既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
呆然としたエテルを促し、家に入る。タチアは時間が時間なのでその場で帰っていったが、エテルの反応を心配そうにしていた。
「それでは今日からお世話になります。虎熊家に仕え、帝の近衛として奉公を仰せつかっていました、鴉天狗の雛菊と申します。どうぞ宜しくお願いします」
真面目な口上の後に深々と頭を下げる天狗さんこと雛菊さん、その見事な所作に慌てふためくエテル。お前、四葩の普段の振る舞いも洗練されてて綺麗なの気付いてないのか?
「拙者の名は一華でござる。問おう、貴女がご主人の奥方か?」
「ふぇ?」
あまりにもな挨拶に固まるエテル。言われた内容を理解し、徐々に顔が赤くなっていく。
「エテルを困らせるな」
その様子をニヤニヤ見ていた駄狐の背後に回り、その腰に腕を回してぶっこ抜きジャーマンスープレックスをかける。
本当に俺が意識から逸れていたらしく、見事に駄狐はそのまま無抵抗に床に叩き付けられる。
「……見事な変則飯綱落し、油断していたとはいえあの駄狐が食らうとは」
「いや、一華のやつの事じゃからわざとじゃろ。ほれ起きるのじゃ……一華?」
ホールドを解いてブリッジの状態から起きがった俺だが、駄狐はそのまま大の字で動かない。顔を覗き込むと気絶していた。
「やべ、やり過ぎた」
「……なんでこの駄狐を気絶させられるんです?」
そういえばコイツ、次期頭領級の腕前だって言われてたな……人格に問題が有って駄目なんだったか。そんな相手がこのざまとは気を抜き過ぎでは?
「タタラ、流石にやり過ぎじゃない?」
「こいつ、俺より強い筈だから大丈夫だと思ったんだがな……」
気絶した駄狐を取り敢えずソファに寝かせた俺に対してエテルが責める口調で言ってくる、想定が外れてしまった。
「それで、その……トラッちゃんを迎えに来た人達なんだよ……ね?」
エテルの不安そうな言葉に、その辺の説明を詳しくしないと駄目だと考えて今日の会議も含んだ説明をする事を決める。
「はい、私達の主目的はそれでした。四葩お嬢様を保護している家に向かい、転移門の素材と虎熊家への座標をお渡しする為に御当主様に命ぜられてこの都市へ来ました」
「そう、なんだ……よかったねトラッちゃん」
「そのように泣きそうな顔で言われても良いとは思えんぞ、寂しんぼうエテル」
精一杯の強がりなのだろう、両親との別れと同じ様に今生の別れに近い感覚を抱いてしまっているエテルに対して四葩は苦笑いしながらエテルの頭を抱き締めて髪を撫でている。自然と近付いてその挙動を取った四葩に、天狗さんは大分驚いている様子だ。
「それとな、エテル。妾はまだ帰るつもりは無いぞ?」
「ふぇ?」
「少なくとも、タチアが情報を齎した内乱が終わるまでは此処に居よう。後一月は切っておるが、それまでは共に生活出来るのじゃ……それでは不満かの?」
「……ううん、寂しくないように沢山想い出作れそうだね」
「そうじゃな、沢山作れるじゃろう……妾も寂しくならないくらい沢山想い出が欲しい」
ああ、俺も意識して無かった。四葩もエテルと離れる事が寂しいんだ、沢山笑っていた生活は四葩にとってもかけがえの無い物だったのだろう。
「天狗さんと駄狐は当主代行さんが内乱の事を聞いて、四葩の護衛も兼ねて此方に滞在させる形になる。任期は多分、内乱の収束までだと思う」
「そうなんだね、お迎えの人達も方針変わっちゃって大変そう」
「……お嬢様が此処から帰るのを嫌がった理由、なんとなく分かりました。温かいんですね、この家」
「ふふ、分かってくれたか雛菊。この二人の相思相愛ぷりは見てて満たされるぞ、妾の推し箱じゃ」
「あの駄狐、また四葩お嬢様に意味の分からない方言を教えて……!」
まて、四葩が箱推しとか言葉を知ってるから普通かと思ったらあの駄狐が教えてたのかよ。俺も普通に流してたが、これ方言だったんだな……流石はオタク文化の温床日本を元にした陽出國。風評被害出そう。
「ですが、奥様はそんな二人の間に四葩お嬢様を……」
「領内では『百合と薔薇に挟まる奴は死ぬべきである』と標語があるそうじゃが、純愛に挟まる者はどうなのじゃろうな?」
「その場合は『放蕩者は殺せ』が標語かと」
虎熊家の治める領、現代日本のネットか何かか?
