俺は、世界の半分(女性)を手に入れてみせる! 作:キャプテンキャップ
午後の授業も終了。放課後にはイジリも鳴りを潜めたので一安心。あー、良かった。まあ、収まりそうになかったら命令すれば良いだけなんだけどさ。友人たち相手にそれは余りやりたくないからな。
「さて、と」
HRも終わったし、帰宅部の俺にはこれ以上やることがない。好みの女生徒を探すってのもアリだが、そこまでガッツク必要もないだろう。のんびり探すほうが楽しいし。となると――
「帰るか」
昨日の下校中のように、バッタリ
「そう上手くはいかないよなぁ」
俺は苦笑しながら玄関を潜った。明日に期待しよう。
☆
翌日。
いつものように妹の
5分ほど家の前で待ってみるも、志紀が出てくる様子はない。もう学校へ行ったあとのようだ。……空振りか。
あ、そういや、あいつの通う高校って確か駅を2つ越えたところにあるんだから、家を出る時間帯が違うんだよな。明日はもっと早く家をでるか。
さらに翌日の木曜。
「今日は曇り、か」
窓から見上げる空には晴れだった昨日までと違い、分厚い雲がどこまでも掛かっていた。
開け放たれた窓から入る風も冷たく感じる。うん、涼しくて良いね。
「行ってきまーす」
時間に余裕を持って家を出た――ら、なんとタイミングよく志紀も家を出るところだった。なんて
志紀は志紀でこの前と同じように俺を見るや、急ぎ足で先に行こうとする。
「ちょっ、志紀、待て!」
「な、何?」
ほっ、止まってくれたか。
こちらを見る志紀に近寄り、正面に立つ。……よし、『フェロモン』の効果範囲。これで効いただろうから、志紀が俺に対して何に怒っているのか聞けば間違いなく答えてくれるはずだ。
「前から思ってたんだけどさ、お前、なに怒ってんの?」
「……は?」
ぽかんとした表情の志紀。その表情を見てると、自分が思い違いをしてたのではと心配になってしまう。……あれ? もしかして怒ってないのか?
「それ、本気で言ってるの?」
「へ? あ、ああ」
やっぱ俺の勘違いなのか?
だが、俺の心配をよそに志紀は間抜けな顔から一転、
「だとしたら最低だね、
冷たく言い放つ志紀。
この『最低』はどっちに対しての最低だ? 俺が勘違いしたことに対してか。それとも志紀が何に怒っているのか分かっていない俺に対してか。……恐らく後者だと思う。
「だから、何に怒ってるんだよ」
「知らない」
ぷいっと顔を背ける志紀。……子供かよ。そのまま歩き出そうとしたので、その腕を掴み、道路脇まで連れていく。
「言わなきゃ分からないだろ? 怒っているならそう言えよ」
志紀に顔を近づけて迫る。ついでに後ろの塀に壁を手をついてさらに迫る。俺も十分子供っぽいよなぁと思うが、やっちまったもんはしょうがない。……っていうか、壁ドンじゃないのか、これって。でもまあ、これだけやれば教えてくれるはずだ。なんせ『フェロモン』が効いてるんだからな。
などと楽観視していたのだが――
「だから、知らないってば! っていうか近い! 顔近い!」
顔を真っ赤にしながら俺を押しのけ、距離を取る志紀。
予想を裏切る志紀の行動に戸惑う。
「お、おい……」
「そんなに私が怒っているように見えるんだったら、自分の胸にでも聞けばいいじゃない! バカー!!」
一昨日に引き続き、今日も罵倒を浴びせて走り去っていく。
……………………
………………
…………
……ええ~~? ……ええ~~~~~~??
