既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント継続中
滞在期間6/7
「さて、肝心の人造オリハルコンの作成だけど……コレの根幹は鋼のインゴットから不純物を取り魔石と置換させるって事だ」
「え、インゴットの不純物に痴漢するんですか!?」
「シャムス!!」
俺の言葉を聞き間違えたらしいシャムスをエストが引っ叩く、バシィっと工房内に音が響く辺り結構本気で叩いたようだ。いや、音からしてどう聞き間違えたのかは察したが無機物に痴漢する変質者では無いぞ俺は。
「置換ってのは置換える方だからな、流石に俺も無機物に欲情する人間って言われたら怒るぞ?」
「うぐっ……すみません」
「まったくシャムスは……それで先輩、不純物を魔石に置換させるとは?」
エストが進行を促してくれたので気を取り直す、取り敢えず説明だな。
「『概念鑑定』を使用して何となく分かってきてると思うけど、鉄や鋼のインゴットを見たときって内部に金属とは違うものが見えるのは分かる?」
「ええ、なんと言うか表現に困りますけれど」
「アレですよね、ガラスの中に砂が混じって固まってるみたいなキラキラした感じ」
「うん、シャムスの感覚は結構近い物が有るかな」
独特な表現では有るが、不純物が本来透明で有るはずの物に混じって光を反射してるのは実際に俺が見ている状態に近い。
「この不純物を『クラフト』スキルと『錬金術』スキルを併用する事で魔石と入替えられるから鋼は人造オリハルコンに変わるんだ」
「気軽と言うかお手軽みたいに言ってますけど、それ普通じゃないですよね?」
「都市長は『概念鑑定』無しで出来るから簡単だよ」
「いや、比較対象」
魔鉄は兎も角として形状記憶合金と人造オリハルコンは比較した性能で一割減って話は聞いてないから、簡単な部類だと思う。
「取り敢えずやってみようか」
「気軽に言いますね……やりますけど」
「先輩の授業受けてるとスキルの併用なんて言う高等技術をお手軽に求められるから自然と自分自身が鍛えられてる感じがするんだよね……」
そうは言うがなシャムス、ダンジョン内では併用とか同時使用とか普通だぞ。それに、今回は動かず時間経過で内部の状態が変わる代物でも無いんだし『概念鑑定』を途切れさせず『錬金術』の抽出と注入を『クラフト』でサポートするだけだ。うん、大した難易度じゃない。
二人の問題は『概念鑑定』に慣れて無いこと、意識せずに維持し続ける事を苦手とする事だろうか。魔鉄や形状記憶合金の精製時には問題としてなかったスキル併用も、三つを越えるのは辛いのだろうか。この辺の訓練もしないとダメかな、魔石の融合から発展する『浮身石』や『錬金術師の卵』は併用前提だし。先ずは『概念鑑定』への慣れさせる訓練が要るかな?
「全然上手く行かない……」
「『概念鑑定』との併用がネック過ぎる……いや、正しく言うならスキルの併用そのものに慣れてないのが原因だなコレ」
感覚で挑んで疲れ果てるシャムスと、工夫を繰り返して現状自分に足りて無い物を洗い出すエスト。アプローチは其々違うが、シャムスはアレで自分がスキルを併用する感覚を見出すためにかなり集中していた。当人は気付いてないが『概念鑑定』は意識せずに維持できる域に居る。俺は上手くいって二人が上手くいかない理由、もしや『錬金術』スキルのレベルやランクだったり?
どうも俺が設計図さえ分かればランク無視で加工出来るのは異常らしいし、もっとレベルが高くないと出来ないのだろうか?
