「助けてノノえもん!」ホシノ・カヨコ・黒服関係回のみまとめ 作:春画屋@二次創作R18
シーズンFinal、第44回。
【前回(シーズン3最終回)のあらすじ】
箇条書きにすると…
・黒服(仮)に無理矢理記憶を戻されてしまった主人公。「世界観」を壊され、これからどうなる⁉︎
・黒服(仮)の狙いは、『現実世界』への実体化であった。そんな事が可能なのか⁉︎
・主人公(先生)はエロゲーと化したこの世界の竿役だったらしい。……ってそれ、何の話?
・十六夜ノノミとの関係を真面目に考えなさい。って、いやだから何の話?
・この物語の『本質』あるいは『
・このお話は、『現実世界』から来た「彼」と、
・というわけで、「『現実世界』にいた頃のあなたが好きでした!」→「じゃあ付き合おう!」
・そんなこんなで、大体全てうまくいったはずなのに、本当のハッピーエンドはまだ遠い……。
と、いろんな事があった一夜の主人公の夢の中でした。
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——エンディングへの第一歩 小鳥遊ホシノの場合——
「っつーわけでして……。まあ、そんな感じ」
「——あっはっは。まあ、ノノミちゃんに振られなくて良かったじゃん? それどころか、ノノミちゃんは正式な「彼女」になった。記憶の大部分を取り戻した——「先生」じゃなく——「あなた」と晴れて両想い。いやあ、他人事なのにおじさんの口元まで
ホシノは言う。
「——でもノノミちゃんに、結婚はダメだって言われたんだよね? 絶対なの? 何で? とてもそうは見えないよねえ。そもそも、別にプロポーズしたってわけでもなかったんでしょ? なのにそこまで言うかなあ。「彼女」にしてもらったことについては、あんなに喜んでるのにね。——まあ、まだ何かあるのかも知れないけど、あの子も『シャーレの先生』をやってるあなたと同じくらい難しい立場だから、無理には聞けないしね。大変だねえ〜。今の話だって、本人が言う気になったから——。……うん、そう。ノノミちゃんが、あなたが「こっちの世界」に来て「先生」になる前から、「そっちの世界」のあなたのこと知ってたって話。確かに、以前ノノミちゃんとそんな話してたら、そんなような口ぶり……うへ、そうだ、それちょっと聞かせてよぉ〜。恥ずかしい? いいじゃん、いいじゃん、ちょっとだけだからさぁ〜」
「…………」
ホシノは言う。
「——うへ〜。すごいなあ、次元を超えた恋ってやつ? いいね、いいね〜。あ〜、この話はノノミちゃんから聞けば良かったかなあ〜。確かに『前の先生』も「そっちの世界」の「プレイヤー」のあなたを知ってたみたいだけど、ノノミちゃんまであなたのことを見て、知ってたとはね〜。ほらほら、何か少女マンガとかでありそうじゃない? 「先輩のこと、ずっと見てました……」的な。……うん? ふんふん。……へ〜……えー! やっぱ、そんな感じだったんだ〜! それで、告白されて? はぁ〜。いやいや、そっかそっか〜。はい、ニヤけないニヤけない。いやあ、他人の恋バナっていいねえ。おじさんもとうとう、そういうのに目覚めちゃったよ。じゃあさ、じゃあさ。今度ヒナちゃんも呼んで、三人でパフェでも食べながらじっくりその話を……え? ヒナちゃんも恋バナ好きだよ? うん、ゲヘナ風紀委員長の
ホシノは言う。
「——そうそう、しょちゅう二人でお茶して、最近なんかもう「ヒナちゃん」、「ホシノちゃん」と呼び合う仲で……ま、向こうはまだちょっとぎこちないけど……うへ。うん、仲良いでしょ。そんな意外かな? だってさあ、ほら、アビドスは「経験者」が多いでしょ? 何か肩身が狭くてさあ〜。最近は便利屋の子たちとも
ホシノは言う。
「——というわけで、あなたもかなり好かれてるんだけど、やっぱ彼女持ちの男はねえ〜。いやいや、自分には全然関係なくても、女の子っていうのは気になるもん……わっかんないかなあ? まあでも、ヒナちゃんもノノミちゃんとならお似合いだし、上手くいってほしいって。……ねえ、何でそんな悲しそうな顔してるの? だって先生、ヒナちゃんにも他の子にも大体、「俺は先生じゃなくて、キヴォトスの外の外から来た、ゲームのプレイヤーだ」とか何とか、何度も説明してるでしょ。私以外、軒並み誰も信じてくれなかっただけで。……あ、そこで誰も信じてくれなかったのがショックなわけね。ちょっと同情」
