俺に交尾の狐の話をしたのはお前だからな?
寧ろ夢魔と最上級の悪魔族とのハーフである
「イッさんのそれだとタタラに
その言葉で完全に固まる一華、前に言っていた本人の自認だと子供の栄養に変換されるってエテルと同じ物だった筈だよな?
「まぁ、悪いのはイッさんって言うよりタタラだけど」
「原因俺なのか」
「正しくはタタラの『性魔術』スキルが私に合わせて深化しちゃってる事かなぁ……私基準で精液に込められてる魔力濃度だから、他の人相手だと過剰で赤ちゃんが危ないの」
……何故だろう、原因が俺じゃなくてエテルに有るみたいに聞こえてくるのは?
「イッさんの必要なのは性魔術を応用して、腟内に受ける魔力をより効率的に処理して吸収出来るようにする事かな」
「……性魔術でどうにかなるでござるか?」
「私は肉体の構造でやってるけど、性魔術の応用で模倣すれば解決出来るよ」
そう一華に言ってからエテルが一華の手を自らの下腹部に当てさせて、何かを教えている。
「あの、奥様?」
「どうしたの?」
「魔力の制御の繊細さと魔術式の精緻さが意味不明でござるよ、何でござるかこれ」
凄いな、性魔術でまず聞きそうにない会話が出てるぞ。なんで性魔術の系統で魔術式の精緻さとか出てくんだよ。
「えぇ……自然に出来る事だよ」
「何で夫婦揃って認識がタタラってる面が有るでござるかね」
「そりゃ夫婦だからだよ」
「切っ掛けが拙者に有るとは言え壁をぶん殴りたくなるから惚気ないで欲しいでござるよ」
成る程、他人から見ると俺はこのエテルと同じ感じなのか。自分が呼吸をするように出来るのが当たり前だからって他人に出来る訳じゃ無い。いや、他人には理解不能な超技能を理論立てして解説するだけ俺の方が酷いかも知れんけど。
エテルは少し悩んだ後、一華の下腹部に触れて何かを施す。そうして一華の下腹部に出て来るのはハートを更に意匠化したかの様な紋様で、どう見ても淫紋だった……いやなんでそうなる?
「コレで私程じゃないけど、タタラの精液を効率よく魔力に変換出来る筈だよ。後は解析して自力で辿り着いてね?」
「……何故か拙者、この紋様が疼くせいでご主人に淫らな服装で迫るエロ狐にされるような気がするでござる」
「元からエッチな人だったでしょ、イッさん」
「奥様に言われると物凄くムカつくでござる」
確かに一華の身体は出会った時からエロかったが、エテルが言っていい事じゃ無いよな。中等部の時点で普通に大きかったし。
エテルは一華の言葉に不満だったのか唇を尖らせているが、流石に隠していたとは言え男性恐怖症だった一華に言ったら反撃食らう言葉だったからな?
二人の遣り取りの間にも俺の愚息は落ち着く様子は無かった、全裸の美女二人が戯れ合いをする姿はどうも刺激が強かったらしい。
そんな俺の様子に気付いた二人は其々別の表情を浮かべた。
「タタラってば、ヤル気満々なんだぁ?」
「ご主人、助平でござるよ」
エテルは肉食獣が獲物を見付けたかのように嗤い、一華は羞恥に顔を赤らめ俯く。何かこう言う反応の差で二人の
浴室の床にプレイ用のマットを敷いて、エテルと一華をその上に横たえさせる。互いが向き合う様にしつつ、二人とも片脚を上げて秘処を俺に見せ付けてくる。そんな淫靡な光景を見れば男の理性など簡単に砕けると言うもので、先ずはエテルの秘処へと愚息を一息に挿入する。
「あはっ、タタラ来たぁ!」
変わらず陰茎を包み、絶えず刺激を与えて射精を促してくるエテルの腟内に脳を焼かれそうになりながらも腰を動かす。湿った音と肉を打ち付け合う音が浴室に響く中、一華は先程の反撃とばかりにエテルの乳首や乳房を弄びながらエテルと深いキスを交わす。
「んふっ、ふぁ……イッさん凄いっ」
「積み上げた修練よりも才能に負けて複雑でござるよ……」
女同士でさらに御庭番として学んだ技術故か、一華の愛撫によりエテルの腟内は普段よりも活発に蠢いて俺の愚息を締め上げる。普段、俺が似たような愛撫をしても此処まで反応をしないのだから自分の下手さに辟易とする。まぁ、一華の方はキスで実力差を明確にされて凹んでるみたいだが。
