○
「…よし、こっちの砂を掘り起こしてー」
「いやー、ウスピラさん達のおかげで出来たこの魔法クレーンや魔法ショベルカーって本当に便利よねー」
「そうねー、うしがいなくても全て魔法で全て動かせて、しかも
「それでさーご主人様が考えたあの魔法ソーラーパネルってのが凄いわよー。あれを日の光に当てておけばその熱を魔力に変えて魔池に蓄えてくれるだもの」
エレナとこころの異母姉妹、天才科学者リサを相手に呪いの症状を和らげるためにランスが種付けを行った日の翌日、その彼女達も含めたオアシスの美女住民達は生活をより便利にするための土建に取り組んでいた。
彼女達の多くは汗と砂にまみれているが、それでも表情は活気と希望に満ちている。
「…でもさー、ここまで早く進められるのもやっぱり今のご主人様のおかげよねー。必要な部品はどの辺の土や石ころから魔術でパパっと作ってくれるしー…それでそのご主人様は何処? 少し前まであっちでパイプを作ってくださってたのは見たけど―――?」
「このデカい部品を作りに少し離れていたぞー」
その彼女達が最も敬愛している今の主君に一人が触れると、そこで小さな家の一件くらいはありそうな巨大なパイプを担いだ状態でランスが天から降ってきた。
「―――おってキャア!? ちょ…驚くからそんな急に現れないでくださいよぉ!」
「ちゃんと人を巻き込まない距離を見てから降りてるんだからいちいちそんなビビらなくてもいいだろ」
それに驚く周囲に構わずランスはその巨大パイプを、彼女達が立てていた土建で作られていた穴に立てるようにして差し込んだ。
すると、そこから大きな蒸気が噴き出してパイプの上部分がグルグルと回りだした。
「うわ! 上手く動きましたね地熱蒸気式魔力変換機!」
「これで夜中も照明などが使えますねー!」
「おー、喜んでくれて何よりだー。これで色々出来る魔術の実験もはかどって呪いの解呪のための研究もはかどるなー…うぐ」
それは地熱で温められた地下水で生じた蒸気でタービンを回し、その運動エネルギーを魔力に変えるというものだったが、その功労者にもまた加わっていたランスは再び愚息が呪いで発光しだして痛みと共に隆々となり始めた。
「…あー、仕方ないね。まー私ももう刺客やらアサシンやらは解放された身だし、恩義もあるから今回の当番は私がするよ…」
いつも通りその衣服の上でもご立派過ぎるのがわかる男根に、周囲の美女達は羞恥と愛欲で顔を赤らめてその内の美女の一人が呪い鎮静化のため種付けされ役を名乗り出た。
「…あ❣ ああああ❣ ああああーーーー❣❣」
数分後、オアシスの外れにある倒れそうになるまで曲がったココヤシに猫のようにしがみ付いた美女が、発情しきって交わりに狂う雌猫のように善がり狂っていた。
美女の名はクリスティ。
180近い長躯も上手く組み込んだスレンダーさと凹凸を併せ持った機能美的な女体は大量の汗に包まれ、普段なら冷笑が似合う跳ねた白銀色のショートヘアーと同色の切れ長な瞳で構成された美貌は甘く蕩けていた。
「…んんん! さすがはヘルマン辺りで伝説にまでなった凄腕の暗殺者の魔力から転生したクリスティさん…! まるで性格の弱い所から嚙み千切って咀嚼して味わうような鋭くも甘い締め付けがぁ! でもいいのか…? 本体は交わった相手を全員殺してきて避妊をかかさなかった美女が、こんなチビで面倒な呪いに掛かっている只の男の子を孕むとはー…?」
「っ~~~~❣ お前が只の男ならぁ他の男はろくでなしのクズだねぇ❣ というかそれだけ知っててよく私を受け入れた身で言うのか…アア❣❓」
「ふふ♪ そんな状態だといくら前の血にまみれた経歴を語られても説得力はないけどね♪」
その時の交わりの見張り役の一人であるエレナ・ダグラスは楽しそうに見上げてきており、クリスティにのしかかっているランスは彼女が樹から落ちないように支えつつ、彼女の暗殺者として鍛えられた肉の悦びを味わっていた。
ちなみに、エレナとクリスティのそれぞれの本体は生前において姫とそれに使える女性執事というのが表向きの関係だったが、内実は暗殺者とそれに狙われつつも強かに抗う抵抗者なので、複雑な感情を抱き合っていた。
「…ンン❣ そういうあんたも物好きだぁ…❣ 機能に自分を抱いて孕ませた男がぁ目の前でぇ元の自分を殺そうとしていた女を孕ませようとしてるってのにさぁ…アアアァ❣」
