※この作品はR-18です。

既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。   作:アルカミレス

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コレにてチュートリアル終了です。
システム解説と世界観の説明に失敗してる気しかしないお話に付き合って下さって有り難う御座います。

それと、誤字報告をして頂ける皆様も本当にありがとう御座います。
本気で助かってます。


夜間パートⅡ

 少女と二人家に着いた。

 装備を調整する為に預かる、今日は大分無理をさせたから明日は休みにしようか。学園も休みだし。

 

 そんな事を考えつつ、愛用の鎧を見やる。

 オリジナルの装備、『重装』カテゴリに分類される『全身鎧』に分類される名を『黒鉄の鎧』だ。

 ゲーム『深く深い闇の先で』にて、装備可能な箇所は複数に渡る。頭、身体、腕、脚、靴、右手、左手、装飾品✕2の9ヶ所だ。

 『軽装』『重装』問わずに各部位に装備可能な『部分鎧』、全身に一括で装備する重装専用の『全身鎧』に大まかに分かれられる。

 それぞれにメリットは有る。『部分鎧』は一見全身鎧に防御力は劣るが、一つ一つの性能を突き詰め属性耐性を盛る事で総合的な防御力で『全身鎧』を上回る。

 対して『全身鎧』は装飾具と武器以外は一つの防具で済む為に費用が安くなる。9ヶ所の内5箇所を一つの装備で済むのはとても懐に優しいと言える。

 

 俺の『黒鉄の鎧』は『全身鎧』でも少し特殊である。ゲーム時代で言うなら『クラフト』のレベルが7以上で初めて作成可能となる『魔導鎧』と呼ばれるカテゴリーを劣化させて低い『クラフト』のランクで作ろうとした代物だ。

 『魔導鎧』は稼動する上で高い品質の霊核と、その魔力を伝える導線に魔法金属を必要とする。

 製作する上でネックになるのは前者である、低位の天使族や悪魔族でもあまりにタフである。また、戦える場所が少ない為に素材が集まらない。考えうる代替案は幻獣の心臓だろう、魔力の籠もった血を循環させる役割の心臓は魔石に匹敵する魔力保有量と『循環させる』と言う概念の影響で霊核と同等の役割を果たせる可能性が高い。

 しかし、幻獣の心臓も安々と手に入る物でも無い。幻獣の代表であるドラゴンなど以ての外で、ヒュドラやマンティコアなんて言う有名どころもはっきり言って今のレベルでは倒せない。

 そんな風に動力源を探している内に、一つ思い至った機構が有った。

 

 それは、装着者自身が魔力のリソースとして魔導鎧を稼動させると言うもの。

 

 参考にしたのは召喚の魔法陣。この世界では従えた精霊達を召喚すると、自身の最大魔力をそれぞれの精霊に合わせて使用し現世に留まらせると言う形態を取っている。

 この最大魔力をリソースとして使うと言う点に注目し、魔導鎧の稼動分の魔力を循環させ続け余ったリソースで通常の魔法を使用する。そう言った機構を開発する為に研究した。魔法の術式の解析、効果の検証、構築術式の転写と様々な技術を求めた。図書館に籠もったり、両親が使える魔法を見せて貰い魔法陣を解析したりとひたすら学んだ。

 

 そうして出来上がったのが『黒鉄の鎧』の心臓部に当たる術式だ。

 

 術式に名前は付けて居ないが、完全に俺のオリジナルとしてこの世界に誕生した。そして、それを証明したのが『天使長』だったりする。

 何故かこの術式が出来て稼働に成功させた時に背後に立っていたのだ、曰く『自分の知らない物がこの世界に生まれる』と言う直感に従った結果俺の部屋に居たらしい。具体的過ぎないか?

