※この作品はR-18です。

綺麗なお姉さんにご用心   作:標準的な♂

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ネタバレ:タイラントワームは死ぬ


タイラントワームスレイヤーにご用心

「……知るべきでない世界だったな」

 若きマスターが投げ捨てたそれは、禁断のバイブルと呼ばれる本だった。両性具有という、第三の性を扱った本である。

 

 背徳と驚愕に満ちた世界から帰還し、辺りに広がる雪原へと意思を戻す。すると、猛吹雪の中、軽やかな足取りで飛び跳ねる、二匹の魔物に視線が行く。

 

 アサシンブロス。青紅一対のドラゴン系モンスターだ。その名、その見た目の通り、双子の暗殺者である。武術の達人はドラゴンに例えられるが、この二匹組の魔物はまさにそれだ。絶え間ない鍛練が、こんな雪原においてもなおアクロバティックな動きを可能にしている。しかも文字通りの一心同体で、本来は二匹のモンスターであるにも関わらず、一匹として数えられる。

 

 若きマスターがスカウトしたアサシンブロスは、青い方が兄で、赤い方が妹だった。総合的に見ると、男女両方の機能を持ったアサシンブロスである。

 

 

 アサシンブロスをスカウトした若きマスターは、早速、かねてより配合すると決めていた魔物――ローズダンスのもとに向かった。

 ローズダンス。黒い薔薇に囲まれた美女の姿をした魔物だ。しかし、“彼”には、女性には本来あり得ないものが備わっていて、逆に女性が備えているべきものを持たなかった。女性型をとるモンスターも、あくまで表面的な姿が女性であるというだけで、種の存続のために雌雄の区別が存在するのだ。

「マスターはやっぱり、わたしが本当の女の子になることをお望みですか?」

「当たり前だろ」

 若きマスターは、目の前のローズダンスに純情を踏みにじられたと思っている。それ以前にスカウトしたじごくのマドンナは実力をあてにしていたので、まだショックは少なかったが、ローズダンスは完全に男性的な下心からスカウトに及んだのだ。

「わたしも……本当の女の子になりたいです」

「ああ、うん、なれるんじゃないか?」

 元々、ローズダンスに転生の杖、アサシンブロスに♀の杖を持たせて配合することが決まっていた。こうすれば、ローズダンスは真なる乙女として生まれ変わることができるだろう。

 

 配合。それは二匹のモンスターを掛け合わせ、新たなモンスターを産み出す儀式である。その際、二匹の魔物は異なる性別でなければならない。このことから、何が行われているのかは明白であった。古い時代には、配合が行われた後には卵が残されていたという話もあり、このことが証明になっていると言える。

 

 ハイゴナと呼ばれるドルイドは、ローズダンスとアサシンブロスを秘密の場所に案内した。原則として、モンスターマスターはその場面を見ない。

 

「立派ね。素敵だわ」

 アサシンブロス妹は、ローズダンスの雄しべを握る。最初は柔らかな感触を楽しんでいたが、それが徐々に硬くなるにつ握るのではなく撫でるようにしたり、指先で軽く弾くなどして、強い刺激へとシフトしてゆく。

 それは脈打ち、熱くなっていた。重力に従って垂れ下がっていたそれは上を向き、天を突いている。

「貴女は男の子よ。だって、貴女のここ、こんなに逞しいんだから」

「やだっ、そんな風に雄しべ触られたら、わたし……っ」

「女の子みたいな声を出したって駄目よ。ほら、見て」

「あ……」

 ローズダンスが視線を下ろすと、男性の象徴、女泣かせのタイラントワームが、鎌首をもたげて戦いに臨んでいた。

 自分は本当のメスではない。そして、その事実がマスターを苦しめている。そう思うと、酷い自己嫌悪に駆られた。

「んあっ、あっ、違うの、これは……」

「これ、女の子には無いものよね?」

 タイラントワームは攻撃を受ける。肉体的なものばかりか、精神的にも嬲られていた。しかし、このタイラントワームは、半端な攻撃では逆に力を与えるだけの結果になってしまう、厄介な特質を持っていた。

 アサシンブロス妹としては、それが元気であればあるほど良い。爬虫類やドラゴンによく見られる、細長く素早い舌で、ローズダンスの雄しべを嬲る。まるでマグマでも流れているかのように、それは熱を帯びていた。

 

