既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
盛り上がるダリアを宥める事が叶わず、魔導鎧の説明の途中で四葩がご飯に呼びに来た。
大興奮のダリアにドン引きしつつ、二人で引きずってリビングに進む。
興奮冷めやまぬと延々と語り続けるダリアを無視して、それぞれが食事を取る。今日はオムレツだ、俺のオムレツにはハートが描かれていて恥ずかしさと嬉しさが湧いてくる。四葩はそんな俺を見てニヤニヤ笑い、エテルはニコニコと見詰めてくる。
ダメだな、勝てない相手が増えた感覚だ。
外は固まっているが、中は半熟でとろとろの卵。その奥にはバターで炒められたひき肉、玉ねぎ、ピーマン、人参にトマトソースを絡めた具が入っている。
スプーンで掬い、一口。とろりと舌に広がる卵は牛乳が含まれているのか柔らかな舌触りだ。具はしっかりと玉ねぎを筆頭に野菜が甘さを引き出され、ひき肉から溢れた旨味とトマトソースの酸味を適度に和らげる。
子供っぽいが、俺はオムレツやオムライスが好物だ。エテルの作ってくれた物はどれも好んで食べるが、こういった好物の時は更に食が進む。三口四口と止まらず進み、気付けば皿は空になっている。
「急ぎすぎじゃぞタタラ。ほれ、口元も汚れておる……動くなよ?」
そんな俺に優しい声を掛けて、紙ナプキンで口元を拭ってくる四葩。エテルが少し出遅れたといった表情を浮かべているが、四葩も前々からこうしてみたかったようで楽しそうな雰囲気を出すので止められない。口元を優しく拭われ、少し気恥ずかしい。
「その……ありがとう」
「うむ、キチンと礼を言えて偉いの」
そっと頭を撫でられる、手を振り払う事はしないで受け入れた。気恥ずかしさが増すが、四葩が楽しそうなのでコレで良い。
「むぅ、トラッちゃん! 私、タタラの奥さん!」
「ふ、恋は戦争じゃよエテル。先手必勝じゃ!」
元気に戯れ合うエテルと四葩の事を眺めつつ、コンソメスープを啜る。胃の中が温められてホッとする。
「聞いていますかマスター!」
「いや、聞いてない」
長々と語っていたらしいダリアが話し掛けて来たが、正直食うのが優先で耳に入って無かった。
「何故ですか!?」
「近接武器に『オウトエイズル』以外にチェーンソー型の剣を用意しようかと思って設計図を頭の中で作ってたんだけど、ダリアが一人で話してて破棄しようか迷ってた」
「聴きましょう」
机の上に肘を立てて置き、口元を手で隠して此方を見る何処ぞの指令スタイルを取るダリア。
「その前に飯を食え、話はそれからだ」
「……Yes my Master」
俺の言葉で渋々と食事を始めたダリアだが、オムレツを一口口にした瞬間猛烈な勢いで食べ始めた。そう言えばダリアの食事ってどれくらいぶりなのだろうか、少なくとも昼は抜かしていたが。
そして駄狐は野菜を選り分けて食べようとするが、横にいた雛菊さんがキレてスプーンに選り分けた野菜を掬い駄狐の口に突っ込んだ。わざわざ鼻と口を押さえて無理矢理嚥下させる気の入れよう、余程好き嫌いが許せないのだろう。直前までオムレツを口に含むたびにキラキラした目をしていたしな。
エテルと四葩はいつの間にか戯れ合うのをやめて、二人で笑いながらオムレツをつついている。エテルから作り方を聞いたり、四葩の故郷の料理を教えてもらったりと和気藹々としている。
平和だな、そんな光景が尊く見えて口にしたスープがより美味く思えた。
食後、ダリアが装備について話が有ると思ったがどうも満腹になって眠気に襲われたらしい。エテルに頼んで一緒に風呂へ入って貰い、俺は工房で自警団に預ける試作型の連射型トリモチランチャーを合計9丁作製する。特に苦労は無いが、やはり小型化したものと従来型にカートリッジを増やした型は機構が複雑化していて整備が大変になるだろうと感じた。もう少し簡略化したいが、それは現場の声を聞いてからだろう。何なら、俺ではなく自警団と契約している工房が頑張ってくれるかも知れない。