放蕩者って所謂チャラ男って奴じゃ……? 寝取られ嫌いに溢れた領だな、住心地良さそう。
「ふむ……この場合、妾は死ぬしかないのじゃな」
「いえ、四葩お嬢様? 真面に受け取って発想を極端にしないで貰えませんか?」
「四葩は放蕩って言うか放浪とかだろ、正しくは迷子だが」
俺の言葉に対してツイッと視線を反らす四葩、此処にいる理由がそうだから否定できんよな。
「……ねぇ、聞きたいんだけど」
やり取りを聞いていたエテルが低い声で聞いてきた。すげぇ、嫌な予感しかしない。
「トラッちゃんのお母さんが、私とタタラに対して何をしようとしたのかな。正直に教えて?」
「あ、その……えっと」
あった事をそのまま話せばいいのだが、それがひたすらに難しい。四葩を道具の様に扱う母親の話や、それに撃発して言質を取られた事など自分の恥に繋がる事はなるべく口にしたくないのが人間だ。
しかし、俺にはエテルへ隠し事と嘘を吐き続けるのは無理だ。
深呼吸をして、今日の会議室であった事を話す。四葩をチラと見て、あの母親がまるで駒の様に扱った事とそれに撃発してそんな扱いをするなら魔力炉をくれてやるから俺が四葩を貰ってやると啖呵を切った事。そして、それで何かしらの言質を取られた事。全てを話した。
途中、四葩が一切の反応を見せなかったのは気になったがエテルに全て伝えた。
「……ごめん」
「何に対しての謝罪かな、タタラ?」
「エテルと婚約してるのに、軽弾みで四葩を貰うなんて言ったことに対してだ」
「……それは、トラッちゃんを物扱いされて怒った事は間違いだったって思ってのこと?」
「悪いけどそれはない、四葩を例え親だとしても道具扱いするなら俺は何度だって我慢が出来ないと思う」
「うん、私の好きなタタラはトラッちゃんの為に怒った事は後悔しないって分かってるよ」
ふわりと笑うエテルだが、俺はエテルを裏切った罪悪感で心が重くなる。
「エテルが好きなのに、エテルだけを愛してるのに……俺はエテルを裏切るような事を言ってるんだ」
視界が滲む、情けなさで涙が溢れてくる。
「ごめんエテル……本当にごめん、こんな想いを裏切るような事をして」
「……もう、タタラは本当に私に対しては泣き虫になっちゃうんだから」
エテルに抱き寄せられて、俺は膝をついてエテルを抱き返す。
エテルの肩に頭を乗せる恰好になれば、エテルは俺の頭を優しく撫でてくる。本当に情けないな俺は。
「それでね、タタラ」
「なに、エテル」
「私、ちょっと怒ってるんだ……今夜は全力で搾るから」
思わず涙が引っ込んた。恐る恐る顔をエテルの顔へ向けると、変わらず
「……エテル、一つお願いをしたい」
「何かな、自分の立場を弁え無いタタラさん?」
「もう少し抱きしめさせてくれ、やっぱりエテルとこうしてるのが一番好きなんだ俺」
「……しょうがないなぁタタラは」
エテルに頼んだら撫でるのをやめて力いっぱい抱き返してきた、翼でも包んできて全身がエテルに包まれている。
「……愛してる、誰よりも」
「……私もだよ、タタラ」
やっぱり、俺が愛してるのはエテルだけなんだなと認識する。四葩もタチアも、なんなら『天使長』も大好きだが愛してるのはエテルだけだと分かった。
「……四葩お嬢様、何か苦い物をお持ちでは無いですか?」
「何を言うか、この脳が痺れるような甘さが良いのだろう」
「既に手遅れですか四葩お嬢様」
「こう、脳が破壊されるような痛みとそれが再構成されるか如き熱とを繰り返して強靭になっていく感覚が良いのじゃ」
「……四葩お嬢様、脳が破壊と再生を繰り返して進化してる。性癖の扉を開けるでござる! 完全なる四葩お嬢様の誕生でござるっ!」
「お前は起きていきなり何を言い出すんだ」
そりゃ何処ぞの
何とかエテルから身を離して、四葩に頼む。
「四葩、悪いんだがその二人と一緒に風呂入ってやってくれるか?」