「ふふ♪ 嫉妬がないわけじゃないけど…その子が一人だけの女の子で満足させられる器じゃないのはリーザスで助けられた時に触れた記憶や今に至るまでの付き合いでわかるし…何より、この子があなたから生まれる子にお兄様かお姉様って言われる日を想像すると気分は悪くないもの♪」
「あんたも悪趣味してるねぇ♪ 言っとくけど昨日孕んだ身なんだから逆に私から早く忌まれるってのもあり得るけど…おおオオオオオオオ❣❣❓❓」
二人は互いに挑発的な笑みを向け合ってそれに見合う軽口も叩き合うが、そこでクリスティは極みに達して大きく背を仰け反らせて掴んでいるヤシの木までより反れてしまう怪力を見せながら舌を天に突き出し、白く大きな尻の内部で白濁の荒れ狂うような大噴火に狂わされてしまう。
「…ふう、今回は一発で終わったなぁ…ん? なんかあの砂丘の方を怪我人が歩いてきているぞ?」
そのクリスティの鋭い震えを伴った肉壺にドクドクと残り汁まで注ぎ込んでいた最中に、ランスは再び不穏な気配を感じとった。
「…この子はカラーですね。本来ならこっから西にある大樹海地帯の中心にあるとされるカラーたちが住まう都市国家クリスタルの森にいるはずですが…?」
数十分後、ランス達はオアシスの病院にその流れ着いてきた怪我人であるカラーの眠れる美女の様子を見ていた。
カラーとは、大陸中央部に位置するクリスタルの森を主な居住地とする美しい女性だけしか存在しない亜人種で、青系統の髪と瞳に長い耳に額にはクリスタルが浮き出て、クリスタルは処女の時は赤いがそれを失うと青くなって強力なマジックアイテムとなるものの、それを取られると死んでしまうという弱点を抱えていた。
その他にも人間よりも平均して強力な魔力と呪いを扱う能力を持っていることで知られており、また不老長寿だが変化の時が来ると天使か悪魔のどちらかに転生する存在で、女性しかいないため繁殖に人間の男を必要とするという特徴もあった。
「…持ち物などを調べたのですが、この子の名はイージスと言ってカラー達が住まうペンシルカウという都市国家で防衛隊長をしている身のようです。それがどうして魔法系の攻撃で重傷を負ってあそこで倒れていたのかわかりませんがー…!?」
「たたた大変ですー! 砂漠の方でこれまた大勢のカラーの女の子達がー傷ついたり疲れた難民な風体でぞくぞくとー!!」
「何だと!?」
そのカラーの美貌に魅入られつつも不吉な気配を強く感じていると、急な報告がまた来てランスが窓に身を乗り出すと、そこには軽装且つ大小多くの怪我を負っている、急に故郷を戦火で焼け出されたというのが目に見えて分かるカラー達が続々と砂丘を越えて姿を現し始めた。
○
「…その包帯はこっちに運んでー!」
「サクラさん、こっちの書類をお願いー!」
シャングリラにカラー達が姿を現してから二十日後、同都市は元から住んでいた美女達と移ってきたカラー達が働くようになっていた。
どうやら、彼女達は元々住んでいたクリスタルの森にあるペンシルカウを魔物の軍勢である魔軍の襲撃で失い、大多数が難民となって魔軍が来た方角とは正反対に位置する砂漠地帯へ逃げ込んで、当て所もなくさまよっていた所を何名かがこのシャングリラに行きついた身であったのだ。
今ではある程度落ち着いたメンバーがシャングリラ住民の魔術師達の協力も得て、散った仲間達を探してここへ集めて保護していっている最中であった。
「…しかし、本当に感謝する…ここが無ければ我々は良くて死んでいたか、質の悪い人間に拾われて奴隷かクリスタルを増やすための家畜にされていた…」
そうして再び増えていく同胞の姿に、最も早くこの地へたどり着いて話が出来た一人であるイージス・カラーは頭を下げていた。
「いいえ、私達も本来ならこの地に存在どころか生まれもしなかった存在です。感謝の方は私達を救って第二の生をくださったあの方にもまた…」
それをオアシスの代表の一人であるエレナは謙遜して答えつつ、今の自分達がいる元王宮の高層階のベランダより見下ろせる大広場で働く面子に混じるランスを改めて見やった。
「…カラーと人間の関係の歴史で、悪いからまだ完全な信頼をおけんが…本当に器量も強さも兼ね備えた
そのランスに警戒とそれ以上の感嘆の眼差しを向けている古風な口調のカラーの名はパステル。
カラー達を治める女王で、魔人による襲撃で大多数を連れて脱出させるに成功したものの、行き場がなくて途方に暮れていた所を先に保護されていたイージス達に発見されてここシャングリラへの亡命に成功した身である。
「報告ですー! 先程東南の方角で二十人ほど放浪していたカラーの方々を見つけてお連れしましたー!」