そんな風に悩んでいるうちに、終業の鐘が鳴った。時間がかなり短く感じるが、俺は二人の悩みを見て解決策を見出す為に彼是と考えていたらしい。それでは、師匠面も見せますかね。
「シャムスは『錬金術』スキルの使用に慣れてないのが失敗の原因かな、使おうと思って意識がそっちに取られ過ぎて失敗してるよ」
「え、そんな事がわかるんですか!?」
「ま、師匠だからね」
魔力の動きもそうだが、脳の活性化から読み取るとこんな感じに失敗してるのが分かる。スキルの使用を手足を使うどころか呼吸するかのように無意識下での制御を求められている……高等部に上がる前の子に求める物では無い気がしてきたなこれ。
「んで、エストは順序立ててスキルを使用するプロセスの構築が目標かな?」
「順序立てて、ですか?」
「そ、エストの場合はシャムスみたいな直感でスキルの選択をするんじゃ無くてAからBそしてCみたいに使用の順番を固定化させる方が上手くいくと思うよ。その順番はエスト自身が見付けて最適化しないとダメだから、俺はアドバイス出来ないかな」
「成る程、頭でっかちらしく決められた手順を作って無駄を無くすって事か」
エストは頭が良いから俺の感覚混じりの言葉から伝えたい事を拾ってくれる。ちょっと自虐も入ってるけれど、それも個性と割り切ってるみたいだ。
「時間を少し過ぎちゃったけど、今日は此処までかな」
「はい! 先輩ありがとうございました!!」
「ありがとうございました、先輩。ナイフもしっかり保管します」
挨拶を返してくれる二人に頷いて、見送る。さて、帰りはバカと合流してそのまま家だな。今日も今日とてお義母さんと雛菊さんに彼奴を鍛えて貰わねば。そんな事を考えながら教室に戻ると、バカとエテルが複数の生徒に囲まれていた。最近多いなこう言うの。
「悪い遅くなったな、帰ろうぜ?」
俺がエテルとバカに纏めて声を掛けると、エテルはパッと笑って囲む生徒達を飛んで避けて俺に向かって来る……どころか勢い余って抱き着いて来た。
「おい、此処は学校だぞ」
「いいのいいの、見せ付ければいいんだよ」
「良くねぇよ」
この雰囲気、多分相当なストレスだったな。彼奴が側に居て此処までとは、余程だぞ。飛び越えられた生徒……女生徒っぽい面々は驚いたような、何か傷付いた表情の娘も居る気がする。
「なぁ、ジュロン!」
と、そんな俺にバカに絡んでた男子生徒が声を掛けてくる。誰だっけコイツ、見た記憶が無いような有るような?
「さっきカラーに渡してたアレ、俺にも作ってくれよ!?」
「え、刀を?」
いきなりだな、つかそんなのは此処じゃ無くて店が空いてる時に依頼しろよ。流石に印象悪いぞ。
「依頼なら店が開いてる時に正式に依頼しろよ、それに鉄製品とか他所の店にしろ製作依頼出した事あるか?」
「けど、カラーには作ってるじゃねぇか。あんな強力な魔導具、一人にだけ融通すんのはズリぃだろ」
「……確かに同学年かつ探索学科首席の生徒に最新武器のテスターをやってくれ、と依頼はしたけどな。それはそれとして鉄製品に付いて話題を逸らすな」
あのバカを贔屓しているのは自覚している、幼馴染だし昔に救われたことが有るしな。しかし、依頼に関してはあのバカだからこそ頼んだのだ。それだけ学年首席の肩書は重い、特に同じ学生であるのなら。
「俺は彼奴から鉄のインゴットと鉄鉱石を預かり、正式に依頼を受けて剣を打った事が有る。ソロで15階層を突破する実力が有る事も知ってる。それだけ揃っているからあの剣に付いての依頼を出した……それはいいな?」
少し苛立ちながらそう問うと、相手の男子生徒は多少俺を怖がって居るのか一歩足を引いて頷いた。依頼を理解しているならいいが、その上で俺に頼むならそれこそ店に来いと。つか、刀の値段とか技術料が確定してないから下手に値段付けられないんだよな。外国からの文化だし、下手に安くも出来ない。
何より、お師様の鍛冶技術に安値を付けるのは俺のなけなしのプライドが許さない。
「んで、アレは俺が個人の伝手を使って製作技術を学んだ国外の理論で作られた武器だ。当然そこには特別な技術料が発生するし、安値は付けられない。この『ワールウィンド』でも上位の探索者に依頼する事も考えたが、あの剣はこの国には無い特殊な運剣が必要になる」
今日のバカがやらかしたであろう訓練は見てないが、余程の活躍をしたのだろう。常に見ているのが帝の近衛を務める程の武芸者である雛菊さんで、監督役にはお義母さんと鉄壁の布陣を敷いた上での教育だ。その上で彼奴の才能が合わさっただろうから、下手したら学生相手の勝負では負ける事が無いだろう。
「それを学ばせるなら独自の戦い方を構築し、磨き上げてきたベテランでは無く才能は有るがまだ染まりきらない若手だ。ならば現時点で学園で最強を張る彼奴にその技術の習得を依頼する……何か間違っているか?」
元から首席を取る技量が更に跳ね上がる、その理由を求めた時に今日は特に分かりやすい物が有った。俺の渡した刀、それが彼奴の力を何倍にも引き上げた……そんな魔法の剣にでも見えたのだろう。生憎だが、彼奴が強いのは当人の努力の結果でしか無い。才能を正しく磨けたからこそ彼奴は強くなった、安易に武器に頼ろうとしているお前と違ってな。