「む? ……ふむ、確かに此処の風呂の使い方は一緒に入って教えねば分からんか。分かったのじゃ、ほれ二人共風呂へ征くぞ」
「はい、お供します」
「え、あっいやその……拙者はちょっと」
「何を言っている、貴様は3日も風呂に入っていないだろう!」
「それは流石にキツイものが有るの、強制じゃ」
「きゅうん!? ご、ご主人! 助けてでござる!!」
此方に向かって手を伸ばしてくるが、無視する。そのまま天狗さんに首根っこを掴まれて浴室へと向かっていった。着替えは旅をしていたから有るだろう、取り敢えずそこら辺は放っておく。
「……そういえばタタラ、さっきの一華さんは何でタタラをご主人って呼ぶの」
「正直に言うが本当に分からん、ぶつかって倒れた時に腹減ってたみたいだからいっぱい食わせたらそこからご主人呼びされてる」
「うーん……ペットの刷り込み?」
「近いものが有るかも知れない」
何故俺が主人枠なのか、心当りは本当に餌を与えた事しか無い。それなのにご主人呼びは若干怖い。あの駄狐、もしかして故郷で優しくされた事がなかったり? 語録狐に悲しい過去、とか言われても優しく出来る気はしない。
『アッー!?』
この汚い悲鳴は駄狐だな、ほっとこう。
「エテル、始める前に一つお願いしたい」
「何かな、浮気者のタタラくん?」
「キスしたい」
「……もう、ほんとバカだなぁ」
エテルは俺の言葉に微笑んで、そっと爪先立ちになる。俺も身を屈めて、唇を重ねた。なんだかんだ俺は、エテルとただ唇を重ねるだけのキスが好きらしい。両親が事あるごとにしていた影響かも知れないが、もっとも原始的な愛情表現なんだと思ってるのだろう。
エテルは違う。最大の愛情表現はセックスだし、キスは舌を絡めあったりするレベルでないと満足しない。こうしてただ唇を合わせているのを楽しんでいるのは、俺がこうするのを好んでいるからだけらしい。
エテルの舌が、俺の唇を舐めてきた。我慢出来なくなったらしく、舌先で唇をノックするように突いてくる。
それに応えて俺も舌を伸ばせば、エテルの舌が絡んできた。ザラつきつつも滑らかな舌触りで、それ単体で別個の生き物と言わんばかりの自在さで俺の舌を絡め取る。舌でさくらんぼの蔕を結べる者はキスが上手い等と言われるが、エテルのそれは次元が違う。舌の上でリースを作るようなレベルで、一般的な舌使いしか出来ない俺は翻弄されるしか無い。絡み合う舌から伝う唾液を互いに混ぜ合い、交換する。卑猥な水音がリビングに響き渡り、やがて息苦しさから身を離した。
「俺の部屋でいいか?」
「わたしはここでもいいよ?」
「……女でも他の奴にエテルがシてる所を見られたくない」
もう四葩には見られてるが。
「ふふ、タタラのけちんぼ」
「愛した相手を独占したいって思うのはダメか?」
「んー……わかんない。わたしはタタラとしかえっちしたくないけど、タタラがつらいならふえてもいいよ」
「なんだよそれ」
子供っぽいエテルの語り口でとんでもない事を言われている、俺はお前しか愛せないよ。
「でもね、わたしはゆるせてもトラッちゃんとかチーちゃんくらいにはふかくかんけいがつくれないとだめかなぁ。あのおむかえのふたりとかはまだゆるせない」
「許さなくてもいいよ、お前とだけで幸せだから」
「んー……むじかくさびしんぼのタタラはわかってないなぁ」
蕩けた表情でそんな事を言っているエテルの真意が分からない。俺はエテルが他の男に抱かれるのを許せそうに無いのに、エテルは違うのだろうか?
「タタラがじぶんのことをきづけないならそれでもいいよ、わたしだけでタタラをみたすから。でもね、きづいたときはおうえんしてあげるよ」
俺の胸に額を押し付けてそんな事を続けていう。
エテルは、俺自身で分かってない何かを理解しているのだろうか?
