既知転生しましたが、憑依転生では無いようなので静かに暮らしたいと思います。 作:アルカミレス
『看板娘』イベント継続中
滞在期間6/7→7/7
出来上がった鮪解体包丁をインベントリにしまって鍛冶場から出る、詳細不明な概念をお師様に確認しようと家の中を探すと直ぐに見つかった。お師様は縁側でお茶を啜りつつバカと雛菊さんの稽古を眺めていた。バカと雛菊さんの何方かは分からないが、癖を読み取って最適な刀を作るならとそんな考えが見て取れた。
「お師様すみません、確認したいことが有るんですが」
「
いや、頓痴気って。そりゃ確かにお師様が来てから概念武装を変なペースで作ってるからこの扱いを残念ながら否定し難いが、それでも少しは弟子の扱いを考えて欲しいものである。
「鮪解体包丁を作ったら変な概念が芽生えてて」
「
流石のお師様も真顔である。取り敢えず『真具呂』をインベントリから出してお師様に渡せば、矯めつ眇めつその刃を見定めてくれる。
「
呆れ果てた口調でお師様は二つの概念を説明してくれた。
曰く『海鮮斬り』は相手が水棲生物であるなら問答無用で刃を通す物らしい。この水棲生物と言う括りが凄まじく広いらしく、水中を主に活動範囲とするならドラゴンの鱗すら問答無用でぶった斬れるらしい。ただ、反動としてそれ以外は一切刃が通らないとの事で、試しにお師様が自分の腕を切りつけても皮膚が赤くなる事も無かった。とんでも無いな。
そしてもう一つの『生命賛歌』は必ず体力を1残す、所謂手加減装備に類する物だそうだ。つまりこの鮪解体包丁、生きた魚を絞められないのだ。ただ、例えば死霊化してモンスターになっている対象はぶっ生き返す事で相手を体力1の状態で蘇生、他の武器で絞める事でその対象を可食出来るようになるそうだ。意味不明だなオイ。
惜しむらくはこの二つが合わさった事で水竜の鱗すら断てるのに殺せず、不死系モンスターや死霊系モンスターに特効が有れども水棲生物で無いなら斬れないと言う点だろうか。
「明日の鮪解体に使う分には問題無いですが、使い所が殆ど無いですね」
「
成る程、確かに特定の目的以外に使えない概念ともなれば手軽な凶器にはなり得ない。この『真具呂』も水棲生物以外に使えないなら大きな問題への発展する事も早々ない、それこそ魚人族や人魚族の王族やら水源を守護する主を誤ってぶった斬るみたいな事案でも一応相手は死にはしないので最悪首が飛ぶのは免れられる筈だ。
「
「ええ、スキルは無いですけど物を斬るのは得意なんですよ俺」
カラムスさんから戦闘の才能は無いが、切断系統の武器の扱いは褒められた事が有ったりする。ソレを相手に当てられないから才能無しと扱われたが、料理や薪割り等をする際はかなり正確に切断出来る。
ただ、剣や斧を振るうとなると別の問題が発生してしまうのだが。
「
「そのですね、俺は槌以外の武器を振るう才能が著しく欠けてると言うか」
「
コレは一度見せた方がいいだろう、俺はインベントリから何の変哲もない鉄の片手剣を取り出す。試し斬り用の木ではなく、鋼製の鎧を一領を据えて相対する。
「まぁ、百聞は一見にしかずと言いますし」
そうお師様に言って、剣を構える。肩に担ぐ様な変則的な構え、俺の感覚からコレがこの剣における最適な構えである。見据えて、集中する、剣と己を一体化する感覚。ただ目前の目標を斬ると言う一点にのみ集中し、腕を振るう。
両断される鎧と、砕け散る剣。俺が槌以外の武器を振るうと基本こうなる、武器が持つ攻撃力と耐久力の限界値を発揮させて一撃で粉砕してしまうのだ。確かにカラムスさんが言う通り戦う才能が欠如しているだろう、一撃ごとに武器を失う人間が戦える筈が無い。そりゃクラフターとして何百本と剣を用意して、一撃必殺で進めるのなら問題は無いだろうが……ソレが出来るのは精々50階層手前迄だろう。死霊系と不死系までは何とか出来るが、精霊系は採算が合わなくなる。
「
「剣以外でも似たような物です。先天的に持ってた為か槌は大丈夫なんですが、弓でも弦が切れます」
「
お師様も頭が痛いと言わんばかりの様子だ、当人が試し斬りをしようとすれば砕いてしまうとかギャグだろうか。
「久し振りにタタラのソレを見たな」
「おう、鍛練はいいのか?」
「ちょうど小休止だよ、お前のお師匠さんとの会話が聞こえて来たから雛菊さんに言って少し休憩を貰ったんだ」
そんな話をしてくるバカの元に、お義母さんが冷蔵庫から取り出した檸檬の蜂蜜漬けを差し出す。バカは礼を述べてから1枚取り、口に放り込む。
「私も遠目に見ていましたが、不思議な物ですね。昔からこうなのですか?」
「俺が知る中では初等部くらいにはこうなってましたね」
「……思い返しても、初等部に入る前からコレだったな」
過去を振り返ってみても、この妙な武器運用は子供の頃からやっていたと思う。ずっと幼い頃にはそんな事は無かったと思うのだが、何かが切っ掛けでこんな特殊な物になってしまったような気がする。関係有るかは不明だし何時の頃かは分からないが、実のところ俺のスキル取得には一点異常が有って『剣適性』スキルの取得が不可になっているのだ。俺の身体はキャラクリエイトモードのプレイヤーキャラであるので、汎用スキルならば全て習得可能な筈なのだが……昔は出来た筈のこのスキルが取得可能スキルの選択欄から消えていたのだ。
過去に有った事象など、それこそ『天使長』の剣を作った事くらいでは有るが……ソレが武器を真っ当に振るえなくなる事やスキルの取得不可の理由になり得るだろうか?