そんな内心を置き去りにする程に強烈な快楽が愚息を通じて脳を満たしてくる、よりその快楽を求める為に腰の動きが自然と加速する。俺の腰の勢いに合わせて一華の愛撫も激しくなり、エテルの喘ぎにも熱が入っていく。限界を迎えて深く腰を沈めて射精する、膣内へ吐き出される精液を受け入れるというより呑み込むような動きをするエテルの身体に残らず精液を搾られ魂すら抜き取られるような感覚で背筋を震わせる中ゆっくりと愚息を抜く。
愛液と精液が混ざり妖しく光を反射する愚息と、粘性の高い白濁を溢れさせるエテルの秘処、そしてそんな光景を見て息を荒くする一華。
二度目の射精の後だと言うのに全く萎える気配の無い愚息を一華の秘処へと押し当て、そのまま挿入する。
「ひぁっ!?」
エテルに気を向け油断していた一華は突然の挿入に嬌声を上げる。
エテルとはまた違う力強く俺を締め上げる膣内の感触と、戸惑うような一華の表情に情欲が刺激される。此処がエロゲー世界かつ性魔術の存在が有るとは言え、射精した直後でもなお萎える気配の無い愚息に対して呆れの感情が湧くがエテルとの数年間で何度も感じてきたものなので今更である。
「ふっ……奥様、やめ」
「だぁめ、おかえしだよイッさん」
復活したエテルも先程のお返しと言わんばかりに一華に愛撫を開始して、その影響で一華の膣内が蠢いて俺の愚息を搾り上げる。快感の強さが増した事で限界を迎えるまでの時間が削られる。
「ふっあっ……だめ!」
一華の膣が細かく早く蠢いて、俺の愚息から精を搾り取る。三度目の射精とは思えない程の量が吐き出されるのを自覚する中、一華の淫紋が光ったのが見えた。魔力に疎い俺ですら認識出来るくらいに一華の中の魔力が高まり、俺から吐き出された精液を変換・吸収していくのが分かった。なんか、俺自身が捕食されてるような気がしてくるなこれ。
何度か腰を動かし、愚息の中に有る精液を余さず一華の膣内へと出した後に引き抜く。エテルの時とは違い中から溢れてくることは無かった。
「どうしたの、不思議そうにして」
「いや……エテルの時は溢れ出てきたのに一華では無いなって」
「そんなのタタラの三度目が私の時より少なくて、さらにイッさんに使った魔法が上手く魔力に変換出来てるからだよ」
予想はしていたが、流石に効力が高過ぎやしないかなエテルの性魔術ってか魔法。これでもエテル自身に比べると変換効率は落ちてるらしいが……エテルってか夢魔の身体強過ぎないか?
仰向けになり腕で顔を隠しながら荒い息を吐く一華を見て、その上に覆い被さるエテル。普段見せない余裕の無い姿を見て嗜虐心が刺激されているのだろう。
そんなエテルの形の良い尻が向けられて、俺の愚息は戦闘態勢を取り始める。このきかん坊ってか暴れん棒に苦笑いが浮かぶが、力なく倒れる一華に対して悪戯をしようとするエテルに対して仕置をするには丁度いい。
揺れるエテルの尻をその細い腰を掴むことで固定し、秘処へと挿入する。
「た、タタラ!?」
「弱ってる一華をいじめたお仕置きだ」
「だからってぇ!」
四つん這いの状態のエテルを後ろから攻め立てれば、目前で揺れるエテルの乳房の先端を一華が舐める。複数個所の刺激にエテルは甘い声を上げる。腰を掴む姿勢から抱き締める姿勢に変えて腰の動きを速める、腕に力が入らなくなったエテルが一華の上に乗るような姿勢になるが一華はそれをしっかりと支える。
限界を迎えて射精すれば、エテルも絶頂を迎えたのか腟内が大きく動く。都合四度目の射精でも俺の愚息が吐き出す精液の量は凄まじかった。まぁ、エテルの腟内は問題無く飲み干していた辺り俺の実感よりは少なくなってるみたいだが。
両足を突っ張って尻を高く上げる
「ご、ご主じんむっ!?」
「んむ……ちゅ……だぁめ、いっさん。つぎはいっさんのばんだからね?」
驚く一華をキスで黙らせるエテルの協力を得る中で抽挿を繰り返す、余裕が無くなっているのが尻尾が九本に増えて毛も本来の金に戻っている。エテルの絶技に翻弄され、俺の愚息に貫かれた一華は早くも絶頂してしまう。更には背筋を震わせながら潮を吹き、俺の下腹部を濡らしていった。そこへ俺も射精して一華の子宮内を精液で満たす。全て射精出来たのを感覚で察知してから引き抜くが、やはり秘処から溢れることは無く全て飲み込まれていた。
