静謐の新サイド4L1暗礁宙域を単艦、アイリッシュ級戦艦ジャカルタが行く。
かつて20億人が暮らした巨大コロニー群がことごとく砕けて撒き散らされた残骸は、恐るべき密度で宙域に漂っている。MSならばまだしも、大型の戦闘艦がうかつに高速を出せるような場所ではない。
だから戦艦ジャカルタでは今もその甲板上に2機のRGM-79R《ヌーベル・ジムⅡ》が直立して、対空監視を行っている。敵対勢力による急な伏撃に即応するためでもあり、また、万一デブリの発見が遅れて直撃が不可避となった際に対応するためでもある。
警戒任務に就くのはマイン・ハフナー少尉率いる小隊の2機。先の対トラキア隊戦での暴走を咎められ、半ば懲罰的な意味合いを込めての勤務であった。
艦の前方進路上に大型デブリを発見して、そのヌーベル・ジムⅡ二機が甲板を蹴って加速する。同じ型式番号を持つRGM-79R《ジムⅡ》より圧倒的に強い推力を遺憾なく発揮、二機がかりで進路上から押し出すと、両機はその場で接触した。傍受される心配のない接触回線で呟く。
『残りの奴らは艦内待機。俺らだけで即応警戒かよ』
『そうぼやくなよ。あのいけ好かねぇ隊長ドノや、お高く止まった取り巻き女どもと一緒よりはいいだろ』
しかし、マインの舎弟を自認する二人の士気は低くなかった。
連邦軍MSとの格闘戦でコクピットをビームサーベルに貫かれ、誰の目にも戦死かと思われた上官が一命を取り留め、しかも大きな負傷はなかったと聞かされていたからである。
姐さんが復活するまで、俺たちがこの艦を守る――そんな気概が、彼らに力を与えていた。
『あの連中、ねえ……。さすがに、ここまで女が多い部隊ってのは驚きだったが』
言いながら、彼はジャカルタMS隊に漂う独特の空気を思う。マインを除いても彼ら男性陣を押しのけ、部隊のMSパイロットの過半は女性によって占められている。いずれ劣らぬ美女美少女たちの間に漂う、MS隊長ベリヤ・ロストフ大尉へと向けられる、異様な熱と湿り気を帯びた気配を。
表面的には友好的ではある。だが美貌を周囲へ見せつける彼女らは、ベリヤへ対しては女としての熱い視線を送りながらも、一方では彼らの存在など毛ほども意識に留めようとしないのだ。仕事としてはやりやすいと思いもする反面、男としては面白くない部分もあった。
『そうだ。こないだ捕虜にした子な』
『ケイティの奴か? 連邦崩れの』
――清純そうな、可愛い子だったな。
やや地味なところもあるが、庇護欲をくすぐる可憐な容姿と雰囲気。それらに関する好意的な評価はなんとか飲み込む。
『今度、ちょっと声をかけてみようと思う。この前まで敵だったところへ来て、アイツも不安だろうし……なんか、アイツ見てると……妹のことを思い出す』
『……そうだな』
故郷を焼き、家族を殺した連邦軍への恨みはあるが、ケイティ・ブラウン伍長はこの奇妙な部隊への新参者だ。よしんば彼女を『こちら側』へ引き込むことが出来れば、どこか見えない疎外感を覚える今の部隊での不確かな立場の中に、ひとつの足場を築くことが出来るかもしれない。
彼らがそこで合意することが出来たのは、誰よりも強く地球連邦への敵意を燃やすマインがこの場にいないからかもしれなかった。
『しかし隊長ドノもあれだけ盛大にティタ公どもを皆殺しにしといて、ケイティだけは殺さず救助してくるとはな。よく分からんが、そういう『見る目』があるってことなのかね』
『未だに分からんな……あの隊長、いったい何者なんだろうな?』
ベリヤ・ロストフ大尉。
ジャカルタMS隊のみならず、艦内に渦巻く空気すべてを支配するように感じさせる男。彼が纏うただならぬ気配は単なる青年士官、あるいは戦場のエースパイロットのそれに留まらない、何か謎めいた底知れない力を感じさせるのだった。
その正体について、彼らはいくつもの得体の知れない噂を聞いている。