「元気になってきたわね。これをね、こうやって……」

 ローズダンスの雄しべに、自らの蜜壺を宛がう。アサシンブロス妹はローズダンスを征服せんとしている。その体位はアサシンブロス妹が上、ローズダンスが下だった。傍目には、美女が魔物に犯されているように見えるが、実際にはそうではないのだ。

「あうんっ、くぅっ、んん……っ」

「アハハ、良い声! 女の子みたいよ!」

 慎ましげに声を圧し殺す様は、乙女のそれに相応しかった。ただ一つ、ローズダンスの処女性を損なっているのは、彼女の秘密の部、密林から姿を表したタイラントワームだけである。

「そうよ、もっと突き上げてきなさい! 貴女は男の子なんだから」

「違うっ、違うのぉっ、わたしは……!」

「ぬふぅ」

「ぬふぅ」

 

 その日もアサシンブロスは同時に達した。

 

「……褒美をやろう」

 その余韻も覚めぬうちに、今度はアサシンブロス兄が体を重ねる。子種を受け取ったアサシンブロス妹は戦線を離れ、ただちに出産の準備に入った。既に腹部に膨らみが見られ、胎内に新たな命が宿りつつあるのがわかる。配合とは一晩で行われるものだから、こうなるのは必定と言えた。

 既に配合の儀式においてすべきことは全て終わっていたが、アサシンブロス兄は余興とばかりにローズダンスに寄り添い、それまで触れられていなかった部位を弄りだす。

「女になりたいんだろう? お前にメスの気分を味わわせてやる」

「え……?」

 不浄の穴、その皺を爪で撫でる。ローズダンスの背筋が粟立つ。

「やだ、そっちは……アオゥッ!?」

 不意を打たれたローズダンスは、恥も外聞もない奇声を上げる。

「えっ、やぁ、おしりっ、そこ、駄目ぇっ!」

 ローズダンスの哀願も虚しく、そこは異物の侵入を許し、蹂躙された。まるで受け入れる体制が整っていたかのように、易々と開門を許していた。

「変な……変な感じなのぉ」

 ローズダンスにとっても、未知の感覚だった。本来、その不浄の穴は、そのようにして使うべきでないという認識が、ローズダンスの中にはあった。勿論、火照った身体を鎮める儀式についての経験もあるし、丁度おあつらえ向きの触手を持ってはいるが、不浄の穴を用いた自慰行為は考えもしなかった。

 しかし、その部位への刺激で、ローズダンスは排泄にも似た、淡い快感を覚えていた。

「おしりぃっ、駄目ぇ……」

 指の動きが激しさを増すにつれて、ローズダンスの声がいよいよ官能の色を濃くしてゆく。

「おまんこ」

 アサシンブロス妹は、遮って訂正する。それに合わせて、アサシンブロス兄がローズダンスの菊の花を弄ぶ指が止まる。

「おまんこ、よ。知らないの?」

「おまんこ……?」

 アサシンブロス妹の口から放たれたその言葉は、ひどく卑猥で、官能的で、甘美な響きを持っていた。ローズダンスははっきりとしない意識で、意味もわからずその言葉を反復した。

「まあ、男の子である貴女には、本当は無いものですけれど」

「……っ!」

 そう言って、アサシンブロス妹は再びローズダンスの男性を愛撫する。たったそれだけのことで、タイラントワームは活力を取り戻し、見事に復活を遂げた。

「男の人のチンポを受け入れて、味わう穴のことよ。女の子はね、ここから子供を産むの」

「男の人の……チンポ………雄しべ……」

「そうよ。こういう風に」

「ひっ」

 前戯と同様に、ローズダンスの雄しべが、優しい愛撫を受ける。それと同時に、窄まりへの責めも再開された。

「指で可愛がって」

「んんんっ!?」

 その先端の尿道口の辺りを、指先でそっと触れると、ローズダンスの体に電流が走ったかのように、びくん、びくんと跳ねる。

 

「じっくり濡らして」

「あっ、おっ、ほおぉッ!?」

 十分に雄しべ活力を取り戻したことを確認すると、やはり素早い舌の先でチロチロと撫で回し、くすぐった。雄しべ全体が唾液の湿り気を帯びてゆく。

 それと同時に、ローズダンスの菊座に、潤滑油代わりになるものを塗られる。それと同時に指の抜き差しが繰り返され、徐々に指の本数が増え、硬く閉ざされるべき門の警戒が解きほぐされてゆく。それにつれて、ローズダンスの声も獣性を帯びる。