 

 兎にも角にも最初のネックで有った心臓部を代替出来た俺は、次の高価な魔法金属の代替案を模索した。

 それこそ最初に出たのは幻獣の筋組織や神経だったが、此方の方が魔法金属よりも高い。

 実際、伝達効率や耐久力は幻獣素材の方が上で、計算上1000年以上生きたドラゴンを丸々1頭『魔導鎧』に出来たのなら単騎で軍を相手に出来る性能と算出できた。

 もっとも、それ単体で国一つ傾きそうな制作費になりそうだったのだが。

 

 そうして考えて着目したのが錬金術。元は鉄を存在昇華させて金を作ろうと言うのが錬金術の学問の走りとされている、つまり金属を強化するのは遥かな過去からノウハウが蓄積されているのだ。

 此方の試行錯誤は比較的マシだった。過去の記述は現代とは違う文法だったり言葉の意味が変わったりで辞書片手に情報を整頓していった、結果部屋にはとんでもない量のノートの山が出来上がった。

 両親が頬を引き攣らせながら、学園の飛び級を狙っているのか聞いてきたのが懐かしい。曰くノート一冊でも卒業出来るくらいには古代語の研究資料として出来上がっていたのだそう。

 

 この辺りで確か都市長がお忍びで訪問して来たのだったか。

 

 子供の手書きノートを研究資料として接収されそうになった時は縋り付いて泣いたな、流石に着いて来ていた護衛の騎士も都市長が悪いって諌めてたし。

 

 ノートは貸出して写本にして貰った。正しくは、写本になって返って来た。原本は研究資料として国営図書館に納めたらしい、子供の下手な文字が清書されて返って来た時は本気でビビった。

 何のリターンも無いと俺に申し訳無いとの事で、別の資料を貸出して貰える事になった。

 俺が望んだのは強化魔法の術式、物理防御や魔法防御を強化する障壁や速力や物理攻撃力を上げる増強系の物を一通り。全て写した後に魔法陣や展開している術式文字の解析など、ひたすらに分解して共通項を見付ける事に注力した。

 

 結果、鎧に転写して稼働出来る術式を組み上げた。

 

 コレまた偶々来ていた『天使長』が魔導鎧を発展させたと驚いていたが、直後疲労でぶっ倒れた俺を介抱してくれたらしい。

 この辺りで『天使長』が無理を続けると泣きますよとか脅して来たんだったか。研究に注力して寝不足になってたら、突然『天使長』が現れて目の前で泣いた。それも女性らしく顔を覆ったり、見開いた目から静かに涙が流れるとかではなく子供みたいにわんわんと泣き出した。

 一番困ったのはこの時だ、まさか普段は思念でしか言葉を発さないのに声は出せるとは思わなかったのだ。

 お陰で両親が俺が泣いているのだと勘違いして部屋に突撃されそうになった、あの時の恐怖は前世で自慰中に親が部屋の扉をノックした後いきなり開けた時に匹敵した。魂に恐怖が刻まれた気分だった。

 

 動力、術式が出来たのだから次は魔力の伝達回路の素材を完成させなければ成らない。

 古代語の研究をやっていた理由の根本は此処なので、それはもう様々なアプローチを試した。

 最も安く手に入る鉄を、魔石を使って存在昇華させられるかの研究を行った。結果、構成される分子を錬金術で結合し元の鉄の性質を2倍にする事しか出来なかった。

 次に鋼を魔石を使って強化出来るかの研究を行った。結果、形状記憶合金が出来上がった。

 前世の知識から電気の抵抗値が低い事から、魔力も通しやすいのではと銅を魔石で強化した。結果、魔力は通るが強度が足りずすぐ焼き切れた。家庭用魔導具の安全装置としてヒューズ代わりになる程度の発見しか出来なかった。

 金や銀等の貴金属は当然試せる小遣いは無く、上手くいかない研究続きで都市長に泣きながら相談した事も有る。

 何かやたらと引き攣った顔で特許を出しておくと言われた気がするが、追い詰められていた俺はよく覚えていない。

 

 そうやって上手くいかない日々を送り鬱屈していた俺は遂に弾けて、同年代の子供達と遊び始めてしまった。

 

 やれガリ勉だの何だのと揶揄われて居たのだが、体育の授業で活躍したり実験関係で率先したりと子供らしい事を全力でやっていたらクラス内でのポジションが『ガリ勉モヤシ』から『ハカセ』に変わっていた。