リバースエンジニアリングで工房の人達が新たなトリモチランチャーを開発してくれたら嬉しいな、そうやって正義の味方を支える人達が増えて欲しい。
ついでに、ダリアの為の魔導剣を作製する。新規設計は俺が異世界追放されそうなので既存の物を作る。どうもこう……効率化出来たり別の機構を試したりとしたくなる。手に握る通常のタイプを作ったが、コレはダリアの魔導鎧の腕にサブアームを付ける形でマウントしてトンファーのように使える方が良さそうだ。少し、そう出来る様にグリップを弄る……『卵』を渡すときに触れたダリアの小さな手を思い出して形成する。コレで魔力刃を展開する方は出来た。
そしてもう一つの魔導剣の作製に移る、ベースにするのは伐採に使うチェーンソーだが諸々再設計する。刀身はダリアの身長に対して長めの100cm、動力は小型だが高出力な物を設計して搭載。チェーンソー等と言っているが、小型のナイフの刃が並ぶかのような凶悪な見た目をしていてコレをチェーンソーと言ったら怒られそうだ。
肩に担げるよう、刃は鋒両刃造りを模して峰に当たる部分にはカバーが被せられている。とは言え、このカバーの中は血脂を剥がす構造になっていて斬れ味を保つ役割も担っている。刃は魔鉄で作った、ミスリルは少し軽すぎて回転する勢いに負けそうだったからだ。
グリップにはハンドガードを付けて、いざと言う時殴り付けても威力が出るようにした。
稼働は使用者の魔力を使用する機構にした、ダリア向けならばコレが一番である。
「うむ、終わったかの?」
そう声が届いて、背後から抱きしめられる。
「驚いたな、四葩がこうして来るなんて」
「実はの、普段エテルがタタラに抱きつく姿を見て憧れておったのじゃよ」
悪戯が成功したと笑っている四葩。
「いいものじゃな、好きな相手の熱や匂いを感じられるというのは」
何処か力の抜けた声でそんな事を言う四葩に、悪戯心が湧く。
「なら、こういうのはどうだ?」
「え、きゃっ!?」
四葩が可愛らしい悲鳴を上げる。回された腕を取り、俺の首を起点に四葩の身体を滑らせ腕の中にその身体を収める。ぽすんと軽い感触がして、四葩は俺の首に腕を回した影響で見つめ合う。
「タタラ、コレは流石に……」
「エテル相手なら問題無用でキスしてる、そこ迄しないのは区別だ」
「……馬鹿じゃの、お主は」
首に回していた腕を解いて、胸元に頭を預けてくる。そんな四葩の頭を出来る限り優しく撫でた。
「……エテルは常にこんな温かさを感じておったのじゃな」
「ま、アイツの特権だ」
少し頭の位置を変えた四葩は、俺の胸に耳を押し当てている。
「タタラの音がする……安心する音じゃ」
「そうか、四葩の体温も安心するぞ」
「それは良かったのじゃ」
そのまま頭を撫で続けていると、四葩から寝息が聞こえて来た。本当に安心して寝てしまったらしい。
「お休み四葩」
そう声を掛ける。さて、部屋に入れないだろうけどどうするか。
「どうもこんばんはーっでござる」
そんな時に工房へ入ってくる駄狐、何気に声量を押さえて入ってくるあたりが根っ子が良い子らしいと思わせる。
「四葩の迎えか?」
「そうでござるよ。四葩お嬢様、結構浮かれてたでござったからな」
俺の胸元から四葩を抱き上げる駄狐、その目はとても優しかった。
「……お前は、何で四葩を迎えに来たんだ? 制止されてたんだろ?」
「つまらない話でござるよ。故郷じゃ拙者は鼻つまみ者、偏見なく接してくれた四葩お嬢様が心配で飛び出したでござる」
「……それだけじゃ無いな、雛菊さんって旅慣れて無いだろ?」
「……なんでそういうのは直ぐ気付くでござるかね、ご主人は」