「タタラさんの武器運用、最大用法でなければ壊れないのでは?」
「
お義母さんの言葉に異を唱えるのはお師様、俺のコレが何なのか分かって居るのだろうか?
「
「試し斬り、ですか」
試し斬りで武器ぶっ壊すのはダメなのでは?
「
「限界を試してぶっ壊すのは本末転倒では?」
「
「なら、それ以降も同じ使い方を続けるのは……」
「
結論、俺が不器用だから武器が壊れると。単純明快だが凹むなコレ。
「包丁に同じ事をしないのは……」
「
つまり、俺の身体は武器判定した物をぶっ壊す使い方が染み付いていて扱える刃物は武器判定しない物に限るって事なのか。お師様から貰った両親の鎚を作り直したペーパーナイフに判定入らなくて本当によかった、アレを砕いたら多分クラフターどころか生きるのを辞めてる。
「鎚は大丈夫なのはなんでだ?」
「それは多分、元から適性持ちだからだと思う」
バカが持った疑問に答える、鎚を壊さなかったのは恐らくコレが理由だ。検証するには他の武器適性スキルを取らなければならないが、能力が上がってきた今何か新しい武器を始めるのも有りかも知れない。両親から貰ったウォーハンマーを休ませてやる良い機会なのだろう。折角お師様から作刀を習ったのに自分で刀を振るえないのは悲しいが、薙刀辺りを作って『槍適性』スキルを取るのも悪く無いかも知れない。
そんな会話を重ねていると、休憩に合わせてトイレに行っていた雛菊さんが帰ってきた。ドジってジャージの後ろからトイレットペーパーが繋がってないかチラ見するが、流石にそんなミスはしていなくて安心する。なんでこんな事で安心してんだろうな俺は。
「そう言えばタタラさん、先程の鮪解体包丁は扱えるのですか?」
「そうですね……」
バカと雛菊さんの型稽古を眺めていた俺に、隣に並んで座っていたお義母さんが包丁を使えるのかを聞いてきた。そんな疑問に対して俺はインベントリから取り出した鮪解体包丁を軽く握って感触を確かめる。何時も通り、胸の内から流れ出る感覚で問題無い事を確認する。
「大丈夫ですね、問題なく扱えるのは分かります」
「……実際に振るわなくても、ですか?」
「コレ、多分お師様が説明してくれた俺の試剣術の延長だと思うんですけど物の扱い方が何となく分かるんですよ」
もしかしたら『クラフト』スキルと『鑑定』スキルが連鎖反応を起こして俺の中で発動した結果なのかも知れない、自然と物の構造を理解する為にその道具の最適な使い方を身体が導き出している可能性が有る。尤も、その結果一発で武器を砕いてしまうと言うのがアレだが。
「試し斬りをした方が宜しいのではないですか?」
「そうなんですけど……あの鮪は明日皆の前で解体して、外の気温で身が崩れてない最高の状態で食べて欲しいですし。角が立つくらいに身が新鮮な方が美味しいと思うんですよ」
「なんで今さり気なく想像に容易い美味しい話を挟んだんですか?」
良い包丁の斬れ味と新鮮なネタが合わさると、切った身がまな板の上で綺麗な形を保つ。この時のネタは確りとした歯応えをしつつ、身が含んだ脂が口内の熱で溶け、まさに蕩けるような味わいを醸し出すのだ。なんてことを言葉少なに伝えてみたらお義母さんの雰囲気が恨みがましい物になった。うん、飯食った後とは言え美味しい刺身の話とかするべきじゃなかったな。
「そうだ、鮪解体包丁とは別の刺身包丁も作っとこうかな。中落ちとか手で挽いてトロにするのも有りかも、酢飯と玉葱の微塵切りを合わせてネギトロ丼とか」
「タタラさん、横で美味しそうな話をしないで頂けます?」
「醤油はわさび醤油が出来ないけど生姜醤油とか大蒜醤油を出せば良い感じに味変も出来そうだな、卵の黄身を乗せて食べてもらうのもアリか」
「タタラさん、聞いて下さい。先程からお茶で誤魔化してますが美味しい海鮮にはお酒が欲しくなるのでやめて下さい」
「網焼きするなら市場で大ぶりな貝を買って来て、貝殻の中を酒と醤油で満たして網に乗せるのも良いな。帆立が売ってたのならバター醤油の味付けも最高だろう」