ホシノは言う。
「うん、あなたが信用されてなかったわけじゃないし、他の子も何となくは分かるようになってきたみたいなんだよ」「…………」「……そそ、思い当たるでしょ? 今聞いただけじゃ、あなたの記憶が戻ったのとそれが関係あるのかは分かんないけど。だから、あなたが既に説明してある範囲内ではその内……。何、区別してもらえるの、嬉しいの? すっごい満面の笑み浮かべてるけど。本当、わかりやすいよね、あなた。あははっ」
ホシノは言う。
「——と、そんな感じで、あんまり違和感ないんだよね。でも考えてみりゃ、あなたと『前の先生』が同一人物としか思えない方が不自然なんだしね。とはいえ私もいまだに、パッと見た感じであなたと『前の先生』の違いなんか分かんないんだけど。そういや違う人だっけ、みたいな。……そうだよ? いやぁ〜……それで見分けてるのかと言われると微妙……。何かよくよく考えてみると、言ってる事もやってる事も、二人とも大して変わんない気がするし。……何その微妙な表情。ま、いいけど。でも、ノノミちゃんは明確に区別してるんでしょ? 多分ずっと前から。やっぱ愛かな? ……照れるな、照れるな」
ホシノは言う。
「——……っと。この説明で分かったかな? 問題にしてる人がほとんど居なさそうっていうのは、そういう話なんだけど。つまり、「そっちの世界」にあるはずの「担任の先生」みたいな概念で、他の人に交代してもあまり気にならない感じ。「そういえば「先生」って、一度前の人から変わったよね〜?」「そういえばそうだっけ? いつ頃変わったっけ〜?」、ってぐらいで。ヒナちゃんみたいに特別
「…………」
「…………」
ホシノは言う。
「……そっか。「先生」って概念は、「その程度」じゃないんだ? それはその、あなたが思い出した『本当のブルーアーカイブ』では特別だから? ……うん、でも私が実際に生きてるのは、この世界だからね。
ホシノは言う。
「私には、現実にここにいる私——『
ホシノは言う。
「でもあなたと私では立場も状況も違うからね。特に今のあなたは、記憶を取り戻して、『本当のシャーレの先生』という模範解答を見ちゃったんだよね? 見る必要のなかった真実を知ってしまうっていうのは本当に厄介だね……。それなら、その言葉はあなたにとって特別な何かの意味を持つんだろうね。同じ『シャーレの先生』である『前の先生』にも同じような悩みはあったみたいだし。特に、中の人格はともかく、あの人は生まれつき『シャーレの先生』なんでしょ? もともと哲学とか難しい事好きそうだったしなあ……」
ホシノは言う。
「——とかね。そういうのをいろいろノノミちゃんに教えていたらしいよ。人生を虚しくしない範囲で、らしいけど。あと、「私には『ブルーアーカイブ』で「恋愛」だけは教える事が出来ない」、「『シャーレの先生』なんて言っても無力だ」、そんなことも言ってたらしい。私の記憶の中のあの人が、いつもどこか寂しげだったのはそういうことなのかなって思う。私が聞いたら、そんなの考えたって無駄だよ、って言っちゃったと思うけど。私は『前の先生』が無力だと思ったことなんてないし、一つくらい教えられないものがあるからって生徒に対して不誠実だなんて思わない。今もそう思ってる」
ホシノは言う。
「——そもそも、この世界に実体がないものを私たちが知る必要はあるの? 知識としては学んで知っているのに。私はそう思う。でも、あの人は私とは違うからずっと悩み続け、その結果として、この『ブルーアーカイブ』の外の『現実世界』や、「プレイヤー」のあなたを内側から観測して、干渉まで出来たんだろうね。すごい人だよ。……ああ、ごめん。せっかくあなた達が気を
ホシノは言う。
「——って言ってもねえ。その辺は私も
ホシノは言う。
