モンスターハウスで人生終了! サキュバスハウスに堕ちた少年冒険者が奇跡の勝利を掴むまで 作:千吹つぐ
多数のサキュバスが、息を呑んで佇んでいる。
その中心には彼女たちの長と、一人の少年が、絡み合って倒れていた。
「ひっく……ひっく……うう……ううう……」
そんな二人の前で、少女が涙にくれていた。
「うそ……なんで……なんでよぅ。ひっく……、
どうして耐えちゃうのよぅ。バカ。バカぁ……」
少女の拳が力なく地面を叩く。精液がパチャパチャと跳ね、女王の肉体がふるふると震える。
「あへ♡ あへぇ♡ おっふぅう♡」
「この! お母様ぁ!」
少女の怒りはまず、アヘ顔さらしてダブルピースをしている母親にむかった。
「お母様は馬鹿よ! 大バカものよ!
クイーンのくせに! なに負けてるのよ!
この早漏! 色魔! ドスケベ淫乱女!」
「んっふぅ♡ ……娘よ。……それはサキュバスにとっては褒め言葉よぅ♡」
さすが、女王は回復も早いのか、立てないまでも、もう話が出来ている。
「それよりも、聞きなさい、娘よ。
――私はいま、とても大切なことを知ったのよ」
「ぐすん……なによ、くだらないことだったらひっぱたくからね」
「くだらなくなどないわ。これはサキュバスにとっての真理。
――今から言うことは、女王としての正式な言葉ですよ」
「おお……」「女王が……」「拝領いたしましょう……」
すべてのサキュバスが頭を下げる。
「聞きなさい、同胞よ、
わたくしは今、生涯でもっとも大きな気づきを得ました」
「ぐすん、なによそれ……?」
唯一、まだ疑わし気な少女が言う。
女王はうやうやしくも、のたまった。
「それは敗北セックスの心地よさです♡」
「…………………………はっ?」
女王がポッと頬を染め、いやいやをするように首を振った。
「ああ、私ったら、お恥ずかしい♡
まだまだ世界にはこんなセックスがあるなんて、知りませんでした……。
百戦錬磨のサキュバスとして、勝ちなんて当たり前なセックス、
クイーン対童貞などという、勝利確定のハンディキャップ戦、
負けるなんてありえない。サキュバスとして恥も恥、
絶対に負けちゃいけない、そんなセックスで……、
敗北アクメ絶頂キメるのが、こんなに快感だったなんて♡」
「………………………………
…………………………………
…………………………………
…………………………はぁっ?」
少女の軽蔑は頂点に達していた。
一方、女王は両手を頬に当てて、うっとりと思い出に浸っている。
「ああ、本当にお恥ずかしいわ……。
みずからをサキュバスクイーンだなんておごり高ぶって、
敗北負け絶頂の快楽を忘れていただなんて……。
ありがとうございます御主人様♡
ああ、今日の私はまるで処女のよう♡
新しい快楽を教えていただいて、本当に感謝しています♡♡♡」
「………………ば……ば……ば……」
「ん? どうしたのしら娘よ?」
「ばっっっかじゃないの!」
少女が怒髪天を衝く。
「んなこたぁ! どうでもいいのよこの馬鹿女王!
旦那様のことどうすんのよ! まさか本気で開放する気なの!?」
「ええ、もちろんよ、でなければあれほどの快楽、得られなかったもの」
「ああもう! しんじらんない! お母様なんてクイーン失格よ!
この脳みそスッカスカのケツデカ女! ヤルことしか頭にない低脳淫売!」
「だから娘よ、それは褒め言葉だわ」
「ねえみんな! 聞いた!?
こうなったら反乱よ!
こんなバカ女! 女王になんてしてらんないでしょ!?」
少女が振り返り、仲間のサキュバスを扇動した。
「「「…………なるほど、深い…………」」」
しかし、そこにはうんうん、とうなずきあうサキュバス達の姿があった。
「さすがクイーン……」「確かに、敗北絶頂もいいものよね」「そこに気づくなんて、さすがセックスの天才……」「これぞ女王の器ね」
「ああもう! みんなも結局サキュバスだった!