「…これで9割以上の生存は確認できましたね」
「ああ、この地の者達と出会えたのは幸運じゃったなー…!?」
まだ苦しいことには変わりないが、それでも改善しつつある現状にパステルたちが安堵の息を小さくも吐こうとした時、夕暮れで赤くなった空に美しくも禍々しい魔力を感じさせる赤い流星が見えた。
「…え? な、何あれ…?」
「あの流れ星…どんどん大きくなってきて…!?」
「こ、こっちに向けて近づいてきてない…!?」
「!? あ、あの禍々しい気配は我らの里を一晩で滅ぼしおったレッドアー…!?」
それにオアシス住民の多くが気づいて不安を急速に強めだし、カラー達が嫌な意味で知っている感じの恐れを見せたその時、今この場で最も力を持つ男が最大限に危険性を感じて飛び立った。
「何かよくわからんがあれが直撃するとここが丸ごと吹っ飛ぶ気配がしたから全力ランスバリアーーーー!!」
「メイクドラーマー!!」
その気付いた男であるランスが魔力を最大限に込めた飛行大剣をスケボーのように操って飛んで、奇妙な咆哮を上げながらオアシス目がけて落ちてくるその流星に真正面から衝突した次の瞬間、その衝突点より生じた轟音と強烈な閃光がシャングリラとそこに住まう人々の視界を埋め尽くした。
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「この子の視力も回復したわー!」
「ラフタ達から新しい報告ー!」
オアシスを謎の流星が襲ってから数時間後、
「…うう、まさかあの魔人がここまで追ってくるとは…どうにかここの主をしていたランスがとっさに防御結界を張ってくれたおかげで死人は出ずに済んだが…」
「…まさかあの人と魔人のあまりにも強すぎる魔力の衝突で時空間が歪んでしまってこの都市ごと異世界に飛ばされるとは思いもよりませんでしたね。ラ、ランス様の姿もあれからどこでも見えないしー…ううぅ」
その中には酷く疲れた表情のパステルと重く不安に駆られた表情の助手な方の日光も混じっていた。
「魔法の水晶や空を飛べる子達で周囲を調べたけど、見たこともない地形や図鑑に載ってない魔物ばかりだし…」
「人が住んでいる集落は見受けられましたが、如何せん情報が少なすぎますので接触はまだ控えています…」
「問題なのは水です。前の世界に居た時に水源をあの人の力で掘り当てていたものがありましたけど、今はその時に貯めておいたものだけでー…」
周囲も混乱と重い表情が続いており、未だにこの事態を全容が把握できていないこともあってオアシスの住民達は不安を強め続けていく一方であった。
どうやら、ここオアシスは住民である彼女達を乗せた状態で異世界へ丸ごと転移してしまったらしかった。
更に、その原因と思われる流星から町を守るためにランスは魔力を最大限にしたバリアーを纏ってぶち当たって町を守ったのは良かったが、行方不明になってしまったのである。
それらのためにオアシスは状況が悪化する気配はあっても改善の見込みはなく、住民達の表情は重くなる一方であったのだ。
「…ここが数時間前にこの地へ急に現れた都市ですかメアリ」
「ここも当然だが女子ばかりだなリーメアリー。話が通じればいいんだがー…おい、お前の魔術で何かわからないか?」
「い、いやー…俺も前の世界の国はこの国では赤ん坊からやり直した影響か思い出せていない部分も多いからまだわから…え!? 何でこの町がここにあるのだ!?」
「「「「「…え!!??」」」」」
見知らぬ美女二名を連れて、元々いた大陸のものに近くもどこか違う中性的な衣服に身を包んでランスが戻ってきたのはまさにそんな時だった。
クリスティ
年齢/24歳(本体年齢を元に産出 NK1年8月時点)
容姿/リサ・ハミルトン(DOA)
身長/177センチ
体重/57キロ
3サイズ/B93W59H88
技能レベル/忍者Lv2 くノ一Lv1 格闘Lv1
現レベル/51
才能限界値/51→55
特技/トマト料理
趣味/ドライブ
容姿の元ネタのこの世界における同位体。
作中にある経歴のため、ランスには異性としての他にも学者として強い興味を抱いている。
エレナとは本体は文中にあるような関係だが、今はランスと一緒に関わり合うことで憎まれ口をたたき合いつつも関係は改善していっている。
今回、あまりにもいきなり且つ急すぎる展開でランス達が迷い込んでしまったのは、果たして何処パラダイスの世界なのでしょうか!?(棒)
次回も話を大幅に進めて、気楽に発展形パラダイスのパートへ入ります。