既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント継続中
タタラ強化イベント完了済
前回のあとがきのおまけを少し(二千文字程)追加してますが、読まなくても問題は有りません。
早速授かった鎚で鍛冶に挑もうとしたが、お師様に殴られて止められた。今日一日は鍛冶を休めと指示され、クラフトはエテル達の武器の調整がせいぜいだと定められた。
文句の一つも言いたくなる所だが、それ以上に今の俺が心技体揃っていない自覚が有る。特に体が夜明けまで刀を鍛え続けた事で相当疲労が残っているのだと理解した。
お師様の言いつけを守り、縁側でバカの稽古を見ながら刀の拵えを施していく。バカの握りの癖、手の間隔等様々な物を見ていると自然と拵えが出来ていくように思えた。
「タタラさん、良い拵えを施しますね」
気付けば俺の隣にはお義母さんが居た。鞘はまだ作っていないが、鍔を付け柄を仕立てて目貫を打った所でそんなふうに声を掛けられた。
余計な装飾は施していない、見た目はとてもシンプルだが質実剛健を体現した貫禄の有る出来だと自惚れたくなる出来だ。
「彼奴と共に偉業を成す刀ですから、ゴテゴテ手飾るよりも安心感や信頼を得られる物にしたいって思ったらこうなってました」
「きらびやかに飾らず、本質を前面に出す。質実剛健と言った具合ですね」
良かった、お義母さんにも拵えの方向性が伝わっている。まぁ、鞘は彼奴のパーソナルカラーである赤をイメージして朱塗りにするんだが。
「そう言えばタタラさん、お聞きしたい事がありまして」
「あぁ、はい。何でしょうか?」
柄紐を巻いて柄頭を嵌めたタイミングでお義母さんが何かを思い出して確認してくる、俺は刀をインベントリにしまってお義母さんに顔を向けた。
「今朝鍛冶場の方で複数の刃を見たのですが、アレは何方かに差し上げたり売ったりする予定はありますか?」
不思議な事を聞くな、アレは習作でしかないから誰かに譲る予定は無い。寧ろ全て潰してお師様の『空裂』の再現をする為の練習の為に打ち直し続ける予定だが。
「誰かに譲る予定は一切無いですよ、寧ろ潰して打ち直し続ける予定ですし」
「……あの見事な刃を、ですか?」
「アレってお師様の刀を再現する為の技術的な確認用の物なんで、恥ずかしくて人に譲れませんよ。まだ拙くても、彼奴に譲る初めて銘を切ったアレの方が遥かにマシですしね」
俺の言葉を聞いて、お義母さんは更に考え込んでいる。
「もしかして、あの出来損ないが欲しいんですか?」
「……タタラさん、陽出國ですら名工が作ったとしても滅多に出来ない代物を出来損ないと安易に言って欲しくはないのですが」
「いえ、出来損ないですよ。『空裂』の習作と言う以前に、アレらは技術検証の為に只管打った物ですから……職人としての魂が籠もってない」
多分、お師様に言っても納得されるだろう。アレは技術の確認と鍛練の楽しさで打ち続けた物でしかなく、誰かの為に打っていない。そんな物を人に譲ったのなら、お師様にぶん殴られる。
「なので、アレらは誰にも譲るつもりは無いですね」
「そう、ですか……」
うん、お義母さんは何でそんな宛が外れたみたいな顔をするんだろうか。
「実はですね、昨日少し陽出國と個人的にやり取りをしまして」
お義母さんは難しそうな表情で口を開く。
「虎熊家で抱えている剣術指南役を私達と入れ替わりで送れないかと相談したんですね」
「また随分とヤバい役職を……」
「その上で釣る為の餌としてタタラさんのあの失敗作を使おうかと思いまして……」
「先に一言相談してくれませんか?」
勝手に決められても困るんだが。
「それ、もう通しちゃったんですか?」
「夫も乗り気で話に行きましたね」
「と言うか、なんでそんな明らかに戦闘力高そうな人を此方に……」
「その、タタラさんのお友達が余りにも才気に溢れていますので……雛菊だけで監督役を欠いた状態ですと指導が」
「……はい、すみません」
俺が原因だった。しかし、そうなると余計あんな出来損ないは譲りたく無いんだが。
「その人ってあんなのを欲しがるんですか?」
「寧ろ、アマツ翁の直弟子なんていう今迄存在しなかった刀匠の作品なんて垂涎の品ですね。拙くともコレから発展するのが分かる代物なんて簡単に飛び付きますよ、それも陽出國では古くから語られる『空裂』の模倣品……間違いなくイケますね」
「蒐集家の気持ちは理解出来ないな……」
一応、それならアレらを残しておいて要らないって言われたらそれまでって事でいいか。それで帰ってしまったらそれはそれだし。
「それなら一応アレらは残しておきますけど……その人、大丈夫なんですか?」