ここバカ女しかいないんだわ!」
少女がキレ散らかして地団駄を踏む。
一方、女王は気力を取り戻して立ち上がった。
「さてさて、それはともかくとして……
おめでとうございます勇者様♡」
「……………………あ……え?」
レオは、ようやく正気を取り戻した。
いままではどこかぼうっとして、会話も聞くともなしに聞いていた。
「僕が……勝った……の?」
「ええ。正真正銘、あなたの勝利でございます」
「っ! アンタ! アンタぁ! どうして負けてくれなかったのよ!
この! ばか! ばかぁぁぁぁ!」
そのとき、恨みに駆られた少女が、レオに向かって平手打ちをした。
しかし、その手が振られる寸前に、空中でピタリと止まってしまう。
「な! なにこれ! なんで動かないの!」
「……と、この通り、私どもはもう二度と、あなたに手出し出来ません。
これは悪魔による、絶対の契約にございます……」
女王が腹を押さえる。そこには例の魔法陣によく似た紋章がある。
すべてのサキュバスに、――とくに掴みかかろうとしている少女の腹で、紋章が桃色の光を放っていた。
「そんな……そんなぁ!」
「諦めなさい娘よ、あなただって、もう契約にしばれているのよ。
勇者様には、もう手出しは出来ません。
となれば、……さぁ皆さん、お見送りの準備を」
「「「「…………はぁい……」」」」
女王を始めとする女たちが、しぶしぶとボンテージ服を着込んでいく。
彼女たちはさらに服を持ってきて、裸のレオに着せ始めた。
それは最初に装備解除魔法で外された装備だった。
「あ、ありがとう……。でもいいのに」
「いいえ、これくらい、やらせてください。
……これが最後なのですから」
パンツをはき、皮宛をつける。靴を履き、盾を装備する。
時間を巻き戻すように、すべてがなかったかのように、
別れの時が近づいていく。
「……思えばわたくしたちはまだ、出会って一日もたっていないのですね……」
「ああ……なんともったいない……」「ぼうや……わたしたちの旦那様……」
「あなたのようなヒトとは、もう二度と出会えないでしょう……」
女たちが涙ぐむ。
「本当に、開放してくれるんだな……」
レオがようやく実感を得る。短くも濃厚な時間を過ごした彼女たちが、嘘をついていないとわかったのだ。しかし、だからこそ困惑も強かった。この場でどんな態度をとるのが正解か分からなかった。
「ひぐ、ぐす、うう、ううううう」
それは少女も同じなのだろう。彼女は着替えも手伝わず、子どものように泣いていた。
「やだぁ、行っちゃやぁ……おねがい……おねがぁい」
先程はぐっと大人っぽく見えた美貌が、幼女のように泣き崩れている。わぁわぁと鼻水まで垂れながして、溢れる涙を手で拭っている。
「あきらめなさい娘よ。
……ああ、勇者様、あなたは本当に勇者様だったのですね。
まさか敗北など、夢にも思いませんでした。……完敗です」
「うう……やだ……やぁだぁ……あたしの、あたしの旦那さまなのにぃ……」
「もう、娘ったら。……もうしわけありません、勇者様」
母が娘をそっと抱く。ボンテージのジャケットを肩に掛ける。
「気にすることはありませんよ勇者様。
……こんなものは、まだ出会いも別れも知らぬ小娘の戯言です、
ただ初恋だった、それだけのことなのです……」
「だからって……あきらめないもん!」
娘が母の手から飛び出してくる。胸に右手をあてて、レオの瞳をまっすぐに見る。
「おねがい! アタシも連れてって!」
ざわり、と、その宣言はレオよりも、仲間のサキュバスたちを驚愕させた。
「…………ああ、娘よ。自分が何を言っているのか、分かっているのですか?
その選択は茨の道よ。人間の世界にサキュバスの居場所など無いのだもの。
悪ければ処刑、良くても奴隷以下のあつかいでしょうね」
「それでもいいわ!」
女王の脅しを、しかし少女は一蹴した。
「奴隷だって! 死んだっていいわ!