ある者は、闇市場で連邦の軍籍を買い取った旧ジオン公国軍のエースパイロットだと言った。またある者は、一個人の資産だけで戦艦ジャカルタとそのMS隊を買い揃えた、想像を絶する大富豪だと言う者すらいた。だから艦長デミトリ・スワロフ中佐らも言わばベリヤの傭兵に過ぎず、立場と階級にもかかわらず本当に逆らうことは出来ないのだとも。
むろん、これらの噂の真偽を確かめる術など、ない。
『はっ。分かんねえよ。でもな、これだけは分かる……連邦とティターンズは、敵だ。奴らを叩き潰せるなら、俺は――悪魔にだって、魂を売ってやる』
『ああ。……そうだな』
長話が過ぎた。
どちらから切り出すともなく、デブリを押し出した二機は再び母艦へと機首を巡らせた。人が出払っているのだろうか。再び着艦したカタパルト甲板から見えるMS格納庫に、他のパイロットたちの気配はなかった。
ケイティ・ブラウン伍長が、エゥーゴへ――戦艦ジャカルタMS隊へ加入したのは、つい先日のことだ。
エゥーゴのいわゆる『急進派』を中心としての部隊編成を終えた戦艦ジャカルタは、つい先週、地球に背を向ける月の『裏側』、月面都市グラナダを発した。
そして最初の目的地たる新サイド4暗礁宙域へ入る直前、彼らは月軌道から彼らを追尾していたティターンズ艦隊を待ち伏せた。
敵は新鋭のアレキサンドリア級重巡洋艦を旗艦に、随伴のサラミス改級巡洋艦が二隻。最近のティターンズでは標準的な戦術単位だ。MS隊は少なくとも二十機近く。
実に倍近い戦力を誇る優勢な敵を、しかしジャカルタ隊は暗礁宙域へ入るや勇猛果敢に襲撃したのである。
結果は一方的な圧勝だった。
殊にMS隊長ベリヤ・ロストフ大尉が操るエゥーゴ最新鋭機、RMS-099《リック・ディアス》の威力はまさに絶大だった。さらに僚機を務める副隊長ルチア・ルッカ中尉のRX-107《ロゼット》、メイヴ・クラータ曹長のMSA-003《プロト・ネモ》の最新鋭機が脇を固めて襲いかかれば、地球連邦軍のエリート部隊を自称するティターンズMS隊など、もはや棒立ちの案山子に過ぎなかった。
三機が一発撃つたびに一個小隊が蒸発した。先陣を切って飛び込んだベリヤと彼の直属小隊はたった三機で敵陣中央を縦横無尽に駆け抜け、据え物斬りとばかりに引き裂いていった。
そのまま鎧袖一触と、三機でティターンズ機の半数近くを一方的に撃墜したのだ。
その破壊力は凄まじく、主力部隊として後続したマインとリアンナらのRGM-79R《ヌーベル・ジムⅡ》小隊が中央突破された敵MS隊の『落ち穂拾い』をこなしながら主戦場へ到達したときには、もはやまともに敵MSなど残ってはいなかった。
小隊編成を突き崩されて逃げまどうわずかな敵機をなぶり殺しにした後は、わけも分からずめくら撃ちの弾幕を撒き散らしながら逃げまどうだけの敵艦を囲んで沈める以外にやることもなかった。
その一方的すぎた戦闘の欲求不満と鬱憤が、そのあと遭遇した連邦軍一般部隊のサラミス改級巡洋艦――《トラキア》とかいう艦のMS隊と遭遇してドッツィやデティらジオン残党兵の身柄を奪い合ったとき、マインに無謀な突撃を判断させた遠因のひとつでもあるのだろう。
いずれにせよティターンズ追撃艦隊は一隻残らず轟沈し、MS隊も一機残らず爆散した。
ケイティ・ブラウンは、そのとき殲滅されたティターンズ部隊――より正確には、ティターンズに協力していた連邦軍一般部隊――の唯一の生存者であり、ジャカルタ隊が得た捕虜だった。戦場で漂流していた彼女を、ベリヤが自ら拾ってきたのだという。
拘束後しばらくの間は治療と尋問を受けていたらしく、マインと会うこともなかったが、やがて彼女はMS隊副隊長ルチアによって皆へ紹介された。
そしてケイティは、地球の重力に魂を曳かれた悪しき人々の私兵たる、ティターンズに支配された地球連邦軍の過ちを正すため、エゥーゴMS隊の新たな一員として迎えてほしい、と宣言した。