ど、どういうことだ? 確かに『フェロモン』のスキルを当てたはずだよな? これを浴びた人間は俺の言葉を拒めないはず。仮に拒むような態度を取ったとしてもそれはあくまで演技でしかない。押し切ればその演技も剥がれ落ちる。現に、俺を嫌っていた妹の花蓮ですらそうだったのだから。
なのに志紀は最後まで明確に俺を拒んでいた。演技どうのこうのではなかったように思える。
……ってことは何だ。もしかして、志紀には『フェロモン』が効いてなかった……のか?
そんなことがあり得るのだろうか? もちろん、答えなどない。答えをくれるような人間もいない。志紀が何に怒っているのかも分からずじまい。
『自分の胸にでも聞けばいいじゃない! バカー!!』
志紀の言葉が2重の意味で頭に木霊しながら、俺はその場に10分ほど立ち
さっきまで嬉しく思えた曇り空が今は余計に気を重くするようで、逆に腹立たしく思えたのだった。
☆
それから学校に着いた俺は、自分の席でズズーンと落ち込んでいた。
『フェロモン』が効かない人間がいるかもしれなってことに加え、志紀の怒っている原因がやっぱ俺にあるっぽいことが分かったことが結構ショックだったからだ。こういう時、自分がヘタレだってことを実感する。
はぁ。と溜め息を吐いていると、
「おや? 今日はまた随分と朝から不景気な顔をしておりますね、田中氏。おはようございます」
登校したばかりの佐々木が隣の自分の席に座りながら聞いてきた。
「……ああ、佐々木か。おはよう……まあ、ちょっと落ち込むことがあってな」
「ふむ。……愚痴くらいなら聞きますが?」
愚痴、愚痴ねぇ……。
「愚痴というよりも仮定の話を聞いてもらっても良いか?」
「仮定の話、ですか?」
首をかしげながらも「構いませんよ、どうぞ」と話を振ってくれる。
「仮になんだが、俺の言う事を拒めない女がいたとして――」
「田中氏は死ねば良いと思いますよ」
佐々木が恐ろしいほどの能面でさらりと言い放った。
「………………」
「――こほん、失礼。先をどうぞ」
「そ、そうか。つ、続けるぞ? ……で、その女が俺に対して怒っているわけだ。でも俺はなんで怒っているのか分からない。そこで俺は、俺の言う事を拒めないということを利用して、女から何に対して怒っているのか聞き出そうとするわけだ」
「……ここまでの話を聞くに、なかなかのクズっぷりですね田中氏」
「だから仮定の話だっての。茶化すな」
まあ、本当は実話なんだけど。
「続けるぞ? 女に対して『何に怒ってるんだ』と問いただしても、なぜか女は答えようとしない。俺の言う事を拒めないはずなのに、最後は逃げられる始末――これってどういうことだと思う?」
「……ふむ、そうですね……個人的な意見ですが、よろしいでしょうか?」
「おう」
真面目な表情の佐々木に、俺も姿勢を正して言葉を待つ。
「ザマアwwwwwwって感じですね」
真面目に聞いた俺がバカだったよ!
「まあ、半分は冗談です」
「半分かよ……」
「改めて、
いつからお前が好きなコスプレイヤーのRUNって人を俺も崇拝してることになってるんだ?
「その女はいわゆる『ツンデレ』なんだと思います」
「……つんでれ?」
あ、ツンデレか。佐々木から借りたアニメや漫画に出てたな。そういうキャラ。確か普段はツンツンしてるのに、デレる瞬間があったり主人公と付き合うと途端にデレるとか、そんな感じだっけか?