そんな事を代わる代わる繰り返していれば逆上せる一歩手前までいき、三人で身体を綺麗にしてからリビングに戻る。何戦もしていれば流石に湯が長い女子達よりも遅くなるのも当然で、食卓には探索組の面々が揃って座っていた。
「夕食の前にデザートを堪能するのはどうなのです、マスター?」
「お前は俺を死なせたいのか」
「いえ、態々魔道具を持ち込み音漏れを防ぐ小賢しさを見せる事に感心した上での嫌味です」
「お前は俺を死なせたいのか」
ダリアに意図を察せられて精神にダメージが入るが、何とか首を括るまでは耐えた。
「ま、拙者と奥様はご主人好みの身体故に求められても仕方ないでござるからな。何処かのまな板ペッタン機巧乙女と違って」
「尻尾の毛を刈り取りますよ?」
言われるばかりでは無いと反撃する一華に、青筋を浮かべたダリアの目が据わる。間を四葩とタチアが取り持つが、タチアの視線がチラチラと俺へ向いてくる。うん、タチアの相手をあんまりしてないし格差が出て申し訳ない。
「タタラさん、夫婦円満で大変喜ばしいですが夕飯の時間を考えて下さいね?」
「はい、大変申し訳有りません」
溜息混じりに言われたお義母さんの言葉に対して俺は謝罪するしか無かった。
「タタラちゃん、やっぱり貴方凄いクラフターだったのね!!」
「いや、いきなりなんですか!?」
雛菊さんの食レポをBGMに
「ドラゴン相手でも今まで使ってきたどの剣より上手く鱗を斬れたわ、こんなの初めてよ!!」
「……そう言えば、90階層まで行ったんだっけか」
ドラゴン系統の敵が出て来るのは『剣の魔神』と同じランダムポップの隠しボスを抜かせば81階層以降だ、81階層からの翼の無い『
最強の魔獣であるドラゴン系統はその名に恥じない高ステータスを誇る、どんなに弱い種族でもステータスが150を下回る事は無く、体力も300以上がデフォルトだ。ゲーム時代でも戦うより逃げて下の階層への階段発見を最優先していたし、宝箱から手に入るレア武器である『ドラゴンキラー』系統の武器を持っていても殺し切るには相当に鍛えてないと無理だった。
まぁ、
「……タタラ、一応聞くが71階層から90階層までの敵の振り分けを言えるかのう?」
「71からは『
「……見ておらんのに普通に言い当てるのがタタラじゃのう」
となると、タチアのスキルがレア敵を引きまくってたのか。
「『巨人』種の『百腕の巨人』は大丈夫だったのか?」
「うむ、タチアの防御で凌げておったし何なら妾が一刀で切り捨てたわ」
「百裂拳とかいう百回殴り付けてくる必殺技持ってたろアイツ」
「それなら構えた瞬間に私が腕を斬り落としたわよ?」
「何やってんだアンタ」
俺が四葩に状況を確認している中、横から入ってきた
「タタラちゃんがちゃんと連接剣を作ってくれたおかげよ、予備動作中に簡単に斬れちゃったわ!」
「……連接剣はそこまでの切れ味を発揮できる武器だったのでしょうか?」
「安心しろ、少なくともカラムスさんレベルなら出来る」
「最低でも都市最強の技量が必須という事ですね」
「それに、この防具も凄いわ!」
「まぁ、王玉の効果でステータスにボーナス入りますからね」
腕に風と炎の属性が付与されている為、相乗して雷の属性を発揮している筈だ。恐らく、剣速の加速も発揮しているだろうから攻撃力と命中率にボーナスが入ってるだろうし何なら攻撃回数も増えてるかも知れない。
その後も嬉しそうに探索の話をする
夕食を終えたあと、食器を洗い終えてからサイファーが帰って来た事を確認する。商会長からの手紙も預かっていて、そこには劇団ハカンサスの事について書かれていた。
基本的には俺の代わりにやる筈だった彼是を肩代わり出来なかった事についての謝罪であり、商会長が呼んだ人員故に支払う賃金は全額商会長個人が請け負うとの事。この辺りの文を読んでいてふと考える、あの人達をアーレム関係施設の専属として雇えないか?