「……うん、さっき言ったみたいに、他の子もみんな、キヴォトスがどうとかいう意味では深刻に感じてないと思う。それよりは、あなたがもし帰る気になったら無事に元の世界に帰れるかどうかとか、そっちだよ。大丈夫なの? ちゃんとしてくれないと、それこそ『前の先生』たちに苦情を言うよ? 今のところ、私の周りではあなたの意思を出来るだけ尊重すること、出来ればノノミちゃんが納得する形で、って意見で一致してるけど」「…………」「……あー、やっぱ「早く帰れ」って言ってるように聞こえる? そういう意味じゃないんだけど……だよねえ。私は可能ならあなたにずっと居てほしいし、中には「寂しくなるから、出来れば長く居て欲しい」って意見も……あははっ、そんな嬉しい? ダメダメ、恥ずかしいから本人に言うなって言われてる。まあ、誰だか大体想像つくと思うけど」
ホシノは言う。
「後のことは、神様みたいなもんなんだから、あなた達が決めていいと思う。基本あなた達は信用されてるし、こうして事情を知っている私にはわざわざ聞きに来てくれるぐらいだし。独善にはならないと思うよ。同じように、そちらも私たちを信用してくれてると思う。第一、この世界ではいまだ
ホシノは言う。
「——これは私だけの考えだけど、おそらく『前の先生』が『今の先生』と交代しても、『
ホシノは言う。
「私の知る限り、『今の先生』も『前の先生』も、無意識の部分まで含めて、
「…………」
「…………」
ホシノは言う。
「……それは違うよ。『前の先生』はまた違うんだろうけど、少なくとも『今の先生』——あなたは常に、
ホシノは言う。
「最初の頃、私はあなたに、世界のために犠牲になれ、みたいな事を言ったよね?」「…………。…………」「……うん、もちろんそんな言い方はしなかった。でも、そういう表現をしたくなるぐらいに嫌な考え方だったって、今は感じるんだ。だから、あなたとノノミちゃんが笑顔でいられる世界であることを、素直に喜べる自分が誇らしい。これからのことよりも、こんな私になれる世界を維持してくれたことに、まず感謝する。恩返ししなくちゃいけないぐらいだ」
ホシノは言う。
「
ホシノは言う。
「——もちろん、そういうことが分かっていても、なお警戒してしまうのも分かる。でも、この世界は『メインストーリー』から解放されて、かなり長い。そして、あなたが維持してきた「エロゲー的」な平和な「世界観」は、ほぼ定着している。ま、多少ツッコミどころはあるけど。その上、
「…………」
「…………」
ホシノは言う。
「——……うん、そうだね。それは私にも宿題にしておいてくれると嬉しいな。いろいろ偉そうなこと言ったけど、割とショック受けてるんだ。何より最優先で、あなた達のことを気にかけていたつもりなのに、他のことに気を取られて、気付くことすら出来なかった自分があんまり好きじゃない。変わりたいと思う。それに、気付いていたとしても、多分何も言えなかった。その場にいても、何が正しいのか、自分で判断できなかったと思うから。少なくとも、私にはこの結果を生み出すことは出来なかったよ。多分私も、「あなたの側」だからだろうね。あなたの
「…………」
ホシノは言う。
「……うん、そうだね。でもやっぱり、それはあなたの真実であって、私のではないと思う。私は、可能な限りは甘えず、自分で答えを出したい。自分自身のことは特にね。……だよね。でも、ありがとう。あなたの言葉は嬉しいし、何より経験者の言葉だからね。参考になるよ。何にせよ、あなたにいい友達がいて良かった。その人、単なる協力者ってわけじゃないんでしょ? 自分の目的にも
ホシノは言う。
「——それから、
ホシノは言う。
「——ま、逆に言えばそれ以外は特に何もない。おかげで出番が……おっと。何でもない、何でもない。それより、そのせいで『シャーレ』の権限や規模は縮小されて、
ホシノは言う。
「——ていうかこの話、まだする? 最近おじさん、難しい話してると眠くなってきちゃってさあ〜。昼寝してもしても眠いっていうか、暇っていうか……。あははっ、最初の頃と逆になっちゃったね。あの頃はこの人、本気で話聞く気あるのかな、とか思ってたけど。うん、結構イラついてたの、分かったでしょ。——それで、『トリニティ』はどうなの? 楽しい?——……。……そうなんだ……ん?」
ホシノは言う。