「もしかしてタタラさん。口に出してる事は無意識かつ無自覚ですか?」
「鮪の骨を使って粗汁……いや、赤味噌を使って野菜と煮込む粗煮の方が美味しいかな?」
「タタラさん、お願いですから落ち着いて話を聞いて下さい」
「内臓も酒盗みたいに出来ないかな、本格的な物は熟成する期間が必要だから間に合わないけど……漬けてお土産に持って帰って貰えばいいか?」
「是非ともお願いします。ではなくてですねタタラさん」
「一緒にクリームチーズを、とも思ったけどインベントリ内じゃ時間の進みが遅いとは言え保存期間と熟成期間が一致しないんだよな。冷蔵庫に保存してもらえないかな」
「酒盗と弛い乾酪を合わせる発想は此方には無かった物ですね」
「あ、この後内臓の塩漬け買って来てクリームチーズと合わせたのを一度試して貰おうかな。序に瓶も買ってきてしまおうか」
「タタラさん、夜中に宴会を始めさせる気ですか?」
「陽出國の酒は無いけど、酒造所に行って蒸留酒を樽一個買ってくるかな」
「タタラさん、聞いて下さい。タタラさん」
「そうと決まれば……お義母さん、俺コレから買い物に行ってきますね」
「……はい、行ってらっしゃい」
何だか口の中が渇くな、お茶飲んでから出よう。
市場区に隣接する形で存在している商業区、その中でもあまり日の当たらない都市を囲む壁に近い区画へ向かう。大型のコンテナに近い建物が並ぶ超大型施設、酒造所が其処にあるのだ。
酒造所がコレだけ大きな施設なのは酒好きがそれだけ多いから、では無くコレもこの世界に存在する神の一柱である『酒神』様を信仰する教会の役割を持つからだ。酒は人の身を滅ぼす事もあるが、酔わせて心の膿を吐き出させたり傷口や細菌の消毒に使えたりと使い方次第では薬にもなる。用法を守る限りには人々の役に立ち、誤れば破滅を齎す……至極真っ当な神の試練そのものにすら見えるのだから神々の存在って凄い。
「すみません、お邪魔します」
一声掛けて酒造所の中に入ると、作業を監督していた一人のドワーフが俺に気付いて赤ら顔でニカリと笑う。
「おお、蒸留器を奉納してくれたタタラっちじゃねぇか!」
地味にやめて欲しい呼び方をするこの人がこの酒造所のトップである。地味に原作キャラでこの人から酒を購入してヒロイン酔わせて普段と違う姿を出すお楽しみイベントが見れたり、一部の女キャラを酔わせて持ち帰り睡姦・泥酔姦してその事で脅し隷属化する事が出来た。神様から贈られた酒造技術で作られた酒で何やってんだコイツと思ったが、イベントとCG回収の為とは言え自分で選択した俺が言える事では無かったな。
「正規に依頼を受けた品ですから奉納するのは当たり前ですよ」
「いやいや、酒神様からの御神託が有ったからな。腕が確かとは言えまだまだ学生だったタタラっちにこんな依頼をするなんて気が引けたってもんよ!」
「力強く言わないで欲しいですね……」
「んで、今日は何の用事で?」
普段なら料理酒以外を買わない俺である為、此処に来るのは稀だ。そんな俺が来るとなると、何か有ると思われるのは当然か。
「明日で異国に帰ってしまうお世話になった人達がいて、最後はちょっとした宴会みたいにして送り出そうと。なので、この都市で一番美味しい酒を味わってもらいたい……んですが、俺は酒の味が分からないので助けてもらおうかと」
俺の話を聞いた酒造長は「かぁっ!」と気勢を上げ、俺の背中を叩いてくる。地味に痛い。
「いいね、いいねその心意気!」
「その人達結構なお酒好きみたいで、だから下手に選べないと言うか。何なら此方から持って帰って宣伝して貰えたらなって」
「いいぞいいぞ、乗ったよその考え!」
そして酒造長が周りに声をかけ、手隙の人達を呼ぶ。
「お前ら、タタラっちのお眼鏡に俺達の酒が適ったぜ!」
「いきなりそんな事言っても伝わらないんじゃ……」
「マジか!!」
「酒飲まない奴が俺達の酒に魅入られたって!?」
「ククク……やはり酒神様の伝えた酒こそ至高」
「いや、ノリノリだな」
酒造長が言った言葉足らずな情報で全員何やら伝わってる様子だ、酒飲み故のシンパシーだろうか?