「好き嫌いは有りますけど、一度受けた仕事ならキッチリとやりますよ。受けるか否かが既に厳しい判定されますけれど」
「本当に大丈夫なんですよね?」
不安でしか無いな、後でこの剣術指南役の人の事はお師様に知ってるか聞いてみよう。
「うぐぁっ!?」
「あぁ、すみません!?」
そんなやり取りをしている所にバカの悲鳴と打撃音、そして雛菊さんの謝罪が聞こえて来た。見れば脇腹に手を添えて蹲るバカと、焦って近寄っていく雛菊さんが見えた。その光景を見たお義母さんは溜め息を吐いたあと、息を吸って一言。
「雛菊、昼餉無し!」
「ひぃん、そんなぁ!?」
取りあえず、傷薬と癒薬を持ってバカの所に向かう俺だった。患部を『鑑定』する限りだと、木刀が当たった付近の内臓が少し傷付いていた。昨日お義母さんが言った様に内臓の損傷が現実になり、雛菊さんはガチ凹みしている。やっているのは向かい合っての型稽古で、基本的にゆっくりと身体を動かしている筈なのに何故勢いよく当たるのか……これが分からない。
「傷薬、飲めるか?」
「悪い、昨日に続いて」
「いや、そもそも型稽古で勢いよく木刀が直撃する理由が分からんのだが……」
怪我の危険性を除いた上で選んだのが型稽古だった筈なのに、何故内臓損傷に至っているのか。
「型を馴染ませてる間に俺の踏み込みが深くなりそうだったんだが」
「うん、それで?」
「提案しようと型を終えた所で止まったらいきなり木刀が……」
「完全に雛菊さんが悪いじゃねぇか」
無意識に隙を見て超反応してんじゃねぇかソレ、反射行動にしても殺意が高過ぎる。本当、人選間違えたかな。
視線を向ければ話が聞こえていたらしいお義母さんの怒気が増して説教に熱が入ったようだ、少し目を離した隙にってのがなんというか……うん。監督責任者として二人から目を離すのが間違いと言われたらそうなんだが、コレでお義母さんがトイレに行こうと思ってもそのたびに休憩挟むことになるだろうから根本から意識直させないと駄目っぽいな。
「今日チビ達居なくて良かったぜ、情けねぇ姿を見せて笑われてるところだった」
「寧ろ、お前の弟妹達はブチギレしてると思うぞ」
このバカが居ないところでせがまれる学園内での活躍を話す事の多さとか、どんなにコイツが格好良い兄なのか語られたりとかで家族大好きなのが伝わってくる。本当、この家族には幸せになって欲しいと願うよ。
「つか、全身鎧着けてても無理だったなこの傷。的確に鎧の間を抜いてたぞ」
「タタラの目測でソレってことは確実だな……」
「そんな信用されても困るが」
「お前の見る目を信頼しなくて他の何を頼るんだよ」
小っ恥ずかしい事を言われて思わず黙る、内心嬉しいのだが表に出すのも恥ずかしい。尤も、顔は赤くなってそうだが。
「そうは言うがな、俺は見誤って雛菊さんをお前の教師に当ててるからな?」
「それはまぁ、師としてはアレだけど……剣士としては凄い人だし」
「序に好みだし?」
「うっせぇぞバカタタラ!」
こんだけボコボコにされたら100年の恋も冷めそうだが、当のバカは顔を赤くして俺に対して照れ隠しに怒鳴るくらいに入れ込んでるらしい。仕方無い、本当に仕方無いが……上手くいくようにフォローしてやるか。
しかし、何を教えてやるべきか。取りあえず服の好みとかか?
「……どうでも良い情報だが、雛菊さんはラフな服装を好む傾向に有るぞ」
ダサTとかな。
「……本当にどうでも良いな。で、具体的には?」
どうでも良いなら食いつくなよ、しかも目がマジだし。
「大きめのTシャツとか、あまり身体を締め付けない物を好むな。ただ、お洒落としてなら結構キッチリした服とかはアリっぽい」
「……地味に気になったが、なんで知ってるんだ?」
「此方に来た時に目立たない様に普段着とお洒落着買って贈ったんだよ、四葩と一華にも同じ事してるけどな」
「ああ、あのタタラハーレムの二人もなのか」
「……その認識が間違ってないのがもどかしいな」
俺本人として愛してるのはエテルなのだが、想いを向けてくれる相手を受け入れてくれとそのエテルから求められて受け入れた。歪んだ関係だろうと俺も思うが、彼女達が幸せで有るのなら受け入れる。幸せに出来るように、俺も手を尽くすつもりでは有るが。
「つか、俺がハーレムとか作れるほど器用な人間じゃ無いのは分かってるのになんでハーレム判定したんだ?」
「その方向じゃ不器用だけど、お前は一人だけじゃ支えられないってのはずっと見てきたから知ってるんだよ。だからお前を愛する奴はそんなお前を無限の愛情で包めるか、お前の為に愛を分け合えるかのどっちかだってのは分かってる。そんで、エテルは後者だったって訳だろ」
コイツ、何で俺とエテルの解像度が妙に高いんだ?