「受け入れる準備をするの」

「あ……」

 雄しべと菊座の両方への責めが止まる。

「フフ……どうしてほしいの?」

「望む通りにしてやろう」

 ローズダンスの両耳の鼓膜を、甘い囁きが撫でた。その刺激は聴覚を通って脳に伝わり、思考回路に強い電流を流し、スパークさせる。あれこれ取り繕うような余裕など、もはやローズダンスにはなかった。

「わたしは……」

 ローズダンスは息を大きく吸い込む。

「お願い……」

 そして、意を決して、尻をアサシンブロス兄に向けた。そして自ら尻肉を左右に広げ、ひくひくと恥ずかしげに震える菊の花を露にする。窄まりからは、先程塗られたローションが滴っていた。

「わたしを……女の子にしてください!」

 言った。とうとう言ってしまった。しかし、ローズダンスに後悔はなかった。“彼女”は、本当のメスになりたがっていた。それに一歩近付いた。それだけのことだった。

 

「心得た」

 アサシンブロス兄妹は、全く同じ笑みを同時に浮かべた。

 ローズダンスの表情が強ばった。指とは違う何者かが、後ろから侵入してくるのを感じた――それは指と違って、自分のものがそうであったように、脈打ち、硬く、そして熱を帯びていた。

 雄しべは再びアサシンブロス妹の肉の穴に包み込まれる。出産を控えた子宮に性行為は危険であったが、魔物特有の厚い卵の殻が、その脅威から新たな命を保護しているようだった。

 “彼女”がアサシンブロス兄と同様に持っているそれは、かつてない力に満ち溢れていた。強く締め上げるような感触により、押さえつけられているような感触こそあったが、決壊して制御不能になるのも、もはや時間の問題でしかなかった。

 

「……っ!」

 前と後ろを同時に犯される未知の感触に、声を押し殺そうと努めるも、どうしても吐息が漏れる。それは甘い息だった。

 穴を押し広げられる排泄感と、焼けるような感触、それに痺れを感じていた。じわじわと追い詰められ、上り詰めてゆくのが感じられた。

「やっ、恥ずかしっ、変な声、出ちゃうっ、んおッ!?」

「声なんか好きなように出せばいい。折角だから楽しんでおけ」

 今やローズダンスは完全にアサシンブロス兄妹に征服されていた。活力に満ちたタイラントワームも、重厚な尻肉に隠された可憐な菊の花も、全てアサシンブロスで満たされていた。

「はひっ、ほおっ、おっ、おおお……んほぉおおおッ!」

 だが、完全に征服されたことで、逆に“彼女”は解放された。乙女のようにしおらしく振る舞っていた面影などまるでない、獣じみた、下品な叫び。それは、新たに生まれた一匹のメスの産声だった。

 

 やがて熱い激流がローズダンスに注ぎ込まれると、それに応じて“彼女”の身体がびくんと跳ねる。同時に、花芯が脈打ち、貯まっていたエネルギーは液体となってほとばしった。

 蹂躙の痕跡から、白く濁った液が流れ出た。

「はぁっ、はぁ……っ、これが、女の子の……」

 征服の余韻を残したまま、そっと目を閉じた。

 

 

 

 ローズダンスが目を覚ましたとき、暗殺者兄妹の姿はそこにはなかった。

 

「わたし……生まれ変わったの?」

 転生の杖。記憶を受け継ぎ、同じ姿で生まれるための道具。まだ鏡は見ていないが、少なくとも、首から下は同じであった。

 否い一点だけ異変が見られた。ローズダンスは、自らの下腹部の違和感の正体を確認する。

 

 恐る恐るドレスの裾を持ち上げる。目的地は、以前とさほど変わらない、生命力に満ちた密林に覆われていたが、その主、タイラントワームは見られない。

 確たる証拠を掴むべく、直接その手で触れる。

 無い。かつてあった、重力に引かれぶら下がるものが無いように感じられたので、そこに手で触れて、真相を確かめるが、それは存在しなかった。

「あ……これが、女の子の……」

 その代わりに、少し湿った裂け目のようなものがあることが確認できた。豆に似たものが先端にあったが、昨夜まであったようなモノは無い。影も形も無くなっていた。皮の袋とゴールドオーブは失われ、呪わしきタイラントワームは死滅していたのである。

 

 全てが終わった後、後には匂いだけが残されていた。

 

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