「な、なら俺にだってチャンスが」
何か色々言いたいんだろうけど、その前にさ。
「悪いんだけどさ……お前、誰?」
「……は?」
「記憶に引っ掛からないんだよ、チャンス云々以前の問題で目立った実績を知らないから『此奴なら』って頼る対象に上がらない……そんな相手に大切なプロジェクトを任せると思うか?」
本当に誰か分からないんだよな、成績が悪くてもクラス内に居たなら記憶に合致するんだが。そりゃ中等部の頃なら父さんと母さんの事が有った前後は曖昧になるけど、その時はバカが家まで連れてって一緒に飯食ったりする事も多かった。今思えば、ずっと寄り添っててくれたのだ。
「あーっと、タタラ。そいつは別クラスで探索科の26位とかだ」
「……それは覚えてねぇわ」
未だに囲まれてるバカからの補足を受けるが、そんな順位の相手は正直覚えてられない。総合10位くらいまでなら覚えていられるが、ライバルたり得ないとか才能の芽が見えない相手の事は一々覚えてない。それこそ剣の振りが綺麗な中等部の生徒とか、才能は無くても誰かを守る為に武器と己を盾にしている心意気の有る人とかは覚えてられるのだが。
「な、なんだよお前……何で俺を知らないんだよ!!」
「いや、俺に以前名乗ったかお前?」
正直、キチンと挨拶されてたなら覚えてはいられるけれど……一方的に名前を呼んでくる相手とかは覚えて無いぞ。
「俺は中等部の頃、お前と競った事が有るんだ!」
「……中等部?」
中等部で競った相手、それこそテストの点数では上回ってたけれど模擬戦では勝ち越されてたそこのバカとか今でも実技で上位10位以内に入るくらいに強い元クラスメイトしか印象無いな。それ以外はずっと心が沈んでて周囲を気に掛ける余裕が無かったし。
「中等部の頃、俺に勝った事が有るのか?」
「それは……無いが」
「中等部の頃の知り合いなんて俺に勝ち越してるそいつとか、今は別クラスのエルフ姫くらいしか記憶残らねぇだろそんなんよ」
因みに、このエルフ姫は同い年に見せ掛けて100歳以上歳上なので単純に鍛練の量が違い過ぎて俺は勝てなかった相手だ。負けず嫌いでクラフターの俺相手でも全力を出して来て勝ち越しているような若作りである。ま、そんなエルフ姫を才能だけでぶっ倒して最強の座に着いてるそこのバカは何なんだって話になるんだが。
そう言えばあのエルフ姫、俺がエテルを家に住まわせてから近寄って来なくなったな。前はよくテストの点で負けたとかでウザ絡みしてきたのに。
「俺は……だって、お前と同じクラスで」
「同じクラスで名前覚えてないって、自己紹介しなかったのかな……」
此処まで凹まれると流石に罪悪感が湧いてくる。ただ、初等部の頃から同じクラスであり続けたバカが中等部時代の誰々だと言わないのが分からない。彼奴ならその時代で俺が仲良かった相手とかは知ってる筈だし、俺に絡んでた相手も分かるはずだ。
「そんな、だって俺はジュロンと……」
顔面蒼白でずっとブツブツ言ってる誰かも分からない相手、もしかして記憶や情報を食って存在を消す系の魔神にでも狙われたのか?
そんなのが居たかも覚えてないが、居たとして此奴の存在を消す理由はなんだろうか。此奴の存在がその魔神に不利に働く事が有るのなら分かるが……正直、因果とかは分からないが少なくとも才能と言う点では脅威足り得ないと思われる。
「なぁ、もういいか? 俺も俺でこの後用件が有るんだけど」
少し心苦しいが、家に帰ってやる事がそれなりに有る。明日で帰ってしまうお義母さんとお師様の為に料理の仕込みをしたいし、鮪解体の為に俺用の包丁を仕立てたり練習もしたい。
俺の言葉によく知らない男子生徒は膝から崩れた、いや本当に悪いとは思うんだけど依頼するにしても手順踏んでくれ。
「あ、あの!」
そのまま立ち去ろうとした俺とエテル、囲いから何とか抜け出して来たバカと教室を後にしようとしたら背後から声を掛けられる。
「おい、呼ばれてるぞ」
「いや、此方は俺に用はねぇよ」
「は?」
「……ムカつく事に、この人はタタラに用事」
「え?」
バカに振れば俺への用件だと言われ、エテルもその事に何か有るのか不機嫌そうに補足して来た。何かと思い振り返れば、気弱そうな黒髪で眼鏡を掛けた女生徒が立っている。見覚えは……あ、前にテストでエテルより総合の順位が一つ上だった人だ。
「あの、魔法触媒のクラフトを御願いしたいんです……次のお店の開店は何時でしょうか?」
人と話すのが苦手なのか、か細い声でしかも俺を真っ直ぐに見れない人のようだ。しかし、依頼をしたいから店を開ける日を教えてほしいか……そこで打ちひしがれてる見知らぬ人にも正式な製作依頼を出せる機会は必要だよな。
「最短で明後日かな、ちょっと明日まで特殊な案件が入ってて」
「わ、分かりました……それなら明後日にお伺いしますね」
凄く簡単に納得してくれた、少し嫌な顔をされるかもと覚悟したのだが。しかし魔法触媒か、探索科の魔法使い系統なのかな。研究職っぽい雰囲気だけどコレでオリーブさんと同じタイプだろうか?