 喧嘩の強い『ガキ大将』も居たのだが、媚びるのでなく説き伏せたり他のクラスのボスと喧嘩する上で勝てる要素を提示したりしていたら『力のガキ大将、知のハカセ』みたいになっていた。因みに、この『ガキ大将』がクラスメイトのバカだったりする。

 

 そんな風に研究から意識を反らしていたら唐突に思い出したのだ、あるアニメに出て来た素材の造り方を。金属の粒子に鋳入して新たな性質を獲得させた、オカルトな新素材。

 丁度初等教育過程の最終年、夏休みに入る時期だった筈なので自由研究と題して鋼を構成する炭素を砕いた魔石に置き換えて新しい金属を造れないかと悪戦苦闘した。

 夏休みの1ヶ月半を使っても完成せず、未完成の研究成果を発表したのだが子供達にはドンマイコールをされた。頑張れよと言われて優しさにちょっと泣きそうになった。

 

 翌日、都市長が家に乗り込んできた。

 

 一般家庭に顔出して来るとか暇なんですかと聞けば、人造オリハルコンを造ってる奴とか放って置けるかと迫真顔で言われてちょっと泣いた。美人の迫真顔って怖いんだよ……。

 溜息を吐きつつ、製作上の技術的問題点を一つ一つ丁寧に説明していって、魔石を金属へ鋳入する際に俺の敷いた魔法陣では不可能なサイズ迄砕かねば成らないと言う点まで説明した。

 結果、都市長が真顔で研究に参加した。

 アンタ、都市の政治関連どうすんだよと思わず口から溢したら、私は政治屋ではなくクラフターだと答えられた。ちょっと格好良かった。

 足りなかった『クラフト』レベルを都市長で補えれば後は理論の実証だけで、2か月くらいで何とかなった。

 俺は金属が完成したと単純に喜んでいたが、都市長は眼の下に深い隈を作って清々しいと言うよりも苦々しい顔をしていた気がする。

 

 ただ、この研究は半分失敗だった。

 

 俺が目指したのは『クラフトのレベルが低くても作れる魔導鎧』だったのだが、結局高精度の魔法陣を使用しないとこの金属は造れない。自前で用意しようとするとランクⅡ以上は必要になるのだ。何れ更に研究してくれる子供が出てくれる事を願うばかりだ。

 尚、俺の言葉に都市長は何処かのキツネみたいな顔をしていた。

 

 そんな初等教育時代の全てを掛けた先に出来た技術で作り上げたオリジナル防具、そんな半ば黒歴史化している技術の集大成を少し強化しようと思う。

 この『黒鉄の鎧』の性能は以下の通り。

 

 全身鎧『黒鉄の鎧』

 体力  ±0

 魔力  −20

 技力  ±0

 物理攻撃+1

 物理防御+5

 魔法攻撃±0

 魔法防御+5

 速力  +1

 運   ±0

 移動力 ±0

 特殊  無し

 

 こんな感じだ。本来の『魔導鎧』なら魔力のマイナスは発生しないし、強化倍率ももっと高い。やはり動力源として自身の魔力を使っている事と、素材を妥協している事がネックなのだろう。

 帰り道、少女と話していて防具の更新をしろと滅茶苦茶怒られたので『トロルチャンプ』から手に入った『ミスリルメイス』を溶かして使う許可を貰った。

 と言うか、少女がそれを使ってでも防具を強化しなければ『性魔術』全開で襲うと脅して来たので泣く泣く使う事にした。

 

 さて、強化をすると言ってもどうするべきか。外装を全てミスリルにする、と言うのも考えたのだ。が、そうするとメイス分だけでは足りなくなる。『チャンプ』の『ミスリルライトアーマー』分を使ってもやや不足する程に『全身鎧』は素材を食う。ならば外装は今迄と同じ素材を使いつつ、内部の魔力伝達回路に人造オリハルコンとミスリルの併用をしようと決める。