……それでも離れ離れよりは、ずっといいもの……」
少女が言う。それは自分が有利な時だけでなく、不利になってもなお、レオを愛すると誓うものだった。まさしく病めるときも、健やかなるときも、変わらぬ愛を貫くと、そう告げるものだった。
「……そう、覚悟は決まっているのね。
勇者様、いかがでしょう? この子を連れて行ってはくれませんか?
いつでも呼び出せる肉便器として、
あるいは使い捨ての肉盾としてでも構いません。
また、あるいは……愛する妻としても……、
そのどれでも構いません。どうか……どうか……」
レオは、一歩まえにでた。
「ん…………」
まるで最初のときのように、少女が指を組み、目をつむる。
その手をそっと握りしめて、彼女のすべてを貰い受ける。
「ん……ちゅ♡ ちゅう♡ ちゅうう♡」
それは清楚で、みだらで、美しくも、汚らしい、
恋人同士のキスだった。
「レオだ」
少年は言った。それだけで意図は伝わった。
「ん……リリスよ♡」
少女が言う。
「リリス……ちゅぅ……」
「レオ♡ ふふふ♡」
「リリス……ちゅぱぁ」
「レオぉ……♡♡♡ んちゅ♡ ちゅぅぅ♡」
恋人たちが、お互いの名前をつぶやきあう。思えば名前も知らなかったという事実にクスクスと笑って、接吻と言葉を繰り返した。
「……ん……アタシの真名はリリス・ノルン・フローレス♡ 覚えておいて♡」
「わかった。リリス……リリス……ん……ちゅぅ」
「「「おお……おおお……」」」
恋人たちがお互いに没頭する一方で、大人たちは再び戦慄していた。
「まったく……悪魔が真名を教えるだなんて……」
女王が苦笑を通り越してあきれている。
「ああ、勇者様。これがどれほどありえないことか、おわかりですか?
魔族が真名を知られるとは、それすなわち生殺与奪権を明け渡すということ。
その子は今まさに、あなたに心臓を投げ売ったのですよ」
「ん……リリス……リリス……好きだ……」
「ん……レオぉ♡ アタシも♡ アタシも好きぃ♡」
「ふふ、詮無きこと、ですか。
これも若者の特権ですね」
パチパチと、やわらかな拍手が巻きおこる。おめでとう、おめでとうの声。
「おめでとう、娘よ。ふふふふふ」
女王がそっと目尻を拭う。
「……少し、羨やましいですね。
私がもっと若ければ……母でも、クイーンでもなく……、
ただ一匹のサキュバスだったら……同じようについて行けたものを……」
「お母様……」
「ふふ、これこそ詮無きことですね。
……では、名残惜しいですが、勇者様、これにてお別れです」
サキュバスたちがずらりと並び、それぞれに別れの挨拶をしていた。
「もう二度と会うことはないでしょう。
卑しい淫魔の身でありますが、
あなた方の行く末がさちあらんことを、お祈りいたします……」
「どうかご無事で」「我らが王よ」「謳われぬ勝者よ」
「「「なんじが道行きに、闇のあたたかき加護があらんことを……」」」
魔族が祈る。まつる神のちがいこそあれど、その想いは本物で、彼女たちは若い恋人たちを祝していた。
「さよなら勇者様。……そして愛しき、わが娘……」
女王が泣き笑いの笑顔を見せる。少女が手を引き、未来を指差す。
「さあ! 行きましょう! 旦那様♡ 二人で! どこまでも!」
……こうして、少年レオの、最初の冒険が幕を下ろした。
この後、数々の困難に挑み、「絶倫王」と呼ばれるようになる彼の傍らには、常に少女の使い魔が侍り、そのすべての冒険をともにしたのだという。
だが、それはまた別のお話……。
……そしてその「別のお話」は、この直後に始まった。
「さ、行きましょ!♡ 旦那様♡」
「………………いや」
全てが終わった。そんな雰囲気が漂う中で、レオはくるりと振り返った。
サキュバスたちがきょとんとして「まだなにかあったかしら?」と首をかしげる。
「勇者様? いかがなさいました? なにか忘れ物でも……」
「うん」
「あら? 装備はすべて戻したと思いますが……、
って! んん! んんんん~~~~!!!!」
レオはスタスタと歩み寄ると、そのまま女王の唇を奪った。
「んちゅ! んじゅぅ! ちゅぱぁ! ちゅぱぁ!