「あと、お前は基本的に他人を見捨てられないからな。何度間違えて裏切られようが懲りずに知らない誰かへその手を伸ばすんだよ」
「……取捨選択はしてるんだけどな」
「俺はいいと思うぜ、お前はそれで」
からかいの一つでも混ざっていれば良かったのだが、真顔で此れを言うのだから俺ではコイツに一生勝てそうに無い。
「あ、そうだ。此れだけは言っとかねぇと」
「うん?」
「タタラがその優しさでハーレムを拡大すんのは構わねぇけどよ、俺の妹達に手ぇだしたら……斬るぞ」
顔から表情が消えたバカがそんな事を言ってくるが、そもそも前提がおかしい。
「なんでお前の妹達に手を出すって話になんだよ、あんなにしっかりしてて良い子達が俺に好意を向ける可能性なんてねぇだろ」
「……警戒心が無いから肉食獣に自ら近付く草食獣って救いようが無いよな」
いきなり変な喩えを出すなよ、理解出来ねぇぞ。
そんなやり取りをする中で傷薬が作用して内臓の傷が癒えたらしいバカは軽く具合を確かめてから説教を受ける雛菊さんを待ちながら型稽古をしている。俺はそんなバカを『概念鑑定』で確認しつつ、お義母さんや雛菊さんの構えと比較して何処に無駄な力が入っているかを部位を触れつつ口頭で説明していく。俺が出来るのなんてコレくらいだが、少しはバカの役に立てたのなら嬉しい。
少しして消沈した雛菊さんがバカの前に立ち、型稽古の続きを始める。事前に聞いていた踏み込みの事から1m程距離を広げ、型をとっていく。お義母さんはバカの構えを見て余計な力が抜けていると驚いていたが、それはお義母さんと雛菊さんが下地を作り俺が動きを観ていたから出来た事で更にバカのスペックが有るからこそ叶った結果だ。そろそろ昼飯の時間だがあまり会話をして雛菊さんから意識を外したくない、また同じ事を繰り返しそうで怖いのだ。
「……タタラさん、雛菊は私が見ていますのでお昼の準備をお願いします」
「……分かりました」
「それと、雛菊の分は抜きでお願いしますね」
「……はい」
一切雛菊さんから視線を外さないで行われた会話である、腕前を信じたいのに疑う前例が出来てるのが悲しい。
取りあえず、昼食の仕込みだ。俺が心折れている間に一華が昼用のおかずは用意してくれていたようで、冷蔵庫の中には複数のおかずの仕込みをしてくれていた。端の方に俺の名前が書かれているおかずの皿が有るのはエテルと一華の気遣いだろう、俺の好きな物が盛られている。少し焦げてたり形が崩れている物が有るが、もしかして四葩も慣れないながらも作ってくれたのだろうか……だとしたら嬉しいことこの上ない。
チビ達もいないので難しく考えずに料理をする。エテルがしていた仕込みは魚のパン粉焼きだ、エテルの事だからパン粉に粉チーズを混ぜているだろうし、魚にも何かしらハーブをまぶしているだろう。フライパンにオリーブオイルを敷いて熱し、パターを溶かす。パン粉焼きを皮面から乗せて焼いていく。白ワインを垂らしてから蓋をして蒸し焼きに、片面に焼き色が付いたら裏返して蓋をする。両面が焼けたら出来上がりだ。魚のパン粉焼きを皿に移し、常備菜のきんぴらを少量盛ってから湯で溶かせば終わるように小分けしておいた味噌汁を用意する。コレでバカ達の料理は完成だ。俺はエテル達が用意してくれていた俺用のおかずを取り出して『クラフト』スキルを応用し内部の分子を魔力で運動させて熱する。生物には使えないちょっとした裏技である。
「昼、出来ましたよ」
お義母さんとお師様、そして俺のは何時もの卓へ。バカと雛菊さんのは昨日三女ちゃん達と使った方にそれぞれ皿を置く。二人きりの食事だ、頑張れよ。そんな事を思って居たらバカから睨まれた、恥ずかしがって無いで頑張れっての。
「フォ!? 牛酪とおりぃぶおいるで焼かれたぱん粉に混ぜられた乾酪の濃厚な甘味と酸味、その奥から香草で味付けされた赤身魚の塩味の効いた豊かな味わいが何とも美味しいですね! そして以前言っていたたるたるそぉすと何と合うことか! タタラ殿が言っていたように揚物との好相性!! 少量檸檬を絞ってやれば、油のクドさが抑えられる名差配!! あの駄狐のきんぴらが美味いのは業腹ですが料理に罪は無し、米が進むと言うもの!!」
「しまった、食レポを止められねぇ!?」
見ればお義母さんも額を押さえている、そう言えばコレを見てからお見合いに料亭は無しって判断してたっけ?