 更に、関節部を物理強化系の魔法陣を構成繊維に刻んだ形状記憶合金製の人工筋肉で作成。防御力と攻撃力の併用を行う。

 脚甲部には加速用の術式を仕込み、足裏には炸裂術式、更に背面からは風魔法を瞬間的に噴射して加速を得る機構を仕込んだ。

 実際にテストをしなければ効果は分からないが、コレなら移動力も確保出来るのではと思う。

 外装も内部のパワーアシストが強化された事で装甲を厚くしても問題無くなった。その為外装の厚みを20%増やし、裏側に魔力障壁の術式を書き込んで行く。

 そうして試作されたのがこの『黒鐵の鎧』である。『鑑定』を掛けて性能を確認する。

 

 全身鎧『試作型黒鐵の鎧』

 体力  ±0

 魔力  −20

 技力  ±0

 物理攻撃+5

 物理防御+15

 魔法攻撃±0

 魔法防御+20

 速力  +5

 運   ±0

 移動力 +1

 特殊  無し

 

 うむ、大分強くなったな。物理防御は3倍、魔法防御が4倍になれば少女も納得してくれるだろう。攻撃のアシストもされているので、今日の探索以上に物理面で役に立てるだろう。

 虎熊も納得出来る性能の筈だ。

 少女の装備一式も弄って置きたいのだが、何分体力が無い。明日は全休の予定なので、明日に回してしまおうと決めて作業部屋から出る。

 

 リビングから、美味しそうな匂いがして来た。

 誘われるままリビングに入ると、少女が料理を並べている最中だった。皿に盛られたポークジンジャーが食欲を唆る匂いを発していた。

 

「あ、作業終わったんだ? なら手を洗ってきて、すぐ食べちゃお」

 

 髪を邪魔に成らない様に纏め、エプロン姿でそう言って来た。

 何と言うか、若奥様って感じの格好だった。

 

「「いただきます」」

 

 二人で卓を囲み挨拶をする。

 ポークジンジャーをナイフとフォークで切り分け、一口。

 生姜と、その奥に隠れて居た大蒜の薫り。擦り下ろされたりんごの甘味と酸味が肉汁を絡めて作ったグレービーソースが豚肉の旨味を多く含んでいる。噛み締めた豚肉は、焼き加減が絶妙で肉の柔らかさをギリギリ残しつつも焼いた表面がサクリとした食感を生んでいる。

 前世では醤油と味醂で作られていたソースだが、此方では手に入らなかったので用意が無い。その代わりに、グレービーソースを活用した別方面の旨味を持つ物が出来たのは望外の喜びだ。

 しっかりと肉を噛み締めていると米が欲しくなるが、此方ではジャポニカ米の様な美味い米が無かった。なので基本パンで食べる。バターロールは柔らかく、香ばしい。ポークジンジャーの濃い味わいを適度に和らげ、また次の一口を欲し始める。

 しかし、そのまま食べるのは違うのだ。フォークでレタスを刺して口に運ぶ。瑞々しい食感と、中に含まれた甘味をもつ水分が口の中をさっぱりとさせる。

 やはり肉と野菜は良い組み合わせだ。肉を1枚とバターロール1個をペロリと平らげてしまった俺は、出されていたオニオンスープを一口啜る。煮込まれやさしい甘味を出した玉ねぎの味が口を満たす、具として溶け残った玉ねぎと追加されたクルトンの食感が舌を楽しませる。

 残った1枚の肉を半分に切り分け、切込みを入れたバターロールにレタスと共に挟む。朝に見た少女の食べ方の模倣だ、大口を開けてガブリといけるのが良い。

 バターロールの柔らかさ、レタスのシャキッとした食感、肉のサクリとした歯ごたえの三重奏。コレを一度に味わえるのは最高だろう。

 サンドを早々に平らげ、更に残ったソースを3つ目のバターロールで掬い味わう。ここで、食べ終えていた少女が頬杖を付いて笑顔で俺を見ている事に気づいた。

 

「美味しかった?」

 