んん! んんん~~! んんんんんん~~~~!!!
んじゅる♡ じゅるる♡ じゅるるるる♡♡♡」
「ちょ! アンタなにやってんのよ! お母様から離れ……、
って! あ♡ あ♡ ああ♡ あああああ♡」
ぐちゅぐちゅぐちゅ♡♡♡ レオは駆け寄ってきた少女の股間に手を伸ばす。無遠慮に中をまさぐって、まだ十分に濡れているそこを掻き出した。
同じことを母親にもする。
グチュ♡ グチュ♡ グチュ♡ グチュ♡ グチュ♡
「あ♡ あ♡ あ♡ だめですぅ♡ こんなの♡ あああ♡」
「あ♡ いく♡ いっちゃうぅぅ♡ いっくぅぅぅぅぅ♡」
ぷっしゃぁぁぁぁぁあ!!!
親子が揃って失禁し、ガニ股で腰をガクガクと震わせて絶頂させる。
「お……おお……ゆ、勇者様? な、なぜ、このようなご無体を?」
「僕、気づいたんだ」
レオは言った。どうしてだろう、頭がくっきりと冴え渡り、まるで賢者のように物事を見通せる気がした。
「このままだと、僕が助かっただけで、
結局みんなは、他の人を襲うんでしょ?」
「そ、それは……」
先ほど少女が言った未来予想は、実のところ今も変わっていなかった。
女王たちはこの後も人間を遅い、犯され、寝取られる。
百歩譲ってそれはいい、だが仲間が害されることは、許せない。
「女王、あなたはやっぱりすごいね、なんとなく終わった雰囲気にして、
僕を追い出そうとしてたんだ。……まだまだ隠していることもあるんじゃない?」
ぬるり、とレオは女王をイカセた指をこする。そこにはレオの精液――最初に中出ししたものだ――がぬめっている。
「さ、さぁ? そのようなことは……ひ! ひぃぃ!」
くちゅくちゅくちゅ!
レオはなおも女王を責める。イッた直後のクリトリスをつまむ。
「おのれ!」「おやめなさい!」「女王を離せ!」
そのとき、他のサキュバスたちが殺気立って、レオに向かって殺到した。
「ちょ!? まってみんな! やめてぇぇ!」
少女がおもわずレオをかばう。
「大丈夫だよ、リリス」
だが、そんな少女をレオは止めた。
するとその言葉が呪文だったかのように、サキュバスたちは動きを止めた。
「な!」「なにこれ!」「う、うごけない!」
「くぅっ! 契約魔法に気づいていたのね!」
女王が珍しく焦っている。
サキュバスたちの腹で、ピンク色の紋章が輝きを増した。
【二度と逆らわない】という契約魔法が、彼女たちを縛っているのだ。
「同胞たちよ! 攻撃は無駄よ! お逃げなさい!」
「「「はい! 女王!」」」
バサバサと羽が振るわれる。女たちが飛び上がろうとする。
「――逃げるな――」
対して、レオは一言だった。だがその一言が、女たちから力を奪った。
「「「きゃああーー!!!」」」
バタバタと、鴨撃ちのように女たちが落ちていく。
「きゃ! きゃああああ!」
「イザベル! あぶない!」
少女が叫ぶ、その先にはひときわ高く舞い上がってしまった、体の小さい娘がいた。
「おっと、大丈夫?」
娘が地面に落ちる寸前、レオは彼女を抱きとめた。
「は、はい……」
少女がレオの手の中で体を丸くする。
原因はともかくとして、命を救われたという単純な事実に、若い娘は頬を染めていた。
「君、イザベルっていうの?」
「あ……はい♡ イザベルですぅ♡」
「イザベル、良い名だね」
「そ、そんなこと、えへへ♡」
「イザベルの、その先は?」
「え?」
レオは彼女の真名を聞いた。それは悪魔にとってもっとも無礼な行為であり、答えることなど有り得なかった。
しかし、少女の腹で、ピンクの紋章が光り輝く。
「あ……えっと、イザベル・アルト・ノワール……です」
「「「なっ!?」」」
サキュバスたちが驚愕する。その反抗心に反応して、紋章がさらに輝いていく。