「も、もしかして雛菊さんは食事が好きなんですか?」
「勿論、食は人生を豊かにし心と身体を健康にする要素ですからね!」
「だ、だったらその……農園とか興味ないですか?」
「ほほう、農園。昨日の果物は大変美味でした、あれらを実らせる為に丁寧に管理された農園……誠に興味が有りますね」
「で、でしたらその……今度手伝いとかしてみませんか?」
まさか、食レポから農園にデートの誘いだと!?
この流れにお義母さんも驚愕の様相で、思わず拳を握っている。いけ、押せ! お前の恋を実らせろ!!
「む、それはとても心惹かれます……ですがその、私は奥様の護衛を任じられて」
「1日暇を出しますので是非お邪魔しなさい。一晩戻らずとも許します」
お義母さんも援護射撃をする、弟子みたいに認識し始めたバカの幸せと雛菊さんの行き遅れ阻止の為に結構本気を出しているのが分かった。
「お、奥様がそう言うので有れば……その」
「はい、是非来てください!」
「そ、それでは……不束者ですが宜しくお願いします」
その言葉を聞いて俺とお義母さん、無言のガッツポーズ。誰にも見られて無ければコロンビアのポーズを取っていただろう。そして俺はお義母さんに目配せする。
「雛菊さんの余所行きかつ汚れても大丈夫な服を用意しないと」
「これはあのていしゃつとじゃあじと言う服でもいいのでは?」
「それも有りですが、流石に書いてある文字を読める奴の前に出すのは憚られます。ですので最低でも無地のシャツと運動靴を買ってこないと。下着はそれなりに良い物を買って有りますし、お邪魔した上であまりゴテゴテした服は印象もあまりよくないと思うので」
「成る程、農園にお邪魔するのに派手な格好は場違いですからね」
コレらは全てアイコンタクトで交わされた会話である。この後俺が抜けてまた雛菊さんの服を買ってくる事が決定、一連を見ていたお師様は呆れ顔をしている。
昼食を終えて食器を洗い終えた俺は早速以前から世話になっている平服のお店に行く。店主は俺の顔を見て戦々恐々と言った具合だが、俺が雛菊さんについてのことで相談すると途端にノリノリになった。この都市のクラフターは大なり小なりこう言う所が有るんだよな、基本的にお祭り好きだったり他人の恋に応援的だったりする。
雛菊さんの容姿を思い出しながら、七分袖の薄いピンクのドレスシャツと七分丈のデニムパンツを店主さんと相談して選んだ。これはあのバカが清楚系の見た目を好む傾向から、凛々しいお姉さんの清楚な服装との合わせ技で籠絡する目論見である。序に小物を入れる為の小さなバッグも用意してもらう、この世界だと人は基本的にインベントリを生まれながらに持つので雛菊さんも不要なのだがオシャレとしては持たせておきたい。序に財布等の小物も購入。全体で二桁万程の出費になるがお見合い成功の為の必要経費だ。
店主さんが成熟祈願の値引きを言い出したのでそれに乗り、値引かれた分をチップで渡した。笑顔が固まる店主さんを置いてウキウキで帰路に着いた。
「あれ、タタラさん?」
そんなタイミングで出会う班長さん。どうやら街の中を巡回中だったらしく、その手には緊急事態に対応する為の試作型トリモチランチャーが握られていた。そして近くには班員らしい団員さん達も居る。
「あ、班長さんと皆さんお疲れ様です」
「はい、ありがとうございます。あれ、お買い物ですか?」
「そうなんですよ、聞いてください!」
班員の人達も巻き込んで、バカと雛菊さんの農園デートについての話をする。自警団の人達も興味津々らしく、特に班長さんの副官っぽい女性団員の人が熱の入れようが凄かった。
「タタラさん程のクラフターでも服を買うんですね?」
「服はどうしてもデザインセンスが問われるので、その辺りはどうも苦手なんですよね。特に女性関係」
『分かる』
「髪の長さの違いとか分からんて」
「二着持ってきて『どっちが似合う?』ってやつは勘弁して欲しい」
「あれ本当に厄介だよな、決めてるんならそっちをさっさと買えよ」
「タタラさんはそんな時どうしてるんです?」
「『クラフト』スキルで着用状態を頭の中で構築して、より似合う方を勧めますね。甲乙付け難い場合は両方買いますが」
「資金力の暴力……」
「クソ、金と権力と顔を持ち合わせてる奴はコレだから……」
「俺の扱いひどくない?」
男性団員によるデートあるあるで盛り上がる、女性団員からは若干冷ややかな目を向けられるが赦して欲しい。
「しかし、タタラさんも青春してるんですね。友達の応援みたいですが」
「俺はもう婚約者居るんで」
「え、もしかしてあの黒髪のメイドさんですか!?」
班長さんの問いに軽く返すと、副長っぽい女性が勢いよく聞いてきた。それ、多分ダリアだよな?