 答えは分かってると言いたげな問い掛けだ。

 

「美味かった。そうじゃなきゃこんなにガッツイて平らげて無い」

「ハイハイ、美味しかっただけで十分だって」

 

 俺の言葉を適当に流しつつ、食べ終わった食器を回収していく少女。俺は残っていたオニオンスープを一気に飲み干し、シンクへ向う。

 

「俺が洗うって」

「何時もやって貰ってるし、偶にはね?」

「……なら二人でやろう、その方が早い」

 

 仕方ないなと言いたげな少女の表情を無視して、洗い物を片付ける。

 水に浸けてあった調理器具も含めて、二人で手分けすれば直ぐに終わった。

 洗い場でふと、少女と目が合う。見詰め合い、自然と顔が近付いて唇が重なった。

 短いキスを終え、顔が離れる。少女は苦笑いをしていた。

 

「ポークジンジャーの味がするね」

「食ったばっかりだからな」

 

 ロマンスの欠片も無いやり取り、そして再び唇を重ねた。

 

 唇を重ね、やがて舌を絡ませる深い物に変わって行く。絡み合った舌から唾液が垂れ、エプロンを汚す。

 少女の腰を持ち上げ、シンクの縁に座らせる。少女の腕は俺の頭を逃がすまいと首の後ろに回されていた。

 エプロンの上から少女の乳房を触るが、分厚い布が邪魔で感触があまり伝わらない。もどかしくなり、エプロンを握る形で身体の中心によせて少女のシャツをたくし上げる。形の良い乳房が重々しくゆれ、間に挟まったエプロンをそのまま保持する。

 右手で片方の乳房を持ち上げ、固くなった先端を指で転がす。その刺激に思わず悩ましげな声を上げる少女から顔を離し、胸元へ顔を埋める。先端を舌で舐め、転がし、吸い、甘噛する。一つ一つの動作に官能の声を上げる少女は俺の首から手を離し、自分の指を噛む事で声を我慢しようとした。

 それは許さないと、もう片方の乳房も手を伸ばし中央に寄せてその両側の先端を同時に責める。

 刺激が増して少女の声が更に高くなり、背が仰け反る。顔に突き出される格好になった乳房に埋まり、その肌を強く吸う。顔を離せば俺の証と言わんばかりの痕が付いていて、昏い征服欲が満たされる。

 こんな感情は少女の為では無いのに、結局俺は己の欲望に従っている。

 そんな事は所詮些事なのだと、己の欲望は少女の膣内を望んで硬く反り返っていた。少女の愛液に濡れて透けてすらいる下着をズラし、了承も得る事無く突き入れる。その刺激に一際高い声を上げる少女を無視して、腰を振る。

 ただ己の快楽を求め少女を貪る、その悦楽に脳髄が焼かれている。ただ、なけなしの理性が己の中の性魔術を使用させる。

 己の欲望を、触れ合う肌を通して少女の身体に魔力を送る。本来少女にとってこの行為は栄養補給と同じなのだ、ならば少しでも彼女の身体の為にしたい。

 俺から送られてくる魔力に気付いたのか、少女は熱に浮かれた様に俺を見てくる。蕩ける様な眼差しは、何処か慈愛を含んでいるように見えた。きっと、俺の思い込みだ。

 欲望から伝わる快楽に身体の支配を奪われる、もっともっとと刺激を求め腰の動きが速くなっていく。

 直ぐに限界を迎え、欲望が全てを放とうと膨らむ。しかし、最後の最後に理性は腰を引き、少女の膣内から外に出た。

 瞬間、膣内と外気の差に曝された刺激で欲望は放たれた。

 少女の腹部とエプロンを裏から汚し、濃い白濁が少女の腹を伝う。

 少女は再び腕を首に絡めて、首筋に犬歯を立てる。鈍い痛みと血が抜ける虚脱感。その後滑らかな刺激を与えられる。

 

 マーキング、夢魔の血に宿る求愛行動。

 