「イザベル、君のことを教えてほしい」
「わ、私のこと、ですか?」
「うん。どうやったら、君ともっと仲良くなれるか。
君がしてほしいこと、言ってよ」
「♡♡♡♡♡♡♡」
「やめなさいイザベル!」「だめ!」「だめよ!」
サキュバスたちが戦慄する。ピンクの淫紋が光り輝く。
「申し上げますレオ様! イザベルはクリトリスが弱点です!」
少女が抱かれながら足を開き、パンツのボタンをはずしていった。
「ここ! ここです! ここ痛いくらい指でつまんで! ぎゅぎゅーって引っ張れば! 私すぐイッちゃいます! あなたのこと! 好きになっちゃいます!」
「わかった」
「♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
レオはそのようにした、おそらく普段からいじっているのだろう、少女の年齢には合わないデカクリを、ペンチでつまむみたいに握りつぶして、ぎりぎりと限界まで引っ張った。
「ひぐ! ひっぐぅぅぅぅぅぅ!」
ぷしゃああああ! 少女が盛大に失禁し、どちゃり、と自分の潮溜まりに落ちていった。
「「「あわわ……あわわわわ……」」」
サキュバスたちが戦慄する。レオはそちらに歩いていく。
「君は?」
「ア、アンナ・レド・ベーゼ……弱点は……って! ま、まずい!」
「アンナ、君がしてほしいことはなに?」
「そ、そんなの言うわけ! あ! ああ! でも! でも! ううう!
ち! 乳首こねです! おおっほおおおおおおおおお!!!!」
「君は?」
「レ、レムリア・イル・クローゼ……あああ! だめ! だめだめぇ!
そんな、乱暴にされるのが好きなんて! バレたらダメぇ!
お尻叩かれながら挿入されたらすぐイクことは、絶対ばれたらダメなんだからぁ!
んんっおっほぉぉぉぉぉぉ!!!!」
君は? 君は? 君は? と、レオは女たちの間を歩き回った。
その姿は聖人の奇跡を彷彿とさせるもので、彼の歩く先からは間欠泉のように潮が上がり、桃色の濃い虹が幾筋もかかった。
「なんてこと……これはまずいわ!」
最初にイカされて、地面に倒れていた女王が言う。
「くっ! 【二度と手を出さない】なんて雑な契約にしたせいね。
契約が拡大解釈されているんだわ!」
「……ええっと、それも、お母様のせいだけどね。
ホント、サキュバスって馬鹿ばっかり」
「だ、だって負けるなんて思わなかったから……
そうだ! リリス! 我が娘よ!」
女王が娘の足にすがりつく。
「勇者様を止めて頂戴! あなたの言うことなら聞くかも知れないわ!
ね? あなただって嫌でしょう? あれだけのヤンデレっぷりを見せた、嫉妬深いあなたのことだもの。新婚なのに、こんな浮気しまくる旦那様なんて嫌でしょう?」
「……ふ、甘いわね、お母様」
「へ?」
女王がいぶかしむ。――考えてみれば、娘がこんなに大人しくしているのがすでにおかしかった。最初の段階で怒鳴り込んでいてもおかしくないというのに……。
「私とレオは、もう一心同体なのよ。
ええ、確かにサキュバスを裏切ることも、彼が他の女を抱くこともとてもつらいわ。
でも彼の信念を思うなら、妻として、耐えなきゃいけないから……。
だからお母様、ごめんなさい……」
「娘よ……」
女王は息を呑んだ。レオの成長も目を見張る者があったが、この娘もまた、女として深みを増していたのだ。
「あとやっぱかっこいいしね♡」
などと思ったのはそこまでだった。
「へ?」
「うう♡ アタシの旦那様すごいわぁ♡
こんだけのサキュバス使い魔にしようだなんて♡
やっぱ発想が普通の男と大違いね♡
きゃはは♡ また惚れ直しちゃったわ♡」
「し、しまった! この子も所詮はサキュバス!
