※この作品はR-18です。

俺は、世界の半分(女性)を手に入れてみせる!   作:キャプテンキャップ

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第07話 コンビニでバイト
01:ロック解除


「ありがとうございましたー」

 

 コンビニの自動ドアを抜けて炎天下の外へ出て行くサラリーマンの背中へ、カウンターの内側から声を投げかけ見送る。……まるで店員のようだって? 正解。

 緑地に白のストライプの上着と、緑一色のズボンを身につけた俺は見紛うことなく、ここ『HIGHSON(ハイソン)』のバイト店員である。まあ、夏休み限定だけどな。

 ウチの高校は基本、成績や素行に問題がなければ学校に申請すればバイトの許可が下りるのだ。かくいう俺も、終業式前にバイトの申請を出しており、学校側から許可は貰っている。

 などと思っていると、自動ドアが開きお客さんがやってくる。

 

「いらっしゃいませー」

 

 マニュアルどおりの挨拶をしつつ、俺はバイト初日――つまり3日前の朝のことを思い出していた。

 

 

   ☆

 

 

「はぁ……今日からバイトかぁ……」

 

 時刻は朝の8時すぎ。

 いつものように妹の花蓮に朝フェラをしてもらった後、1人窓の外を眺めながら呟いた。今日も今日とて日差しが眩しい。

 突き抜けるように青い空にはすでに太陽が我が物顔で鎮座し、入道雲が幾つも聳(そび)えている。

 青々と茂る木々からは、命を燃やせとばかりにシャウトするセミの群声。

 遠くから聞こえてくるのは子供たちの元気な声。

 もう少しすれば路面には陽炎(かげろう)が立ち昇るだろう。

 ハイコントラストに彩られた景色はどこを切り取っても夏、夏、夏。

 

 7月末。今日から俺のバイトが始まる。

 バイト先は家から徒歩で10分ほど歩いた先にあるコンビニ『HIGHSON(ハイソン)』。去年の長期休暇(夏・冬・春休み)にもお世話になった所でもあるので仕事の内容に不安を感じることはないけれど、それでも溜め息が出るのは、たんに面倒だ(メンドイ)からだ。特にこの炎天下の中歩いて行くというのがすでに面倒。その後で働くというのがもうシンドイ。

 バイトなんてしたくないが、しないと遊ぶお金がない。

 ウチは小遣い制なのだけれど、それは中学までだ。高校生の俺に小遣いなどない。……それを知ったのは去年の入学式だったが。親の方針としては、高校生なんだから遊ぶ金ぐらいは自分で稼げ、らしい。まあ、携帯代は出してくれるのでありがたいが。

 ともかく、そういった理由もあってバイトしなくてはならない。

 

「……はぁ。こうしてても仕方ない。着替えるか」

 

 バイトは9時からだが、そろそろ支度しといたほうが良いだろう。去年も通っていたバイト先とはいえ、初日は大切だからな。

 最後にもう一度溜め息を吐きつつベッドから起き上がり、準備を始めた。

 

 

   ☆

 

 

「んじゃ、いってくる」

 

「いってらっしゃいお兄ちゃん。バイト頑張ってね♪」

 

「おう」

 

 花蓮(かれん)が笑顔で俺を送り出してくれた。妹(可愛い)に見送られ(見送りのキス付き)、家を出る。花蓮のお陰でやる気は十分だ。

 だが、玄関を抜けた瞬間に夏の猛暑が俺を襲う。

 空気は太陽によって熱され、高い湿度と交じり合えば、日本特有のむあっとした空気のできあがり。それが俺のやる気を瞬く間に奪っていく。

 

「……はぁ。バイト行きたくねぇ……」

 

 早くも額に滲み出る汗を拭い、溜め息と愚痴を零しながらバイト先へ向かうのだった。

 

 

 それから十数分ほどで着き、自動ドアを抜けて店内へ。冷房で冷やされた空気が俺を出迎えてくれる。……ああ、涼しい。緩んでいた汗腺がキュッと締まった感じがするね。

 

「おはようございまーす」

 

 カウンターの前を通り抜けながら、中にいる店員に声を掛ける。店が混んでる時はすぐにスタッフルームへ行くんだけど、見た感じ客は殆どいないので初日とあって挨拶だけはしとこうと思ったのだ。

 

「おう、新人か。おはようさん」

 

「新人はやめてくださいよ、アキさん」

 

 俺を新人と呼ぶこの人の名前は明人(あきと)さん。通称アキさん。

 5年前からずっとここでバイトしている22歳の大学生で、金髪に耳と鼻にピアスと見た目がチャラいが意外と真面目。去年バイトを始めたばかりの俺の教育係でもあった人だ。そのせいもあってか、俺の事をずっと『新人』と呼んでくるのだ。

 

「るっせ。さっさと着替えて来い、新人」

 

 しっしと追い払う仕草をするアキさんに肩を竦める。

 スタッフルームへ入り、一昨日受け取ったばかりのコンビニ制服へ袖を通す。

 すると突然、目の前にウィンドウが開いた。

 

 

   ---------

 

 ○×××:特定条件

 

  条件

  何らかのバイト、若(も)しくは何らかの職に就いた場合に解放されます。

 

 この条件を満たしましたので、ロックが解除可能となりました。

 

 解除した場合、以下のスキルが取得できるようになります。

 

 

 ○シチュエーションプレイ:200P

 

  あなたが置かれている状況にあわせたセックスが可能となります。(例:病院であればナースや女医と看護、受診プレイが可能となるほか、白衣があれば患者やナース、女医への医者プレイ等が可能となります)

  また、シチュエーションの内容は、あなたの行動如何(いかん)で決まります。

 

  備考:オン・オフ機能付き(オン・オフの切り替えは意識一つでできるようになります)。

 

 

   すぐに解除しますか?

 

    はい   いいえ

 

   ---------

 

 

 お、新しいロックスキルか。そういえばバイトしたら解除されるやつがあったな。内容は……状況(シチュエーション)に合わせたプレイ、ね。これは面白そうだ。

 今朝の花蓮の分も合わせて現在のポイント数は2,980。

 余裕で取れるので、解除したのちすぐに取得した。

 それに合わせて、ポイントを750を消費して『フェロモン』解放Ⅳも取得。これで『フェロモン』の効果範囲が3メートルまで拡大した。

 

   ---------

 

 2つのスキルを取得しました。

 

 ポイント残高:2,030

 

   ---------

 

 それにしても俺の行動しだいでシチュプレイの内容が変わるというのは面白いスキルだ。……コンビニだとどんなシチュがあるだろう?

 今のとこ何も思い浮かばないけれど、バイトしてれば思い浮かぶこともあるだろう。そんなことを思いながら、スタッフルームを出るのだった。

 それがバイト初日に手に入れた、新しいスキルである。

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