「彼奴は何方かと言うと義理の妹と言うか……ワールウィンドで過ごす為に戸籍に入れた感じですね、婚約者は別ですよ」
「あ、そうなんですね。じゃああのメイド服って趣味なんですか?」
「えぇ、彼奴の趣味ですね。何か運命みたいな物を感じて着てるらしいです」
俺の説明を聞いて妙に安堵した雰囲気になる副長っぽい女性、俺はもしやメイド服が趣味だと思われてたのか?
そんな風に和気藹々とした雰囲気が流れる中、唐突にその声が響いた。
「ドロボー!」
その声を聞いた瞬間に班長さんが走り出す、一拍遅れてそれに続く班員さん達。副長っぽい女性が俺に場を離れる失礼を詫びて去っていった。やっぱり、この都市の自警団は格好良い。
買物を終えて帰るのに大体1時間ほど掛かったが、どうも型稽古では無く坐禅を組んでいたらしい。バカと雛菊さんが縁側に揃って坐っていた。其処に邪魔をしたくなくて、そっと鍛冶場に向かう。『空裂』再現の続きは今日はこれ以上するつもりは無い、と言うかお師様から授かった鎚の初仕事を俺はもう定めている。探索組が帰ってきたら今夜行うつもりだ。
お師様は炉に火を入れず、向き合う形で瞑想していた。お師様の精神に追い付けてない俺はこう言った小さなルーティンも見逃したく無い。
「……
瞑想を眺めるだけで話し掛けようとしなかった俺に呆れたように声を向けてくるお師様、そんなお師様へ俺は言葉を返す。
「楽しいと言うより為になる、ですね。瞑想中の魔力の循環とかあんなに精緻な制御出来るのかと感心してました」
「
俺の答えに呆れて笑うお師様につられて俺も笑う。
「
「いえ、今日は夜に一本打とうかと思います。そして四葩に立ち合いを頼みます」
俺の言葉に目を細めるお師様、何をするのか理解したらしい。
「
「はい、お師様から授かったこの鎚の初仕事にしたいと思います」
お師様の問いに真っ直ぐ返すと、お師様は嬉しそうに目を細める。大切な相手へ贈る為の武器が初仕事、それだけ信頼が有ることの証左だと俺は思うのだ。
「
「……確かにそうですね」
技術交流と言っておきながら、一華の『牡丹』の時には呼ばなかったのだ。今回は正式に見届けて貰おう。
そうして軽い会話の後、俺はお師様と『空裂』を前に議論を交わしていた。
「失敗作の理由を考えましたが、コレもしかして一度使ったら砕けたりします?」
「
「欠陥品かつ失敗作……しかも、作る上での技術は無闇矢鱈に高い」
「
作る上で星から力を借りたり、鋼に最適な鎚を振るったりと難易度が異常に高い製作工程を歩んだ先が一回限りの使い捨て。確かに過去作でもアレだけ力を借りて使えるのは一回だけで後は主人公も身体が耐えきれないと言われていたが、そこ迄元にした剣に忠実にしなくてもと思わなくもない。ある意味では保管に困ったあの概念武装とは真逆だ、アレは刃では無く概念で斬っているような物だから幾らでも振るえる。ただ、空間ごと刃の斬れ味で相手を斬れる『空裂』はやろうと思えば視界に入る全てを斬れる。対してあの概念武装はあくまでも刃に触れた物しか斬れない。これがかなり大きい差異になるだろう。
「近接戦闘なら俺の概念武装、範囲攻撃ならお師様の『空裂』って感じですね」
「
「お師様、俺への当たり何か強くないですか?」
なんとなく『空裂』については何か譲れない物が有りそうだが、失敗作とは言え全霊で辿り着いた領域だからだろうか?