頭空っぽのバカ女だったわ!
あわわわわ……もうダメだわ。はやく逃げないと!」
女王は足に力を入れた。ようやく絶頂の余韻が抜けて、立ち上がることが出来そうだった。
「リリス」
「はぁい♡ レオ♡ わかっているわ♡」
そのとき、がっしり! と、娘が女王を捕まえた。いや、それだけではない、さらに多くの手がワラワラと伸びる。
「うふふ♡」「女王へいかぁ♡」「どこへいくのですかぁ♡」
「リリス! あ、あなたたちまで!? やめて! 手をはなしてぇ!」
それは、レオが最初に捕まったときの再現だった。女王の体を何十もの手が捉え、その服をむしり取って、彼のもとへと運んでいく。
「やあ、女王」
「ゆ、勇者様……」
女王はまじまじと少年を見る。
レオの外見は先程までと変わっていない。だがその纏う雰囲気が変わり果てていた。
覚悟が決まる。ただそれだけのことで、少年は本物の勇者になっていた。
「君の、名前は?」
「!!!!!!!」
レオが言う、淫紋が輝く。
「い……い……い……」
「ほら、こわがらないで、――君の名前は?」
「イ、イブ……です」
「イブ、いい名だね」
レオが名を呼ぶ。ほほえみ、褒める。
それだけのことで、女王はとろけてしまいそうになる。
「イブ……その続きは?」
「イ、イブ……あ、ああ、だめ……フレイ……だめよ。言っちゃ、あああ!」
きゅん♡ きゅん♡ きゅん♡ 淫紋がさらに力を増していく。魔力がキリキリと子宮を締め上げて、彼に従うよう責め立てる。
「ほら♡ お母様ぁ♡」「陛下ぁ♡」「いっちゃいましょう♡」
「だいじょうぶ♡」「御主人様はやさしいから♡」「さあ♡」「さあ♡」
「いって♡」「いって♡」「いってぇ♡」
「言ってよ、イブ。僕に教えて」
「んふぅぅぅぅ~~~! んっふぅぅぅぅぅ~~!」
「イブのこと、すべて教えて欲しい。君が隠しているすべて、
本当の望み、一番してほしいこと、ぜんぶ、ぜんぶ叶えてあげるから。
だから言ってよ。ほら、ほら、ほら、ほら」
「あ♡ あ♡ あ♡ あああ♡」
「イブ・フレイ・アルテミス!!!!」
ぷっしゃあああああああ!!!
極限の我慢、その末に解放に、女王は盛大に潮を噴いた。
「あ♡ あ♡ あ♡ いっちゃった♡ 今まで誰にもいわなかったこと♡
悪魔のいちばん大事な情報♡ おもらししちゃったぁ♡」
ぷしゃ! ぷしゃぁ! ひとたび決壊したダムはもうもとに戻らず、女王はなにもかもを垂れ流していく。
「んぎもぢぃぃぃぃ♡ ごれすんごぃぃぃぃ♡♡♡
ああ♡ ああ♡ もうしあげます旦那さまぁ♡
わたくしの弱点は♡ 弱点はぁ♡」
自分に弱点などないと、女王はいままでそう思っていた。
同世代のサキュバスのなかでも抜きん出た才能を持ち、実際にどんな男でも手玉に取ってきた。
一流のサディストにもマゾヒストにもなれた。
あらゆる性技を収め、どんなプレイでも楽しめた。
女王の地位も当然だと思っていた。
たまの失敗とて愛嬌であり、結局は望み通りになっていた。
まさに、完全完璧なサキュバスの鑑。
ゆえに弱点などないのだと、そう思っていた。
だが違った。
「わたくしの弱点は! 赤ちゃんプレイですぅ!!!!」
自ら股を開いて、降りきった子宮口を見せつける。
「イブは! 勘違いしておりました!