「製作依頼は都市内の何処かで鉄製品の製作依頼を完了している必要が有るんだけれど、其処は大丈夫か?」
「は、はい。ダンジョン内で鉄のインゴットは拾ってますのでそちらもお願いしたいと!」
「分かった……ご来店お待ちしてます」
最後だけ営業モードで挨拶をする。何やら顔が赤く成った……アガり症だろうか、それにしては会話が終わった後に発症したみたいだが。
時間を食ってるのでその場から立ち去れば後ろから何やら女生徒を褒めたり労ったりする声が聞こえてくる、人と話すの苦手そうなのに頑張ってたからな。良い友達に恵まれているらしい。
「……あの人、タタラに製作依頼したいからお店の営業日を教えて欲しいって私に聞いてきてたんだ」
「そうなのか、じゃあ囲まれてたのって」
「同じパーティのメンバーみたい。誰かと話すのが苦手みたいだったから、私を呼び止めたのが友達で背中押してたり励ましたりして用件を言わせてたよ。私じゃ分からないからタタラに直接聞いてって言ったんだけど、直接話すのが余計に緊張するみたいで言葉を詰まらせちゃった時に丁度タタラが来た感じ」
囲まれてたのは見た目だけで、エテル自身が詰め寄られても怖がらなかった辺り多分本当に配慮してくれてたのだろう。対人が苦手な者同士で妙なシンパシーでも有ったかも知れない。
「んで、俺はタタラの刀が強さの秘密だとかでどんな性能なのかとか彼奴に聞かれてた。単純にすげぇ斬れ味でトンデモねぇじゃじゃ馬だって話はしたが、それに対して各ステータスの加算値がどうとか言ってきたな」
「……その刀、そんな特殊な強化とか発生しないんだが」
「おう、俺も分かってる。だからそんな効果は無いって言ったんだが、その事を何故か否定してきてな……人の話を聞きやしねぇでやんの」
「苦労したんだな」
エテルとバカで何故こうも囲んでくる人種が違うのやら。
「つか、そんなに暴れたのかお前」
「相手が雛菊さんで慣れちまったせいか、相手の動きが止まって見えてな……エテルくらいだぜ刃が届かなかったの」
「速さでは上だからね、それでも当たりそうな場面はそこそこ有ったから怖かったけど」
エテルに届きかけるって何なんだろうな、スキルとクラスアップで速力100越えてるんだぞエテル。ステータスでは完全に追い付かない筈なのに、何で世界の法則を無視しかけてるんだろうな此奴。
そうして会話を交わしながら学園から出ると、探索に向かう四葩と一華そしてダリアが待っていた。今日は絡まれては居ないらしく、少し安堵する。
そのままエテルを任せて、俺とバカは揃って俺の家へ。
「聞きたいんだが、さっきお前に絡んでた別クラスの奴って俺と同じクラスだった事は有るか?」
「あ〜……さっきの彼奴か、ねぇぞ」
道中何も会話が無いのも変なので世間話的なノリで先程の男子生徒に付いて聞いてみるが、このバカをして過去に俺達とクラスメイトになった事は無いと言う。先程の会話を思い出すにかつては同じクラスでもあったらしいのだが、その割に俺もこのバカにも記憶が無い。俺達の記憶違いか、はたまたアイツの妄言か。
そんな風に会話しながら家に着き、バカを着替えさせに向かわせつつ俺はキッチンで昼食の準備だ。手早く喰えてある程度腹持ちする、と言う事で何を出すか迷う所だが、やはり握り飯と味噌汁におかずを一品だろう。一華の仕事であろう、炊飯は出来ていて白米は十分。野菜は常備している玉葱が3玉、アスパラガスが20本程。主食は鶏肉……天ぷらにするかな。
鶏むね肉を繊維を断つようにそぎ切りにしてボールに入れ、砂糖をまぶして揉み込む。馴染んで来たら更に醤油と大蒜、生姜を加えて揉み込んでから馴染むまで漬け込む。続いて油を温め始めたら小麦粉を篩にかけてダマを取る、少しならダマが残っても大丈夫なので大体2・3回篩にかけたら終わらせる。容器に卵を溶いてそこへ冷水を入れて混ぜる、よく混ざったら篩にかけた小麦粉に合わせて軽く混ぜ合わせる。勢いは付けず、泡立て器で底の方に小麦粉が残らないように混ぜる。衣の液が出来たら先に野菜から衣に潜らせる。輪切りにした玉葱は竹串を刺して固定し、表面を綺麗な布巾で拭いて水分を取ってから打ち粉をして衣に潜らせる。アスパラガスは皮を剥き、油鍋に入る長さに切ってから打ち粉をして衣を潜らせる。用意が出来たら油の温度を見て、170℃前後で有るのを確認してから揚げる。表面が固まるまで揚げたら裏表をひっくり返し、あまり長い時間揚げずに取りだす。後は油切り用の笊に上げ、余分な油を切りつつ余熱で中に火を通す。