なんとなくだが、この駄狐は四葩と同じくらいに雛菊さんが心配で付いて来たのだろう。それと、居場所が無いからか。
「なぁ、下らない事を聞いていいか?」
「何でござるか? 乳の大きさなら」
「ちげぇよ、エテル未満のくせに調子付くな」
「アレを引き合いに出すのは無法でござろう!?」
「四葩が起きるから静かにしろ」
「流石に理不尽でござるよ……」
茶化してくる駄狐を躱して、聞きたかった質問を投げる。
「ここの生活は楽しいか?」
「……」
俺の質問に駄狐が固まる。
「楽しくないか?」
「……楽しいでござるよ、まるで泡沫の夢でござる」
今にも泣きそうな表情だった。故郷から飛び出して、大切な人を見付けて笑っている……それを夢だとこの駄狐は言った。
「なら夢が覚めるまで好きなだけこの家にいろ」
「……ぇ?」
「夢を見飽きて覚めるまで、此処に居ていい。だから、本気で笑え。作り笑いで心を隠すな、お前は本気で笑ってる方が可愛い」
俺の言葉を呆然として聞いている駄狐、言われた事が理解出来ない様子だ。
「……いいんでござるか?」
「そう言ってるだろ」
「迷惑掛けるでござるよ?」
「初めから掛けてたろ」
「拙者、喋り方が変でござるよ?」
「そんなもん個性だろ」
「でも、拙者」
「おい、
否定材料を探し続ける一華を初めて名前で呼ぶ。一華は固まってしまった。
「居たいか、居たくないか。それだけ言え」
「……此処に居たい」
「なら居ろ」
「……分かったでござるよ、ご主人」
声が濡れていた事には気付かないふりをする、コレを指摘して気持ちいい事なんざ無いだろ。
部屋に戻り、シーツを取り替える。エテルとの諸々で凄い事になっていたのを忘れていた、エテルと部屋を出る時にシーツを剥がし忘れて風呂で一戦してるのだから猿も同然である。
シーツだけで布団本体迄は汚れていないのが救いである、この布団も思えば百戦錬磨だな……貫禄すら感じる。
そんな事を思っていると、扉をノックされた。何かと思い扉を開けると、エテルが立っていた。
「ダリアはお風呂入れて、今日は部屋の準備出来てないから私の部屋で寝かせて来たの」
ただ、その服装は運動着とブルマ。
「部屋で眠れないから……い・れ・て♪」
プツンと、理性が切れる音が聞こえた気がした。
エテルの手首を掴み、部屋に連れ込む。扉の鍵はしっかり閉めて、エテルを乱暴に抱き寄せる。
「乱暴だね、タタラ?」
「すまん、少し今のエテルがエロすぎる」
多分に変態的趣向と言われたら否定は出来ないが、エテルの健康的な太腿がブルマから伸びているのがひたすらにエロい。
厚ぼったくて透けないように出来ている運動着が、エテルのスタイルを隠しきれず少し動くだけで臍チラするのも刺さる。
「本当、この格好が好きなんだね? 変態さん?」
「……その変態に求められて、身体の準備出来てるエテルも変態だろ」
「うん、タタラの為なら私は変態になれるよ」
「精神が強過ぎないか……」
言いながら俺は我慢が利かず、エテルの身体を弄る。あえて運動着越しにその大きな乳房を弄り、ブルマ越しに秘所をなぞる。身体が敏感であるエテルは、その刺激に身体を震わせる。
体勢を後ろから抱きしめるものにかえて、同じように刺激を与え続ける。乳房を揉みしだき、秘処の中へ指を挿れる。普段から俺の愚息を受け入れているエテルなのに、指一本でと強く締め付けてくる。二本三本と挿れて、抽送する。膣壁を指でなぞり探ると、エテルが大きく反応する箇所が有った。そこを重点的に刺激しつつ、興奮で勃ちあがった乳首を服越しに摘む。
荒く息を吐き始めたエテル、そんな耳元へ囁やきかける。
「どうして欲しい?」
「ん、ぁ……らんぼうに、して」
そう言われて、エテルを壁沿いに迄連れて行く。壁に手を付かせ、片脚を持ち上げた。所謂I字バランスを取らせ、無防備に曝された秘処へ愚息を挿入する為に先端をあてがう。ブルマを僅かにズラして、腰を突き入れた。
