俺は、世界の半分(女性)を手に入れてみせる! 作:キャプテンキャップ
俺は
「あ、鈴木さん、こんにちはー」
距離は60センチほどのところで立ち止まる。
これ以上は近すぎるだろうから、機を窺いながら徐々に詰めよう。
「こんにちは、えぇっと……?」
挨拶を返してくれたものの、困惑の表情を浮かべる香奈さんと
俺は「やだなあ」と笑いながら自分ん
するとようやく一致したのか、「田中
「……弟と妹のことは覚えてて俺は覚えてなかったんスか。酷い」
わざとらしく、がっくしと肩を落とすと、香奈さんが慌てて「そ、そんなことないわよ? 今日は暑いからちょっと忘れてただけで」と苦しい言い訳をしはじめるが、
「お母さんったら酷いなー。お兄さん可愛そうだなー」
「ええ!? 明日香まで私を責めるの!?」
明日香ちゃんまで悪ノリしはじめたもんだから、香奈さんはさらに慌てふためく。なんだろう、この人。超可愛いんですけど!
「ってか、明日香ちゃんも俺のこと覚えてなかったよね?」
「やだなー、ちゃんと覚えてましたよー♪」
さすが現役JC、笑顔で言い切りやがった。俺も現役の男子高生だが、むさい男子高生が笑顔で言っても「オエー」だ。
「まあ冗談はこれくらいにして、鈴木さんたちは買い物帰りですか?」
俺は香奈さんが持つビニール袋をさして訊ねた。明日香ちゃんも似たような袋を持っている。
「冗談だったの!? あー、焦ったけど、冗談でよかった。うん、買い物帰り。ちょうどタイムセールしてたから沢山買っちゃった」
香奈さんはそう言ってパンパンに膨れ上がった袋を見せてくれた。
「なんか重そうですね」
「お兄さん、違う違う。重そうじゃなくて、実際に重いんだよ。お母さんがはりきって色々買っちゃったからねー?」
俺の言葉に答えたのは、明日香ちゃんだ。明日香ちゃんはこれみよがしに溜め息を吐きながら肩を落として見せた。
「い、いいじゃない。別に。安かったんだもん」
だもんて。……それにしても、本当に仲が良いな。明日香ちゃんは別れた旦那が連れてきた子らしいけど、遠慮のない2人のやりとりを見ていると本当の親子みたいだ。
2人の仲の良さは、服装にも表れている。
香奈さんは白の袖ひらトップスに、淡い水色をした膝上丈のスカーチョ(スカートとパンツを合わせたものらしい)を組み合わせ、足下は鮮やかなオレンジのリゾートサンダル。
明日香ちゃんは10代らしく、黒のラッフルスリーブトップスに藍色のフレアシルエットのショートパンツという組み合わせ。足下はキュッと引き締まって見える黒のグラディエーターサンダルだ。
どちらも今年人気の夏のファッションらしいけど、丈の違いはあるものの全体を通して似たようなシルエットで合わせている。
よく見れば明日香ちゃんの髪も肩口で揃えられているし。今時、母娘で同じ髪型って珍しいよな。
これだけ仲がよければ、そりゃあ実の父親よりも義母の香奈さんに付いてくよなぁ。
まあ残念な旦那のことはどうでも良いとして、これは距離を詰めるチャンスだ。
「それだったら俺が荷物持ちますよ」
「え、でも……」
「遠慮しないで任せてください。こう見えても男ですから」
ふんす!と力こぶを作ってみせると、香奈さんも小さく笑って「じゃあ、お願いしようかな」と言ってくれた。よしっ、これで自然に近づける!
「あー、私のは運んでくれないんですかー?」
「もちろん運ぶよ」
そうじゃないと君にも十分に近づけないからな!