「——は? 学園内を水着で歩いてる……? いやいやあなた、何してんの。……え? 元からそういう子なの? マジ? 何か私の中のトリニティのイメージと違うなあ……ああ、その子、ヒフミちゃんと仲良いんだ。……四人? 部活とかではなくて? ……ああ、あなたも知らないなら、余計な話はいいや。正実の子と、アリウスの……『和解の象徴』の? へえ、あの子とヒフミちゃんが友達なんだ……。じゃあそれも、
ホシノは言う。
「——うん、ヒフミちゃんとはちょっと縁が薄くなってたし、会えたら嬉しい。いい子でしょ? ……よし、じゃあアビドスのみんなにも声かけておかなきゃね! え? ノノミちゃんとヒフミちゃんはもう会ってるの? ああ、モモ……フレンズだっけ? おじさん、よく分かんなかったけど……。アリウスのその子も? あははっ、共通の趣味があれば大丈夫だね。 ……うん……『ティーパーティー』の……。うん、なら、そっちも大丈夫じゃないかな。すれ違ってるだけなら、あなたが
ホシノは言う。
「——んで、何でヒフミちゃんのこと、早く言わなかったの? ……ああ。あーあーあー。はいはい。そりゃ、私たちに会いたいのも本当だろうけど、アビドスのみんなを呼んだら、「彼女さん」を呼ばないわけにはいかないよねぇ〜? うへ、トリニティの子達と、楽しい会話ができそうだなぁ〜。いやいや、別に公開処刑だなんてさぁ〜。イチャイチャすればいいじゃん? え? それはそれで、そういう話に飢えてそうなのが数名? エッチなのが駄目とか何とか……? よし! じゃあ、今から対策委員会のみんなと連絡を取ろうか! 委員長としてね!」
ホシノは言う。
「—— それから、戦車で来るかも知れないから気をつけろ……って、誰が? え? ガスマスク? トラップ? それ、シロコちゃんの話してる? じゃなくて、意気投合しそうだからヤバい? 銀行……いや、襲わないでしょ。……え、本当に襲ったりしないよね? 大丈夫だよね? へ? 私たちが襲ったこと? いやいや、そんなことあるわけ……覆面水着団⁉︎ 何でそれ、知ってんの⁉︎ ……ノノミちゃんの、裏切り者ぉ〜っ! え? ああ、ファウストってヒフミちゃん……それも、バレてんの⁉︎ しかもティーパーティーに⁉︎ 一度乗り込んで来た? いやいやいや……で、何これ? 『伸縮自在!如意ロールケーキー!』って、でかっ! しかも、ネーミングセンス酷いな! ……如意棒? いや、元ネタぐらいわかるから! ……何で名前のことで、そんな必死にかばうの? こういう、ノノミちゃんが出すやつ作ってんの、あなたの知り合いが誰かなの? ……そこで、何で微妙な顔するの? まあ、これでティーパーティーに対抗……どういう対抗をしろっての……? ま、面白ければ何でもいいか!」
ホシノは言う。
「……もう一つある? ……前もそうだったけど、申し訳なさそうな顔しなくていいよ。あなただけが負い目や責任を感じることじゃないだろうし、別に……うん、その話だと思った。そうだね、『前の先生』の話は別。本音を言えば、あの人に会いたい。あなたが「先生」であることに不満があるわけじゃない。この世界の今後のためにはどうするのが一番かとか、そんな大きな話でもない。ちょっとした、ただの我がまま」「…………。…………」「……そう? ありがとう。そうだね。きっとあなたとノノミちゃんは、何があっても私を応援してくれる。でも、二人とも無理しないで、自分のことを優先して考えて。そっちの方が大変なんだからさ」
ホシノは言う。
「こうして一度離れてみて、気付いた気持ちがあるんだ。一緒にいられる、それだけで嬉しくなる人がいる。別に「先生」だからとか、『シャーレの先生』だからとかじゃない。そんなの、近所の優しいお兄ちゃんとかでいい。立派なことなんかしなくていいし、何も教えてくれなくていい。一緒に遊んだり、昼寝したり、それだけでいい。
ホシノは言う。
「——それに、こうやって離れていても、多分『前の先生』は今も『シャーレの先生』をやめてない。少なくとも、この世界で『シャーレの先生』であった頃と何も変わっていない。ノノミちゃんにもそんなようなことを言い残していったらしいし。ぶっちゃけ、「先生」の定義なんか私にはもうよく分かんないんだけどさ。私が何か「先生」に求めるとしたら、私を信じてくれること、頑張ってるところを見守ってくれること、それぐらいだよ。いつもあの人が見守ってくれている、そう信じられることが、私の背中を押してくれる。だから、一人で考え、行動し、成長することが出来る。障害や邪魔者が徹底的に排除された、この自由で平和な世界の中でならね。——……」
