既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
何とか描き終えた……三人称は向かないなコレ。
コレにて断章/ロニセラは終了です、次からは現代時間軸へ戻ります。
翌朝、タタラは目覚めた視界に肌色とピッタリくっついた肌の影が入った。
鼻呼吸をする間、花の様な甘く優しい香りを感じそのまま二度寝したくなると言う思考に至る。
が、目前の光景が何なのかと好奇心が勝り顔を上げた。
目と鼻の先に、至上の芸術作品が如き美貌が在った。
伏せられた目、そこから伸びる睫毛の長さ。ほんの僅かに開いた口から見える歯の白さなど普段気付かない様な事に意識を吸われる。
最初に目に入った光景は、自身を抱き締めている美貌の持ち主エテルの胸元だったのだ。
再び其処へ顔を突っ込んで思い切り鼻呼吸したい。
このまま服を脱がせて行為に入っても許されるだろ。
等と欲望が首をもたげる。
そんな時、タタラの脳裏に二つの思考の具現化が現れた。
一つは天使、頭上に天輪と背に白い猛禽の翼を生やしている。
一つは悪魔、頭に角と背に黒い蝙蝠の翼を生やしている。
【おうおう、此処で我慢するとか男が廃るだろ? その後待ってるのが木乃伊になる死だろうが、最初で最後の相手がこんな極上な女ならいいだろう?】
悪魔は誘惑に乗れと告げる。その後に確定の死を示して。
【お止めなさい、貴方の行動で彼女の身を傷付け貴方の死で彼女を更なる絶望へ落とすのは】
天使は止まれと諌める。確定した死とその後の彼女の絶望を示して。
何方にしても死が待っていると言う結論である、詰んでるのではないだろうか?
そんな中にロボットっぽい第三のタタラが現れて一言。
【結局死ぬなら手を出さなければいいのに】
デリカシーの無さそうな口調でそう言った。
ただ、タタラにとってはこの言葉で多数決が【手を出さない】に傾いた為なんとか正気を取り戻せた。
落ち着く為に息を長く吐く、それが肌に当たり擽ったかったのかエテルが悩ましげな声と共に身を震わせその豊かな乳房が揺れる。
瞬間、理性を司る天使とロボが悪魔に殴り倒される、しかし揃って起き上がった両者が挟み込む様に悪魔の頸へクロスボンバーを決め床へ沈める。この戦い、理性の勝利だ。
「んに……たたら?」
自身の理性の勝利を称えていると、エテルが目を覚ました。
タタラが挨拶を口にしようとした時、エテルは子猫のように顔を近付けて頬を当ててくる。
滑らかな肌が頬に触れ、すりすりと頬擦りされる。その極上のリネン生地を越える肌触りは、しかし鉋の如くタタラの理性を削った。
脳内では起き上がった悪魔が天使とロボの首を掴み持ち上げている。暴れる二人の足が当たっても悪魔は小揺るぎもしない。
タタラの理性は溶けて、左手を腰に当て下着を脱がせようとし右手をシャツの下に入れその乳房を掴もうとした。
瞬間、インベントリ内から凶悪な殺気が放たれタタラを打った。
脳内の悪魔の背後から覆面を被ったバーラルが現れ、延髄斬りを叩き込む。崩折れた悪魔にキャメルクラッチを仕掛けその背骨を折りに掛かった。何度もタップをしたが無視され、やがて動かなくなる悪魔。父親の怒りが勝利である。
正気に戻ったタタラは腕の動きを修正、右手をエテルの後頭部に添え左手で背中を優しく叩く。
その感触で本格的に目を覚ましたエテルは自らの行動に羞恥を覚えタタラから離れる、バーラル様々であった。
仮にこの場で我慢出来なかった場合、エテルはタタラの子を孕み学園も進学せずお嫁さんになる未来だっただろう。
其処に幸せが有ったかは分からない、既に潰えた未来である。
「おはようエテル」
「お、おはようタタラ……私顔洗ってくる!」
タタラに挨拶を返したエテルは慌てて部屋を出て行く、捲れ上がった裾から下着が見えるのが何とも健康的なエロスである。
エテルが出ていくのを見届けて、タタラも立ち上がる。
インベントリから一冊のノートを取り出す、物は昨夜持ち帰ったバーラル家のレシピである。
軽く目を走らせて見付けるのは二つのレシピ、内容は『スクランブルエッグ』と『オニオンスープ』だ。
高級な具材の再現は出来ないが、調味料の分量さえ分かれば近い物は出来上がる。エテルの心を癒すために少しでも出来る事をする、タタラの頭に有るのはその事が大半だ。
「お待たせ、タタラ」
洗顔を終えてリビングへ来たエテルは、部屋の中を満たす匂いに期待が高まる。
そんなエテルに気付いたタタラはやはり笑みを向ける、エテルが好きな月の光の様な笑み。それが見れただけでもエテルは今日も大丈夫だとそう思えた。
「ああ、席についてくれエテル。今日のはちょっとした自信作だ」