俺は本当にフェロモンが効くのかドキドキしながら、差し出された袋を受け取るため、2人に近づき、袋を受け取ると――
「あっ……」
「んっ……」
香奈さんと明日香ちゃんが艶かしい声をあげて体をピクンと震わせた。
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『初めて異性にフェロモン使った』を達成! 10P獲得しました。
『初めて異性をメロメロにした』を達成! 10P獲得しました。
ポイント残高:35
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よっし! 効いたぁ!!
目の前に現れたメッセージに俺は内心でガッツポーズと雄叫びを上げた。イエス、イェス、YES!
『初めて異性をメロメロにした』っていうのは、スキル『フェロモン』の効果で2人を性的に興奮させたということだろう。『フェロモン』には自分の好みの女性をそうさせる効果があるのだ。
このスキルの説明によると、この状態になれば、向こうから俺を性的に求めてくるようになるらしい。
現に、香奈さんと明日香ちゃんの俺を見る目がどこか熱っぽい。
頬も上気してるし、息も少し荒いように見える。
「どうかしました?」
それでも俺は念には念を入れて、そ知らぬふりをする。
「う、ううん……なんでもない、わ」
あれ? 効きが薄いのかな? 求めてこないぞ?
……いや、香奈さんはさっきから視線をキョロキョロと泳がせているから、周りを気にしてるとか。あ、自分の考えに納得。そりゃあそうだよね。こんな路上で発情して相手を求めたら、ただの痴女だもんな。明日香ちゃんも同じなんだろう。
ってことは、香奈さんと明日香ちゃんが心置きなく俺を求められるように、さっさと移動しよう。そうしよう。
「それじゃあ、鈴木さんの家に行きましょうか」
「ええ……」
こくりと頷き、俺の隣に並んで歩き始める香奈さんと明日香ちゃん。
「あ、それと、香奈さんって呼んでもいいですか?」
「――っ!」
歩きながらそう聞いた瞬間、香奈さんはビクリと体を痙攣させると、幸せそうな顔で「はい」と答えた。……足をモゾモゾさせているけど、もしかしてイッたのか?
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『初めて異性を絶頂させた』を達成! 50P獲得しました。
ポイント残高:85
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やっぱイッてたー!
え? 声をかけただけで? それとも名前で呼んだからか? どちらかというと後者っぽいか。声ならさっきからかけてるし。
それでも名前を呼んだだけでイかせるとか……『フェロモン』のスキル、恐るべし!
それにしても、名前を呼んだだけでこれなら、これからどんな
俺はクツクツと胸の中で笑いながら、早く香奈さん宅に着かないかなあと心を躍らせたのだった。
☆
それからしばらくして、
結構大きい家だなあ。
「――どうぞ上がって」
玄関を開けると、香奈さんは少し震えた声で俺を迎え入れてくれた。声が震えているのは性的な興奮によるものだろうが、今は気付かない振りをする。
それに、もっと
「おじゃましまーす」
外見どおり、中も広いな。元々は別れた旦那が建てた家らしいけど、慰謝料の一部として譲り受けたらしい。まあ、香奈さんには2人の子供がいるからこれくらいは当然なんだろう。
ああ、そうだ。香奈さんの末の娘は、お泊り保育で今日と明日は居ないらしい。道すがら聞いて知ったときは、なんてラッキーなんだと喜んだね。
香奈さんが用意してくれたスリッパを履き、香奈さんと
台所も広い。俺んちの倍はありそうだ。テーブルに荷物を置く。
ふぅ、さすがにパンパンになった袋2つはけっこうくるな。俺の腕もパンパンだよ。まあ、これから貰う報酬の対価と思えば安いもんだけどな。
「ありがとう、助かったわ。待ってて、今冷たいものでも淹れるわね」
「待って、香奈さん」
冷蔵庫に向かおうとする香奈さんにこそ、俺は待ったをかけた。
「さっきから気になってたんだけど……」
「な、何かしら?」
「香奈さんの足から垂れてるソレって、何?」
俺はスカーチョから覗く香奈さんの足を伝う透明の液体をさして尋ねた。