年間契約で1000万程の支払いで、更にアリーナでの売上をロイヤリティとして担保すればある程度安上がりでスタッフを雇えるのではないだろうか。明日、少し商会長と相談してみようかな。
そんな事を考えつつも、パーティメンバーと
頭を悩ませるのも束の間、この剣がいるか要らないかは明日にでも聞こうと決めてから魔導具でダリアを呼び出す。数分もかからずドアがノックされた。
「お待たせしましたマスター」
「おう、悪いんだけど明日プロモーションを撮る上で協力して欲しいから意見をくれ」
何時もの夜伽云々の遣り取りを挟ませる間も作らず、用件を伝える。不満そうなのも一瞬、俺が取り出した魔導式ワードプロセッサとプロジェクターを前に運んできた椅子の上で正座待機を始めた。
「今回のコンセプトは各アーレムの紹介映像と、アーレムに独自の物語を持たせるっていう実験だ」
「紹介映像はわかりますが、独自の物語ですか?」
「ああ、この前俺が見せるように脅された映像が有っただろ」
「成る程、あれらの様に世界観を用意して興味を持たせる訳ですね?」
「その通り、流石に話が早くて助かる」
そしてワードプロセッサに流すのは短いながらも機動兵器が活躍する画像だ、アーレムはダリアが使う魔導鎧『トリテレイア』の下位モデルの『サーシアム』をモデルとしていて空を飛ぶ事も出来る。そして再現するのは某
屋外のハンガーにて追加装備を施されていくサーシアム、全ての装備を終えてからカタパルトが作動し射出される。最初は遅かったが、背面に装着された追加ブースターが点火した瞬間に爆音と共に凄まじい推力を発揮してすっ飛んでいく。
途中で警戒している戦車に向かって追加装備からマイクロミサイルポッドを射出して、殲滅しながら巨大な移動要塞に突入する。
着陸前に追加ブースターをパージし、要塞の上を滑りながら記憶から引っ張り出した敵国の兵士の装備をモデルとしたアーレムを両手に持つ魔銃にて撃滅していく。しかし、途中で被弾しバランスを崩して空中にその身を投げ出すような恰好になる。
途中でヘリを掴む事でバランスを直しつつ着地、そして目前に迫る移動要塞に対して全身に仕込まれたエネルギーを放出する機能を稼働させ周囲に衝撃波を放った所で画面は暗転。白抜きでアーレムの文字を浮かばせて終了である。
一時期は卒業生が製作に関わっていたからと専門学校のCMにも使われたロボットの格好良さをコレでもかと見せ付ける映像美が元故に、ダリアは目を輝かせて見入っていた。
「明日、アリーナに行って宣伝用の映像を撮ることになってな。コレを作りたいんだ」
「Yes my Master、アーレムの操作ならお任せ下さい」
ノリノリである、そりゃそうか。
「そこでだな、ダリアには新しくアーレムを作って渡すからそれを撮影に使いたい」
「成る程、先程のアーレムですね」
「いや、お前の『トリテレイア』をアーレムとして作る」
「……はい?」
俺の言葉を聞いたダリアは言葉を理解出来なかったのか首を傾げる。
「お前の『トリテレイア』と追加装備の『ファイヤーワークス』を作ってさっきの映像と同じのを作ろうと思ってる。前に『料理長』のアーレムと戦って貰ったときに明確に性能差が出てたしな、条件を同じにして再戦したいだろ?」
「……はいっ!」
物凄く嬉しそうなダリアに満足しつつ、早速材料を取り出して作成を開始する。アーレムの本体はダリアを元にして、『料理長』の『ジェネシック』と同じ形式で作っていく。
ジェットエンジンは搭載出来ないので、『ジェネシック』に使用した圧縮・開放の術式の対象を空気にして対応。物が有れば風の核石を使って作ったのだが、うちのパーティは王玉しか採れないので諦めた。『錬金術』で合成は出来るけど分解は出来ないんだよな……やろうとすると内部の魔力が暴走して周囲に吹き出すし、下手したら家が吹き飛ぶから出来ない。
鍛造オリハルコンを骨格とし、昇華ミスリルによる人工筋肉による身体の稼働を行う本体。そして纏うはオリハルコンとミスリルの合金を鍛造した魔導鎧型の外装。アーレムサイズになった『トリテレイア』が完成し、続いては追加装備の『ファイヤーワークス』の作成に入る。
此方はアーレムの試合には使用する事を考えず、完全に撮影用として割り切る為に素材は魔鉄3kg分だ。脚部のジェットエンジンや背部から延びるエリンジウム更には飛翔術式を刻んだ翼など作成に手間取る箇所は幾つもあるが、本来の物を作った本人としては特に問題無く作り上げる事が出来た。
結果として、過去一番デカいアーレムが完成するに至った。
「……撮影用とは言えやり過ぎたかな」
「何を言いますか、浪漫にやり過ぎなどありません!」
「いや、多分有るぞ」
でなければ俺が作った物で都市長は胃を痛めては無いだろう、俺が出来る事を最大限発揮した浪漫の塊である鎧のハンガー見た時でも凄い声上げてたなからな。
「コレを使って撮影するが、さっきの映像は頭に入ってるか?」
「万事ぬかりは有りません、見た者達に『世にアーレムの有らんことを』と唱えさせる程に脳を焼きましょう」
偶にダリアが俺と同じ世界出身なんじゃないかと疑う時が有るんだよな、実は転生者じゃないよな?