そう言って並べられる皿の上に乗っているのはスクランブルエッグとレタスのサラダ。そしてオニオンスープの注がれたカップだった。
エテルの好きなメニューだ、料理の好きなお母さんがよく作ってくれた朝のメニューの定番。
その事が少し胸に痛みを感じさせる。
以前のように泣いてしまうかも知れない、そう考えながらもエテルはいただきますと挨拶をしてスクランブルエッグを掬って一口含んだ。
口の中に広がったのはバターの香ばしさ、その後に続く玉子の味わいと牛乳のコク。甘く味付けされる中にもそれを引き立たせる為に加えられた塩気、表面は固まっていたのに内側は半熟でトロリと舌を卵液が包む。
エテルが良く知る味付けそのものだ、焼き方もお母さんのに比べればやや火が通っているがそれでもエテルの好みの範囲内だ。
エテルは驚きつつ、オニオンスープに口を付ける。まだ煮込み時間が足りないのだろう、玉ねぎの甘味が完全に引き出されてはいない。しかし、中に入っているみじん切りにされた人参や調味料のバランスがエテルのお母さんのレシピそのものである事が分かる。
涙が止まらず、それでも次々に口へ運んでいくエテルを見て満足そうなタタラ。カップのオニオンスープを一口飲んで、昨日エテルがインスタントのオニオンスープを美味しくないと言っていた事に納得する。
味の深みが違い過ぎるのだ、確かにコレに慣れていればエテルも嫌がるだろう。自分のコレもまだまだ本来の味に遠いだろうがそれでも明確に違いが分かってしまう。
「タタラ、コレ……」
食べ終わったエテルが涙をそのままにタタラに問う、対してタタラはインベントリから複数のノートを取り出しテーブルの上に置く。
「昨日の夜中、ちょっとエテルの家に行ってな。レシピノートとか、ご両親の日記とかが回収出来たんだ。受け取ってくれないか?」
そうして差し出したノートへおずおずと手を伸ばすエテル、手に取り中を読み涙が次々に流れていく。
「お母さんの字だ……」
紙面を指でなぞりながらそう呟くエテル、その姿に少し無理をして良かったと思うタタラ。
そうして暫くの間エテルがノートを読む姿を眺めていたが、エテルはノートを閉じタタラに真っ直ぐ目を向ける。
「ありがとう、タタラ。お父さんとお母さんのノート、確かに受け取ったよ。私は、貴方に何を返せばいいかな?」
少し、エテルの喋り方が変わった。発音から幼さが抜けた、そうタタラは感じた。
「俺から望むことなんて無いさ」
「それは……」
「強いて言うならご両親の分も確りと生きてくれ、他は特に無いよ」
「……そう」
エテルはタタラの言葉に少し気落ちする。
タタラが感じる様に、エテルはノートのおかげで精神が本来の物に近付いている。その為、タタラが時折自身に向ける情欲の視線の事も理解出来ていた。
しかし、タタラはエテルの身体を求めない。今朝の一幕でタタラの手が自身に性的な接触をしようとしたのだと、振り返って理解出来た。しかし、直前になって
まだ精神が退行してる最中の自分があの時に行為を求められたとして、受け入れただけだろうとエテルは予想する。結果として精神があのまま固定され、半ば愛玩人形の様な立場に堕ちただろうともエテルは予想している。
問題としては、今のエテルもそれを悪くないと思っている事だろうか。タタラと言う人物と僅かな時間しか過ごしていないと言うのに完全に信頼してしまっている。
正直な話、エテル・ネル=バーラルはタタラ・ジュロンに恋をしてしまったのだ。
そしてタタラはエテルの信用を裏切らない、そんな確信を得てしまっている。
仮に裏切られるとしても、自身から両親を奪った貴族に差し出すなどの行為は絶対にしないだろうと思っている。
せいぜいが身体を求められる程度だろう、それですら現状エテルには嫌悪の対象になり得ない。
「そう言えば聞きたい事があるんだが」
タタラの問い掛けに、エテルは視線を向ける。
エテルにとってタタラは何かを求めてくる印象は無い、与えてくれる存在として認識している。
そのタタラによる確認、それが自身に何を意味するのかエテルは身構える。
「エテルは学園をどうするんだ?」
どうする、という漠然とした問い。
エテルにはもう税金を納めてくれていた親はなく、自分で納税しなければならない。
学園への授業料が必要になるのは高等教育課程からだが、中等教育課程ならまだ税金の範囲内で支払う義務が有る。
しかし、エテルは働いた事がない。
ダンジョンへもお父さんから許可を貰えず、荷物持ちすら経験が無い。
学園が斡旋するバイトも有るが、今のエテルでは対人関係が上手くいかない。両親の死を目撃し、それを行った人種への接客に拒絶反応が出るのだ。