そんな事を言われたら、俺には俺のことが一番分からない。
エテルを自室へと連れ込み、早速行為が始まる。服を全て脱いだエテルは俺に魔法を掛け、結果俺の両手足は拘束されてベッドに転がされる。
「あの、エテルさん? これ何」
「せいまじゅつのなかでこうそくまほうってぶんるいがあってね、それ」
俺には無いスキルツリーだ、ゲームでは……有ったなそういえば。
「でもね、これつかえるのかなりちかづかないとダメみたい。だからえっちのときくらいしかつかえないんだ」
「探索で見たこと無いのはそのせいか……」
こんな便利な魔法が有るなら探索で使えばとは思ったが、理由が有ったのか……初お披露目がこの場面ってのがなんとも。
「じゃタタラ、ぬぎぬぎしましょうね♪」
「……ノリノリだな」
魔力で拘束されている為、服を脱がす事には支障が無い。魔力で空間に固定されているようで、腕を伸ばした状態の上は兎も角下はすぐに脱がされた。拘束状態で身体が萎縮しているらしく、愚息は力を持たず萎びている。
「むぅ、げんきない」
「いや、流石にこの状態はな……」
愛しい相手とは言えやったことの無いプレイでいきなり元気になれる程に淫魔して無いぞ俺は。
「しょうがないなぁ、タタラちゃんは♪」
言うが早いか、エテルは俺の元気の無い愚息を優しく握る。想定以上に冷たい手の温度にビクリと反応し、そんな様子を楽しむようにエテルは指を動かす。
人差し指と中指で亀頭を撫で、薬指と小指で陰茎を擦り、親指でカリの裏を搔く。時折鈴口を指先でなぞり、その刺激に思わず悲鳴を上げた。エテルは俺の様子を見てずっと笑っている、どうも今の彼女は嗜虐に趣向が寄っているらしい。俺が満足に動けない状態で、強い刺激を感じるたびに反射で身体が動こうとするも不自由に喘ぐ姿を愉しんでいるようだ。
「ふふ、タタラのじゅんびできたぁ♪」
そんな風に刺激され続け、愚息は遂に勃起した。情けない姿を晒す俺を笑って一瞥したエテルは、俺の下半身に覆いかぶさる。
「タタラのだいすきなおっぱいこうげきだぁ♪」
そう言ってエテルは両の乳房で俺の愚息を挟み込む。以前より質量を増した軟肉は圧力を高めて俺の愚息を包み込んだ、そんな乳肉の間から愚息の先端が顔を覗かせていてエテルはその溝へ舌先を伸ばす。
口の中で溜めていた唾液が愚息を伝う、愚息が内包する熱に対して温度の低い唾液は冷たさを感じさせ強い刺激を与えてくる。
愚息を湿らせた唾液を潤滑剤にして、エテルは乳房を動かし始める。先端を舐められ、左右から刺激を与えられて鋭敏になった感覚を持つ愚息から伝わる情報は脳を犯していく。
軟肉にとどまらず、硬くなった乳首での刺激も時折活用され俺は簡単に果てた。
勢い良く吐き出される精液が、エテルの口の中を満たす。エテルはやや苦しそうに受け止めて、ゆっくりと嚥下していく。
「タタラ、はやいよ」
「無茶言うなよ、お前達夢魔相手に普通の男が何とか出来るかよ……」
荒く息を吐きながら答える俺を見て、エテルは不満そうだ。
「おなかのなかにほしかったのに……こんななさけないタタラにはおしおきです」
言うが早いか、今度は俺の顔に跨ってきた。無毛の秘処が目前に広がる。
「ほら、タタラちゃん。ままのここ、なめなめしましょうね♪」
「唐突に新しいプレイ始めなもがっ!?」
いきなり口調が赤ちゃんプレイのそれになった事にツッコミを入れようとしたら秘処で口を塞がれた、下の口とキスしてるとかネタも言えないくらいに唐突な事で酸素が足りず苦しい。
急いで鼻呼吸すれば、溢れ出るエテルの愛液の匂いが肺を満たす。夢魔のフェロモンを内包している愛液は、男にとって馨しい芳香だ。性的興奮を刺激され、射精したばかりの愚息は早速硬度を取り戻している。
更に言えば口の中に入る愛液が精力剤の役割を果たしているのだろう、身体の熱が上がっていく。頭の中が段々とエテル一色に染まってその身体を求める事にしか意識が向かなくなる。
「タタラちゃん、なめなめじょうずにできたねぇ。ごほうびにままのここで、タタラちゃんのおちんちんぱくぱくしてあげるね♪」
台詞がぶっ飛び過ぎてて冷静さを保つのがキツイんだが。夢魔のフェロモンとか催淫効果が無かったら普通に笑ってたと思う、本当に何処からその手の語彙を持ってくるんだろうか?