「そう言えば、撮影する上での舞台はどうするのですか?」
「その辺は商会長に素材の依頼出してるから大丈夫だ。演劇の休憩中にセットを作ってさっさと宣伝用の動画を撮るつもり」
「……マスター、普通はその手軽で言う内容では無い気がしますが」
「俺のクラフト能力とお前の操縦技術が合わさるんだから出来ない訳無いだろ」
「……口説き文句ですよ、それ」
何やら口をモゴモゴと動かしてダリアはそう言った。相手の能力を正しく評価したのが口説き文句になるのはどうなのか?
アーレムを渡したダリアが部屋へと帰った後、次の作成に入る。使うのはミスリルとオリハルコン、そして魔石と『錬金術師の卵』の四つだ。
先ずはミスリルとオリハルコンを『終焉女神の神核片』で強化して、オリハルコンで成人男性の骨格を作成。骨格内は空洞にして軽量化と素材の節約を行う、内骨格が出来上がればその上にイヴィルミスリルで作った人工筋肉を張り更にその上からオリハルコンで覆う。顔は趣味全開の双眼型にバイザーを被せた物にする、口はマスクタイプ。全体的にシャープな造形にしつつ、人間の身体の有機的な動きを阻害しないようにする。
最後に心臓の位置に『錬金術師の卵』を設置し『ゴーレムクラフト』スキルでゴーレム化して完成、額にはゴーレムの証しである文字が浮き上がりバイザーの奥の双眼に光が入ったのを見て上手くいった事を確認する。
「おはよう、起きれるかな?」
俺の問いかけに対して目の前のゴーレムは首を僅かに動かして俺を見てくる、ジッと俺を見詰めた後でゆっくりと身体を起こす。
自分の両手を見ながら指を動かし、具合を確かめるような動作をするゴーレム。なんだろう、やけに生物的な動きをするな?
「俺の言葉は分かるかるみたいだね」
確認の為に話しかければ再び俺に顔を向けた後に頷く、通常のゴーレムとは違い声を発さないらしい……そもそも声を出せるのがおかしいわ。
「少しやって欲しい事があって君を作った、俺達人間の動きを問題無く出来ると思うけどどうだろう?」
言われてからゴーレムは作業台から降りて、ストレッチのように身体を動かす。人工筋肉やら人間の骨格をそのまま再現したフレームの影響で、身体の動きの滑らかさと言うか自然さが普段見るゴーレムと全く違う。まぁ、ゴーレムと言いつつ
そんな目の前のゴーレムはストレッチの後に軽く剣の形を取ってから俺へと向き直る、頷いてみせたのは問題なしを意味してるのだろう……他のゴーレムと同じくらいには意思疎通が簡単だな。
「君の主目的は戦闘なんだけど、今直ぐにって訳じゃ無いんだ」
作成した目的を伝えれば頷いた、ゴーレムとしても作成された目的を理解してるのだろうか……意思を持つゴーレムって過去作の中でも二桁に届かないくらいの数しかいない上に結構悲劇的なシナリオなんだよな。
「それと最初の仕事は戦闘でも無いんだ、それも了承してほしい」
俺の言葉になんとなく渋々と言った様子で頷くゴーレム、つくづく思うが俺の作ったゴーレムは何故こうもゴーレムっぽく無いのか?
「最後に君の名前は『キリーク』だ、どうだ?」
俺の名付けによって世界に繋がる感覚が伝わる、目の前のキリークも一瞬身体が震えた。上手く世界に登録されたらしいので、早速『鑑定』を使用する。
戦闘用ゴーレム『キリーク』
体力 800+100
魔力 300+100
技力 300+100
物理攻撃 350+50
物理防御 400+50
魔法攻撃 100+50
魔法防御 400+50
速力 250+50
運 10
移動力 5 +5
特殊能力『視界共有』『戦闘技能学習』『体力回復Ⅴ』『魔力回復Ⅴ』『技力回復Ⅴ』『ゴーレム強化Ⅴ』
うん、基本ステータスがダリアより高いんだが。と言うか『戦闘技能学習』ってなんだ、初めて見たぞ?