「んで、明日にはこの都市を立つらしい恩人達に俺達の酒を飲ませてぇってんでよ……見せつけてやろうぜ!」
「何を?」
「ああ、やってやろうぜ!」
「伝わってる」
「酒飲みも俺達の酒神様の酒で沼らせてやんよ!」
「何で分かったんだ」
「コレもまた新たな信徒を増やす機会……溺れるがいい、我等が酒に!」
「最後の人、ちょっと傷口痛みそうなんでその」
なんで
ただ、一斉にその場から離れて迅速に複数種の酒を持ってきてくれる。赤と白のワイン、蒸留酒もウィスキーにジンにブランデーと様々だ。試飲として差し出された物はどれも香り高く、味は分からないがとても美味しいんだろうと予想は付く。
「コレはどれも良い香りがする……」
「香りだけじゃなくて味も良いぜタタラっち!」
「甘味だったり苦味だったりコクだったり若い古いは少し分かりますけど、美味しいかはよく分からないんですよね。このウィスキー、少し癖が強い感じがするから古酒の配分少なめかなとかしか分からないですよ」
「ソレが分かるだけ十分だ!」
因みに、『ワールウィンド』の酒造は古酒の方が長く熟成されるためにややアルコールの癖が和らぐ傾向に有るために判断した。尚、度数は古酒の方が強く癖が無いからと調子に乗って飲むとぶっ倒れる為に自制心を試されるとか何とか。
「んで、どれを持っていくんだい?」
「全部で」
「……は?」
「全部で。余ったら持って帰ってもらいますけど、下手したら飲みきられるんで」
俺の答えを聞いた酒造長は鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をしている。この都市と言うか、国に流通してる酒はアルコール度数高めなのだが、鬼はコレでも普通に酔わない。以前当主代行が言っていた四葩の酒の許容量が湖1杯分と言うのは冗談でも誇張でも無いのだ。
それを踏まえた俺の言葉に酒造長は少し呆然とし、思い切り笑った。
「かぁ、そんなに酒好きの御仁が来てんのか!」
「ならこれだけじゃ足りねぇかもな!!」
「取り敢えず樽で持ってって貰おうぜ、異国の酒好きに『ワールウィンド』に我等有りって覚えて貰わにゃならん!!」
「フハハハ! 我等酒神に愛されし信徒の技、異国にて名声を響かせん!!」
そうやって盛り上がる面々に苦笑いをしていると、見慣れない筋肉ムキムキマッチョの作業員が近付いて来て瓶を手渡して来た。厳つい髭面の男臭い顔を大きく笑みの形にして口を開く。
「おう、量が作れなくて秘蔵してた逸品だ! コイツも楽しんでくれ!!」
そう言った後俺の肩を強く叩いてから蒸留器の方へと向かって行く。数が作れない、か。確か酒神様は奉納する分は少量で、残った分を製作者達と一緒に飲みたいから宴会を開く事を教義に入れてるんだっけ。そんな貴重な逸品を譲ってくれた今の男性には感謝しか無いな、俺も酒神様への感謝を持って一杯頂こう。
そうして盛り上がる酒造長達から合計樽8個分もの酒を買いつつ、追加で赤ワインを大瓶で二本とシードルを一本買う。赤ワインは料理用で、今日はエテルに一つ我儘を言おうと思い用意した。シードルはあのバカの農園から採れた林檎で作られた物らしく、提供された果物の製作者を見て買ってしまった。酒造長に聞かれたので農園が幼馴染の家だと伝えたら、大笑いして『いつも美味しい林檎を有難う』と伝えて欲しいと頼まれた。うん、あのバカに伝えよう。誰かに認められる嬉しさは生産者共通だと思うから、彼奴の両親が少しでも喜んで欲しい。
途中で商店で牛すじ肉を1kg程買って帰路へつく、家に着けばバカと雛菊さんは坐禅を組んで瞑想している。今までの違いとして膝の上に刀が置かれている事だろうか、何なんだろうアレ。
「只今戻りました」
「あら、おかえりなさいタタラさん」
「はい、ただいま……コレは?」
「普段の坐禅に自らの愛刀と向き合う事を意識させる為に刀を膝の上に乗せてやらせているんです、重さを手だけでなく身体で覚えさせて僅かな変調にも気付けるようにする目的も有るんですよ」
「へぇ、そんな目的が……」
剣に宿る意思と疎通を図り真の力に目覚めさせるとかじゃ無いんだな、なんかそんなの見たことある気がするけどアレは何だったかな。
「四葩は『手鞠花』でコレを必要としていないのが驚きですね、剣我一体の境地に至っている……それも当然ではありますが」
「俺が四葩の為に鍛えたから、ですか?」
