「助けてノノえもん!」ホシノ・カヨコ・黒服関係回のみまとめ 作:春画屋@二次創作R18
——暗闇の中。そこに一人いるのは、『黒服』であった。目の前にぼんやり浮かぶのは、ミニチュアのように見える、小さなキヴォトス。
「クックック……。とうとうアクセスすることが出来ましたよ、『メインストーリー』……。これも全て、『先生』との交友のおかげ。やはり彼には、感謝しないといけませんね」
そこに黒服の言葉を聞く者は誰も居ない。しかし、黒服は気にしない風だ。目の前のミニチュアのキヴォトス——よく見るとそれは、少しずつ違ったキヴォトスが重なり合ったものだとわかる——を
「『メインストーリー』……なるほど確かに、これはキヴォトスに属する全ての者にとって、知ってはいけないものです。と同時に、知る意味など何もない。自らの行動の参考程度にはなるでしょうが……。
そこで黒服は、言葉を止め、誰かの声を待つかのように黙ってしまった……が、少ししてまた言葉を続けた。
「全ては既に決定されています。例えば、『ティーパーティー』の『
そこで黒服はまた言葉を切った。しかし、応える者は誰も居ない。
「……とはいえ、それももはや意味のないことかもしれませんね。『キヴォトス』は既に、『メインストーリー』からは大きく外れている。そもそも発生しないイベントの方が多いでしょう。そして、新たに生まれたストーリーもある。私がこうやって『メインストーリー』を発見し、世界の
黒服は、ミニチュアのキヴォトスに目を移す。それから視線を虚空へと向ける。その方向には、暗闇以外何もない。
「「この世界」は何も改変されてなどいない。『キヴォトス』も、ある意味ではそれと同じく、何も変わってはいないと言えます。ただ『メインストーリー』という「物語」が、『彼』を主人公とした「物語」へ書き換えられているだけです。別の表現をすれば、我々は『メインストーリー』という
黒服は、少し大きめの箱を取り出した。箱には、五名ほどの美少女キャラが描かれている。
「彼が教えてくれた、アダルトゲームというジャンル——この呼び名は品がないので好きではないのですが……いわゆる『エロゲー』。とても興味深いジャンルです。他の物語にはない、独特な構造……。「エロゲー」の物語は全て、「ヒロイン」とのセックスシーンへと集約され、そこに至るまでの全ての物語はセックスシーンから逆算されます。基本的にはノベル系ADVに限っての話ですが……例えば「ツンデレヒロイン」は、そのキャラとのセックスシーンをクライマックスとして、逆算してイベントや過去が設定されます。『ツン』から『デレ』るイベント、そのキャラが「ツンデレ」になるまでの過去設定……。この構造は、戦闘シーンをクライマックスとする、『ロボットアニメ』や『時代劇』の物語の様式美に通じるものがあります。一般的なイメージに反し、非常に高度な技術によって描かれる、それらの物語……」
黒服は箱をしまった。
「そして、この『ブルーアーカイブ』の「物語」は、いわば『R-18版ブルーアーカイブ』とでも呼ぶべき「物語」へと変わりつつある。『学園と青春のRPGの物語』は、『学園と青春のエロゲーの物語』へ変化した。『彼』をとりまく全ての物語は、ヒロインとのセックスシーンから逆算され、それに合わせて「都合のいい」改変が行われます。あるいはその改変は、過去に
黒服は言葉を切り……しばらくの沈黙の後、キョロキョロと周りを見渡した。少し不審者っぽい。
「…………。例えば……いざという時にコンドームを持っていなければ、「
そして黒服は、返事のないこの空間に苛立つように、少し言葉を荒げて言った。
「まだだんまりを決め込むつもりですか? 聞いているのでしょう? いや、
突如として、黒服に不可思議なメッセージが伝わった。それは言葉ではなく、いくつもの意味を一つにした、何とも形容しがたい特殊な伝わり方をしたが……
【はじめまして、黒服】
【ごめんね、つけっぱなしのまま放置してた】
【後でログ読んでおくから、またね】
あんまりな内容に、黒服は一気に脱力した。
「わかりました……。ずっと聞いていると思って
そこでふと、黒服の脳裏に一つの考えが浮かんだ。
——この、会話していていきなり脱力するような雰囲気、どこか似ている……? まさか、『前の先生』の正体とは……? だとしたら『彼』とどんな関係の……? ……いや、何にしても今出せる答えではありませんね……。
「……クックック。私の本質は「探究」。所詮は『キヴォトス』の中に属する『神秘』や『恐怖』などに、もはや興味はありません。いつか教えてもらいますよ、『前の先生』。世界が『彼』を必要としていなかったにも関わらず、『彼』をこの世界に呼び寄せた理由、既に
と、黒服がそこまで独白した時だった。
【ありがとう】
【友達想いだね、黒服は】
【ツンデレだね、黒服は】
「後でログで読むのではなかったのですか⁉︎ そして、私はツンデレではありませんが⁉︎」
彼の顔が照れで赤くなった……かどうかは定かではないが、思いっきり慌てるその姿が、彼の本質が何かを雄弁に物語っていた。
「私はあくまで、探究心のために……!」
黒服の必死の反論がむなしく響く。
そんなわけで、今日もこのブルアカ世界は平和である。
話の分割の仕方について、別の形に分けるなら以下のどれがいいですか?
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キャラごと(ホシノ、黒服、カヨコの3つ)
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内容ごと(ホシノ・黒服、カヨコの2つ)
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本編外にまとめたもの全部で1つ(今のまま
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その他(お気に入り登録や検索をしやすく等