完全な人型を取った為か装備欄も見えるし、かなりヤバくないかコレ?
「それじゃ、悪いんだけど出番までは俺のインベントリで待機しててくれるかな?」
俺の確認に対して頷いた後、他のゴーレムと同じく俺のインベントリを開いて中へと入っていくキリーク。何時も思うんだが、何でコイツら揃いも揃って俺のインベントリを開けられるんだろうか?
自室に入って眠る、今日はエテルが部屋に来る事は無かったが何処で寝たのだろうか?
穏やかな眠りの後、スッキリとした目覚めと共に朝を迎える、此処最近あまり手伝えて無い朝食の準備を三葉さんと一華の二人と熟した。朝食は陽出國風の焼き魚定食、何やら三葉さんが独自に浸けていた漬物を用意してくれていた。驚いた事にこの『ワールウィンド』で触れたスパイスを取り入れた試作品らしく、酢以外にも辛味の有るスパイスを含ませた為に食欲促進効果が強かった。
雛菊さんの飯語りをBGMにして食事を楽しんでいる穏やかな空気の中、それは突然起こった。庭先に設置されている転移門が稼働、その中央に魔力が集まり門が開かれたのだ。
この転移門の座標が公的に知られているのは陽出國に有る虎熊の邸だけだ、外部から入って来るのなんてそれこそダリアがこの家に来た時くらいで更に言えば当主代行とお義母さんが居る時点でこの家に虎熊家から用件が有る人間が居ない筈だ。まぁ、当主代行かお義母さんを連れ戻しに来たのだったら納得するけど。
開かれた転移門の先からなだれ込んで来るのは完全武装の兵士、咄嗟にインベントリから武器を抜いて庭先に立てば俺に続いて四葩も刀を抜いて並び更にタチアが盾と剣を構えて俺の前に立つ。
そんな俺達を見た兵士達も殺気立って構える……目的が分からないとは言え流石に気が逸り過ぎたかなコレ、相手の武装をよく見れば皇国軍の重装兵用の鎧を少し華美にした感じの物だ。コレ、もしかして皇国軍の特殊な騎士団じゃないか?
「四葩、タチア。此方からは攻撃するな」
「何故じゃ、いきなり押し入ってきた相手じゃぞ?」
「それはそうなんだが、見慣れないが使ってる鎧がうちの国の軍で正式採用品に装飾が施されてる物だ」
尤も、皇国軍の物なら目立つ所に国章が入っている筈だが目前の兵士達の装備には確認出来ない。貴族の家紋も見えない為、華美な装飾を施しているだけの可能性も有る。『鑑定』するべきかも知れないが、『不死の王』並みの感知力が有った場合宣戦布告と取られるかも知れない。
そんな俺達の会話を聞いたのか、侵入者の中から一人の男性が歩み出てくる。俺の身長を超える2m程の壮年男性で、日焼けした肌に黒い髭のスキンヘッド。顔の濃さは防衛長パーティのダルマさんより上かも知れない。
「突然の来訪、失礼致す。己はナーハズヒト皇国軍
野太い大声でそう告げたガラルド・ガーランドを名乗る男に、一段階警戒心を上げる。
「ご丁寧に有り難うございますガーランド卿、失礼ながら何方が誰の迎えを命令したのかを伺っても?」
「残念ながら、答える許可を得ておらぬ!」
「そうですか」
『二人とも、警戒』
ガラルド・ガーランドの答えに対して不信感が増し、四葩とタチアに魔導具の『念話』で警戒を上げるように指示。俺達の問答で元々警戒を強くしていたのか、二人とも構えが臨戦のソレになる。
そんな俺達の様子を見てか、目の前の一団も戦闘態勢を取り始める。此方の対応に合わせるのは当然だろう、なんとなく向こうの面々もやり辛そうな雰囲気が出ている。
「……やる気か、少年」
「貴方達が正しく近衛騎士団なのか分からないので」
ガラルド・ガーランドの問い掛けに答える、無表情では有るけど根が良い人なのだろう引いて欲しそうな雰囲気である。まぁ、無辜の民を傷付けるのを嫌がるのはこの国の気質な気がする。
「下手をすれば君達が反逆罪に問われるとしてもか?」
「言わせてもらいますけどね、今此処に居る人はこの国を作った人なんですよ。そんな大恩人、正体不明の相手にみすみす渡すと思いますか?」
「……確かにな」
誰なのか分かる言い方をしたのは我ながら失敗したと思うが、ガラルド・ガーランドは何故か納得したような雰囲気である。つか、なんか相手の一団皆頷かなかったかな?