「そんな感じの把握で合ってます。で、仮定に出てくるその女は、田中氏の言う事を拒めないというのを踏まえるに、恐らく普段から好意を寄せていると考えるのが妥当でしょう」
なにがどう妥当なのか知らないが、志紀が俺に好意を寄せている? んなアホな。
「それなら俺が聞いた時点で答えてくれても良さそうだが?」
「そこがツンデレなのです。好意を寄せているのに素直になれない。自分が怒っている理由を分かってくれないもどかしさ。それを言いたいのにやっぱり素直になれない自分。……というところでしょうか」
……そうなのか? 佐々木があまりにも自信満々に言うもんだから何だかそんな気もしてきた。
確かに志紀とは幼稚園の時分から仲が良かった。園でも家でも一緒に遊んでいたし、それは俺が女子と遊ぶのが恥ずかしくなった小学校高学年に至るまで同じだ。
妹の花蓮を除けば、最も同じ時間を過ごした女子は志紀だろう。その過程で俺に恋愛感情を持ったとしても、不思議ではない……のかもしれない。
俺も志紀に恋愛感情を抱いた時期があったし。……まあ、その恋も小学校の頃にアイツに好きな人がいると
……あれ? 佐々木の志紀が俺に好意を寄せているっていう言葉が正しいんだったら、俺と志紀って両想いだったってことになるんじゃないか?
思い当たる節は多少ある。
志紀が怒り出したのは俺が距離を取るようになってからだし。
一昨日の朝も自分から先を歩いていたのに、まるで俺が追いつくのを待っているかのように速度を落としていったし。
……いや、もしそうだとしても、志紀が怒っている理由にはならないような気がする。一因にはなっているかもだが。……う~ん……やっぱ分からん。
けれども。志紀が怒っている理由は分からないが、『フェロモン』が効いてないように見えたのに関しては何となく分かった気がするぞ。
もし仮に、アイツが本当に俺に昔から好意を寄せているのなら、普段から俺のことを意識していたことになるし、俺のことを考えている時間も多かったはずだ。現に、志紀が好きだった頃の俺がそうだったからな。
言い換えれば、俺に好意を寄せている志紀は、昔から『フェロモン』に当てられた状態に近かったとも言えるんじゃないのか?
だからこそ、偶然にも『フェロモン』の効力に対しての免疫があるのかもしれない。
であれば、今朝の態度にも納得がいく。……ような気がする。
ともかく、これ以上考えても正しい答えなんて出ないんだ。これからは『フェロモン』が効かない前提で志紀に接したほうがいいだろう。うん。
「ありがとう、佐々木。参考になったよ」
「いえいえ、お役に立てたのなら良いです。……ちなみに、仮定の話ですよね?」
「あ、ああ。そうだぞ?」
そういやそういう体で話してたんだった。
「ですか。ですよね。……いえ、もし本当の話だったら爆発させたのに、と思ったものですから」
陰気な声でそんな物騒なことを言うなよな!?
ともあれ、『フェロモン』の件は一応納得できた。あとは志紀が怒っている理由だな。俺は諦めるつもりはないぞ。
『自分の胸にでも聞けばいいじゃない! バカー!!』
あそこまで言われたんだからな、絶対に知ってやるさ。地力で思いつかないのなら、他力本願だ。
心当たりがありそうなのは……中学の時、志紀と仲が良かった
もうすぐHRが始まるから、その後で聞きに言ってみるか。
☆
というわけでHRのあと。
俺は一樹を
一樹に美帆を呼んできてもらう。
「どうしたの、洋君? いっくんから私に用事があるって聞いたんだけど?」
「ああ、ちょっと聞きたいことがあってな」
あいかわらず小動物みたいな雰囲気を持つ友人に志紀の事を聞こうとしたところで――
「もしかして聞きたいのって、志紀ちゃんのことかな?」
「……そうだけど。なんで知ってるんだ?」
「ふふ、何ででしょ~?」
そう言いながら、美帆がスマホをひらひらさせる。……ああ、なるほど。普段から志紀と連絡を取り合ってるんだものな。おおかた、今朝のことを志紀から聞いたとこかそんなとこか。情報社会、恐るべしだ。
「まあ、それなら話が早いか。お前さ、志紀が俺に怒っている理由って知ってるか?」
「ほぇ?」
丸い目をさらに丸くする美帆。それを見た一樹が「やっべ可愛い」とか呟いてたが、それは無視だ。
「……えっと、洋君? それは冗談で言ってる……わけじゃなさそうだね、その顔は」
はぁ……と溜め息を吐かれた。
「ってことは、知ってるんだな? アイツが怒っている理由」
ビンゴ。「教えてくれないか?」と頼むも、美帆は困ったように眉尻を下げるのみだ。
「ん~……それは2人の問題だから、私が言うことじゃないと思うの」
だから、と。
「しっかり思い出してあげるんだぞ? 洋君。……まあ志紀も志紀でどうかな~とは思うけどぉ」
そう言われてしまった。後半は小さすぎて聞き取れなかったけど。
……思い出す? 志紀が怒っているのは、俺が何かしたからではなく、俺が何かを忘れているから?