続いては鶏の天ぷらだ。温度はそのまま170℃で良いのだが、一度に多く入れすぎると油の温度が下がり上手く揚がらないので分けて投入する必要が有る。野菜と同じ手順をしてから、鶏肉を揚げる。野菜より心持ち長く揚げ、同じように笊へ上げる。余熱でしっかりと中へ火を通さないと、雑菌で腹を壊すのでこの辺は慎重にする。何度か繰り返し全て人数分を揚げる。油の処理をキッチリして、皿に人数分を取り分けたら食卓へ運ぶ。
「お待たせしました。鶏と玉葱、そしてアスパラガスの天ぷらです。塩と檸檬くらいしか無いので、お好みでご利用下さい」
「……なんでそんな馬鹿丁寧なんだタタラ?」
「いや、お師様達には自然と丁寧になるからだが」
バカの質問に答えつつ、各員の前に天ぷらを乗せた皿を置いていく。続いて真ん中におにぎりを乗せた大皿をでんっと置けば、喰い盛りであるバカと食いしん坊の雛菊さんの目が輝いた。
勢いよく『いただきます』と声を揃えたバカと雛菊さんはおにぎりを一つ手に取り、其々別の天ぷらを一口。より強く眼を輝かせておにぎりと交互に食べていく。
「鶏の天ぷらとは初めてですが、大蒜と生姜の味が効いていて美味しいですね。塩と柑橘の汁と言うのも合致しています……惜しむらくは、天汁とお酒が無い事でしょうか」
静かにそう称賛してくれたお義母さんだが、たたきを出した時のように飲酒不可である状況に嘆いている。俺も天汁が用意出来たならしたんだが、鰹節とかで出汁が取れないと作れないので諦めてしまった。
「
「いえ、本来なら大根おろし付きの天汁でお出ししたかったんですけど何方も『ワールウィンド』には無いので塩と檸檬にしました。陽出國ならカボスやスダチ辺りを出したんですけど」
「
俺の言葉に頷きながら、お師様は盛った塩に檸檬を掛けてレモン塩を作って鶏天を楽しんでいる。ただ、傍らに酒が無いことで時折悲しそうな空気を出すのはやめて欲しかった。
「タタラ、このフリッター美味いな!」
「お、気に入ったか?」
「衣は薄いのに確りとした歯応え有ってすげぇ美味い、玉葱は揚げたお陰でとんでもなく甘いしアスパラガスも衣と身の食感がすげぇ楽しいぜ!」
そう言いつつ家が農家な為か鶏天よりも玉葱とアスパラガスを楽しそうに食べている、鶏天は後の楽しみってところか?
「とても美味しいですタタラ殿! 天ぷらは野菜と魚介が主と言う固定概念を粉々に打ち砕く鶏肉による天ぷら! 鶏肉の中でも脂身が少なく繊維が多い胸肉を使っている為に衣が吸った油と共に口にしてもくどくない後味になる、正に計算された美味しさ!! 大蒜と生姜の下味は淡白になりがちな鶏肉へ香りと辛味を与え、砂糖醤油の塩味と甘味の調和は口福を齎すことを約束されている! 薬味としての塩と檸檬、コレを使う事で油の味を引き締めてより食べやすくし次を摘む手を止められなくする……何と恐ろしい組合せ!!」
「絶好調ですね、雛菊さん」
「コレが無意識なのが本当に不思議ですね」
雛菊さんの変わらない食レポに最早慣れた俺は適当な合いの手を入れ、お義母さんは無駄に語彙と分析力を見せる姿に諦めた雰囲気だ。海老天に出来たなら天むすにしても良かったかもと思いつつ、養殖も無しにそんな見事な海老を手に入れようとしたら輸入品に限るので結構いい値段になる上に希少すぎて買えないので諦める。金は有るのだが伝手が無い、商会長の紹介する商店では流石に高級過ぎて相応しくないだろうし。
「そうだ、お師様にお義母さん」
「
「どうしました?」
「明日お帰りになりますし、お見送りの際に頂いた鮪を解体してお出ししようと思うんですけどどんな食べ方がいいですか?」
鮪を解体するのは良いのだが、寿司などを頼まれた時のために酢飯等を作る必要が有るかも知れない。炭と網を用意して炭火焼きで鮪ステーキなんかは対応出来るが、兜焼き何かを出そうと思ったら庭に専用の竈を作らないと出来ない。テールを切り落として煮込むスープ何かはとても時間が掛かるし、鮪の海鮮丼を作るのなら酢飯にして更にある程度熱を冷まさないと刺身の味を殺してしまう。そんな事を説明しながらレパートリーを挙げていく。
中々にレシビを考えるのが難しい、こういう時に前世のレシピアプリが欲しいと感じる。
「……今タタラさんが挙げていただいたお料理だけでも十分ですけど」
「
二人からはそんな遠慮させたみたいな言葉を貰うが、それは少し淋しい。何時も子供から我儘を受け取る大人なのだから、偶には子供に大人が我儘を言っても赦されると思うんだが。
「なぁタタラ、お二人共明日帰るのか?」
「え、ああ。俺がお師様から鍛冶を教えてもらう契約期間が明日までなんだよ、本来は年単位で教えて欲しいんだけどお師様は忙しい身だから1週間が限界だったみたいでさ。お義母さんは四葩の様子を見に来たのと、教えてる舞の稽古を欠かして無いのかの確認だ」