「はい。四葩と『手鞠花』が双方歩み寄るのでは無く、四葩に『手鞠花』が合わせている状態ですが世に居る剣士達の理想の姿だと思いますよアレ」
剣士では無い俺ではよく分からないが、お義母さん程の人が言うのならきっとそうなのだろう。
少しして時間が来たのだろう坐禅を解いたバカと雛菊さん、そんな二人に何となく水差しとコップを渡す。
「悪い、タタラ。助かる」
コップにタッパーから取り出した檸檬の蜂蜜漬けを1枚入れて、水を注ぐバカ。少し揺らして馴染ませてから口に運ぶ、炭酸割りとかでも美味そうだし明日の為にまた仕込むか。酒に入れれば飲みやすくなる人も居そうだしな。
「この喉越しが美味ぇんだよな、運動直後はそのままでこうした静止状態の集中後は水で飲みやすくすんのが良い」
「すっかりソムリエみたいになってんな、シンプルに蜂蜜と檸檬だけだけど無花果とかシナモンとか入れるのはどうだろう」
「美味そうだけど、運動後には合わねぇだろうな。家のチビ達のオヤツには良さそうだけど」
「ふむ……なぁ、明日お前の家族って時間有るか?」
唐突に思い付いた事だが、少し恩返しも兼ねてこのバカの家族も見送りに参加して貰おうと思う。お義母さんとお師様とは初対面になる面々が多いが、お義母さん的には雛菊さんを任せる上で挨拶の一つもしたいだろう。何より、あの鮪を食べるメンバーは多目に確保したい。流石に新鮮な状態で消費しないのは勿体なさ過ぎる。
「え、多分大丈夫だが……」
「ならさ、明日の見送りにお前の家族も連れてこい。宴会ってか網焼きとか色々やるから飯は問題無いし」
俺にそう言われたバカは悩み、少しして答える。
「一応、全員に話はしてみる。師範やお前の師匠と面識の有るチビ達は来るかも知れんけど、弟と上の妹達が来るかは微妙だな」
「両親は無理か」
「いや、多分雛菊さんの上司に挨拶する為に俺より早くこの家に着いてる可能性が……」
「否定要素皆無な怖い予想はやめようぜ?」
このバカの両親こと、都市一番のバカップル夫婦ならそれくらいの暴走は平然とやる。何ならホームパーティーなのに挨拶の為とタキシードとドレスをレンタルして来る可能性すら有る。あの二人の行動力は普通では無いのだ。
「そう言えば、お前の家族って食ったらダメな食材って有るのか?」
「体質的な物は無いな、親父が酒に酔うと普段の3倍増しにお袋と惚気るが」
「どうしよう、お義母さんとお師様の為に沢山酒を用意したんだけど」
「……俺も監視しとくわ」
「頼む」
3割増しじゃなくて3倍増しって何だよ、普段の4倍って地獄じゃねぇか。歴戦のコメンテーターが超絶苦い茶を飲んでも甘いってコメント残したあの素面状態すらマシな方なのかよ。
そんな会話をしてから鍛練を再開したバカと雛菊さん。時間が来たので、昨日に続き雛菊さんにバカを送って貰う。少しは進展してくれればいいが。
雛菊さんが戻る前にエテル達が帰ってきたので、タチアに明日行う見送りに参加して貰えるか打診する。
「……あまり関わりが無い私が参加して良いのだろうか?」
「食事を一緒にしてたのに殆ど会話に参加しなかったからな、タチアは」
「流石にヨヒラ殿の母君ともなれば相当な立場だろうから、失礼な発言に気を付けて居たのだが……」
「以前なら兎も角、今のタチアにその心配要るか?」
「……タタラ殿がそれだけ私を信じてくれる事は嬉しいが、私は私を一番信じて居ないからな」
「なら、お前を信じる俺達を信じろよ。俺達は最高のパーティだって前に言ってくれただろ?」
「……口説かないで欲しい、タラシ殿」
天使族系統の羽根持ってる奴等は俺をそう呼ばないとダメな因果でも有るのか?
「そんで、明日は参加するか?」
「……ええ、参加しましょう。どうせ学校は学級崩壊気味でマトモな訓練時間も無いのでな、今日までのダンジョン探索でレベルも20台後半だ……偶には息抜きも必要だろう」
そう言ってタチアも参加の意思を見せてくれた、俺は安堵の息を思わずこぼす。そんな俺を見てタチアは、少し言いづらい雰囲気で言葉を向けてくる。
「その、タタラ殿。右手を少しいいだろうか?」
「右手か?」
唐突なタチアの言葉に疑問を抱きつつ、右手を差し伸ばす。タチアはそんな俺の手を優しく取って、自らの頬に当てる。
「……ああ、やはりこの手の温もりは愛おしい」
タチアはそんな事を唐突に口に出した。前に出発する面々を見送りした際に俺に身を預けてきたが、タチアの中で何が変わっているのだろう?