「
それは、お師様の懸念なのだろう。
「
「……はい、俺も怖いです」
特許として登録され、国が記録を残してくれるが技術は扱える人間を残さねば記録はただの文字列に堕ちる。俺が継承可能な技術にこそ価値を見出していた事は、そのままお師様にとっての懸念なのだ。俺が引き継いだ鍛冶の技を誰かに伝えなければ、何れはお師様の技も廃れてしまいかねない。それはとても寂しい。
俺が死んだ後も継承されて行って欲しいが、死後の保証なんて出来ない……転生してる俺が言うのも何か変な気もするが。
「
「はい、出来うる限り教え広めていきます……『空裂』は少し自信有りませんが」
俺の付け加えた言葉に、堪らずお師様が笑い声を上げた。俺自身が再現出来てない物なのだ、簡単に誰かへ教えられると思ってない。
そんなやり取りを交わしていたらすっかり外が暗くなってきた、俺は慌てて庭先に向かうと雛菊さんがバカに何かを教えていた。なんとなく、歩法についてに思えるが距離が開き過ぎて詳しい内容は分からなかった。
「悪い、遅くまで」
「いや、構わねぇって。それだけ俺の身になる事も聞けたしな」
バカは嬉しそうな表情で、また一つ強くなれたことを喜んでいる。コイツ、本当にブレないな。
そんなバカに今日の分を渡して帰路に着かせる、流石の此奴でも暗がりで襲われたら危ないかも知れない。一華から最近周囲に監視してる奴等が増えたと聞いているのだ、今更かも知れないが警戒をするに越したことは無い……いや待てよ?
「雛菊さん、夜目って効きますか?」
「よ、よよよよよよよ嫁入りを聞く!?」
「ちげぇよ」
どんだけあんたも意識してんだ、そんなに嫁入りをしたいなら手伝ってやるよ。
「夜目が利くなら此奴を送って貰って、帰りは飛んで戻って貰えたらと」
「……ああ、成る程」
俺の言葉に監視について理解したのだろう、安全に戻れる手段も有るので実質護衛である事に思い至った様子だ。
「分かりました、彼を送り届けましょう」
「いや、帰りの雛菊さんが危ないんじゃ……」
「雛菊さん、天狗っていう妖怪だから飛べるんだよ。帰りは空飛んで帰ってきて貰えたら安全だろ?」
俺の言葉に渋々と言った表情で頷くバカ、人の良さは有るけど今回は心配するだけ無駄だ。
「そうでした、雛菊」
「はい、奥様」
「一晩帰らずとも構いません、何ならご家族に挨拶して嫁入りの打診くらいしてきなさい」
「嫁っ!?」
あ、お義母さんが雛菊さんに発破かけた。それを聞いてたバカも反応している……よし、俺も手伝うか。
「なぁ、避妊具と消音の結界を張る魔導具要るか?」
「要らねぇよ!?」
顔を真っ赤にして意識してるな、是非とも朝帰りくらいはして欲しい。そんなやり取りをしてから二人を見送った。
「だから晩ご飯に雛菊さんがいないんだ?」
「直ぐに戻ってくるか、帰るのが明日になるかは微妙なところだからな……あの生真面目さなら戻ってくると思うけど」
帰ってきて共に食卓を囲む探索メンバーに経緯を話せば、エテルが珍しく食に侵食された相手が居ない事に得心がいったと言葉を漏らす。
「雛菊、粗相していなければいいでござるが……」
「流石の雛菊もその点は大丈夫じゃろう……大丈夫じゃよな?」
最早干物姿が主になって本来の礼節が出来ている姿の方が幻なのではないかと疑われてる始末、大丈夫かなこれ。
「そう言えばタタラさん、お友達のご家族は……」
「両親とこの前来たのも含めて下の弟妹が六人ですね」
「大家族ですね……」
「彼奴の両親は年中新婚夫婦みたいなものなので……都市祭で催される『都市内最愛夫婦大戦』で十年連続優勝して殿堂入りを果たしましたしね」
今年は視察団が来るのに前後して開催される年に一度、都市創設記念日を祝う『都市祭』にて五十年近くの歴史がある目玉イベントだ。其処で十年連続優勝なんて空前絶後の記録を樹立した砂糖製造機の渾名を付けられたあの夫婦、雛菊さんも当てられたりしないだろうか。
「……それは、もう少ししたらタタラさん達も出るのでしょうか?」
「来年から参加出来たらとは思いますね」
「もう、タタラってば」
恥ずかしがったエテルに肩を叩かれる。アレ、新婚夫婦は出て顔見せする文化と言うか風潮みたいなものが有るから俺達も出るだろう。と言うか、エテルと結婚できた事を俺が自慢したい。
「こればっかりは正妻が羨ましいでござる」
「虎熊領にも似たような風習があったのう、妾もタタラと並んで出ようか……」
「四葩、小鍛冶姓になろうとも貴女は虎熊家の娘。敗北は許されません」
「はいっ!」
「はいじゃ無いが」
虎熊家の娘がその手の催しで敗北を許されないって……まさか、当主代行とお義母さんって今でもラブラブ夫婦なのだろうか。それはそれで親近感が湧くな。
「そうだ、四葩とお義母さんに頼みが有るんだ」
「妾達に?」
「虎熊家に関する事でしょうか?」
俺の言葉に疑問を抱く二人に、改めてお願いする。
「食事の後、少し時間を置いてから鍛冶場に来て欲しい。四葩の刀、今夜打ちます」