話を聞いていたバカが気になったのか俺に確認してきた。学生運動についてはぼかすため、短期間しか居れなかった理由をでっち上げて伝える。本当は学生運動について話して、備えをさせなければならないだろう。しかし、下手に伝えてこのバカが警戒を露わにする事で俺達が備えているのだと騎士見習い側に気取られる要素を増やす訳にもいかない。
「え、と言うことは師範って故郷の方だと偉い人なのか?」
「……師範?」
「ああ、初日にそう呼べって」
何を考えてるんですかねお義母さんは。
「……まぁ、いいか。この人は陽出國の大貴族の夫人で、國の祭事なんかにも関わる結構重要な立場の人だ」
「お前、そんな相手を義母呼びしてんのか……」
「そうしないと不機嫌になるんだよ」
そんな会話を聞いているお義母さんは何か微笑ましいものを見るような眼を俺達に向けてくる、そんな表情をするような会話かコレは?
「お世話になったし、俺も見送りたいが……」
「鮪のデカさは相当なもんだから特に問題は無いし、何なら食ってけよ」
「いや、そんなデカいのかその魚」
「全体で400kg越え、可食部は300kg近くは有るぞ」
「デケェな!?」
「因みに、持ち込んだのお義母さん」
「スゲェな!?」
骨も出汁を取れたりするのでそういう所を使えば更に食える物も増えるだろう、本当に料理を考えるのが大変だ。
お義母さんは驚くバカに「釣ったのは主人だ」と何処か惚気に聞こえる話をバカに語っている。バカの目が段々と死んで行く様が家で両親の惚気を聞かされている時のそれな気がしてならない……お前も苦労してるんだな。
そんな賑やかな昼食を終えて、バカとお義母さんは稽古の為に庭先へ出ていく。俺は食器を洗った後に鍛冶場へ入る、明日には使う為の鮪解体包丁を作成する為に素材となるミスリルを取り出す。本来なら同じ金属であるアダマンタイトで練習出来れば良かったのだが、生憎と練習に使える程に持っている訳でも無いので包丁を作る上での素材は魔法金属と言う共通点を優先した。特性で見るなら魔鉄の方がアダマンタイトに近いのだが、生憎と鉄の品不足は継続中なので余っているミスリルを使う……相変わらず鉄よりミスリルの方が多いって意味不明だな。
何時も通りにミスリルを赤めて叩き、水減しして小割りを行ってミスリルを重ねる。積み沸かし、仮付けと順当に作業を熟して行くが普段と違い作業は遅い。と言うのもお師様の『空裂』の製法を練習しながら包丁を鍛えているので、四葩の『手毬花』や一華の『牡丹』程では無いが相応の性能に出来る筈だ。『料理長』からはお師様の技術を全て注ぎ込む事を依頼として受けているので、それこそ集大成でもある『空裂』の技法を取り入れるのは自然な事だ。
どうしても火の入り方や揺らぎに気を取られて時間が掛かるのだが、少しずつ自分の技量がお師様に近付いているのが分かってこの時間が堪らなく楽しい。
本沸しから鍛錬に移り、本格的に鍛えていく。お師様が祝詞を上げていたように、俺の口からは自然と歌が漏れていた。
「ま〜ぐろ切れ切れ鮪斬れ〜美味しい刺身に切り分けろ〜♪」
脊髄反射で変なテーマが思い付いてしまったが、段々と手元のミスリルがその形を定めて行った。お師様から受け継いだ十文字鍛えで複雑に織り成された内部の路、そこに染み渡っていく星の魔力。下鍛えと上鍛えを終えて、いよいよ造込みに入る。
以前見た包丁の作りに合わせて心鉄を刃鉄と皮鉄で包む本三枚鍛、刃鉄の広さを心鉄よりも広くして見た目がら刀よりも出刃包丁のお化けみたいな形になっているが、刀と言う印象が殆ど無いのでコレで正解だと自分を納得させる。
そして鋒を落として火造り、反りのない直刀の形にしてせんで整え焼刃土を塗り焼き入れ。急速に冷やされ出来上がっていく包丁に、胸が高鳴っていく。『料理長』用の包丁の練習とは言えお師様の技を模倣して全霊で鍛えたのだ、上手く行ったかは楽しみになる。
黒く焼けた焼刃土を割り、刃を光の下に曝す。ミスリル特有の清らかな光を反射するその刃は、俺が想像したよりも美しい出来になっていた。確りと砥ぎ上げて、刃としてこの世に生み出す。
出来上がった包丁に『鑑定』を掛けるも、何の情報も読み取れない。鮪解体包丁ってこの世界に存在する筈なのだが、どうもその枠組みから外れているらしい。
「コレも概念武装化してたら笑えねぇな……」
そんな事を口に零しながら、包丁に銘を与える。俺の料理の相棒みたいな物だが、ネーミングセンスの欠如が著しい俺ではマトモな名前を思い付かない。
「……鮪解体包丁、『真具呂』とかかな」