「此処最近、貴方と共に探索出来ない事を淋しく思う。貴方は何時もこの手で私達を守る物を作ってくれる。なのに、貴方は私に貴方を守らせてくれない」
言葉が出ない、タチアがそんな事を思っていたなんて想像して無かった。ダンジョンでは頼っているが、外では基本的に俺は俺自身の事を他人に任せない。それに対してこんな思いをしているなんて。
「タタラ・ジュロン、どうやら私は貴方を好いている様だ」
何処か自虐的な空気でそんな事を口にするタチア。
「コレが男女の情なのか、それとも友愛のそれなのかはまだ分からない。だが、私は貴方を確かに愛している」
「……俺は、既にエテルと言う最愛の相手を持っている。それなのに四葩や一華にうつつを抜かす最低な男だぞ」
「そう自分を評価出来るだけ、貴方は誠実だ。私にそう言って真っ当な相手を探させようとするのも無駄……私の男性観は貴方と親父殿で構築されているのですよ?」
正しく男性観を破壊されるコンボみたいに言わないで欲しい、おっちゃんがモテる噂は聞いたこと有ったけど……娼館の金払いが良いとかの評判な気がしないでもないが。
「まだ貴方への想いに向き合う時間が足りていません。ですが、この下らない騒ぎが終わった後にでも答えを出したい」
そう言ったタチアの目から涙が零れ、俺の手を伝う。この涙を流させた感情はなんだろう?
タチアの頬に添えられた右手の親指を動かして涙を拭う、すると微かに笑ってくれた。
「私が貴方の騎士で在れるようになるまで、もう少し待っていて下さい……私の風」
それは果たしてどんな意味を持つ言葉なのか、今はまだ聞けなかった。
「……完全に二人の世界に入ってる所で悪いんだけど、チーちゃんもご飯食べてくんだよね?」
そんな俺達に不機嫌そうな声を掛けてくるエテル、その言葉に肩をビクつかせるタチア……俺はいきなりの告白に飲まれていたのでとても動けなかった。
「で、ではお相伴に預からせてもらいます!」
上擦った声での返答と、左右の腕と脚が連動した緊張感の有る動きで家に入って行くタチア。そんなタチアを見送ったエテルは溜息を一つ吐いて、俺に向き直る。
「……チーちゃんはまだ恋とか愛が分からないと思うけど、心は真剣だからちゃんと向き合ってあげてよ?」
「うん、分かってる。なんか、エテルがタチアのお姉さんみたいだな」
「情操教育してる感じからすると、タタラと私の子供がチーちゃんみたいなものだけどね」
互いの言葉に苦笑いしながら、二人並んで家に入る。四葩と一華はダリアを引き摺って先に上がっていたのだろう、履物が玄関に並べられていた。
「あ、そうだ。エテルに頼み事が有ったんだ」
「え、私にタタラが?」
二人でリビングへ向かう中、用件を思い出した。頼み事と言うのは明日について。
「明日お義母さんとお師様を送り出すからさ、庭先で軽い宴会みたいな物を開こうと思うんだ。それで、明日は探索を休みにして欲しい……ってのはさっきタチアとのやり取りで聞いてたと思う」
「うん、それは大丈夫だよ。それで、私に何をして欲しいの?」
「エテルのお母さんのレシピで一番凝ってる物、ビーフシチューを作って欲しいんだ」
俺の言葉に、エテルは真剣な目になる。今晩から仕込みを行い、明日の昼に完成するであろうエテルの父親であるサルビアさんの大好物。エテルが何とか味を再現出来たのは結構最近なのだが、調理時間が短縮出来ないと頭を抱えていたのを覚えてる。
「……いいよ、腕によりをかけて作るね」
「ああ、よろしく頼む……一応牛すじ肉と赤ワインは昼に買って来てるよ」
「うん、上出来。でも珍しいね、タタラがビーフシチュー頼むなんて」
「やっぱり、締め括りとしてはアレかなって思ってさ。1年の締め括りにも作って貰ってるし」
1年の締め括りにエテルが俺を休ませると言って用意してくれる定番メニューでもあるビーフシチュー、寒い日に食べると身体も温まりとんでも無い御馳走になるのだ。
「……タタラが一番好きな私の料理って何?」
「スクランブルエッグ、俺に特化してアレンジしてくれるのも有るけど焼き加減一つとっても最適化してくれてるし」
「ふふ、即答だね」
二人暮らしの時には何時も作ってくれていたのが懐かしく感じる、あの頃も幸せだったな。
「……二人暮らしの時も幸せだった?」
「ああ……今の俺の幸せの中には何時もエテルが居る」
「ふふ、そっかぁ……皆を認めたのは早計だったかな」
そんな事を欠片も思ってないのに、未練に思える言葉をこぼすエテル。友達が増えて賑やかな日々、それを俺と同じ以上に楽しんでるのがエテルなのだ。
「思っても見ないことを言わない」
「はいはい、タタラは私をよく分かってるよね」