タタラを除いて男性への接触は危険だろう、今はまだタタラが確認していないがエテルのステータスはとても低い。襲われたら抵抗が出来ないのだ。
ならばどうするか。
「出来る事なら通いたい、かな」
「うん、それなら課程は?」
「探索者」
強くなる為に勉強するしかない、問題は授業料だ。
「タタラ、お願いが有るんだ」
「……授業料について、か?」
「うん、貸して欲しい」
エテルの言葉に、タタラは思考を回す。
授業料を貸すのは問題無い、タタラは両親の遺産も有るが店の商品をそこそこ売っている。固定資産税を払っても貯えが出来る程度には稼げるのだ。
更に言えば、高等教育課程の授業料は免除を都市長から言い渡されている。何なら卒業したいなら一声掛けろとタタラにとっては意味の分からない言葉も貰っている、現在個人では最多の特許を持つタタラだがそれは初等部から中等部の間に作った物だ。
高等教育課程では別の物が必要だとタタラは思っている。
そんなジュロン家は人一人くらい高等教育課程の授業料を肩代わりする程度は問題が無い、しかしそのまま貸すのはエテルに心的な負担を課すことになる。
「条件が有る」
「条件……」
「ああ、教育課程中を含めて5年間で返済してくれ」
「5年で?」
「ああ、5年。現金でも等価の現物でも良い」
「もし、出来なかったら?」
「探索者をスッパリと諦めて店の手伝いをしてくれ、払う給料から天引きする」
「……そんなのでいいの?」
「ああ、それでいい」
タタラの言葉はエテルにとっては渡りに船ではある。
学園の奨学金制度と比べて返済期日は短いが、授業料は2年間で500万程だったとエテルは記憶している。
20階層まで潜れる実力を得られれば、1年以内に返済出来ると言われる額である。何なら、ミスリルのインゴットを幾つか見付ければ返済出来る。
仮に探索者として大成は出来なくても、タタラの店に雇って貰えるのだ。エテルにとっては好条件でしかない。
「あ、住むところ……」
「この家で良いなら、学生の内は家賃月2万でどうだ?」
「本当に良いの?」
「ああ、その分返済額に上乗せして貰えればな」
タタラは言葉を発した後にニヤリと偽悪的に笑う。
エテルとしては、別のモノを求められても応えたと思っていた。が、わざと悪役風に振る舞うタタラの優しさを受け入れた。
「分かった、それで契約を結ぶよ」
「なら、後で書面出さなきゃな」
少しだけ安堵の表情になるタタラを見て、エテルは疑問に思う。困っているというだけで何故これ程までに助けてくれるのだろうか?
仮にその問いをこの場でしたならば、タタラは責任からと答えただろう。手を伸ばした責任、人生に関わった責任だと。
あの日、出会ったのがエテルであるだけで別の相手でも躊躇わずタタラは手を伸ばした。その事実をエテルがこの場で確認しなかった事は彼女にとっての幸運だったのだろう。
「で、探索者って事だが」
「え、あっうん」
「スタイルはどうなんだ?」
「え、スタイル?」
「ああ、スタイル」
タタラの頭の中には、エテルの装備に付いての案が練られている。バーラルの霊核と両親の魔力が込められたミスリル、この2つを使う事は確定だ。武器か防具にするとして、エテルの戦闘スタイルによって用意する物が変わる。
「……それは、重要なの?」
「え、そりゃ勿論」
「……分かった」
エテルはタタラの言葉を咀嚼する。スタイルを聞かれたと言う事は、装備に関する事なのだろうと当たりを付ける。
タタラは見るからに戦士と言った肉体をしているが、家の設備はクラフトに関していたり手を入れられていたりと彼の本質がクラフターである事を示している。
つまり、自分の装備を作る上で必要なのだと判断した。
「あの、少し恥ずかしいんだけど……」
「そうなのか?」
「うん、あのね……」
顔を赤らめて息を吸うエテルに、疑問符を浮かべるタタラ。
そして意を決した様子でエテルは口に出す。
「身長が157cm、体重54kg。上からアンダー70のDで」
「待て待て待て待て!?」
戦闘スタイルを聞こうとしたタタラに、自分のスタイルを答えようとするエテル。
ヒドイすれ違いであった。
「どうしたの? 恥ずかしいけど……重要、なんだよね?」
「俺が聞きたいのは探索者としての戦闘その他のスタイルだ!?」
真っ赤になりながらエテルの言葉を否定するタタラ、頭の中ではエテルの胸を見て【アレがDカップ……】等と思春期らしい思考が回っている。少し後には更に成長する事をこの時のタタラは知らないが、育つ理由はこのタタラ本人である事を言っておく。
「え、戦闘スタイル?」
「探索者でも色々有るだろう? 斥候とか近接とか魔法とか色々」
「え……」