求められたよう乱暴に腰を動かしていく、運動着を捲り上げて隠れていた乳房を露出させて手を伸ばす。手付きは荒く、しかし痛みをあまり感じさせないように力加減をする。
挿入し往復する愚息は前後運動のたびにエテルの息が荒くなっていく、無心に腰を振っていると唐突にエテルの膣内が収縮して愚息を刺激して我慢出来ずに最奥で射精した。
腰が抜けそうな程の射精感、抜けそうな身体に鞭を打ってエテルを壁際から抱き上げてベッドの上に運ぶ。
力無く横たわるエテルに、まだ俺の情欲は収まらなかった。エテルを俺の腰に座らせる、その脚を大開にさせて俺の手で押さえた。背面座位の格好で、姿見に俺達二人が映るようにしてエテルの腰を沈ませる。
ゆっくりとエテルの膣内に挿入っていく愚息、エテルは特に抵抗も見せずに受け入れる。
「疲れちゃったか、エテル?」
俺の言葉に首を横に振るエテル。しかし、どう見ても体力切れだ。
俺はエテルの運動着を捲り上げて、その裾を咥えさせて腰を突き上げる。
「疲れて無いなら、動けるよなエテル?」
裾を咥たまま頷き、腰を振り始めるエテル。声を出せない事が快感に繫がっているのか、膣内の動きが激しくなっている。脚を固定されて不安定な姿勢であるにも関わらず、腰使いが巧みなのは夢魔故だろうか。エテルの動きに合わせて突き上げる速度も速まり、俺も余裕が無くなる。
腰の動き、膣内の蠢動で二重に搾られ我慢出来ずに射精した。相変わらず複数回出しているとは思えない程の量を吐き出し、エテルも絶頂を迎えて腟内が俺の愚息から一滴残らず搾り取ろうとする。30秒程続いた射精の後で愚息がエテルから抜けると、脚を開きっぱなしの為に膣口が閉じず腟内から精液が溢れ出てきた。
「あ、だめ……」
鏡でそれを見たエテルが、精液の流出を止めようと手を伸ばす。俺はその手を押さえて、鏡に映るその淫靡な姿を観察する。
「やだ、タタラがでていっちゃう……だめ」
必死に身を捩りながらそんな事を言うエテルに、また情欲を掻き立てられる。
エテルを伏せるような姿勢にさせて、腰を高く持ち上げる。突き出すような格好になった尻を掴み、俺の精液が流れ出る秘処へまた愚息を挿入する。そんな俺を背中越しに見たエテルは、弱々しく言ってくる。
「おねがい、たたら……やさしくして」
その姿に嗜虐心を刺激され、わざと乱暴に腰を動かす。エテルは特に抵抗する事も無く、甘い声を上げた。
そんな風に体位を幾度も変え、満足に動けないエテルに騎乗位をさせて下から突き上げ終えた後に正気に戻る。
俺の上で力無く倒れ込むエテルの髪を撫でつつ、何故ここ迄性欲が有ったのか疑問に思う。流石に運動着とブルマだけでこんな回数をこなせるとは思えない、と言うか思いたくない。
「……タタラのえっち、ばか、へんたい、せいよくまじん」
「いや、本当にすまない。なんか抑えが効かなかった」
昼にエテルとシた時はまだ思考が出来ていたと思う。いや、冷静さを装っていたと言うべきか?
それが全く出来ていなかった……いや、まだエテルが嫌がりそうなロールプレイを強要しなかっただけマシか。変態体育教師とかチャラ男とか俺もダメージ受けるプレイだったけど。
「おひるにいったけど、わたしのちからつよくなってるの」
「……思考読まれるんだよな、確か」
ヤバい。
「たたら、わたしのぶるまみてからえっちのことしかかんがえてなかった。わたしがいやがるからってしなかったえっちのこととかずっとながれてきて、からだもこころもずっとたたらにえっちなことされてた!」
「本当にごめんなさい」
エテルが疲れてると言うか動けなかったの、頭の中にイメージを直接植えられてたからか。何処ぞの目隠しした最強の技を自分の体質で強制されてる感じか?