ホシノは言う。
「……うん、そうだよね。「画面の向こう側」からだっけ? ノノミちゃんが「こっち」からあなたを見守ってたみたいに、『前の先生』はきっと、いつもこっちのみんなを見守ってくれてる」「…………。…………」「だよね。それ知った時、めちゃくちゃ嬉しかったでしょ。……え? はしゃぎ過ぎて、後から思い出したらちょっと自分で引いた? あははっ、あなたの場合、たまにそれぐらいあって丁度いいんだよ。いつも、ろくなこと言わないんだから」
ホシノは言う。
「私は、心配かけないようにしないとね。こっちに何かあったら、あの人次元の壁がどうとか全部無視して、とんでもない無茶してでもこっちに来ようとするよ。あなたと入れ替わった時の話だって、どうやったのか知らないけど、そんな無茶苦茶なことして、自分の存在自体消滅してもおかしくないんじゃないの⁉︎ って
ホシノは言う。
「て、ていうか、これ、さっきから言ってて自分で恥ずかしくなってきたな……。絶対本人の前では言えないっていうか、何か告白でもしてるみたいじゃん。違うからね⁉︎ いや、自分じゃ分かんないっていうか……ふ、二人だけの秘密にしてよ? 本人には絶対言わないでよ? 絶対だよ! 絶対だかんね⁉︎」「 …………」「……いや、この感情が、あなたとノノミちゃんのものと一緒かというと疑問が……。別にエッチしたいわけじゃないし。……美化? 美化とかは別にしてない……いや、多分……まあ、そんなにマイナスポイントってわけでも……そんなことはないんじゃないかな——……」
これ以上は流石に恥ずかしいから、言わないことにしよう、ホシノは思う。
——変態だの、酷いこと言われてるけど(私も言ってるけど)、私に言わせればそれほどでもないんだよねえ。あの人、確かにエッチだけど、その「エッチ」って言葉がそのまんま似合っちゃうぐらい、スカートめくりしたがってる小学生みたいな感じで……。『シャーレの先生』の年齢って、実際どうなってるんだろう? まあ、「チラッと見せるだけだよ?」なんて言ったら、「ホシノ大好きーっ!」なんて抱きついてきたりして、「はいはい、良かったねー。他の子にしちゃダメだかんね」なんて……ね。そのぐらいで満足するなら、私
——あの人が、大人らしい考え、行動、発言、強さ、それを備えているのがわかる。でも、同時に何につけても、度が過ぎるほどに純粋なのがわかる。『シャーレの先生』には過去がない。ある意味、生まれたてなのかも知れない。だから、『メインストーリー』では捕まっていた私をあの人が助けに来てくれた、って聞いて、嬉しくなった。興味なんかなくても、そこだけだったら今の平和なこの世界の
おそらくあの人は、『メインストーリー』を知っている。最後だって、『ハッピーエンド』が保証されているのも知っている。だったら、助けてもらってもそんなの茶番じゃない、そんなつまらないことを考えた。でも想像してみたら、私を助けようとして必死なあの人の顔しか思い浮かばなかった。過程も結末も頭から消えて、ただ私を助けることしかない一生懸命な姿しか思い浮かばなかった。そんなの、理屈じゃないんだ。大事なものは考えずに、感じないとね。
忘れていた、今いる方の『シャーレの先生』ではなく、よく知っていた、あの『シャーレの先生』の記憶が蘇ってきた。懐かしさが込み上げてきて、会いたい、そう思った。生きている相手なら、絶対に会えないわけじゃない。そう信じるなら、平和であってもどこか物足りないこの世界で生きていける、そう思った。——その後のノノミちゃんの言葉が忘れられない。「会いたい、ですか?」、そう聞かれて、「出来ればね」、そう答えた私に、あの子はこう言った。
『会いたければ、きっと会えますよ。あの人がちゃんと、ホシノ先輩の望みを叶えてくれます。じゃあきっと、本人は気付いてないかもですが、そのために今日は来たんですね☆』
その言葉の意味はすぐには分からなかった。でも……
ホシノは顔をあげ、『今の先生』を見た。