宣言通り、エテルは愚息を膣口に当てて自ら腰を降ろす恰好で挿入した。しかし、何処か焦らすようにその速度は遅い。嗜虐趣向はこういうところでも発揮されるらしい、身体は即座にエテルと深く繋がりたいのに焦らされ自ら動こうとしても拘束されて叶わず……情けない表情を今浮かべている自覚が有る。
そんな俺を見たエテルは悪戯っぽく笑い、亀頭が全て飲み込まれたところで腰を止めた。
「はぁい、わるいこタタラちゃんにはここまでぇ」
そう言って俺に何かを求めるような目を向けてくるエテル、これは所謂おねだりをしないと駄目なやつか?
まって、流石にキツイ。精神がガリガリと削られるんだけど。
「さいごまでしてほしいならぁ……ちゃんといわないと、ね?」
コイツは俺を精神的に殺したいんだろうか?
問題が有るとすれば感覚の鋭い亀頭が飲み込まれて、膣壁で愛撫されている事だろうか。このまま静止状態でも精子は出そうな感じだ。ってやかましいわ。
「あの、エテル……」
「ちがうでしょタタラちゃん、ま・ま♪」
と、ドヤ顔で言ってくるエテル。流石にイラッと来たんだが?
いや、可愛いよ? 声も表情も可愛いけどさ……俺に母子相姦プレイの癖はねぇんだわ。確かにさ、まだママ呼びはマシだと思うよ。母さんだと実際の母さんとかシスターカレハを思い出すし、でも前はお母さんだったじゃん?
アレなの、本能全開だとお母さんで通常だとママなの?
なんだよその使い分け、そんな台詞差分いらねぇよ。
「違う、エテルはママじゃ無い!」
もう頭に来た、徹底的に叛逆してやる。
「なんでそんなひどいこというの!? タタラちゃん、わたしはママだよ!!」
「違う、エテルはママじゃなくて俺の奥さんだろ! 結婚してくれるって約束してくれただろ!! なんでそれがママになるんだよ!? 子供が生まれてその子に『ほらお母さんだぞ』ってやるならいいよ、俺も憧れてるシチュエーションだし! でもこれは違うだろ……授乳プレイとかなら付き合うから、親子プレイは勘弁してくれよ……」
前に本能エテルへ向けて言った言葉が普段の方に影響与えて無い事実に疲労感を覚える、あの時の説得は無意味だったか。
俺の言葉を聞いたエテルは俯いて震えている。流石に泣かせてしまっただろうかと思ったが、普段は小さくて隠れている頭の角が伸びていた。アレ、これもしかしてヤバい?
顔を上げたエテルの目は
「……はんこうきのわるいこにはおしおきだからね」
低い声で告げられた後、エテルから魔力を送られる感覚がして……地獄が始まった。身体を襲う凄まじい快感で脳がオーバーフローを起こす、恐らくはエテルが性魔術で感度操作それも局部だけに限定した数倍から十数倍にしたものを使われているのだろう。仮に別会社の忍者が食らう3000倍とか使われてたら俺は死ぬ、快楽とかじゃなくて空気に触れただけでも痛みになるであろうそんな状態は人間を廃人にするのなんて一瞬だ。
ただでさえエテルを前に瞬殺されていた俺の愚息はエテルが腰を少し動かすたびに情けなく射精をしている、命を削るその快感により脳内麻薬が凄まじい勢いで分泌されているのか脳がもっともっととその快楽を求め始めている。
「こえもでないくらいにきもちいいんだ? タタラのこんなざこおちんちんでわたしはらまされちゃうんだね、あーあなさけない」
言葉責めをされているが、殆ど理解出来ないレベルだ。性魔術で精力を回復され続け、感度が上げられて快楽には耐えられず吐き出した精でエテルを回復させる無限地獄。
クスクスと無邪気ながらも邪悪に笑うエテルから逃れようと手足に命令を送るが、拘束魔法はあまりにも強固で俺の力では抜け出せない。その間にもエテルから与えられる快楽でどんどんと射精を続けている。
「かっこういいかおがなみだとはなみずでぐっちゃぐちゃ、でもだいじょうぶだよ。ママはタタラちゃんをずっとあいしてるから♪」
その言葉の後に口吻をされて、意識が暗転した。
意識を失い、記憶が残らない中でどれだけの回数エテルの膣内に射精したのかは分からない。それ以上に俺は翌朝生きて目を覚ませた事が意外だった。
尤も、起きて最初に見たのが俺の上で全裸で腰を振っているエテルだったのは絶望的な光景に思えたが。
拘束魔法は解けていて、反攻する事が出来たので身を起こし騎乗位から対面座位にする。エテルを抱き締めてキスをすると、途端にエテルの目が蕩けて大人しくなる。
そのまま俺も下から突き上げるようにして、一番奥に射精したところで行為を終える。