エテルはこの言葉に固まる、ダンジョンをお父さんから許されなかった故にその辺りの知識が足りていないのだ。
とは言え、その辺を言及出来る中等部などタタラを抜かせば何人もいないのだが。
「……その、分からない」
「分からない、のか?」
「私、お父さんからダンジョンに入るの禁止されてたから」
「つまり、ステータスや気質からどの武器が合うか分からないと」
「うん……」
「そうか」
タタラの言葉を聞いて、俯くエテル。
そんなエテルを見たタタラは告げる。
「なら、何が合うかを探すか」
「え?」
「さて、一通り持ってきたから気になるヤツを選んでくれ」
「どう言う事なの……」
エテルを庭先に促したタタラは、庭の一角に有る武器の試用スペースで基本となる武器を一通り揃えて差し出した。
エテルはタタラが自分に協力する背景がよく分かって無かったが、探索者として必要な事を教えられるのだと理解は出来た。
しかし、展開が早すぎて頭が追い付かない。
「エテルのステータスが分からないからな、得意武器の特性を知って専用に弄るにしても身体の使い方如何では合う合わないは有るし」
「……そう」
エテルはタタラと言うか、クラフターの事がよく分からなかった。とは言え、探索者としてはモンスターを討伐する事が稼ぐにしても重要になる事は理解している。
そして意を決して、剣に両手を伸ばした。
「先ずは剣……っ重い」
「あの、両手で持とうとしてるところ悪いんだが……それ片手用」
「……」
この時、タタラの頭の中に浮かんだ予想は【ナイフ以外無理じゃね?】なのだった。
それから数十分、両手と膝を地に付け息を荒げるエテルが居た。
「いや、流石にコレは……」
「た、タタラ! 私のスタイルって分かった!?」
「正直、現状は探索者が無理って感じるんだが」
「そんな……」
タタラの言葉に絶望の表情を浮かべるエテル。
案の定、エテルの低い物理攻撃力から算出される筋力は低く持てるのはナイフと弓と杖そして魔導銃の四種だ。
だが、ナイフは突き立てるにも切り裂くにも諸々足りず。
弓を引くにも力は足りないし胸が邪魔になる、弩は重くて構えられない。
杖を持っても元の魔法攻撃力が低くて低位の魔法も覚えられない。
魔導銃は握れるが、物理弾頭では撃った瞬間反動ですっ転ぶ。
此処まで来ると騎士カラムスに戦闘の才能無しと直接言われたタタラの方がマシまで有った。
「ジュロン、その娘に近接戦闘は無理だ。魔法も銃も無理なら家を守らせた方がいいぞ」
タタラがこんな感じで言われたな。等と思っていた所、それが肉声だと気付いて慌てて顔を向ける。
そこには呆れたような表情をし、私服らしく簡素な格好をした騎士カラムスが居た。
「か、カラムスさん!?」
「呼び掛けても出て来ず庭から何やら声が聞こえてな、不躾で悪いがお邪魔させて貰った」
特に悪びれた風も無く言う騎士カラムスだが、彼女としては早急にタタラへ言わなければならない事が有るので急いでいたのだ。
そして見知らぬ相手が現れた事にエテルは驚き、タタラの背に隠れてしまう。
その姿を見て、エテルと言う少女の心の傷を察する騎士カラムス。用件は本当に急がねばならないと判断した。
「お前に依頼した武器、直ぐに必要になる」
「……分かりました、一緒に工房へお願いします。エテル、この人は大丈夫だから君も一緒に来てくれ」
騎士カラムスの雰囲気に思考を切り替えたタタラは、エテルを促し即座に工房へ向う。
三人が揃った工房にて、タタラは作業台に次々と素材を並べながらカラムスに説明を開始する。
「先ずは武器の種類は魔導剣と言う事に決定しました」
「それは我が主とのやり取りを聞いていて理解している」
「刀身は形状記憶合金で形成します」
「ソレも分かっている」
「刀身はカラムスさんが流す魔力によって3形態に変化します」
「ソレが分からん」
「形態は通常の片手直剣、刃を維持しながら延びる鞭形態」
「うむ、あまり見慣れぬがまぁ納得出来る」
「刀身を無数の鋼糸に分裂する殲滅形態」
「うむ、意味が分からんな」
「刀身によりカラムスさんの意思が通りやすくなるように安価な手段として柄を疑似オリハルコンで作成します」
「理解出来るかギリギリだな」
「その触媒として、髪を一房と血を少々頂きたいのですが」
「まぁ納得出来るな、いいぞ」
「都市長からは【変形時に格好良い言葉を必要とするように】と仰せ付かってます、先に特定の言葉を設定して下さい」
「悪ふざけなら嫌だが?」
「誤作動を起こさないよう、安全装置として必要と予想します」
「くっ、新機軸の機構だからか」
「ご納得頂けましたか?」
「理解はしたが納得したく無い」
「ある程度納得出来る物なら良いと思いますが」
