カンカン照りの太陽に照らされた木造アパート。
その中の茹だるような暑さの一室、いや建物全域に……
「ファッキンホットっ!!!!」
とても可愛らしい
「暑くて暑くて仕方ないわ!?正気なの!?ねぇ!?」
その声を発した少女、ロシア皇族のアナスタシアは自身の肩にかかったケープを毛羽だった畳に叩きつけ叫び声を上げ続ける。
曰く、暑い、暑すぎる。
「ああもう…みて立香…汗がこんなに……」
そう言ってアナスタシアが自身の二の腕を組んで爆乳を挟み、谷間を見せつけるように持ち上げる。
柔らかな乳肉の曲線に汗が伝う。しゃぶりつきたくなるような光景だ。
「……はぁ、あなたが目の前にいないならこんなの意味ないわね。せめてメールのやり取りくらいできれば面白いのだけど」
そう言ってアナスタシアが、組んでいた手を解くとバルンッ❤️と音が鳴りそうな勢いでメートル越えの爆乳が重力に惹かれ弾む。凄まじい光景だ。
立香の前で暑い暑いと言ってはその厚着の下の暴力的な肢体を見せつける事が多い彼女だ。現在の肩を晒し谷間をあらわにした薄手のワンピースを含めて、暑い暑いと言いながら意外と余裕があるようだ。
「はぁ…仕方ない、現状報告をするわね」
一つため息をつき、アナスタシアが喋り始める。
「とりあえず渡されていた現地の通貨でアパートの一室を借りたわ。言われた通り、不動産屋にいって手持ちの額を伝えたら紹介されたのが、ここ」
そう言って両手を広げたアナスタシアの後ろ、そこにはいくつかのタンスと扇風機、布団にタンスといった最低限と言っていい家具類が置かれていた。
「ちょっと質素で狭いけど、私は嫌いではないわね。…だってあなたの故郷なんでしょ?全然問題ないわ」
唇の端を持ち上げ楽しそうに笑うアナスタシアは美しかった。それはある種の状態にある女性だけが見せる美しさ、つまりは恋をしている処女の顔だ。
「ふふ、早く帰ってあなたの照れた顔が見たいわね」
最初はイタズラに面白い反応を返すから、そんな理由だった。
しかし度重なる戦いの日々は着実に2人の絆を強め、元来のイタズラ好きな気質を受け止める立香の包容力にアナスタシアが特別な感情を抱き始める。
そこからは早かった。
元よりマゴマゴと恋の駆け引きを楽しむ方ではなかったアナスタシアは自身の美しさを前面に押し出し立香を誘惑したのだ。
「ああ、報告、報告だったわね。ええと、この特異点なのだけれど、まるっきり現代とか過去とか、そういうわけではないようね」
外に出る時は自然と隣に立ち胸を押し付けながら腕を組む、マイルームでは暑い暑いと嘆きながら服を脱ぎ、薄着の姿でその豊満な身体を見せつけるような行為を繰り返す。
「入り混じってるって言えばいいのかしら。このアパートもそうだけど、建物なんかは古臭い感じなのよね」
それを受けた立香はまさにタジタジといった有様で陥落間際の様相であった。
実際瀬戸際だったのだろう。……そのように攻める相手が、1人であれば。
「でも見ての通り、パソコンやデジカメ、スマホがあるのよ。しかもネットも完備。生配信もできるわ」
良くも悪くも立香はモテた。それはもう、モテにモテた。
そこまで身長の高くない立香の胸の下程度しか背丈の無い幼女から見上げるような高身長の美女、あらゆる女にモテまくっていた。
そこにアナスタシアが身を捨てた攻勢に出たのだ。周りも焦ったことだろう。どうすれば良いかを考え……同じ結論に辿り着いた。
彼がどれほどの英雄であろうと本来はただの学生にすぎない。そんな彼を射止めるにはどうすればいいか。
色仕掛けである。
「なんて言うのかしら、この特異点を作った聖杯の持ち主が都合の良いようにした、そんな感じかしらね」
そんな状況に現代日本の一夫一妻の倫理観、そして彼の性質、草食系と言われる性質が組み合わさった結果。凄まじく過激なアプローチをされているにもかかわらず誰にも手を出していないという奇妙な状況が形作られたのだ。
「それと朗報があるわ。これからくるサーバントの住む場所の心配はしなくてよくなったの」
話を戻そう。
現状を語るアナスタシアの後ろに1人の男性が現れた。
「アナちゃんどうかしたかの?」
「ああ、大矢さん」
「おや、通話中だったのかい?」
「ええ……と」
緩く腰の曲がった、絵に描いたような好々爺の笑みを浮かべるお爺さんだ。
杖はついていないがそれも間近であろうことを感じる。
「紹介するわねこのアパートの大家さん、大矢さんよ」
「ほっ、撮ってるのかの。はいはい大谷ですよ」
にこにこと笑みを浮かべ片手をあげる彼はなんとも良い人のように見える。
「大矢さんに相談したの、これから何人か留学しにくるから部屋を借りられないのかって。そしたら…」
「ほほ、アナちゃんみたいな美人の友達なら大歓迎じゃよ。わし家賃サービスしちゃう」
「もう、みんなの写真見せたら一発なのよ。いやらしいすけべジジイよね」
「ほほほほほ、わしもまだまだおとこじゃからのぅ」
そう言って笑う大矢の顔は先ほどと変わらぬ笑みのままだ。
弧を描くように唇の両端を釣り上げた、満面の笑み。
「それにね、大矢さんが私に日本の女性、大和撫子が覚えるべきルールや作法を教えてくれるそうなの」
「うむ、わしが教えたる」
そう言って頷く大矢に不審なところは見当たらない。何処にでもいる人の良さそうなお爺さん、そのように見える。
だからこそアナスタシアも『すけべジジイ』などと揶揄できるほど彼に気を許してしまったのだろう。
「立香……私頑張るから…立派な、あなた好みの淑女になって…帰ってくるわね」
そういって頬を染め、幸せそうに笑うアナスタシア。
自由奔放に生きてきた彼女が好きな男のために努力することを誓う、そんな素敵な、綺麗な姿。
「立香くん、安心しとれ」
その横に
「アナちゃんのこたぁ、わしがたぁっぷり、仕込んでやるからのぅ」
いやらしく顔を歪めた雄が立っていた。
誰を派遣する?
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アナスタシア2
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源頼光2
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ジャック2