きっと、あなたが彼を連れてきてくれた。多分あなた達が作る、何か素晴らしい『ご都合主義』の結果として。
——あの時、あなたの中にあの人を見た。あなたは確かにあの人の声で、あの頃と同じ呼び方でこう言った。「それじゃ、
あの人が「先生」として、ノノミちゃんのために「あなた」を連れてきたように、自覚はなくとも、あなたがきっと「あの人」を私のところに連れてきてくれた。気にしなくていいと言っているのに、いつも『前の先生』との
あの瞬間から私は、寂しくなくなった。今までも、本当は寂しくなんかなかったんだと気付いた。ずっと、私を見ていてくれた人がいる。これからもきっと見ていてくれる。それだけで強くなれる気がした。あなたとノノミちゃんの出会いから生まれた、素晴らしいこの世界を、全て受け入れる事ができた。
私にとっての本当の「先生」は、あなたなのかも知れない。
ホシノは言う。
「——それにしても大変だね。『メインストーリー』だとか世界の法則だとか、普通は『シャーレの先生』だって知らないでしょ? 私は知りたくない。きっと、生きてる事が
ホシノは言う。
「世界の法則を知れば知るほど、「知っている」から「間違い」は選べない。がんじがらめで、何が「正解」なのか、「正解」とは何なのか、誰にとっての「正解」なのか、何もわからなくなる。大事な事を見失い、新しい選択肢が生まれていることすらもわからなくなる。……これ、
ホシノは言う。
「ま、あなたも『前の先生』も、完璧な存在じゃないんだから、どんどん頼ってよ。あなた達が維持してきた「平和なこの世界」に育てられた、頼りになる私たちがいるんだから。特にあなたは、ちゃらんぽらんに見えて、頼るのが下手だってノノミちゃんも……え? ゲームの中の「先生」もそういうので怒られたことあんの? しかも私に? あははっ、よく出来てるなあ。『本当の小鳥遊ホシノ』ってのもやるじゃん? でも『シャーレの先生』ってそういうカッコ悪いのも含めて予定調和なのかな? ……は? 『シャーレの先生』なら生徒の足だって舐める? 何で? 生徒のために? 何言ってんの?」
ホシノは言う。
「——それにあなたの場合、ノノミちゃんに頼って甘えてエッチして、それでやっと一人前みたいなところあるんだから。え? 忘れてた? じゃあ、なに? 自分一人だけのつもりで、立派なシャーレの先生になれない、とか悩んでたの? は〜、全く。そもそもこの世界、先生が何を望んだって、ノノミちゃんに泣きついて「じゃじゃ〜ん☆ お任せですよ〜!」なんて、『ご都合主義』のアイテムを出してもらわなきゃ何も出来ないように出来てるんだから。いや、「そうだったー!」って、今更。あははっ。だからちゃんと仕事として、目一杯ノノミちゃんに甘えて……って、わあっ! ノノミちゃん! どこから……!」
ホシノは言う。
「——はあ……。「彼氏さんから連絡来るのが遅かったから『どこでも☆扉』で来ちゃいましたー!」って、そんなに時間経ってないでしょ……。にしても安直っていうか、これも酷いネーミングだなあ……何? ネーミングセンスのことは責めるな? やっぱこれの開発者、先生の知り合いかなんかなの?」
「んじゃ、おじさん、また来るから」
「ホシノ先輩、また後で〜☆」
二人に手を振りながらホシノは、ふぅ、とため息をつく。
「あれだけ苦労して、いろんな選択をして、あの笑顔に
するとしても、当分先でいいや、そう思う。私は、自分にとってのエンディングが何なのかも分からない。
——それからホシノは、ふとつぶやいた。
「
——いや、大事なのは、今と今の自分だ、ホシノはそう思い直した。
話の分割の仕方について、別の形に分けるなら以下のどれがいいですか?
-
キャラごと(ホシノ、黒服、カヨコの3つ)
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内容ごと(ホシノ・黒服、カヨコの2つ)
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本編外にまとめたもの全部で1つ(今のまま
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その他(お気に入り登録や検索をしやすく等