そう俺が二人に向けて言うと、何方ともなく息を呑むのが分かった。
「……何故、妾達に付き合わせるのじゃ?」
「俺はお師様と違って、一人の為に刀を打つ方が得意みたいなんだ。だから……捧げたい相手と共に居た方が上手く作れるんだと思う」
そう言葉を切ってから一華に視線を向ける。一華はインベントリに収まっている『牡丹』を思い起こして、納得の表情を浮かべる。
そんな一華の姿を見た後、四葩に視線を合わせる。四葩も納得の表情を浮かべ、一つ頷き口を開く。
「分かったのじゃ。今宵、妾の刀……打ってほしい」
「拝命しました」
改めて四葩から頼まれ、気を引き締める。
「タタラさん、私が参加する理由は何なのでしょう?」
「一応、技術交流の名目が有りますからね。お師様共々見届けて欲しいんですよ……駄目ですか?」
「……いえ、光栄です」
お義母さんは何とも言い難い表情をして了承してくれた。
「マスター、新たな魔導具なら私も見たいのですが」
「魔導具ってか概念武装だぞこれ、お前が好きな魔導具系は……そう言えばアレをそろそろ作ろうかと思ったけど今は刀の方が優先だし」
「マスター、アレとは?」
ダリアが魔導具作成の現場に立ち会いたがるが、物は魔導具では無く概念武装。しかも製作中に邪魔されたら多分キレてぶった切ろうとすると思う、なのでダリアは出来ればいて欲しくない。そして、刀の技術習得を最優先して完成させてないがダリアの鎧に必要な技術が出来上がってないのだ。それは──
「魔導式反動推進機巧……俺はジェットエンジンって呼んでる代物だ」
「魔導式反動推進機巧……」
ダリアの目が輝く、以前俺が見せた空を飛ぶ為の機能の一つを思い出したのだろう。
「作業はお師様達が帰ったら、かな。アレは始めると時間かかりそうだし」
「それなら探索の休養日を作り、其処で完成を目指しましょう。大丈夫、魔導具なら私達機巧乙女の領分です!」
生き生きしてるなダリア、まぁ仕方無いか。最近は新しい魔導具作ってなかったし。
そんな会話を挟み、夕食を終える。洗い物を一緒にしているエテルに『夜中、部屋で』と言ったらテンションが爆上がりしていた、お礼を兼ねて好きなプレイに付き合うつもりだが……授乳プレイで止まってくれたら御の字だな。
エテルに頼み、一人で夫婦風呂を使い身を清める。新しく降ろした作業用の服を着てから鍛冶場に入る。既にお師様が一人待っていた。
「お師様、本日はお付き合い頂き有難う御座います」
「
一礼して礼を述べれば、お師様からも礼を言われる。互いに鍛冶師、互いに良い学びになるように一層気合が入る。敬愛する師に寝ぼけた技など見せられない。
「……遅く成りまして申し訳有りません」
「謹んで謝罪を申し上げる」
続いて入って来たのがお義母さんと四葩だ。二人とも身を清めてから来たのだろう、髪が少し濡れていて肌も上気している。何よりも纏っている和装、真白の襦袢である。
「それでは此れより、虎熊四葩様の作刀の儀を執り行いたいと思います。どうか、見届けて頂ければ幸いです」
俺がそう告げて一礼すると、各々も礼を返してくれる。集中力が増して行く、此れより鍛える刀に対して気持ちが乗る。
お義母さんより四葩の刀に使う魔法金属のミスリル、オリハルコン、アダマンタイトを預かる。それらを炉へと入れ赤める。
お師様が『空裂』を作る時のように、魔力の揺らぎに合わせて魔法金属に熱と魔力を通して行く。ミスリル、オリハルコン、アダマンタイトがその硬度を徐々に失っていく。
三種の魔法金属の中で赤めた物を取り出して鎚で打ち、再び炉へ戻す。今日初めて使う筈の鎚は俺の手と馴染み、まるで身体の一部になったかのような一体感を齎している。思うままに、と言うよりも思った以上に打ち延ばす金属の状態が良い。
ふと、何かに導かれるように近い厚みになった三種の金属を重ねる。周囲の空気が変わった気がしたが、瞬時に落ち着いたと思う。そんな事よりも、目前の鍛治に全てを懸ける方が重要だ。
三種の別の性質を持つ金属は、昨夜見たお師様の鍛えた鋼のように不思議な調和を持って完璧な金属として其処に存在した。内部の路は微かなズレも無く、まるで初めからそうであったかのようにその存在を主張している。
そうして打ち延ばした金属を、水槽に入れる。急速に冷やされ、割れたその金属は完成された形を保っていた。
積み沸かしを行い、良質な部分を内に溜めるように重ねて仮付け。一つに固まっていくそれは、三種の魔法金属が等しく混ざり合い一つの性質へと変じていく。
見事に一体となったそれに本沸かしを行い、不純物を取り除く為に鎚を振るう。鉱滓が散り、過剰に込められた魔力も散る。昨夜見た蒼い火花が俺の鎚により生み出されていく。
最早三種の金属が混ざった物とは思えぬ程に溶け合ったソレを、本格的に鍛錬する。一打一打、振るう度に過る四葩と過ごした日々。
