※この作品はR-18です。

綺麗なお姉さんにご用心   作:標準的な♂

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ジョーカー2編
綺麗なお姉さんにご用心


 もう何度目になるだろう。刃が一閃し、鋭い角がきらめき、そして鮮血が迸ったのは。

 彼が連れていたのは、戦いを愛する魔神デュランと、黄金の魔獣バッファロン、それに怪力の半獣魔人アンクルホーンだった。デュランが主力で、それ以外はスカウトのためのモンスターだ。

 

「こいつも違う……」

 彼は今、更なる強さを求めて、魔界にまでやってきた。しかし、満足に足る魔物は現れていない。妖魔ゲモンや大悪魔バズズ、竜王すら恐れたというダースドラゴンでさえ、満足は得られなかった。

 魔界をあちこちさまよううちに、見覚えのある空間に辿り着いた。そこは遺跡の地下のようだった。

 辺りを見回す。羽のついたダークスライムに、それにまたがるダークナイト。これらはバズズやゲモンと比べても遠く及ばない。

 ふと、コツ、コツ、という足音を聞き、少年は身構える。ハイヒールのような足音だった。位置はかなり遠いようだったが、遺跡の地下と同様の構造だったので、その音はよく響く。

 

「あれは……」

 そこにいたのは、見たことのない魔物だった。

 女の魔物だ。モンスターの雌雄はあるが、明らかに女の魔物というのは初めて見る。

 

 翼、さそりの尾、青白い肌、四メートルほどもある長身――それらの異形は、彼女が人間ではないことを如実に表してはいたが、その美しさを損ねるものではなかった。

 身長に対して体つきは細身だったが、乳房の張りと大きさのバランスは、まさしく食べ頃の果実を連想させる瑞々しいものだ。

 見事に括れたウエストには無駄な肉はなく、かといって、細過ぎて不自然であったり、健康的な印象を欠くようなこともない。

 何より、ヒップから太ももにかけてのラインなどは、およそ女性の脚が持ちうる機能と美の全てが凝縮された、極上のものであると言えた。

 

 妖艶な美女を指して、女は魔物であるとはよく言ったものだが、彼女はまさにそうだった。蠱惑的な身体と美貌を持つ女悪魔――それは、じごくのマドンナと呼ばれる魔物だった。

 

 その魔物と、視線が交差する。

 こいつは危険だ。見た目に騙されてはいけない。モンスターマスターとしての勘が、この魔物がかなりの実力者であることを告げていた。

 故に思った。この魔物が欲しいと。

「フフ……アタシが欲しいのかい?」

 不躾な視線に対し、まるでこちらの意図を見透しているかのような、挑発的な声が返ってきた。特徴的なハスキーボイスだった。

 じごくのマドンナは、若きマスターを見下ろしている。体格だけではない。まだ年若いモンスターマスターを侮っているのだろう。しかし、それ以上に、自分の能力に自信があるようだった。

「ああ。スカウト――させてもらうぜ」

「スカウト? アタシは高いよ!」

 

 スカウトのための戦いは熾烈を極めた。

 じごくのマドンナは、魔界に生息する魔物の中でも、かなり強力な部類に入る。それこそ前例として挙げたダースドラゴンやバズズをも上回る力を持っていた。鎖鎌を巧みに使いこなし、地獄の雷を呼び寄せ、恐るべき死の呪文をも操る。一瞬たりとも気が抜けない戦いであった。

 しかし、それらの実力は予想通りであり、期待通りでもある。そうでなくては、スカウトする意味がない。

 

 ジゴスパークやザラキ等の猛攻を耐え抜き、スカウトリングを掲げた。指輪が光輝くと、それに呼応して、彼の魔物達が淡い光に包まれる。

「……おいで、坊や」

 じごくのマドンナもまた、そのスカウトアタックを全力で受け止める構えをとる。

 じごくのマドンナは戦いの手を止めた。

「……」

「……」

 じばしの沈黙。モンスターマスターからすれば、この静寂のときこそ、最も心拍数が上がる瞬間なのだ。そして、その後の結果に一喜一憂する。

 やがて、魔物は戦いの構えを解き、膝をついた。

「アタシの負けだね……煮るなり焼くなり、好きにしな」

「そうさせてもらう」

 スカウトの成功。全てのモンスターマスターが共有する喜びを、少年は噛み締めていた――無論、表情には出さないが。

 