「へんたいきょうしとか、ふりょうにむりやりとかでわたしがないちゃうなってはいりょはうれしいよ? けど、そもそもそんなことかんがえないでよ!」
「ごめんなさい」
前世の鉄板ネタだったのでつい。
どうもエテルみたいな綺麗な娘が、汚されていく姿は変に芸術性を感じてしまう。蛸(雌)に女性を襲わせる絵を描いたあの画伯は人の本質を分かっていたのだろう……いや、単純に俺が変態なだけか?
「なによりもセリフ! なんでわたしがまだタタラに片想いしてて、処女を奪われちゃうシチュエーションなの!? そんなの、タタラと付き合う可能性無くなっちゃうヤツじゃん!!」
言葉使いが普段に戻ってきたな。とかそんな事を考えて現実逃避をしている。
「そういうの、タタラのお父さんの部屋にも有ったけど……タタラもそういうの好きなの?」
「奪うのも奪われるのも無理、相手が誰も相手いないなら……まぁ」
「ならなんで私がタタラから取られるの想像してるの!?」
「いや、俺から俺が奪うなら許容と言うか……」
所詮は想像だからな。
「あと、セリフの中に『彼氏のより大きいだろ?』って入ってたけどタタラより大きいとか『オーガ』だよそれ! そんなの入って来たら普通死んじゃうからね!?」
「待って、比較対象がそれなの俺の愚息!?」
いや、フランスパンサイズとか笑ってたがこの世界だと一般サイズだと思ってた。ゲームテキストでも『オーガ』や『巨人種』は規格外と言うか、マジで巨大であるとは書かれていた。実際、『オーガ』のエロスチルは無理矢理入れられた女性キャラのお腹がボコォっとしていた。アレと同じ扱いは流石に、その……ねぇ?
「それに性魔術の影響で自然と気持ちよくなるし……その、私も止まれないし……」
「エテルの身体に俺が溺れてるのと同じような状況か」
どうも、俺とエテルの相性というのは相当らしい。
俺が射精するタイミングで大体エテルがイッてくれてるのはそのお陰なのだろう。俺自身にその手のテクが無いのは情けない事だが。
「それと、タタラの『性魔術』は多分ランク上げられるよ?」
「え、そんな……」
エテルに言われてステータスを開くと、本当に『性魔術Ⅳ』が最大レベルになっていた。驚きつつも『性魔術Ⅴ』にランクアップさせる。
「エテルとしかセックスしてないし、何なら最近は戦闘ですら使って無いのに……」
「ふふん、ハーフとは言え夢魔だからね。経験値凄いでしょ?」
胸の上でドヤ顔かますエテルが可愛くて、思わず抱き寄せてキスをしてしまった。エテルは一瞬驚いたが、そのまま俺の頬に手を添えてくる。
「……不意打ちなんてズルいんだぁ」
顔を離したエテルがニヤニヤとしながら俺に言ってくる。
「可愛かったからつい」
「ふーん? タタラにとって私は可愛い?」
「可愛いし、愛しい。美人でもあるけど、親しみやすい。ずっと側にいて欲しい」
「……そっか♪」
嬉しそうに笑うエテルの髪を撫で続ける。ふと、目がかすみ始める。
「タタラはもう眠そうだね?」
「悪い、眠い……」
「いいよ、お休み。良い夢を見てね?」
「エテルが居てくれるなら悪い夢でも大丈夫だ」
襲い来る睡魔に抗って最後にこぼしたのはそんな言葉だった。
閉じた暗い視界の中、額に優しく触れる感触が有った。キスをされたか、撫でられたかは判然としないが……安眠出来たのは確かだ。
一夜明けて、目覚めて視界に入ったのは運動着のままのエテルだった。悪戯心が芽生えて、寝てるエテルに悪戯を仕掛けようと思えば勢い余って睡姦を始めてしまった。寝てる事を良いことに『一目惚れだった』事や『誰にも渡したくない』やら『俺の全てをやるから一緒に居てくれ』などと言っていたら顔が赤くなっていた、まさかと思えばどうも狸寝入りだったらしくジト目を向けられた。