「……ジュロンならどうする?」
「え、そうですね……【抜剣】【展開】【解放】でしょうか?」
「ならそれで頼む」
「え」
「それで頼む!」
「あ、はい」
「他には有るか?」
「今の剣とバランスを同じにしたいので貸して頂けると」
「……本来の武器に合わせたいと言ったら出来るか?」
「物が有るなら解析して後からでも合わせられますが」
「分かった、今日明日は無理だが後日調整を頼む」
「承りました」
「コレが今の剣だ」
「……いい剣ですね、傷の付き方が誰かを守って来たそれだ」
「分かるのか」
「コレでもクラフターの端くれですので」
「そうか」
「鑑定しましたのでお返しします、超特急で作りますが仕上げには手伝って貰いますよ?」
「構わん、どれくらいで出来上がる?」
「3時間で形にします」
「意味不明過ぎる」
なお、此処まで発言していないエテルは二人の会話の速さで目を回している。
タタラは特殊な作業台の前に立ち『クラフト』スキルを稼働させる。作業台の数カ所に描かれた魔法陣が励起し、作業台を魔力の膜で覆う。
膜の内部に置かれていた素材が浮かび上がり、その配列を変える。刀身に当たる形状記憶合金、刃と柄を接続させ内部の機構を稼働させる大型の魔石、使い手と武器を繋ぐ柄になる疑似オリハルコンの順番だ。
更に、騎士カラムスから提供された毛髪と血液が分解され素材に均等に混ざっていく。本来は錬金術の領分なのだが、この特殊な作業台はそう言った複数の作業を一つでこなせるようタタラが作った物だ。
「すみません、騎士カラムスにお願いが」
「なんだ?」
「俺が製作に掛かりきりになる間、エテルに稽古をお願いします」
作業台から一切目を離さず、タタラは騎士カラムスへ頼みをする。そして、それは騎士カラムスにとっても目的に沿う頼みだった。
「ふむ、何を教えればいい? ハッキリ言って武器を扱う才能がほぼ無いぞ?」
「はうっ」
騎士カラムスの言葉に自覚していたエテルはショックを受ける、言われても仕方ない事では有るがストレートに言われるのは傷付くのだ。
「銃を」
「銃か」
「はい、アレは弱者の為の武器です」
そんなエテルの様子を無視して、タタラは武器を選択する。
武器を試した後疲労の中で、魔導銃の疲労は魔力の消費で他と方向性が違う。そんな魔力を消費した際の特殊な疲労をほぼ見せなかったエテルに、タタラはその魔力総量が非常に多いのだと予測した。そして、この予測は合っている。
「分かった、物はあの場所に有った物で良いのだな?」
「はい、完成品は完全な別物になりますが基本の撃ち方は変わりませんので」
「委細承知した。エテル嬢、試用のスペースへ行こう。銃の基礎をみっちり叩き込む」
「へ? あの……た、タタラ!?」
「探索者として生き残る為だから諦めて」
エテルは騎士カラムスに連れられて試用スペースへ連れて行かれる。
そこからタタラの集中力が数段増した。
刀身になる形状記憶合金を厚みのない魔法陣が囲んでいく、ただの板だったそれが長さや厚みに形状を変え刀身となっていく。
刃はこの後研ぐので無視、次に刀身を延性に合わせて延ばす。
元は90cm程だった刀身がそのまま4倍程に長さを増す、それを最長として定め持ち手の意思により10cm刻みで長さが変えられる様に術式を刻み込む。
最後に鋼糸形態は魔力伝達と硬度をギリギリ保てる細さである0.05mmに設定した、鋼糸は形状記憶合金の特性により魔力の波長で自由に稼働する様にする。
次に細かい調整が必要な柄に取り掛かる。
先程決められたパスワードである【抜剣】【展開】【解放】を設定し、更に思考による形態変化も盛り込む。
そのままでは鋼糸状態の形状記憶合金の許容魔力量を越えうる可能性が有るので、柄には魔力の制御弁としての役割も付ける。
コレで戦闘中、操作に細かい意識を割かなくてすむ筈だとタタラは頷いた。
刃と柄を繋ぎ、魔石の魔力を使って接続部を融合させる。本来違う性質を持つ金属同士を完全に溶け合わせ一つの新たな材質に変えるこの作業は、タタラをして制御が面倒な部類であった。
その為、この作業だけでも他より時間が掛かった。
そうして、2時間で騎士カラムスの剣は雛形が出来た。
そこから刃を丁寧に研ぎ、剣として完成に近付ける。
宣言通り3時間、騎士カラムスの武器は形になった。
額に浮かぶ汗を拭い、庭先の試用スペースへ向う。
そこには泥だらけになりながらも歯を食いしばり、魔導銃を撃つエテルの姿が有った。
まだまだ発射の反動は逃がしきれていないし、的にも当たってはいないがそれでも一射ごとに転ぶ事は無くなっていた。
「お待たせしました」
「む、出来たのか?」