美帆の話だと、そういうことになる。
……だけど、何を?
俺は、志紀が怒ってしまうほどの“何”を忘れたのだろうか?
「な、美帆、美帆。さっきの顔、もう一回やってくれよ」
「えぇ? さっきの顔ってなに~?」
「さっきのほら、『ほぇ?』ってやつ」
「あはは、いっくんってば変な顔になってる~」
「お前の真似だろ~」
…………空気読めよバカップル!
☆
全ての授業が終わり、放課後。
さて帰るかと教室を出て廊下を歩いていると、「
この透き通ったような声は、
「やっぱ委員長か」
振り返ってみれば、やはりC組の委員長――
「どうかしたのか?」
セックスのお誘いなら今日はそんな気分じゃないので別の日に誘って欲しいのだが。冗談交じりに小声で言うと、「馬鹿」と返ってきた。
「ただ、元気がないように見えたから声をかけただけよ」
「あ~……なるほど」
元気がない。というよりは、悩んでいるというほうが正解なんだけど。もちろん、悩んでいるのは
「まあ、俺は大丈夫だよ」
「本当?」
疑わしいと眼鏡を光らせる委員長に笑いかける。
「ああ。本当だ。心配してくれてありがとな、委員長」
「あなたのクラスの委員長ではないのだけれどね」
肩を竦める委員長こと久美子。
「確かに」
でも、委員長は委員長だからなあ。
笑い合ってから別れ、帰宅の途についた。
☆
「ただいまー」
玄関を抜け、そのまま部屋へと戻る。階段を上がっている途中、弟のノリが「おかえりー!」と言っていたような気がするが、無視しても構わんだろう。
スクールバッグを放り投げ、ベッドへとダイブする。……なんか、疲れた。
肉体的というより精神的に。
美帆は思い出せというが、何を思い出せというのか。
学校にいる間そのことをずっと考えていたせいか、なんだか眠気が……。特にやることもないし、夕食まで寝るかぁ。
目蓋を閉じると、すぐに意識が遠のいた。
「――……ぃちゃん。……お兄ちゃん」
妹にゆさゆさと揺さぶられ、目が覚める。
「ん……どうした?」
「もうご飯だよ」
「ああ、分かった」
目を開けてみれば、つけた覚えのない蛍光灯の明かりに照らされる
「むぅ……お帰りのキスは? お兄ちゃん」
どうやら外を見たのが気に入らなかったらしい。妹が分かりやすくむくれたので、苦笑しながら花蓮が好きなスロートキスをしてやる。
たっぷりと互いの舌と唇を堪能してからキスを終える。
「んふふ♪ ほら、早く行こ、お兄ちゃん」
「はいはい」
妹に腕を取られながら部屋を後にした。
☆
夕食を終え、リビングで花蓮とテレビを見ながらまったりしていると、ふと思い出した。
……そういや花蓮も志紀と仲が良かったよな。
花蓮は志紀のことを『お姉ちゃん』と呼ぶほどに懐いてもいるし、志紀も花蓮を可愛がっている。……もしかしたら俺が覚えていない、志紀が怒っている原因とやらを知っているかも。
「なあ、花蓮」
「ん~? なに、お兄ちゃん。したくなったの?」
花蓮はいつでも良いよ♪ と上目遣いで見てくるが、いやそうじゃないんだよ。
「違うんだ」
今度はむす~っとする。……ああもう、可愛いな! 思わず押し倒したくなるが、どうにか我慢して用件を切り出す。
「お前、志紀と仲が良いよな?」