「お前を俺は独占したいのに、お前は俺を独占しようとしない事に不満は有るけどな」
「だって、タタラは私一人だけだと幸せになれないし」
「そうか?」
「そうだよ」
この意見は平行線になりそうなので此処で切り上げる、俺はエテルが居てくれれば幸せになれると思っているのだがどうも違うのだとそう言われる。エテルには俺の何が見えているんだろう、とても気になる。
そうして夕飯を取り、エテルと一緒に翌日の仕込みを行う。料理の下拵えが終わったのは日付が変わる直前で、エテルは探索も有って体力の限界を迎えて先に眠りについた。
俺は、鍛冶場に入り二本の包丁を作る。物は刺身包丁、明日の鮪を調理する上で使用する代物だ。
そうして一夜明け、お義母さんとお師様を送り出す為の宴会を始める……その直前にお義母さんから頼まれて転移門を起動させる。
広がった門の向こうの光景、見慣れて来た虎熊家の邸。其処から二人の偉丈夫が渡ってくる。
一人は見知らぬ男性、暗い色の着物を着て腰に二本の刀を差している。この人がもしや剣術指南役だろうか?
もう一人は俺よりも背が高く、恐らく2mを越える長身、見たことは有るのだが、生身では初めましてである。
「……何で領から出て此方来てるんですか、当主代行」
「ふむ、妻と派遣した職人の迎えに此方に送るよう頼まれた人材の付き添いだな。こうして直に対面するのは初めましてになるなタタラ殿」
転移門が有るからってフットワーク軽すぎじゃないですかね?
因みに、酒造長は神官でありこの教会の長であるが都市運営には関わりません。
エセ昔話『101人エテル大娠劇』
昔々、ある街にエテルと言う夢魔が居ました。エテルは好みの男を見付けると分身し、その男に襲い掛かりました。
男を死なせぬように生命力を分けつつ、エテルは男を貪り続けやがて101人のエテル全員が妊娠しました。
男は安堵しましたが、十月十日後再び同じ事が起こるとはこの時は思いもしませんでした。
そして、歴史は繰り返させる。
エセ昔話『101匹タタラ』
昔々ある所に、お手伝い妖精が居ました。その妖精は黒い髪に金色の瞳を持ち、掌大の大きさで『た』と『ら』の音だけで意思疎通をはかる者達でした。その鳴き声から、人々はこの小さな隣人を『タタラ』と呼びました。
タタラは困っている人を放ってはおけず、悪い人間に騙されたりしつつも沢山の誰かを手伝っていました。そうやって認められる妖精でした。
タタラは不思議な妖精でした。1匹で解決出来なければ複数集まり、力が足りなければ5匹集まり合体してキングタタラになったり、更に合体してグレートタタラになったりしました。
そんなタタラと仲の良い女の子が一人居ました。女の子は騎士に憧れて、タタラに沢山の夢を語ります。その夢を聞いたタタラは、女の子の願いに応えます。強そうな剣、見事な鎧、硬い盾。騎士に必要になるであろう様々な物を作り女の子へ贈りました。
女の子は夢を叶えるために努力して、何時しか騎士の見習いになります。
そんな風に日々が過ぎていく中で、都市に事件が起こります。
大きな黒い龍が現れて、都市に住む者へ言いました。
『この都市を我が巣とする。隷属する者は残れ隷属をよしとせぬ者は去るか抗え。七日の時を与えよう、自らの生を選べ』
そうして与えられた時間の中で、都市に住まう人々は選びます。隷属をよしとせず、人々は逃げていきます。
中には騎士として人々を守り、龍を討伐すると意気込んでいた女の子も居ましたが、黒い龍の威容に心が折れて逃げ出す事を選んだのでした。
こんな時もお手伝い妖精のタタラは全ての人々が逃げ出せるように馬車を用意し、出来るだけの財産が残せる様に手助けし、人々を見送りました。
100匹に及ぶ小さなタタラ達が手を振り別れを告げる中、女の子は口では謝りながら、心の中では残るタタラを見下しながら都市から去るのでした。
数日後、黒い龍が再び都市へ訪れます。
『さぁ、答えを聞こう小さき者達よ』
その問いに答えるように、1匹のタタラが進み出ます。
都市は、数日で様変わりしていました。街を囲うように城壁が如き大きな壁が作られ、その上に鎮座する11基の対龍迎撃用魔導加速式投射砲『ストーンヘンジ』。それらを稼働させる為の11基の魔力炉と、別世界にて対終末用に作られた動力炉。
決戦妖精魔導都市『ワールウィンド』が、黒い龍を打ち倒す為にその心臓を動かし始めたのです。
その姿を見て黒い龍は黄金色の目を細めました。
『よかろう、力を見せろ小さき勇者達!』
そうして妖精と黒い龍の戦争は始まりました。
『ストーンヘンジ』が1基破壊されるたび、黒い龍もまた身体を破壊されていきました。
翼を千切った『ストーンヘンジ』はその爪牙に砕かれました。