「申し訳無いが最後通告だ。セラス・ナーハズヒト前皇妃陛下を此方へ引き渡して欲しい、カラン・ナーハズヒト前皇帝陛下からの命令でな」
「……やっぱりあの人からの命令なんですか」
「命令というか勅令だな」
まぁ、
そんな事を考えてる俺の背後から人が近付いてくる気配を感じて振り向けば、
「あら、どうしたのタタラちゃん。ガラルドと向かい合って?」
「貴女のお迎えです、本当に近衛騎士団なのか分からなくて貴女を預けていいの迷ってました」
「もう、お婆ちゃんを心配し過ぎよ!」
「いや、貴女に何かあったらカラン様がブチギレますからね!?」
もう少し自分の重要度を自覚してくれ、この家が最後の滞在記録とか連帯責任で『ワールウィンド』が消し飛ぶだろ。
思わず出た俺の大声に対して、近衛騎士団は咎めるどころか全員頷いている。うん、共通認識なのね。ガラルド・ガーランドに至っては2回頷いてたぞ今。
「取り敢えず、セラス様からお墨付きを頂けたのでそちらへお預けします」
「忝ない」
「えぇ〜私、都市祭終わるまで此処に居たいのだけど?」
「前皇帝陛下からの勅令です、その都市祭について話すことがあると」
都市祭って明日から何だけど、
「……分かったわ。タタラちゃん、ごめんなさいね?」
「いえ、大丈夫です」
申し訳なさそうに謝ってくる
「それとエテルちゃん」
「はい?」
続いて
「それじゃタタラちゃん、また遊びに来るわね!」
「出来ればやめてあげて下さい前皇妃陛下」
大きく手を振りながら転移門を潜る
「……正体不明の武装集団から前皇妃陛下を守ろうとしたその心意気、誠に誉れ高い。貴方の様な若者が居ることを喜ばしく思う」
そう言って門を潜ったのを最後に、転移門は閉じた。朝から濃いイベントだったな。
朝の騒動の後、パーティメンバーは昨日迄の探索でレベルが上限に届いている為に今日を休養日に当てると決めたらしい。四葩とタチアはそのまま庭先での鍛練に参加する事になったが、エテルは俺に付いてくる事になった。
「本気か、多分エテルは面白くないぞ?」
「偶にはタタラのお仕事を直に見たいかなって」
因みに服装はダリアに合わせてか以前特注で作ったメイド服である、夜用とは違ってロングスカートなのだが貞淑さよりもいかがわしさが勝るのは夢魔故だろうか?
アリーナに到着すればその施設の大きさにエテルが驚く、そう言えばコレを見るのも初めてだったか。
「この建物がタタラのお仕事?」
「そう、まぁ建物もって言うのが正解か」
「マスターの仕事内容は複雑化し過ぎてますからね」
アーレム関係が此処に詰まっているだけで、虎熊家を通じた陽出國との国交も投げられてる訳だしな。そしてアリーナの中央であるバトルステージに到着した、のだが……干乾びかけの死体みたいなものが2つ転がっていた。
戦闘用ゴーレム『キリーク』
体力 800+100
魔力 100+100
技力 300+100
物理攻撃 350+50
物理防御 400+50
魔法攻撃 100+50
魔法防御 400+50
速力 250+50
運 10
移動力 5 +5
特殊能力『視界共有』『戦闘技能学習』『体力回復Ⅴ』『魔力回復Ⅴ』『技力回復Ⅴ』『ゴーレム強化Ⅴ』
タタラ・ジュロンが戦闘を目的として作成したゴーレム。完全な人型を取っていて武器や防具の装備が可能、更に『戦闘技能学習』により武器適性スキルを修得する事も出来る。
戦闘用では有るが積極的に交戦する性格ではなく、何方かと言えば内向的。
おまけ
「つぅ訳で、リスティアとエルベリーナそれとクラリエッタを『ワールウィンド』の視察で連れて行く」
「どう言う訳なのか分かりやすく説明願えませんか父上!?」
ナーハズヒト皇国帝都、皇帝を中心に家臣団が集まる中で前皇帝であるカラン・ナーハズヒトが開口一番に出した言葉に対して皇帝が全力でツッコミを入れた。
カランが上げた三人は彼の妾であり、其々が龍族にエルフ族そして闇の女神の聖女とたった三人で小国なら問題無く滅ぼせる程度の戦闘力に至る者達である。なんなら、龍族のリスティアだけで都市一つを一日で消滅させる事が出来る。