逆転され、腹の上で腰を振られながら『私も一目惚れ』だとか『貴方と離れたくない』やら『一生愛して』等と言われて思わず射精した。
二人で風呂に入って汗を流しつつ、今日の朝食の話をする。エテルは自慢のスクランブルエッグとオニオンスープにしたいと主張するが、俺はエテル一人に作らせるのは嫌だからスープはコーンポタージュにしようと提案するが話は平行線。
仕方ないから風呂場で身体が汚れる事をして決着を付け、スープはコーンポタージュにする事になった。
「……おはよう、昨夜からお楽しみのようじゃな?」
「それ、拙者の役割……」
四葩に語録を奪われた駄狐がションボリとする中、声を聞かれていた事に気付いたエテルは真っ赤だ。
「おはよう、若いから仕方ないだろ」
「開き直るでないわ、まったく」
俺の言葉に四葩は苦笑いだ。なんだかんだ、俺と四葩の関係が変わっても劇的な変化は無い。今迄の関係がそのまま理想的だったからだろう。
「ふむ……タタラ、少し屈んでくれるかの?」
「ん、どうした?」
四葩に言われて身を屈めたら、頬に柔らかい感触がした。思わず視線を向けると、顔を赤くして笑う四葩が居た。
「唇はエテルの特権じゃからの、妾は此方なのじゃ」
そう恥じらいつつ言う四葩に対して、俺は抱き寄せてその角に唇を当てる。
「ぬぉ!? なにをするかタタラ!?」
「不意打ちには不意打ちだ、ほれ鍛錬に行ってこい。朝飯は作っていてやるから」
「むぅ……行くぞ一華!」
「あ、ちょっ!? 引っ張るのはやめて欲しいでござる!」
耳まで赤くした四葩が、駄狐の手首を掴んで庭へ向かって行った。
「トラッちゃん、幸せそうだったね」
「そうか? そうならいいな、皆が幸せになれれば」
エテルの言葉に、そう返す。
二人で、台所で料理を作る。コーンポタージュはそこそこ手間が掛かる、玉蜀黍を芯ごと煮て柔らかくなったらフードプロセッサーで粉砕。濾し器の上に綿で出来た濾し布を敷き、粉砕した玉蜀黍を注ぐ。何度か繰り返して、大小問わず殼を取り除いた後に鍋へ戻し、弱火に掛けながら生クリームと水を少し入れて混ぜ塩と胡椒で味を調える。匙でひと掬いして味見をすれば、玉蜀黍の甘さと生クリームによるコクと滑らかな舌触りがかなり美味に感じた。エテルにも味見して貰うと、かなり高評価を貰えた。
鍛錬を終えた四葩達が風呂で汗を流してリビングに入ってくる。初日以降、駄狐は風呂を嫌がらなくなったなと何となく思ったがそれはそれとして偏食は治さないとならない。
「エテル殿! 玉子が! 玉子が舌の上でとろけて消えました!?」
雛菊さん、超反応である。エテルのスクランブルエッグは得意料理だからな、こうもなるか。
献立としてはスクランブルエッグと厚切りのベーコン、葉野菜とトマトのサラダとコーンポタージュだ。主食は食パンを用意しているが、雛菊さんは本当にここら辺を好き嫌い無しに楽しんでくれるので作り甲斐が有る。
一方の駄狐は、パンにサラダとベーコンとスクランブルエッグを乗せて躊躇いながら齧り付く。咀嚼は遅いがキチンと噛んで飲み込む。
「うぅ……野菜克服、野菜克服でござる」
苦手な物だが他のものと一緒なら大丈夫だと挑んでいるのだろう、頑張る姿は可愛さすら見える。語録すら出ない辺り、結構本気で頑張っているようだ。コーンポタージュを意を決して飲んだら、驚いた表情だ。甘みが強くて野菜っぽさが無いからだろうか?