頭に浮かぶのは100%中の100%で有名な某B級妖怪である、流石に包丁に付けるにしてもダメかと思ったがすんなりと命名が済んだ。取り敢えず『鑑定』を掛けて情報を閲覧する。
包丁『真具呂』
物理攻撃 96
魔法攻撃 96
特殊能力 『海鮮斬り』『生命讃歌』
何かよく分からない概念が二つ付いてきた。
尚、この世界に存在を消したり対象の記憶や情報を食う魔神やモンスターは存在しない。
ニセ昔話『こんいちげ』
昔々ある所にタタラと言う働き者の青年が居ました。
「どうも、お馴染みの被害担当です」
タタラは身体の弱い年老いた母と二人暮らしをしていました。
「年老いた母親……」
「いや、都市長本当スミマセン」
「いいわよ、拒否権無かったみたいだし」
そして、そんなタタラへ日常的に悪戯を仕掛ける狐の一華が居ました。
「ぷぷ! ザコザコザぁコ、ザコタタラ♡ 身体能力弱々、悪戯した拙者の事も懲らしめられない♪」
「……何で上手いんだお前」
「神曰く『初期はエセメスガキ路線で考えてた事が有る』らしいでござるよ、ご主人」
日々悪戯を仕掛け、タタラに捕まりおしおきされては逃される狐の一華。それはタタラの疲れた心に一筋の光を差す行為でした。
「捕まってるのな、お前」
「まぁ……既に心を捕まえられてるでござるからな」
「お、おう……つかコレおしおきってそっち方面かよ」
「えっとその……一応劇なのでシタって演技でいいでござるよ」
「ああ……トラウマ持ってるお前にこんな無理矢理な事は流石に出来ん」
「その、主がご希望なら拙者頑張るでござるよ?」
「頑張らせたり無理させたりは俺が嫌なんだ」
「……はい、大切にしてほしいでござる」
劇の途中で台本から逸れてイチャつかないで貰えませんかね?
取り敢えず、捕まる度に一華はタタラにおしおきを受けたのです。
「うう……ひっく」
「お前は本当に懲りないな、このまま悪戯を続けたら俺の子を孕む事になるぞ?」
「そんな……」
「コレに懲りたら、もう悪戯はやめろよ?」
「うう……」
悪戯へのおしおきと称し、憎からず想う少女を抱く青年。悪戯と言う形でしか相手に自分自身の想いを表せない不器用な少女。二人はそんな関係でした。
「そういう流れ!?」
「……その、少し無理矢理でござらんか?」
そんなある日、一華がタタラを探していると川で懸命に魚を捕ろうとしているタタラの姿が有りました。
一華はその姿を見て悪戯を思い付き、周囲に他に男が居ないことを確認した後に徐ろに服を脱いで川に潜ります。そしてそんな一華に気付かないタタラは、懸命に鰻を捕まえようとしていました。そんなタタラを川から飛び出した一華は背後から襲ったのです。
「ぷぷ! ザコザコザァコ、ザコタタラ♡ 反射神経弱々、鰻の一匹も捕まえられない♪」
「ぬわっ!? い、一華! 今回は……頼む、今回だけはやめてくれ!!」
何時ものように悪戯を仕掛ける一華に対して、タタラは必死です。その様子に疑問を持ちながらも一華は悪戯を行い、タタラが何とか捕まえようとした鰻を捕り逃させてしまったのです。
「あ、あぁ……」
「その、どうしたでござる?」
絶望するタタラを心配して近付く一華に対して、タタラは常に無い怒りの形相で睨みます。そんな彼の姿に身が竦んだ一華は近くの茂みに連れ込まれその怒りをぶつけられたのでした。
「お前が……っ! お前が邪魔しなければ!!」
「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ!!」
何時もより激しく責め立てられた一華でしたが、そんな自分に縋り付いて泣くタタラを前に何か取り返しのつかない事をしてしまったのだと感じました。
それから数日、気不味さからタタラに会いに行けなかった一華が意を決して村に行くと暗い雰囲気が漂っていました。不安になりながらタタラの家に行けば、タタラは母親の布団の側で泣いています。そう、身体の弱い老いた母親が亡くなってしまったのです。
「母さん……母さんごめん、ごめんなさい……あの時俺がちゃんと鰻を捕れていたら……っ!!」
その言葉で一華は察します。あの時捕っていた鰻は母親の身体に栄養を付けさせる為だったのだと。
自分の行いが好きな人の大切な相手を奪ったのだと知った一華は強いショックを受けました。罪の意識から罰してもらおう、殺されるのなら受け入れようと一華はタタラの前に姿を見せます。
「タタラ……ごめんなさい、あの時拙者が邪魔をしなければ」
「そうだ……お前が! お前のせいで母さんが!!」
その場に引き倒され、服を脱がされタタラの激情を一身に受ける一華。愛する人との繋がりである筈なのに、自身を罰している筈の男こそが罰を受けているかの様な痛々しい姿に心が傷付きます。