「勿論だよ。……あ、もしかしてお兄ちゃん、ようやくお姉ちゃんに謝る気になったの?」
「……謝る?」
妹の言葉が理解できなく、首を傾げる俺に花蓮が「あれ? 違うの?」と聞いてきた。
「いや、俺はアイツがなんで怒っているのか知っているか聞きたかったんだが……」
だけど、花蓮の今の物言いからすれば妹も知っているようだった。
「美帆には自分で思い出せって言われたんだが……」
「思い出せない?」
頷く。美帆のことは志紀つながりで花蓮も知っている。
ついでだと一昨日と今日の今朝の志紀との一件を教えたら、
「う~ん……それはお姉ちゃんも怒るよ、お兄ちゃん」
妹に「めっ」された。
「そうは言うが、本当に志紀が怒る原因なんて思いつかないんだよなぁ……。やっぱ花蓮も教えてくれないのか?」
「うん、美帆さんと同じく教えてあげられないよ。いくらお兄ちゃんの頼みでもね」
やっぱそうか。
「でも、ヒントくらいなら教えてあげても良いよ?」
「……マジか」
ほ・ん・と♪ とウィンクしてくる妹が超
「お兄ちゃんが忘れているのは、お姉ちゃんと交わした約束だよ」
約束?
「やっぱ思い出せないんだ」
しょうがないお兄ちゃん。と苦笑する花蓮。……面目ない。
「だけど、そんなダメダメなお兄ちゃんも好きだよ、花蓮は」
耳元で囁く花蓮。……相変わらず妹の甘言は俺の脳を
「お兄ちゃん」
「うん?」
「ちゃんと、お姉ちゃんと向かい合ってあげてね」
と、しまいには励まされてしまった。
おやすみ、お兄ちゃん♪ そう言って軽くキスしてからリビングを出て行く妹の背中に、「おやすみ」と返して見送る。
☆
花蓮が出て行き、リビングには俺1人。
テレビの音がやけに大きく聞こえる中、妹がくれたヒントについて思いを馳せる。
約束。約束かぁ……。なんかしたっけ?
頭を捻るが、そんな覚えは全くない。だけど、確かにしたはずの約束。俺の頭ってこんなにポンコツだったのかと、ちょっと落ち込む。
何とはなしにスキル一覧を表示する。
エロに関しては都合の良いものが多いスキルも、こういった面で役に立ちそうなスキルはちっとも見当たらなかった。……本当にエロ特化なのな。
溜め息を漏らしながらウィンドウを閉じる。
ソファーに深く腰を沈めながら、目を閉じた。
『しっかり思い出してあげてるんだぞ?』
『ちゃんと、お姉ちゃんと向かい合ってあげてね』
『自分の胸にでも聞けばいいじゃない! バカー!!』
友人と妹と幼馴染みの声が頭の中で思い出される。
俺が忘れ、志紀が今でも覚えている約束とは何だろう?
……だが、しばらく思い出そうとしてみても、俺のポンコツな頭は何も思い出してはくれなかった。
「…………あーもう! モヤモヤするなあっ、もう!」
自分への苛立ちを紛らわすように、髪をグシャグシャとかき回す。
スキルが当てにならず、思い出すこともできない以上、やっぱ自分で志紀から聞き出すしかないか。
もう一度、深い溜め息を漏らす。
窓から見上げる夜空には相変わらず分厚い雲が居座っているようで、星が1つも見えなかった。
……あの雲が晴れれば、俺の頭のモヤモヤも晴れてくれるだろうか?
テレビで流れている天気予報では、明日も曇りだという。