俺は、世界の半分(女性)を手に入れてみせる! 作:キャプテンキャップ
2人して心地良い事後の余韻に浸っていると、突然目の前にメッセージウィンドウが現れた。どうやら久しぶりに、何らかの隠しスキルが解除されたようだ。なになに……
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○×××:特定条件
条件
中二力の高い人物と一定時間会話する。
このスキルが条件を満たしましたので、ロックが解除可能となりました。
解除した場合、以下のスキルが取得できるようになります。
○古代熊本弁の意訳:50P
中二力の高い人たちが扱う、特殊な言葉の言い回しなどを副音声で理解できるようになります。
このスキルを使用すれば、他の人には理解されないことが多い彼ら、彼女らとの会話が楽しめるようになれ――るかはアナタ次第です。
備考:オン・オフ機能付き(オン・オフの切り替えは意識一つでできるようになります)。
すぐに解除しますか?
はい いいえ
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……これまた変なのが出たなあ。
何だよ古代熊本弁って。そっちの説明はないのかよ。ってか熊本の人に謝れ。
要するに、これがあればRUNのあの、中二ワード? が分かるようになるってことだよな。なら取るしかない。副音声ってのも気になるし。
というわけで、解除。50ポイント支払って取得、と。
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スキルを取得しました。
称号、『古代熊本弁大使』を取得! 100P獲得しました。
ポイント残高:3,360
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大使て。いやもうツっこむまい。遠い目をする俺の前に、さらに幾つかのスキルが表示された。
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『古代熊本弁の意訳』のスキルを取得しましたので、それを条件とするスキル群のロックが解除可能となりました。
解除した場合、以下のスキルが取得できるようになります。
○古代熊本弁:50P
中二力の高い言葉を話せるようになります。
但し、他の人には理解されないことが多いでしょう。
このスキルと【古代熊本弁の意訳】を併用すれば、より一層、特定の人たちと楽しい会話が楽しめるようになる――かはアナタ次第です。
備考:オン・オフ機能付き(オン・オフの切り替えは意識一つでできるようになります)。
○魔眼の光:50P
右目が紅くなり、妖しく光ります。特に意味はありません。
発動条件は、右目を中指と人差し指で挟み、「我が魔眼にひれ伏せ!」と叫ぶこと。
いつでもどこでも好きな時に好きなだけ発動しましょう。
このスキルを使用すれば、特定の人たちから一目置かれること間違いなしです。
備考:オフ機能付き(オフは意識一つでできるようになります)。
○
赤い気を纏えます。特に意味はありません。
いつでもどこでも好きな時に好きなだけ発動しましょう。
このスキルを使用すれば、特定の人たちから一目置かれること間違いなしです。
備考:オン・オフ機能付き(オン・オフの切り替えは意識一つでできるようになります)。
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だからなんだよ、古代熊本弁って。……どれもいらない、かなぁ?
てか、チャクラってなんだ? 首を捻るも、そういやこういうのに詳しそうな人が目の前にいるなと気付いたので、訊ねてみることに。
「
「チャクラ? ヒンドゥー教や仏教に伝わる、悟りへの道へと至る『輪』の意味を持つチャクラかい?」
かい?って言われても知らないけど、多分それだ。……てか本当に知ってたよ。
RUNの小難しい説明によると、チャクラってのは人体にいくつかあって、それが開くと外界から『氣』を取り入れたり、自分の『氣』をコントロールできたりするらしい。煩悩を捨てて、悟りに至ることでチャクラが開き、霊格が上がるとかなんとか。後半は聞いててさっぱり分からんかったけど、たぶんそんな感じ。
RUNも説明が終わったあとに小声で「……多分」とか言ってたから、本人も詳しく(もしくは正しく)知らないんだろう。とにかくそういうことらしい。
んでもって纏めると、だ。……闘気と全然関係なくない? なんでチャクラってルビ振ったの? どこまでもポンコツスキルだなあ。
まあいいや。小学生の時だったら欲しかったかもしれないけど、これらはスルーして最後のスキルに目を通そう。
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○奇跡は確かしあるんだよ:100,000P
奇跡を起こせるかもしれないスキルです。
このスキルの使用に成功した際は、どんな望みであろうと、必ず叶う――かもしれません。
備考:成否に関わらず、人生において一度のみ使える究極のスキル。
すぐに解除しますか?
はい いいえ
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極めつけに変なのキターー!!
成功確率の、もっの凄い低さとか必要ポイントの高さとかツッコミどころ満載だけど! 問題はそこじゃない!
何だよバグって!?
しかも人生で一回しか使えないのに、説明を読む限り成功しても必ず叶うとは限らないんじゃないのかこれ!? 10万ポイントでこれは博打もいいとこだぞ!?
……本当に色んな意味で究極のスキルだな。絶対に取らないけど。だって絶対損するもの。もっとポイントが低かったら試しでやってみてもいいけど、10万は高すぎる。
「どうかしたのかい? 何だか難しい顔をしてるが」
黙りこんだ俺を
「いや、何でもないよ」
俺はウィンドウを閉じようと……あ、そうだ。
RUNの顔を見てあることを思いついたので、スキル一覧から目的のものを2つ選んで取得。
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スキルを2つ取得しました。
ポイント残高:3,260
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これでよしっと。何をとったのかは実際にご覧あれってね。
あとはRUNを呼んでっと。……俺の中二力とやらが試されるな。
「RUN……」
「うん? どうかしたかい」
「どうやらお前との儀式を経て、俺の中に眠っていた
「な、なんだって!? ど……どんな能力か分かるかい?」
「ああ、とくと見るがいいっ、俺の力を! 『我が魔眼にひれ伏せ!』」
俺は中指と人差し指で右目を挟んで叫んめば。
右の瞳が赤く染まり、次にはカッと妖しく光りだした!
「なっ!? それは
「さらに、ハァァァアアアアア!!!!」
気合いを入れると、俺の全身から紅蓮の闘気が溢れ出す。
「ま、まさか!
RUNの命名はさておき。
そう、俺が取得したのは『魔眼の光』と『
RUNに見せたら面白そうだなと思って取ったんだけど……思った以上にRUNの食いつきが凄い。
キラッキラな目で俺を見てくるんだよ。
「ふ、ふふ、ふふふ……さすがはボクの半身。そこまでの実力を宿してたとはね。見抜けなかったボクは道化――哀れなピエロだったというわけか(……羨ましい)」
……なるほど。これが『古代熊本弁の意訳』のスキルによる副音声か。長々とした台詞を「羨ましい」の一言で分かりやすく翻訳してくれた。これは便利。
「ん、待てよ? ボクの半身たるキミが使えたのなら、ボクも使えるのでは!?」
いやー、無理だと思うぞ? 俺がそう言う前に、
「はあああああ…………ハアッッ!!!!」
RUNが裂帛の気合いを入れた!
「…………………………」
「…………………………」
何も起こらなかった! 当然だけどな!
口をへの字に曲げて涙目で俺を見てくるRUNに哀れみを感じる。……てかそんな目で見ないで欲しい。心のHPが削られるから。
「何故だ!?」
「知るか!」
掴みかかって来るRUN。逃げる俺。
「こら逃げるな! 自分だけそんな格好良い技が使えるとかズルいぞ! ボクにも使えるようにしたまえ!」
「できないって!」
「そこを何とか!」
「できんて!」
RUNとの追いかけっこは、係員に見つかって追い出されるまで続いたのだった。
第10話『コスプレイヤー』 終了。
次話予告『一夏の思い出』。