「……お前が母さんを殺したんだ一華」
「……はい」
「……だから、一生を持って償え」
「……はい」
そうして一華のタタラへの奉仕生活が始まりました。
朝は朝食を作り、昼は昼食、夜は夕食を作りその生活を支えます。更にタタラの気が向いたらその身体を差し出させ、激情を全て受け入れるのでした。罪悪感から始まった契約でしたがしかし、一華は愛する人との結婚生活に似た現状に何処か満たされた日々を送って居たのでした。
そんな日々が何年か続いたある日、終わりを迎えます。
流行り病に犯されたタタラが倒れてしまったのです。
「ご主人……ご主人、お願い死なないで!」
「……すまないな、一華。本当にすまない」
その死を受け入れたくない一華が必死に呼び掛けますが、タタラは弱々しく笑います。
「今迄お前の罪悪感に付け込んだ罰なんだ、お前はもう……俺に付き合う必要は無い」
「違う、違うの! 拙者は……私は、貴方と過ごせる日々が幸せだったから……っ!!」
こんな時にこそ本音を漏らしてしまう一華でしたが、タタラも何処か泣きそうな顔で返します。
「そう、か……両想いだったのだな俺達は」
「それなら……それなら死なないで下さい、お願いします……」
やせ細った手を取り縋り付く一華の言葉に、タタラは答えられません。自身の命が既に尽きようとしているのが分かっていたからです。
「すまないな、愛する女に独占欲を見せた罰なのだ……ありがとう一華。愛してたよ」
「あ、あぁ……あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
最期の言葉を聞いて絶望する一華。そして葬式は恙無く終わりましたが、一華はまるで人形の様に二人で過ごした家の中で呆然とし続けました。
しかし、ある日身体に変化が訪れます。それは、自身の中に新たな命が芽吹いていた物でした。
タタラ以外と情を交わしたことの無い一華は、それがタタラの子であることを確信します。
タタラを喪った事で村の男達から狙われ始めた自身の身体と身に宿る赤子を守り生活をする一華。遺された家と畑で日々を食いつなぎ、やがて出産を迎えました。
産まれたのは己と同じ耳と尾を持ち、夫と同じ髪色をした男の子でした。その子供に、狐の鳴き声と鉄を叩いた音から『こん』と名付ける事にした一華。優しく、時に厳しくこんを育てた一華でしたがこんを産んで数年後、タタラと同じ流行り病にかかってしまったのです。
「ごめんなさい、こん。貴方を遺して逝く母を恨みなさい」
「ううん、今までありがとうかかさま」
一華は最後まで自分を思った言葉を掛けるこんの姿に、その将来が幸せである事を祈り逝くのでした。
それから更に時が経ち、少年から青年となったこん。村でも評判の好青年に育ったこんは、村でも人気者でした。
そんなある日、畑仕事をしているこんに声を掛ける者が居ました。
「こん、お前だったのね……」
こんが振り向いた先には、紫の髪に角と翼を生やした女が一人。赤い瞳を爛々と輝かせ、三日月の様に口元を歪めたその女は呟きます。
「みぃつけた」
それはまさに、己の運命と巡り会え無かった哀れな鬼の姿でした。
−完−
「最後ホラーじゃねぇか!!」
「いやぁ!? 息子が! こんがぁ!?」
「私、最近本編で出番ない上に此方でも台詞無しに退場ってどうなの?」
もし、番外短編が有るのなら※一応全部書くつもり
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タタラとエテルの立場逆転
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現パロ(エテルヒロイン)
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現パロ(四葩幼馴染)
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武器が擬人化してタタラへ物申す
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年増組と同い年
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聖人カレハ
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原作エテルとタタラ
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ガチ妹ダリア・ジュロン