 その事実に意味も無く泣きそうになる。ありとあらゆる物を与えて、自分に依存させるような事をして、少女に求めさせる。

 それを卑怯と言わずに何と言うのだ。

 虚脱感と射精後の冷静さで状況を見る、シンク周りは二人の体液で酷い事になっている。掃除しなければならない。

 しかし、俺の首に腕を回したまま少女は耳元で囁く。

 

「おふろ、いっしょしよ」

 

 抜けきれない熱がその声には有った。

 

 一人ではやや広く、二人では少し手狭。我が家の風呂を表現するならそうなるだろう、この広さは両親の趣味だ。

 何と無く、俺が居ない頃には二人で入っていたんだろうなと察せられるのが両親の性行為を覗いた感覚に近くて嫌になる。

 が、結局自分も少女と二人で入ってる事から結局血は争えないと言う事なのだろう。

 我が家の血には浴場で欲情する因子が流れているのだ。最悪過ぎる死にたい。

 

 そんな俺の身体を、少女が洗ってくれている。

 

 普段から世話になっている礼だとそう言って、半ば強引に洗って来たのだ。

 今は腕と腋をボディソープを含んだ硬めのスポンジで擦っている、物理防御の影響で肌が強いからある程度硬い物で擦らないと肌の角質が落ちないのだ。こんな所で作用せんでもいいだろゲームシステム。

 

 鏡越しに少女を見る。

 

 邪魔に成らないよう、頭には小さなタオルを巻いて髪を纏めている。

 身体にタオルを巻くことはせず、形の良い乳房が力を入れて腕を動かす度に揺れている。その下に続く腹と腰は細く、しかし尻から太腿は肉が乗っている。探索者としての筋肉を下地に、女性の丸みを持った一つの究極とも言える女体がそこに有った。

 残弾の残る下半身は悲しいかな、鏡越しに少女の身体を視界に入れた時点で臨戦態勢を取っていた。俺のバカ。

 

「はい、腕終わったから次は背中ね」

「……あぁ、頼む」

 

 何処か楽しそうな少女の声に力無く返事し、今はこの天国にして地獄の時間が終わる事を切に願っている。

 そうして、少女がボディソープに手を伸ばしたのは見えたがそれ以上視界に入れると理性が飛びそうだったので目を瞑って俯いた。

 何か、ピチャと言う感じに粘度の高い音が背後から聞こえてくる。何故そんな音がと疑問に思っていたら背中に柔らかい感触が2箇所に広がった。その柔らかさの中心にはやや硬い突起があり、それが擦れてこそばゆい。

 

「って、お前何してんの!?」

「んっ、特製のスポンジでっ! 背中洗ってる、の! キモチイイっ?」

「いや興奮するってそうじゃ無くて!」

 

 勃っているので立てません。

 と冗談でも無く、痛い程に勃起した下半身で身動が取れない。一度射精した後だと言うのにこの状態、少女の体質が関係しているかも知れない。

 肌を通して性魔術が使用されている可能性。

 

「んふふ、『性魔術』に夢魔の癒しって言うのが出ててね? 傷とかを回復させられるみたいなの」

「マジで知らん能力生えてきた」

 

 少女なりに俺の身体を癒そうとしてくれているのは分かるが、やり方がいやらしくなるのは何なんだろうか。

 

「お客様ぁ、かゆいところは有りませんか?」

「背中全体がこそばゆい……」

 

 そう言う店の真似事なのか、妙な口調で声を掛けてくる。俺の身体に腕を回し、強く押し付けて擦ったり、自分で乳房を持って上下に動かしたりと自身の快楽も得ようとしているらしい。

 

「次は前、洗っちゃいますねぇ」

 

 背中から感触が消えたかと思えば、目の前に回っていた。惜しげも無く曝された身体から発せられる魅力は暴力的で、脳髄が焼き付く様な劣情が湧き上がる。

 少女が、俺の肩に手を添えてゆっくりと腰を落として行く。雄の先端が少女の入口に届いた時、理性がキレた。

 少女の腰を乱暴に掴み、そのまま力を入れて最奥まで雄を届かせる。

 