「駄狐どうだ、スープ大丈夫そうか?」
「野菜の汁なのに甘くて飲み易いでござる、コレなら大丈夫でござるよ」
やはり、苦手なのは苦味や青臭さか。以前食事中に言っていた事そのまんまだったな、もう少し食べ易い物を出していこう。駄狐の健康のためにも。
「今更だが、ダリアはまだ起きてこないんだな?」
「そういえば?」
「そうじゃの?」
俺の言葉にエテルと四葩がダリアの不在に気付く。昨日から増えた住人故か、存在感が薄い扱いだな。あんだけ濃いキャラしてるのに。
と。考えているとドタドタと足音が響いた。
「遅くなりました、マスター」
口調と表情は平坦だが、大量の冷や汗流してるのが見えてるぞダリア。
「おはようダリア、よく休めたようでよかったよ」
「おはよう、ダリア」
「おはようなのじゃ、ダリア」
俺とエテルに四葩はダリアに挨拶をするが、食うのに集中している雛菊さんと野菜に果敢へ挑む駄狐は気付いて無い様子だ。
そういえば、ダリアが寝巻きに使っているのは俺がエテルを拾った時にあげたシャツだ。懐かしい、まだ持っていてくれたんだなエテルは。
「マスター。私の朝ご飯は有りますか」
「有るぞ、先に洗面台で顔洗ってこい。乙女らしからぬ顔になってるぞ」
髪は寝癖で跳ねている上に、涎の跡やらが見えている。
「マスター、デリカシーが有りません」
ノンデリはロボの役目だろ機巧乙女。
「恥ずかしいなら早く起きればいいでござるよ」
出ていくダリアに向けて駄狐がそう零す。
役割が駄狐に取られてるぞ機巧乙女。
戻ってきたダリアは朝食をしっかりと食べきった。スクランブルエッグは特に気に入っていた様子で、作ったのがエテルだと知るとショックを受けつつも美味しいと零していた。
エテルは基本、自分の料理を美味しく食べてくれる相手には好意的だ。まぁ、この家に来てエテルの料理が口に合わなかった奴は一人も居ないのだが。
「マスター、早速武器に付いて談義しましょう!」
「悪いがそろそろタチアが来るから無理だ」
「すいません。よくわかりません」
「いきなり解像度の低い思考になるな」
お前は高性能な筈だろうが。
「何故ですか、私はマスターの子供を授かりたいのです」
「誤解を招くクソワードを吐くな」
「タタラ、私はタタラの赤ちゃん欲しいよ」
「脇から刺して来ないでくれエテル」
「妾はエテルの後で良いぞ、育児に慣れた後なら尚更じゃ」
「悪ノリしないでくれ四葩」
ダリアの言う子供は俺の作った武器の事だぞ、四葩は分かって言っているんだろうが。
今日はタチアが来たら俺、エテル、四葩、ダリアの5人でダンジョンに潜る予定だ。護衛の二人はお留守番で、家の掃除なんかをしたいとのことだった。なんか申し訳ない。
「仕方有りません、マスターから貰い受けたこの『オウトエイズル』で屍山血河を築きましょう」
「いや、それじゃ効率が悪いだろ。ホレ、昨夜作っといた」
俺はインベントリから昨夜用意した魔導剣二本をダリアに渡す。ダリアは少し驚き、俺が渡した……特にチェーンソーの方に注目して大きく息を吸った。それを見て俺は両耳を塞ぐ。
「素晴らしいです、マスター!」
案の定、また始まった。タチアが来るまでに終わるかな?
【異世界発表ダリア】
「機巧乙女ダリア・ジュロンが、別の世界線を発表します。本日は此方!」
『原題パロ』
「学園に通うローテーションな学生『小鍛冶 多々良(こかじ たたら)』による、学園ラブコメの皮を被った何かです。幼い頃に両親を亡くし、親戚に引き取られた青年多々良は無気力でモノ作りが趣味の高身長とオーガサイズの愛棒が特徴なだけの何処にでもいそうでいない青年です。様々な物の修繕を格安で受ける彼は学園で便利屋扱いをされ、学生から軽く見られていました。そんなある日、学園のアイドルである超絶クール美少女である『樹論 ダリア(じゅろん だりあ)』に見初められて甘酸っぱいラブコメが始まる……今『偽造するな』と怒らましたチッ。学園のアイドルである爆乳ギャル『角谷 久遠(かどや くおん)』が大切にしていた髪飾りを修理した事で交流が始まる世界線になりますね。善意を便利に消費され、嘘告をされる等で人間不信になった多々良。実は箱入りで見た目の印象から悪評が立ってしまった久遠。この二人によるスローテンポな恋愛物になる世界線ですね……ツマランロボダセロボ」
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