文字通り一晩中俺から絞り続けて満足したのか、エテルは落ち着いていた。色々汚れた服やシーツを洗濯機に放り込み、二人で風呂へ。此処で俺が我慢できずにエテルを背面から襲ってしまい、昨夜の逆襲といわんばかりに愛してると言いながら行為をしたらエテルも愛してると返してくれて仲直りは完了した。
風呂上がりで艶々したエテルと共に朝食の準備をしていたら、四葩が起きてきて庭先で舞の練習を始めた。飯の準備を一通り終わり庭先まで呼びに行くと、『紫陽花』一式を身に纏った四葩が鉄扇を手に舞っている最中だった。
一つ一つの動き、視線、指先に至るまでの細やかな動き。虎熊家に伝わる舞なのだろう、あの母親から教えられた四葩の大切な繋がりだと分かる。大切に大切に胸に残し、丁寧に丁寧に練習をして来たのが伝わる四葩の舞。
やっぱり、四葩の舞が俺は好きだな。
「ふぅ……タタラ、朝餉の準備が出来たかの?」
舞い終えた四葩が余韻を残した後で一息吐き、俺へと声を掛けてくる。
「ああ、俺とエテルの合作だ。期待してくれていい」
「うむ、二人の作った料理は楽しみじゃの」
お迎え二人は俺と四葩が食卓に着く直前にリビングに来た。俺とエテルの姿を見て驚愕した様子を見せ、その後はやや距離を取りながら卓に座った。もしかしたら、昨夜の俺とエテルの行為を覗いてしまったのかも知れない。あれは特殊例なのだが、その事を知らなければ恐怖の対象になるだろう。これは仕方ない。
「今日は俺とエテルは学園だな。終業後、俺は転移門を作る為に家に戻るつもりだ。二人は?」
「私はチーちゃんと探索をする予定だよ、チーちゃんも学校らしいから終わった後に合流予定」
「妾も探索組じゃが、一人では街を歩くなといわれておるからの。エテルとタチアに迎えに来て貰う形になる」
それぞれの予定を確認する。お迎え二人は四葩に対する護衛だから行動を共にする、ダンジョンに入るには都市長に内政長と防衛長の内二人以上の許可が必要なので一度中央に行って貰う必要が有る。通学前に鳥型ゴーレムで都市長に手紙を送っておこう。
諸々の準備を終えて、俺とエテルは学園へ向かった。
エテルは新しい防具を普段使いするつもりらしい、俺が隣に居るからケープは羽織っていない。
学園に着き教室に入れば一斉に目を向けられる。
「はよっす」
「はよー」
俺とエテルが揃って挨拶する中、クラスのエロ猿どもの視線はエテルに向けられていた。それが分かる故に自分の身体を壁にして視線から守る。舌打ちが聞こえる中、何時もの通り近付いてくる奴が居る。
「おっすタタラ、それにエテルも!」
「はよっす」
「はよー、変わらずに元気だね」
エテルの言葉に「それが俺の取り柄だからな」と笑って返しているバカだが、隠してるだけで何か有って俺を頼りたいらしい。
「で、何を隠してるんだ?」
「は? いや、俺は隠し事なんて……」
「言い方をかえる、俺に何を頼みたいんだ?」
「……はぁ、やっぱりお前には隠せないか」
どれだけの付き合いだと思ってやがる、俺に隠し事なんざ十年早い。
俺の言葉にお手上げとジェスチャーをしたバカはインベントリから剣を取り出す、依頼で作った方の片刃剣だ。
俺は受け取って鞘から抜けば、一部が大きく欠けていた。
「……お前ほどの腕前で何が有った?」
「『オーガ』の攻撃を『白刃流し』で捌いた時、ちょっとな」
「『オーガ』相手か……流石に刃が薄くて難しいだろうな」
『ワールウィンド』で主流な両刃剣に比べて刃が薄いために頑丈さで劣るこの剣は、刀と違い反りが無い為に受け流しに少しのコツが要る。コイツは何時もの剣と同じ使い方をして欠けさせたのだろう、正直鉄製武器でオーガに挑むのは火力不足だし何よりも武器の頑丈さが不足する。
「15階層を越えるなら鋼……よりも魔鉄で剣作ってからにしとけ、特にこの手の片刃剣は斬れ味に反比例した頑丈さで通常の剣より劣るからな」
「つっても魔鉄作る為の貯金がな……」
「普通に買うより依頼の方が安いんだから我慢しとけ、それに『ゴブリンロード』のドロップ如何では3万くらい余裕だろ」
「それを言えるのはタタラだからだぞ」
俺とバカでは総合的なステータスで明確な差が有る、コレは『地母神シリーズ』での影響が出ているためだ。しかし、戦闘能力という点だとバカの方に軍配が上がる。