「形だけは、起動試験やその他は今からカラムスさんに頼りますけど」
「……本当に意味不明な速度だな」
「既存の技術のちょっとした応用ですよ、大した事は無いです」
「……既存の応用でも普通の剣でも一月は掛かると思うんだがな」
「勿体ぶってるだけで皆コレくらいは出来ますよ」
騎士カラムスの中には無理と言う言葉しか無いが、ツッコむのは止めておいた。
きっとこの剣も我が主が見たら発狂して特許にするんだろうなと変な確信が有った。
「此方に成ります、試して下さい」
「分かった、此奴の銘は?」
「まだ有りません、素敵なヤツをお願いします」
「私が付けるのか!?」
「この都市内だけでも貴女の相棒ですよ? 他に誰が付けるんですか」
「それこそお前とか」
「センス無いんで嫌ですよ」
「ふむ……仮に付けるなら?」
「えっと……『フィエルテ』とか」
「ならコイツは『フィエルテ』だな」
「はぁ!?」
「なんだ、変な意味なのか?」
「……古代語で『誇り』って意味ですよ」
タタラの言葉に満足そうに笑み、騎士カラムスは眼前に『フィエルテ』を掲げた。
「良い名前だ、騎士の剣に相応しい」
「あぁ、恥ずかしい……」
「お前は騎士に贈る剣の意味を『誇り』だと思ったのだろう、いい心がけじゃないか」
「やめて下さいよ……」
肩を落とすタタラを他所に、騎士カラムスは剣の握りを確かめ柄紐を結んでいく。剣に彫られた溝だけでは滑るだろうとの判断と、より手に馴染ませて迫る実戦に向かえる様にと心を定めるためだ。
「はぁ……早速機能確認をお願いします」
「分かった」
「では先ずは【展開】をお願いします」
「分かった【展開】」
騎士カラムスの声に応え、『フィエルテ』の刀身がしなりながら延びる。重さは重心が遠くなった分だけで、体積は同じらしいと感じる騎士カラムス。
「使い勝手を試して下さい」
「ふむ……ふっ!」
短い呼気と共に『フィエルテ』を振るう。刀身が跳ね、縦横無尽に宙を舞う。
的を切り裂き、貫き、縛りと様々な攻撃法を試していく姿は数十年振るっていなかったとは思えない程のキレだとタタラは思った。
「……いい剣だ、鈍ってしまった腕が情けない」
「……アレで鈍っていると?」
「全盛期の技量ならあの的は瞬きの間で破片も残さず切り裂けたさ」
「……化物過ぎる」
騎士カラムスとしては『お前が言うな』である。
「次は殲滅形態の試験をお願いします【解放】で」
「名前が物騒過ぎるだろ……【解放】」
騎士カラムスの言葉により、延びていた刀身が
「刀身が見えぬが、柄を通じて状態が分かるな……」
「剣技その他の応用はほぼ出来ませんが、思考制御で広域を切り裂けますよ」
「何なんだろうなこの胸に湧く思いは……」
騎士カラムスのそれは世に言う『理不尽』と呼ぶ物だと思われる。
「では、思考制御を試して下さい」
「ふむ……ふん!」
騎士カラムスは『フィエルテ』を前に突き出し、目を閉じ集中した後に攻撃の意思を乗せて前を見る。
瞬間、無数の風切り音が空間を満たした。
陽の光を時折反射する様は幻想的ですらあったが、空間内はまるで鎌鼬が発生したかの様にズタズタになっていく。
「……【抜剣】」
そんな中、唐突に騎士カラムスが『フィエルテ』を刀剣状態に戻し膝をついた。
「え、だっ大丈夫ですかカラムスさん!?」
「ああ……殲滅形態と言ったか、集中力と魔力の消耗がとんでもないぞ」
人間とは比較にならない程の魔力量を誇る騎士カラムスをして、『フィエルテ』の鋼糸での空間攻撃は相当な負担となった。
恐らく戦闘中有効に使えるのは長くても10秒と言うのが騎士カラムスの見立てだ。
「魔力消費量を見ます」
「いや、コレくらいの方が良い」
「ですが」
「頼り切りになれば技が鈍る、だからこのままだ」
「……分かりました」
「次は各形態変化の順番を自由に切り替え、と言ったところか?」
「はい、お願いします」
「ふふ、中々に面白いな」
騎士カラムスは新しい玩具を手にした子供の様に、手にした『フィエルテ』を振るう。
次々と技を繰り出し、それを組み合わせて洗練していく。
やがてタタラとエテルの目には完全に自然な動作で使いこなせている様に見える程、騎士カラムスは『フィエルテ』を自在に操っていた。
やがて舞踊にも見えた剣技の確認を終え、騎士カラムスはタタラと向き合う。
「気に入った、依頼通りだが想定以上の物を造ってくれて感謝する」
「いえ、お気に召したのなら幸いです」
「ふふ、では」
姿勢を正し、騎士カラムスの雰囲気が変わる。
コレは、軍神の教会にて神に騎士号を与えられた聖人の一人としての姿だ。
「我、軍神様に仕える騎士であるカラムスの名に於いて。工匠タタラ・ジュロン及びその保護下にあるエテル・ネル=バーラルを軍神の教会の庇護に置く事を宣言する」