「や、あっまって……私が、するのぉ」

 

 まともに声を出せない少女が俺の動きを止めようとしてくるが、そんな事は関係ない。

 無理矢理その口を唇で塞ぎ、乱暴に腰を動かす。

 

「なんなんだよ、お前……何なんだよ!」

 

 自然と口から言葉が漏れる。虎熊の父へ語った時、いやそれ以上の熱量の感情が口から溢れる。

 

「俺の気も知らないで!」

 

 乱暴に腰を叩き付ける。仰け反る少女の鎖骨を甘噛すれば、高い声がでる。

 

「何時も理性の箍を外しに来やがって!」

 

 腰を叩き付ける。何時もマーキングされている箇所と同じ所へ痕を付ければ、また甘い声が聞こえた。

 

「大切にしたいって思ってるのに!」

 

 腰を叩き付ける。しなだれかかった少女は、俺の首筋を噛んでくる。

 

「お前が幸せになって欲しいって願ってるのに!」

 

 腰を叩き付ける。勢いが頭頂にも届いたのか、髪を纏めていたタオルがほどけ髪が広がる。

 

「お前が好きなのに!」

 

 腰を叩き付ける。少女は力が殆ど抜けているのだろう、それでも懸命に俺へとしがみつく。

 

「なのに俺はお前を手放したくない、幸せに出来るかも分からないのに!」

 

 腰を叩き付ける。少女は俺の頭を抱き締めていた。

 頭を包む温もりで涙が出て来た、結局俺は動きを止めてしまった。嗚咽が口から漏れる。

 

「……私は、さ」

 

 少女の弱々しい声が頭の上から降ってくる、俺の行為と言葉が彼女をどれだけ傷付けただろう?

 

「私はずっと弱くて、誰かに守られて無いと生きてられないの」

 

 それは、少女がずっと抱えて来た思いだろう。

 

「家族が守ってくれていたから良かった。なのに、お父さんとお母さんは奪われちゃった」

 

 あの雨の日、父の死と母への凌辱を声を殺して見続け逃げ延びた少女の心は壊れていた。

 

「そうして君が来てくれた」

 

 偶然通りかかった俺が、同じ独りぼっちの少女を見付けた。

 

「君は私に温もりをくれた」

 

 最初にしたのは風呂に入れる事。

 

「君は私に命をくれた」

 

 次にした事は飯を食わせる事。

 

「君は私に優しさをくれた」

 

 その次は抱き締めて一緒に寝た事。

 

「君は私に力をくれた」

 

 少女が一人でも生きれるように武器を用意した事。

 

「私に向き合ってくれた」

 

 少女が衝動に襲われた時、喰われた事。

 

「全部、私が君を好きになる理由」

 

 顔を上げれば、涙が溢れそうな、困った様に眉を寄せた笑顔で俺を見詰める少女。

 スッと近付いて、額を合わせる。

 少女の顔は何処か、母親が子供に言い聞かせる物に似ている。

 

「君が私を好きになってくれるって思って無かった」

 

 それは彼女の弱音。

 

「君に見捨てられるのが怖かった」

 

 それは彼女の恐れ。

 

「君が居なくなるのが耐えられなかった」

 

 それは彼女の執着。

 

「君が居なかったら私が生きる意味なんて無いよ」

 

 至近距離で目を合わせる。

 

「言ったよ、君が死んだら後を追うって」

 

 確かに言われた。俺は深く考えず彼女に生きていて欲しいから、死ねないとそう思った。

 

「俺はお前に生きていて欲しい」

「なら君も生きて」

 

 俺の言葉に即答する少女。

 

「……はは、なら互いに死ねないな」

「うん、死ねないね」

 

 俺の苦笑いに、満面の笑顔を返す少女。差し出された手を取れば、指を絡める様に握ってきた。

 何方から求めたかも分からないキスをする。

 

「……なぁ、今何したお前」

「フフン、性魔術の一つ誘惑の口付けって魔法」

 

 問答で硬度を失っていた愚息に、再び活力が巡る。

 さっきまでの感情が台無しなんだが?