腕を落した『ストーンヘンジ』は吐息により焼き払われました。
喉を貫いた『ストーンヘンジ』は角で貫かれました。
角を奪った『ストーンヘンジ』は尾で薙ぎ払われました。
尾を割いた『ストーンヘンジ』は蹴り砕かれました。
足を破壊した『ストーンヘンジ』は目から放たれた呪いにより腐り落ちました。
目を潰した『ストーンヘンジ』は全体重を乗せたのしかかりで潰されました。
1基の『ストーンヘンジ』が破壊されるたび、沢山のタタラも死んでいきました。
そして最後の『ストーンヘンジ』が沈黙した時、黒い龍もまたその命を終えたのです。都市の一部は破壊された物の、タタラ達は見事に住んでいた人達の帰る場所を守りきったのでした。
黒い龍が倒され、暫くして人々が都市に戻りました。
様変わりした都市の姿に驚き、そして倒された黒い龍を見て歓声を上げました。小さな身体で都市を守った妖精達を人々は探しましたが、何処にもお手伝い妖精は居ませんでした。
それもその筈、11基の『ストーンヘンジ』を動かす為にタタラ達はその最期まで戦い命を散らせてしまったのです。
妖精が死ぬと魔力として世界に霧散する為、その死体すらも残りません。都市を囲む壁に残る11基の『ストーンヘンジ』の残骸はタタラ達の墓標なのです。
しかし、人々は欲望に駆られてしまいます。
タタラが作った人々を守る為の兵器を解析し、他者を侵害する武器に変えました。
タタラが守りきれなかった家屋に住んでいた人はタタラを罵りました。
タタラをただの便利な労働力としか見てなかった人達は労働力が減ったと悪態をつきました。
騎士を目指した女の子は、そんな人々を見詰めて居ました。
女の子が持っていたタタラの武具は輝きを失ってしまっています。もしも女の子か勇気を出して黒い龍へ立ち向かっていたのなら、それらは応えてくれたかも知れません。しかし、全ては遅かったのです。
都市の人々がタタラと共に黒い龍と戦っていたのなら、都市国家として独立し他国を侵略するに至ったこの都市も別の運命を歩んでいたのかも知れません。
そして、そんな都市の移り変わりを遠くから眺める者が一匹。
黒い龍と戦い、生き延びてしまった一匹のタタラがそんな醜い人々を眺めています。
タタラの胸には失望しか有りません、誰かを守る為に作った武器で誰かを虐げる人々を見て、かつてのお手伝い妖精の心は闇に堕ちていきます。
『見ろ、コレが人間だ。際限のない欲望に囚われたただの獣の姿だ』
そんなタタラの耳元へ届く黒い龍の声、同胞達の死に際した断末魔や怨嗟の声を伴ってそれらは唯一生き残ったタタラを蝕んでいきます。
『同胞よ、人間は愚かだ。どれだけ手を伸ばしても縋る事しかしない、支配するか滅ぼすかするしか無いのだ』
黒い龍はタタラに語り掛けます、タタラの心は闇に囚われていきます。
『お前と共に戦った同胞達の墓標をただの技術として解体し、他者を虐げる。お前の献身など意味はないのだ』
黒い龍のその声が、同胞達の怨嗟がタタラを包みやがてその姿を変容させました。
人間と同じ大きさ、黒い髪に金色の瞳。新たな黒い龍かこの世に生まれ落ちたのです。
こうして歴史は繰り返されます。
100匹の同胞の絶望を背負い、黒い龍は幾度も人間の前に降り立つのです。
おしまい
「どう足掻いても絶望じゃねぇか」
「100匹のタタラ、1匹くらいは欲しいかも」
「……何に使うんだよ、アレ」
「え、愛玩用?」
もし、番外短編が有るのなら※一応全部書くつもり
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タタラとエテルの立場逆転
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現パロ(エテルヒロイン)
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現パロ(四葩幼馴染)
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武器が擬人化してタタラへ物申す
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年増組と同い年
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聖人カレハ
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原作エテルとタタラ
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ガチ妹ダリア・ジュロン