俺はカラムスさんに稽古を付けてもらった際に『戦闘の才能が無い』と評価されていて、ステータスが同じだった場合他の探索者に勝てる面が極一部しかないと言われた。過去にバカと模擬戦をした際に速度で上回った為に避けられたが、殆どが急所への直撃コースで剣が振るわれていた。それだけ、目の前のコイツにとって俺は技量で上回れる相手ということだ。
探索では武器の質とステータスでモンスターに対応する必要が有るが、このバカはモンスターに対して技でもってその命を奪えるイレギュラーだ。俺の見立てでは、ステータスが同じ場合『鑑定』無しの四葩にも勝てると思ってる。
でなければ、チート成長をしている俺以外の同年代で単身の『ゴブリンロード』討伐を成し遂げていない。
「どうしても傷薬とかに金が使われてな、装備の整備代も有るから貯蓄に手が回らない」
「傷薬で苦労するなら店でドロップ品の『再生の首輪』有るから買っていけ」
「……値段は?」
「商会からは50万とか言われてる」
「買えるか馬鹿野郎!?」
なんなら小振りな魔石1250個と9000万有れば比較にならないくらいやべぇ装備作れるぞ、この場では言えないが。
「取り敢えず、剣預かるぞ」
「いや、午後の専門授業で使うんだが」
「特急料金1500で直してやる、設備の有無が俺の作業の不可に繋がるわけ無いだろ」
「……」
俺の言葉でバカが凄い顔になった、魔石が有ればこのくらいの破損は直せる。
「……じゃあ、ほい。1500」
「毎度」
受け取ったその場でインベントリから魔石を取り出し、バカの剣に近付ける。魔石の魔力を作用させ、欠けた部分を他から少量ずつ鉄を集め減った分を魔力で補填し再生させていく。
その光景にバカは大きく目を開き驚いている、他の生徒達も注目して来たのが分かった。所要時間2分30秒、バカの中の世界を変えるのに3分も要らないな。
「ほい、応急修理だから次に欠けたら店に持って来い。本格的な修理をするから鉄のインゴットも一つ用意しろな」
「あ、ああ……設備無しでもクラフトって出来るんだな」
「俺が出来たからって他の奴には求めるなよ、理解不能らしいからな俺は」
俺は散々言われてきた言葉をバカに向けて言う、周囲の奴等はクラフト科の奴等に視線を向けたり首を横に振ったりしている。
「何にせよ助かった、また何か有れば頼るわ」
「おう。俺の商品に限り受付けるから」
「おう!」
そんなやり取りを最後に、ホームルームが始まる。
共通授業が終わり、専門授業に入る。何時もの工房で待てば、やや早足の靴音が聞こえて、工房内に人が入ってくる。
「……先輩」
「こんにちはエスト、どうかしたのか?」
俺は小さな確信を持ってエストに声を掛ける。するとエストはインベントリから一つのインゴットを取り出して渡してきた、物は魔鉄のインゴット。どうやらエストは前回俺とした約束を果たしたらしい。
「おめでとうエスト、ようこそ“此方側”へ」
「はい。ようやく先輩の背中に一歩だけ近付けました」
感慨深くエストの姿を見る、何処か憑き物が落ちたかのようなスッキリとした顔立ちだ。
「俺の教えた『鑑定』はどう?」
「楽しいですね、これ。世界のあらゆる情報を識るみたいな万能感が湧きます」
「飲まれて道を踏み外すなよ」
「はい!」
本当に楽しそうだ。そんなやり取りをしていたら入口が慌ただしく開いてシャムスが入ってきた。
「ちょ、エスト! 先に行かないでよ!!」
「授業中に居眠りして先生に怒られてたシャムスが悪い」
先に工房へ来ていたエストに文句を言うシャムスに、残酷な現実を叩き付けるエスト。微笑ましくじゃれ合う二人を暫く眺めた後に柏手を打って二人の注意を此方へ向ける。
「はいはい、喧嘩はそこ迄。それじゃ、授業を始めようか?」
俺の言葉に二人は揃って頷いて、空いている椅子に座る。さて、今日は何を教えようか。
雑談を交えながら形状記憶合金について概要と、作成手順を教える。魔鉄のように純粋な鉄から変化させるのではなく、内部に含まれる炭素への干渉を主とした此方は魔鉄とアプローチは同じだが若干イメージが変わる。
「鋼を形状記憶合金に精製する時は魔鉄の時とは少し変わる、具体的に言うと『鑑定』で内部の様子を見ながら『クラフト』で干渉して鉄以外の要素を整列させる感じかな」
俺の説明を聞いて首を傾げる後輩二人、その様子に苦笑いしつつ実演を始める。
「鋼っていうのは鉄に特定の物質が混ざった物なのは周知だと思う」
「え、そうなんですか?」
「授業でやったよシャムス……」
シャムス、基礎知識はしっかり学んどこうな?