 

「そう言えば言い忘れてたけど」

 

 少女は悪戯っぽく笑う、夢魔と言うよりも小悪魔な笑みだ……血筋的に間違っては無いが。

 

「私、君になら乱暴にされるのも好きなんだ」

「俺以外の相手居たのか?」

「居ない!」

 

 力強く答えた少女に思わず笑ってしまう。

 

 一度相棒を抜いて、少女を浴槽に手を付ける様に促す。此方へ臀部を突き出す様な格好にさせる。

 片手で腰を掴み、もう片方の手で反り返る愚息を少女の入口に当て一気に突き入れる。

 反り返る先端が少女の内壁を擦る。腰を打ち付けた衝撃で少女の乳房が揺れた。一度腰を引き、再度突き入れる。最初は間隔を長く、少しずつ短くなっていく。

 独りよがりの行為かも知れない、そんな不安は残る。が、少女の膣内がそんな思考の余裕を奪っていく。

 背後から少女に被さる、手を陰核と乳房に指を添えて刺激を与える。刺激に耐えられなくなった少女が嬌声を上げ、その声で更に雄が昂った。

 最早限界へと至って、少女を背後から抱え上げる。己の腰に少女の体重が掛かり、その重さの分奥へと届き思い切り射精した。

 腰が震え、少女を逃がすまいと抱き締める。

 鏡に映った少女の顔は、満足そうだった。

 

 

 

「で、前に頑張って外に出してたのに今回は中に出したんだ?」

 

 揶揄する様に声を掛けてくる少女、浴槽の中で俺に背中を預けるように寄り掛かってくる。

 

「前はお前の気持ちに確信無かったし、酔った勢いだと後悔しただろうからな」

「ふぅん、もう良いんだ?」

「あぁ、出来たら責任は負う。育てるのも堕ろすのも好きにしていい、金は全額持つ」

「なんか自棄になってない?」

 

 少女の問に答えるも、何処か不満そうだ。浴槽の縁に置いていた俺の腕をとり、身体の前で重ねる。柔らかい感触が伝わってきた。

 

「半ば自棄だよ。お前が離れて行った時の覚悟を、そのまま一生側に居る物に変えたからな」

 

 何と無く前に回った腕を引き寄せて、少女を胸の中に収める。

 少女は完全に背中を預け、俺を胸元から見上げてくる。

 

「ふぅん? 結婚とかしてくれる?」

「お前がその気で居てくれるなら」

 

 正直、俺自身にはそう言った願望は無い。しかし、少女が望むならその形を取ろうと思う。

 

「んーふふ、結婚とかしても今と変わらないからなぁ」

「名前と言うか、苗字が変わるだけだしな」

 

 この国は夫婦同姓が一般的で、互いの姓を名の一部に入れる。

 虎熊の国だとまた変わりそうだが。

 

「そう言えばさ、トラッちゃんが居ないと寂しいって言ってたじゃん?」

「まぁ、偶にお前と居ても寂しくなるって言ったかもな」

 

 感情のまま吐き出していた時の事だろう、正直何を言ったか曖昧なのだが。

 

「いつか、トラッちゃんも離れちゃうかも知れないじゃん?」

 

 彼女も名家の生まれだから、何れそうなる時が来るだろう。

 それは、いつか来る未来。

 

「その時はさ、寂しくさせないように私が頑張るよ」

 

 意味深に下腹部をおさえて少女はそう笑った。




くぅ疲れました! コレにて『チュートリアル』完結です!!

と言う訳で、正ヒロインは同居人の少女となります。
自分にはハーレムを書く技量は無いのでそうならないと思います、異性の友達は居るかも知れませんがが。

宣言通り、本日の23時59分をもってアンケート第二弾を終了します。
投票して下さった皆様、ご協力ありがとう御座いました。

主人公とヒロインの容姿ってしっかり書くべき?

  • 見せてみろよお前の癖。両方に要る。
  • 理想の男と女を妄想してるから要らネ。
  • どんな女がタイプだい?
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