※この作品はR-18です。

凶鳥が運ぶ愛はさだめ、さだめは死   作:ハマー・ヤラワン

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それは蝕み続ける 3/3

 家に戻ってからスーパーでの出来事を可能限り頭の隅に追いやり、ミユキと共に酒盛りをした。

 ミユキが来ると分かっていたので、あらかじめ部屋を片付けて綺麗にした。しかし今ではすっかり酒の空き缶やおつまみの入っていたパックがテーブルに所狭しと置かれている。最初は他愛のない世間話をしていたが、次第にアルコールが摂取されていくとミユキは会社の愚痴を吐き始めた。

 

 俺はただ慰めて、時折言われるままに頭や背中を撫でてやった。こうしてミユキが甘える姿を見せるようになったのは最近のことだ。だいぶ酔いが回ってきた証拠で、そろそろ彼女にシャワーを浴びてくるように言ったが、俺の服の端を掴んで離してくれない。

 

「……コウヘイさん。今日は、一緒に寝たいです」

 

 思わぬ誘いに俺の心臓は跳ねた。もちろんそういう事になると期待していたし、求めようと考えていた。それがまさか彼女の方から誘いがくるとは思わなかったのだ。

 少しばかり順序は異なるが、それでも断る気はなかった。背中を撫でていた手をゆっくり這わせて彼女の胸に移動させる。受け入れてくれたのか、胸元をはだけさせてくれた。

 

 横から両手を使って彼女の胸を優しく揉む。確かな重量が手に伝わり、酒気と香水の混じった匂いが鼻腔をくすぐる。甘い溜め息を吐きながらミユキはさらに白シャツを脱ぎ、ブラジャーを露わにする。見た目も大きく見応えがあった。

 さらにブラジャーのホックを外そうとしていたが、酔いなのか緊張からなのかうまく外せないようだ。見るに見かねてホックを外してやると、たゆんと大きな乳房が飛び出した。

 

 重力に圧されてなお山を描く乳房を撫でつつ、乳首へと指を這わせる。ピンと起った乳首を指で挟んだり摘まんだりして反応を見つつ、片手はゆっくりとお腹へ移動させ撫でる。くすぐったさに身動ぎする彼女だったが、弱々しく腕で俺の手を掴み、そのまま恥部へと導いてきた。

 

 誘われるままにズボン越しに恥部を撫でる。そのまま中に手を入れて直接恥部をまさぐり――指先に毛が絡みついてきた。茂みをかき分けて直接指を膣穴の周りを這わせていくが、そのたびに毛が纏わりつく。決して濃いわけではない。成人女性としては薄い部類に入るだろう。それでもその存在を意識してしまう。

 

 指を這わせるたびにミユキは熱い溜め息を吐いて、嬌声と共に俺の名前を呼ぶ。汗がじっとりと流れる肌は、手入れはされているが多忙な業務のためか少し荒れていた。漂う香水の匂いは爽やかな部類だ。化粧品の匂いと混じって甘い匂いを形成している。

 

 成人女性として申し分ない、むしろ同年代と比較して贔屓目であることを除いても綺麗で若々しい。だが、俺は――

 

「……コウヘイ、さん?」

 

 動きの止まった俺を怪訝そうにミユキが見詰める。今の俺の顔はどんな表情を映し出していたのだろうか。

 

「す、すまない……少し、洗面台に行って、くる……!」

 

 込み上げてくる吐き気に耐え切れず、俺は急いで洗面台に向かい吐き出した。つまみや酒の一部が排水口を流れていく。しばらく吐いて胸と胃のむかつきが少し収まった。水で口の中を濯いでから洗顔する。洗面台の鏡に映し出された俺の顔は真っ青だった。

 

 部屋に戻るとシャツを着直したミユキが心配そうにこちらを見た。

 

「ごめんなさいコウヘイさん。気分が優れないのに誘って」

「いや、大丈夫だ。俺の方こそ驚かせてしまった。少し、酒が悪い所に入ったみたいだ」

「ううん。スーパーで帰る前から顔色が悪かった。それなのにお酒で浮かれてしまって……」

 

 謝るミユキを宥めて、ひとまず今晩はこのまま寝る事にした。遠慮するミユキをベッドに寝かせる。だいぶ酒を飲んでいたためかすぐに寝息を立てた彼女を見て、俺はまた洗面台に行き顔に水を叩きつける。

 ミユキはスーパーから帰る前から顔が悪かったと言っていた。何が原因かなど言うまでもないだろう。

 

【「こんな外で、こんな経験したら……あの人とシようとしても満足できないですね?」】

 

 頭の片隅に追いやったはずの少女の姿がちらつき、掛けられた呪詛のような言葉が木霊する。

 少女の恍惚とした表情が、小さな身体が、耳朶にこびり付く囁き声が、少女特有の甘い匂いが、瑞々しく綺麗な肌と恥部が頭の中から消えてくれない。脳を、心を蝕み続けている。

 必死にミユキの裸体を思い浮かべて追い出そうとしても、すぐにユイの姿で塗り潰されてしまう。

 

「……くそっ!」

 

 悪態を吐いてまた冷たい水を顔に叩きつける。一刻も早く少女のことを忘れるために。

 甘く見ていたのだ。自分から近寄ることがなければ大丈夫だと。最初に喫茶店に出会った時、ユイから近付いてきた。その事を考慮すれば近寄らないだけでなく、近寄らせないことを考えないといけない。

 今度近付いてきたら、騒がれようとすぐに離れるべきだ。

 今度こそ、今度こそ……!

 

 新たに決意を固めて誓いを立てる。

 だがそれでもなお、少女の姿は頭の中から消えてくれなかった。

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