「まぁこの特定の物質、自然界で魔力を介在させないという前提だと最も硬くなる物なんだがコレが特定の配分で混ざると鉄は鋼になる」
炭素だとは明言しない、『鑑定』をすれば分かることだし自ら調べる癖を付けないと俺が教えた『鑑定』の意味が無くなるだろうから。
「この鋼たらしめる物質は通常だと内部で滅茶苦茶な状態になってて、大体の場合は路を塞いだりしてたり鉄よりも歪んでしまってる場合が有る」
魔石から魔力を抽出して鋼のインゴットに干渉させる。内部に散らばる炭素やその他の不純物に干渉し、インゴット内の路へ整列させていく。整列させた後は炭素以外を排出してやれば形状記憶合金が完成する。
「と、今やったように鉄の路にこの特定の物質を整列した状態にしてやれば……ほら」
説明しながら形状記憶合金に魔力を流せば、その形を変えてインゴットから糸状になる。
「こんなふうに姿を変えさせる事が出来る。どんな形になるかは魔力を流す際のイメージ力の影響かな、慣れると作った際にどんな形状になるかとか作った後でも調整出来る。コレを撚り合わせて作ったのが人工筋肉だったりする」
「「いやいやいや」」
説明しながら形状記憶合金を変形させていると、後輩二人から静止が入った。
「『鑑定』しながら見てましたけどなんであんな細かい物を一定に配列出来るんですか」
「え、元から出来てたけど」
「それ以前に僕、魔鉄精製も失敗率の方が高いんですよ!?」
「え、そうなの?」
「それにエストはこの前『鑑定』が出来たばっかりで魔鉄もまだ精製が!」
「お前と一緒にするな、俺は一発で成功させたぞ」
「……ほへ?」
勢い込むシャムスに対して、エストは勝ち誇った顔で言う。
「先輩の『鑑定』が出来るようになってから、家で魔鉄の精製を練習がてらやったら10回中10回成功だ。お前とは繊細さが違うんだよシャムス!」
「そ、そんな……」
「へぇ、エストは魔鉄精製向きなんだな」
聞けばシャムスは10回中1回か2回が良い方で、練習しても中々上手くならないらしい。いっそエストとコンビを組んだまま互いの弱点を補い合って欲しいが、無理かな?
「じゃあ、二人には形状記憶合金に挑戦して貰おうかな」
「「はい!」」
俺の言葉に嬉しそうに返す二人、彼等の原作イベントを越えられるように俺は鍛えてやろう。
【太陽と星】
ゲーム『深く深い闇の先で』のイベントの一つ。
主人公『スミス』の先輩である二人のクラフター『シャムス』と『エスト』が、ある日バイトとして受けた物が違法薬物の精製に関する物だった。
庶民であり、裕福とは言えない家庭事情から高額なそのバイトを始めた二人。結果違法薬物精製の罪を犯している事に気付くも遅く、持ち掛けた闇組織に脅され違法薬物を作っていく。
主人公『スミス』の行動により結末が別れる。最も救われる物でも逮捕されるが、情状酌量の余地ありとなる結末である。
違法薬物の中には強力な媚薬や惚れ薬、性転換薬などもある。プレイヤーの選択によっては二人が男同士で絡み合ったり、片方が女になりに相方を犯したり、両方とも女になり絡み合ったり、複数に侵されたりと様々な状況に陥る。
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