聖人、神から力を分け与えられ永遠の命と絶大な力を持つ存在。聖女や勇者など様々な呼び方が有るが、軍神の教会は男女問わず聖人で統一している。
タタラの目前の騎士は神からその立場を与えられ、地上に於いて神の代行者としての権限を与えられている教会に於いて教皇に次ぐ程の立場を持つ者なのだ。
タタラと主の暴走に何度か胃を破壊されているが、聖人なのである。
この宣言は、同じ軍神の教会に所属する者へ聖印を使って流布される。この宣言を侵す者は、直ちに異端と判断されるのだ。
「ありがとう御座います、騎士カラムス卿」
「善き武器を造って貰った礼だ、気にするな」
深々と頭を下げたタタラに、優しい笑みを向ける騎士カラムス。そっとその肩を叩き、歩き出した。
「エテル嬢を守るのは貴様の役割だ、励めよジュロン!」
「はい、ありがとう御座いました!」
「あ、ありがとう御座いました!?」
一際大きな声で礼を述べるタタラにつられ、エテルも礼を述べた。政治的、宗教的な後ろ盾に気付いているかは分からないが、コレで彼女に手を出す事は難しくなった筈だ。
騎士カラムスは己の主の下へ向う、相手が軍神の教会の人間ならコレで動く筈だとそう確信を持って。
「……凄い人だったね」
「まぁ、アレでも都市内最強談義で必ず上がる人だし」
「そ、そうなんだ……」
「何故か俺と都市長が会話してると胃を押さえたりしてるけどな」
「仕方ないんじゃないかな」
エテルはタタラのクラフト現場を初めて見たが、熱量がとんでも無かった。
あれだけ矢継ぎ早に情報を出し、要望を確認すると言うのは普通は出来ないのだとエテルは感じた。
それを都市長と続けるのを隣で見続ければ、あの強い騎士さまの胃でも無理だろうなとエテルは思った。
「さて、次に移ろうか」
「次?」
「ああ……エテル」
タタラはエテルに向き合い、真っ直ぐ目を合わせる。
その真剣な表情に、エテルはドキリと胸を高鳴らせた。
「鑑定でエテルのステータスを見たいんだが」
「え、うん。良いよ」
「悪いな」
そうしてタタラはエテルに『鑑定』を掛ける。表示されるステータスに思わずギョッとした。
レベル 1/50
耐久力 45
魔力 100+51
技力 25
物理攻撃 5
物理防御 5
魔法攻撃 8
魔法防御 12
速力 20
運 40
移動力 4
余にも低い、魔力に何故こんな高い補正が入っているのかも理解不能だが魔力量に対して魔法攻撃が低すぎる。
物理攻撃の低さから考えても素の力が弱い事が分かる、更に言えば物理防御の低さと速力の高さが合っていない。
夢魔なら速力はこの倍に届いていてもおかしくない。
エテルの肉体は、夢魔族と悪魔族のハイブリッドだ。しかし、両親の特徴を悪い意味で受け継いでしまったらしい。
本来の悪魔族は強靭な肉体と絶大な魔力を保有する強大な種族だ。そして、夢魔族は肉体的な耐久力は低いが高い速力で相手を翻弄し精気を奪う。
エテルには魔力を除いて何方の特徴も無い。
「……分かったぞ、作る武器」
「え?」
この先レベルアップでどうステータスが上がるか分からないが、上層階とは言え一撃で敵を倒せる武器は持たせられない。
ならば、最低二撃で済むようにすれば良い。
消費魔力をそのまま弾丸にする構造、魔導銃の中でも稀有な物だが存在はしている。
エテル宛の形見でそれを作れば良いのだと、タタラは思考を至らせる。
「エテル、ちょっと手を良いか?」
「あ、うん……」
おずおずと手を差し出して来るエテル、その手を取り調べるタタラ。
突然の事に驚くエテルだが、真剣な表情で手を調べるタタラを見て硬直する。
真剣に向き合うその姿を格好良いと思ったエテルは、掌の大きさや指の長さに手首の関節の柔らかさを調べられている事が意識から離れた。
「ありがとうエテル、コレで確りと作れる」
「え、うん……」
「それと、悪いんだけど髪と血を少し貰えるかな」
「あ、はい……」
薄く微笑むタタラを見て、エテルはコレから何かとんでもない物を作るのではと戦々恐々とした。
先程、髪と血を差し出して凄まじい武器を手にした騎士を思い出したのだ。
工房に戻ったタタラと、何となく後ろを着いてきたエテル。
騎士カラムスの『フィエルテ』を作った作業机とは別の、更に複雑な作業台へと素材を乗せる。
バーラル夫妻の魔力が込められたミスリルと、エテルの髪と血。
エテルはミスリルから感じる魔力に驚きを隠せない。
次に別の装置を起動、その中心にインベントリから出したバーラルの霊核を据える。
霊核を中心に幾つもの魔法陣が展開していき、それらが回転を始め真球の魔法陣を描く。