 仲間になったじごくのマドンナの身体を見る。不躾な視線にも、その身体を誇らしげに誇示しこそすれ、抵抗の意思を見せることはなかった。

 生々しさという点で、エッチな本で見るような女性の裸体とは、まるで異なっていた。映像的な差異だけではない。匂い、気配、実力と体格からなる威圧感――何より、それが目の前にあるというリアルがだ。

 

 改めてじごくのマドンナの身体を見てみる。かなり引き締まった体型だった。全体的に細く、やや筋肉質ですらある。

 しかし、バストは戦いの際に揺れるほどに豊かで、しかも形が良い。瑞々しく魅力的で、人々がこういう乳房を果実に例えるのもよくわかる。

 臀部から太股にかけてのラインなどを見るに、その脚は色気と機能性を理想的な形で両立した、極上のものとわかる。先程見せたじごくのマドンナの動きは、巨体に似合わず高い俊敏性を誇っていたが、それを産み出したのは、この美しい脚であった。

 また、じごくのマドンナは、その美しい身体のラインが自慢であるらしく、それを誇示するために、赤いボンデージを着用していた。

 そんなユニフォームも、先程の戦いのために、あちこちに損傷が見られ、ただでさえ多い肌の露出が更に増えており、余計に官能的であった。 乳房は大胆に露出し、その先端の突起も外気に晒され屹立していた。腹部の辺りの生地も破れ、やや割れた腹筋の作用が見てとれる。何より刺激的なのは、秘密の部位を覆う厚手のサポーターすら損傷を免れず、その役目を放棄していたことだ。

 

「……?」

 しかし、ある一点において、その女性美の権化とも言うべき肉体の調和を崩すものが見えた。

 若きマスターは見間違いかと思い、一度目を逸らしてから、再びその部位に目を向ける。

 視線を上げる。先程見た通りの、大きな乳房が、息遣いに合わせて揺れている。

 そして、再び視線を下ろす――見間違いではなかった。それは確かに存在した。

 

「ぎょえーーっっ!!」

 

 それを見た少年は、驚きのあまり、高貴な身分の者によく見られる悲鳴をあげ、腰を抜かした。

 

 へそから更に下――密林に包まれたその部分から、重みのある袋状のものと、弾力のある棒状のものが垂れ下がっていた。明らかな男性のシンボルが、そこにはあった。

 それを見た少年は、かつて恐怖を覚えた、ある魔物のことを思い出す。密林で出会った、恐るべき巨大モンスター――タイラントワームのことを。

 

「お、お……」

「あら、見ちゃったんだね……驚いた?」

 強い衝撃を受け、口をパクパクと動かしながらも、喉から言葉が出ない。そんな彼の狼狽する姿を見て、じごくのマドンナは悪戯っぽく笑う。

「アタシ達にもオスは居るのよ。じゃないと、絶滅してしまうでしょう?」

 魔界の、と言うより全ての魔物の生態は、多くが謎に包まれている。

 ただ、野生のモンスターが基本的に転生の杖を持たない以上、種を維持するためには同じ種族同士で交配する必要がある。“彼”の言う通り、じごくのマドンナが絶滅を免れるには、見た目通りのメスのじごくのマドンナだけでなく、オスのじごくのマドンナが必要なのだ。

 

 若きマスターは萎縮した。無理もない。屹立していない状態でさえ、それは凶器だったのだ。

「フフ、久し振りに激しい戦いだったから、アタシのここも元気になってきちゃったわ。ねえ、早く……」

 なお恐ろしいことに、じごくのマドンナの股間に備わった巨砲が、活力をみなぎらせつつあった。

「ちょ、ちょっと待て!」

 若きマスターは貞操の危機を覚え、慌ててルーラの呪文を唱えた。ただちにこの魔物を配合し、悪夢を否定するための準備にかかった。




 ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2では、野生・配合問わず、特にアイテムで操作しない限り、全てのモンスターの性別はランダムです。
 また、ジョーカー2では仲間になるまで敵モンスターの性別が確認できません。
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