男なんて全部餌だって! 支配して遊んで楽しむものだって!
そんな馬鹿なこと考えてました!
女王だなんておごりたかぶって! 馬鹿な間違いをしてました!
人生の勝利者だっておもってましたぁ!」
ぷしゃぁ! ぷっしゃぁぁ!
びくん! びくん! びびくん!
「おおぅ♡ でもそんなの勘違い♡
本当は♡ 負けるほうがよかった♡ よかったのぉ♡
おお♡ おおお♡」
びくん! びびくん!
へこへこ♡ へこぉ♡
まるで言葉でオナニーをしているかのように、
自分自身の言葉で、女王はのぼり詰めていく。
「あうぅ♡ 敗北宣言♡ んぎもぢ゛い゛い♡
もうあたし♡ 女王なんかじゃないわぁ♡
みんなと同じ雑魚メスよほぉぉぉ♡ 御主人様の雌奴隷♡
ああ♡ こんなのさいっごおぉ♡
イブ・フレイ・アルテミスはぁ♡
世界で一番ダメな雑魚雑魚サキュバスですぅ♡」
「お母様……」「女王……いえ、元女王……」
サキュバスたちが、そっと女王の肌に触れ、その苦労をねぎらった。
一族の長という責務から離れ、ただの少女に戻った女に敬意を評した。
「うううぅ♡ 本当は、ずっとずっと負けたかったのぅ♡
男の人に支配されて♡ 命令されたかった♡
責任全部とりあげられて♡ かわいいって♡
なんにもしなくていいって♡ ただよしよしされたかった♡
あうう♡ うわああああああああん♡」
少女は、さらに原点へと戻っていく。
それは彼女が特に好んだプレイの裏返しだった。
レオを執拗に子供扱いしてきた欲望の裏側、本当の願望が顔を出す。
「ほぎゃぁ♡ ほぎゃぁぁぁ♡ ほぎゃぁぁぁぁぁ♡」
女王はもはや女や少女ですらなく、
もっとも無垢な赤子に戻っていた。
その「言葉」に、レオはこたえた。
「よしよし。よく、がんばったね」
レオが、女王の頭を撫でる。
「あ……あああ……」
それだけのことで、赤子は泣き止み、幸福そうに微笑んだ。
「いい子だね、イブ。これからは全部、僕にまかせなさい」
「あ♡ あいぃ♡ あうぅ♡」
「イブ・フレイ・アルテミシア、これから君は、僕のものだ」
「♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
腹の淫紋が完成する。桃色の魔力がほとばしって、魂の契約が結ばれる。
サキュバスとしての恥、悪魔としての完全敗北、
「いいね?」
少年の形をしたイブの神さまが、自身の弱点にペニスをあてがう。
これを受け入れたら、なにもかもを奪われる。
もう過去の自分には戻れない。
「は、はい♡」
それがイブには、たまらなくうれしかった。
ずぶずぶずぶずぶずぶずぶずぶ!!!!
「ひっぎぃぃ~~~~~~~~~!!!!!!!!!」
挿入と同時に絶頂する。クリで、膣で、子宮口で、あらゆる場所が負けていく。
「っぃぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!
ひぐ! いぐいぐいぐいぐ!
いっぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!
~~#$%&#&&$%&!!!!」
絶頂の中で絶頂を重ねる。なにもかもを失っていく。
「ひぐ! ひぐひぐひぐひぐ!
ひっぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「ああ♡」「旦那様ぁ♡」「私にも♡」「あたくしたちにも♡」
「おめぐみを♡」「おじひを♡」「おなさけを♡」「おちんちんを♡」
「おお♡」「おおお♡」「おおほほほ゛お♡」
「「「おっほぉぉぉぉぉおお♡♡♡」」」
「♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
……こうして、少年の二度目の冒険は終わりを遂げた。
後に『絶倫王』の名を轟かせることになる彼は、一個師団もの淫魔を従え、だがその全てを満足させ、決して他のものは襲わせなかったという。
そんな彼のこれからの冒険は、また別のお話……。
「♡」
(今度こそ本当におしまい)