魔法陣で魔法陣を構築すると言う常識外れな事を装置で行い、其処へ『錬金術』スキルで干渉。タタラの握り拳より大きかった霊核は縮小していき、やがて小さな玉を形成した。
霊核は圧縮され、その内包された魔力が増した。
真っ白な中に揺れていた紫の炎が、圧縮されて真球の内部を満たし染め上げている。
核となる部分は出来上がったので、次はフレームである。
ミスリルをいくつかに小分けして、形成を開始。
魔導銃本来の物よりも簡素に、しかし強化や整備をし易い様にする。
機能としては簡単だ、銃把に埋め込む霊核をエテルの魔力で励起させ弾丸を形成する魔力を充填し本来の消費魔力より高威力な魔力弾頭を発射する。
機能の問題点としては現状バーラルの血を引く者がエテル以外に居ない為に使える者が他にいない事。しかし、安全装置としては十分な機能でもある。
銃身内は腔線を切る形に似せ螺旋で魔法陣を刻む。圧縮と加速の術式を交互に配置し、魔力の圧縮と弾頭の加速を同時に行い貫通力を増す機構にする。
銃身の排熱を空気との接触面を増やし簡易にする為、カバーを被せる様な構造にする。
一見すると前世の自動拳銃に似た外観だが、遊底は付いて無いし排莢も必要無い機構。
実弾を装填しない関係で銃把は細く作る事ができる為、エテルの小さな手に合わせる。
銃把で掌が触れる部分に霊核を配置し、側板で挟み込む。
側板は魔力の通りを良くする為に、以前知り合いから譲られた霊樹の木材を使用。溝を掘って保持しやすくする。
そうして出来上がったのは、白銀の外観を持つ魔導銃。
タタラが作った、エテルの為の銃。
「ふぅ、完成したか」
今生で集められるだけの情報と、前世のゲーム知識を応用して作った完全に新規の魔導銃。
親が唯一人の娘に贈る為に用意した素材で作った、世界で唯一の武器。
「お前は……『ロニセラ』だ」
その名前は自然と出て来た。ロニセラ、忍冬と和名を持つ植物。その花言葉は──
「愛の絆」
両親からの愛と、家族の絆の武器。
エテルに贈る最高の武器。
名前に込められた意味は伝わらなくていい。
それでも、両親の愛が共にあって欲しい。
そう願った。
視線を向けた先、傍らで眠るエテルの側にそっと『ロニセラ』を置く。
一つ伸びと欠伸をしたあと、タタラは作業台により掛かり眠りに就いた。
タタラの傍ら、顔を伏せたエテル。
彼女は眠っていたのだが、タタラが『ロニセラ』を命名する際に目が覚めた。
続く言葉も耳に届き、心臓が早鐘を打っていながら起き上がれない。
顔が熱く、とても顔を上げられない。
【愛の絆】、彼はそう言った。
何を想ってタタラがそう名付けたのか、エテルには分からない。
しかし、贈られた武器の名前の意味はずっと心に残るだろう。
コレが二人の愛の絆になるように、彼女は小さく願う。
タタラ・ジュロン
→踏鞴製鉄+フォルジュロン(仏:鍛冶師)
エテル・ネル=バーラル
→エテルネル(仏:永遠)
サルビア・バーラル
→サルビア(花)
カラムス
→花菖蒲
ローガス
→ロータス(蓮)+アスパラガス
名前考えるの大変なんだよねぇ……
この小説は……
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永遠と愛の絆
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寛容と一途な愛
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信念と翼
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鎚を包む花束
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誠実と誇り
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都市長いっとけ都市長
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年増園
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太陽の笑顔
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星の微笑み
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太陽と星
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娘さん、親父殿を俺にください