「まぁ、簡単に言うなら交換条件でな」
「父上、誰との取引ですか」
「タタラ・ジュロンだ、この『厄切り』を新たに貰ったからその交換条件にな」
現皇帝はその言葉に内心で『またタタラ・ジュロンか』と溢す、一番解せないのは父親である前皇帝カラン・ナーハズヒトがタタラの名を口に出す際に友を語るように楽しげな表情を作る事だ。
「……確かに、このナイフを持っているだけであらゆる状態異常を無効化出来るのは凄まじいのは認めます」
「あ、勘違いすんなよ。ソレは状態異常を無効化するんじゃなくて不利な効果を無効化する、つまり不死者なら回復魔法や祝福を弾くぞ」
カランの言葉を聞いた現皇帝は言われた言葉を理解するのに暫くの時間を要し、理解した瞬間に手元の『厄切り』を見た。
皇族に相応しい装丁に直され、国色である紫と金で彩られた『厄切り』は持つ効果とは裏腹に禍々しく現皇帝には見えた。尚、精神面が作用した単なる錯覚である。
「そんな物を俺とセラス用に新しく贈られたなら頼みの一つも聞いてやりたくなるだろ。結果としてタタラ・ジュロンから頼まれたのが視察に来る皇族の護衛の強化だ……まぁ、近衛騎士団から5人から10人程送ってほしいってのが向こうの頼みだったがな」
「それがなんで国内での上から三本の指に入る戦闘力持ちを揃える結果に繋がるんですか」
褒美として頼まれた内容が明らかに利己的な思考から掛け離れたモノであるのに対して、現皇帝は胸が苦しくなる。ちょっと良い子に過ぎるだろう、そんな考えは現皇帝に留まらず家臣団でも共通している。
「そりゃお前、大手を振って大事な孫娘の護衛を増やせた上に皇族の有利になるもんを用意されたからな。喪うのは惜しいし、なんなら俺が養子として引き取ってもいいとか思うくらいには気に入ったぞ」
「……そんなにですか?」
「ああ、なんなら王立研究所の変態達に
そう言って現皇帝にカランが一冊の資料書を投げる。掴み、中身を確認した結果、現皇帝は天を仰ぐに至る。
「何ですかこの皇族専用防御特化式魔導鎧って」
「文字通りのもんだな、何なら国庫に有る宝物全部売ってでも揃えるべきってのが俺の意見だ」
「それはそうですけど」
ただでさえ表記されている性能が異常だと言うのに、それが奇跡で生まれた産物ではなく技術で量産が出来る代物というのが意味不明だ。現皇帝の中でタタラ・ジュロンは世界に混沌を齎す為の存在か、それとも素晴らしい未来を齎す者かの判断が出来なくなっている。
「んで、この魔導鎧の実物を数時間で作り上げこの仕様書を書き上げるのがタタラ・ジュロンってナマモノだ。囲えないにしても、多少の融通は利かせたくなるのは理解してくれるか?」
「……少なくとも、情で縛れるタイプみたいですし有効でしょう」
なんとなく、こう言った行動に恩義を感じると共に凄まじい胃痛も覚えるのがタタラ・ジュロンではないかと疑問に思う。同類を見付けたかのように少しだけ親しみを覚える現皇帝だが、そんな彼が親しくしようとすれば胃痛が強くなるのがタタラである。
「さて、先ずはセラスの奴に迎えを送んねぇとな……近衛兵長!」
「はっ!」
カランの呼び掛けに応えたのは2m程の身長を持つ禿頭の男だった。堀の深い濃い髭面、40代男盛りのその男を認めたカランは命令を下す。
「明日の朝、転移門を使いセラスを迎えに行け」
「はっ!」
カランからの命令を受けた近衛兵長が返答する中、カランはニヤリと悪戯っぽく笑った後に言葉を紡ぐ。
「最低でも若い男がお前達の前に立ちはだかるだろう、目的と命令元は
「私が認めたなら、ですか?」
「ああ」
意図の読めないカランの命令を確認した近衛兵長が疑問を挙げれば、カランは笑って頷く。その様子を見た近衛兵長は頷いて命令を受諾した。
「了解しました。近衛兵長ガラルド・ガーランド以下近衛騎士団四名明朝に転移門を使用しセラス様をお迎えにあがります!」
生存するか否か
-
生き残る(元は生き残る予定)
-
生き残らない