初めの出会いは警戒、そして希望に縋る迷い子の顔。其処から心を開いて笑顔を向けてくれて、俺に好意を伝えてくれた。
地上に戻り、エテルとの仲が進んだ事を伝えれば自分事のように喜び祝福してくれた。
俺への好意が強くなり、苦しめてしまった。泣き腫らした顔で俺への未練を語ってくれた。
全てを受け入れて、共に歩むと違ってくれた。
互いに肌をさらけ出し、情を交わした。
俺と四葩を繋ぐ思い出の日々、今日まで重ね続けた二人の関係。
これからも共に歩みたい、そんな願いを込めて鎚を振るう。
金属が、決定的な変化を得たように思えた。ソレまでとは違い打つ度にどんどん形が出来上がっていく。
作り込み、形式は四方詰。棟鉄の先端を少し変え、造りは鋒両刃造。本格的に鎚を振るい刀としてその在り方を定めていく。
刃幅は10cm、刃長は180cm。ソレがこの金属が求める刃の姿。
それに向けて俺は鎚を振るう、一打一打に四葩への想いを込めて鍛え続ける。
形が出来た素延べ棒に焼刃土を塗り、炉へ。『概念鑑定』を絶やさず状態を見極め続け、均一に火を通す。
焼刃土が漏れ無く焼けたのを見極め、水槽に刃を入れる。
立ち昇る水蒸気、耳をつんざく音。それでも『概念鑑定』を絶やさず刃を見続ける。昨夜にお師様が鍛えた『空裂』程の存在感は覚えない、しかし此れこそが俺の求めた完成なのだと分かった。
焼入れが終わり、刃を水槽から引き抜く。軽く焼刃土を叩けば砕けて、その下の刃を晒した。
不思議と目を奪われる色合いだった。例えるなら夜明け前の瑠璃色の空、そんな美しい青色。
刃を砥ぐと、その色合いは美しさを増して行く。瑠璃色から色を変え、紫陽花を思わせる色へ変わっていく。ああ、四葩に相応しい色だな。
砥ぎ終わり、茎を切る。銘を切ってから日付を刻み完成を見た。
「……四葩、出来たぞ」
担い手に呼び掛ける。まだ刀装具は施していないが、刃は完成した。この刃にあの概念武装のような特殊な鞘は必要無い、四葩と共に在る限りこの刃は決して折れる事は無い。それが確信として俺の中にある。
「……美しい」
「まるで紫陽花を思わせる色だろ?」
「そうじゃな……狙ったのかの?」
「まさか、自然とこうなったんだ」
俺から受け取った刃を抱き締める四葩、しかしその刃は四葩の肌どころか服すらも傷付け無い。刃も分かっているのだ、自身を抱くその人物が己の主であると。
「これの銘は四葩が頼む、俺に名付けの資格は無い」
「鍛えた張本人なのにか?」
「俺はこの世界に生み出しただけだ、意味を与えるのは四葩の役割なんだ」
「……よく分からぬが、タタラが言うのならそうなのだろう」
一華の『牡丹』に比べて遥かに我儘なやつである、その代わり必ず四葩を守れと念を送ればその刃がキラリと光る。約束だぞ。
「ならば、此奴は『手鞠花』。妾と同じ、紫陽花の名を持つ半身じゃ」
その名付けを受けて、脳裏に何かが繋がる感覚が走る。鑑定を掛けて見れば、確かに根付いていた。
刀剣『手鞠花』
物理攻撃 120
魔法攻撃 120
最大射程 3
特殊 『不撓不屈』『小鍛冶四葩専用』
前に見た『ケラヴ』よりも性能が上、劣っているのは射程くらいの物だが刀で射程が此れってのが意味不明過ぎる。それと『不撓不屈』の効果が判らない。
ただ分かることは、四葩の為にこの刀は存在していると言うこと。
長女「タタラさん、魔法薬について聞きたいことが」
次女「フフ、タタラくん。ボタン直してあげるから脱いでね?」
三女「たたらちゃん! いっしょにおえかきしよ!」
長男「お前ら、俺の親友を狙うんじゃねぇ!!」
次男「兄ちゃんが一番タタラくんに重い感情向けてるよね」
2025/02/10 20:47 4000文字程追加。
もし、番外短編が有るのなら※一応全部書くつもり
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タタラとエテルの立場逆転
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現パロ(エテルヒロイン)
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現パロ(四葩幼馴染)
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武器が擬人化してタタラへ物申す
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年増組と同い年
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聖人カレハ
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原作エテルとタタラ
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ガチ妹ダリア・ジュロン