連邦軍そのものに良い感情を持っていないマインと舎弟たちはその場での態度を保留したが、戦艦ジャカルタ乗員の大多数は、万雷の拍手をもってケイティの転向を受け入れたのだった。
ケイティはリアンナ率いる第二小隊へ配属され、その乗機としてマインらと同じヌーベル・ジムⅡの予備機が宛てがわれることになった。
一度は敵同士として戦ってから、恐ろしく短時間での戦力化である。エゥーゴという組織は、よほどお人好しの性善説で動いているのに違いない――そのときのマインは、すっかり呆れかえってあざ笑ったものだった。
そしてマインは今、その真実を知ることになる。
「け、ケイティ・ブラウン伍長、入りま――きゃっ」
「オラ、来たぞ。マイン・ハフナー、お呼びに預かり参上だ」
ドアを開けたケイティが何か言うより前に、ずかずか進んで入室する。マインは室内を眼光鋭く睨みつけながら言い放った。
彼女が呼び出された広大なブリーフィングルームの奥には、いつものように落ち着き払った様子で立つMS隊長ベリヤ・ロストフ大尉。その傍らには長い金髪を輝かせる副MS隊長ルチア・ルッカ中尉が控え、長身褐色の古参兵であるメイヴ・クラータ曹長がやや離れた位置で影のように付き従っている。そして遠巻きに、MS隊のその他の女パイロットたち。
要するに、いつもと同じ面子だった。
「調子の方は良さそうだね。安心したよ、ハフナー少尉」
「ああ、おかげさまでな。丈夫に産んでくれた親に感謝してるぜ」
端整な顔立ちに浮かぶ薄い微笑みから淡々と放たれたベリヤの言葉も、マインは臆さず強い眼力で跳ね退ける。
だが強気の態度と裏腹に、ベリヤのその目を視界に入れただけで、マインの下腹には甘い熱量が疼いていた。
「そうかな。君を回収した直後は、ずいぶんとうなされていたようだったがね。誠心誠意、君からの『要求』に応えた甲斐があったというものだよ」
「……ッ!」
男が遠間で囁くだけで、マインの脳裏に稲妻のような何かが走る。思わずよろけそうになるところを必死でこらえた。
体が熱い。
股間の奥から溢れた蜜が、下着を濡らしていくのがわかる。シャワー室で入念に搾り出したはずの母乳が再びにじみ、ブラジャーのカップの内側へと染み込んでいくのをマインは感じた。それと呼応するように股間の奥から、淫らな邪念が膨らんでくる。
男が欲しい――いや、ただの男では、ダメだ。
あの理性など蒸発する異常な熱量の中で、自分の女をはじめて奥まで貫き通した男。自分の『女』をその内面のかたちまで完全に変えてしまった、この男のものが、欲しい。
靴裏の磁石で身体を床に固定した無重力環境の中、マインはただベリヤの眼前に立たされているというだけで、そのまま全身が遠く宇宙空間まで浮かび上がって二度と戻れなくなってしまいそうな感覚に陥っていた。押し殺そうとしても息が上がり、動悸が早まる。
「フム、ハフナー少尉……だが見たところ、まだ火照りが冷めていないようだね?」
そんな彼女を見透かすように、ベリヤの眼鏡が怪しく輝く。
「君にはまだ、『レクリエーション』が足りないようだ」
「――あァ!? 勘違いしてンじゃねェぞ、隊長さんよ――」
自らを乗っ取ろうとわき上がってくる熱を力で押さえ込むように、マインはきっとベリヤを睨み据えながら傲然と吠えた。ベリヤを拒むようにその手を大きく払う。
「あの時は危うく切ったはったで死にかけたばっかりで、あたしもどうかしちまってたがな、勘違いするんじゃねぇぞ。ジム一機、土手っ腹をぶち抜かれちまった罰だかなんだか知らねェが――たかが一回ヤられたぐらいでお前みたいな男のモンになるほど、あたしは安い女じゃねェ!」
マインが勢いよく切って落とした啖呵に、その場は一瞬静まりかえった。だが、その静寂はすぐに崩れる。
嘲るような哀れむような、そして同時に慈しむような――くすくすとさざめく、女たちの笑い声によって。
その直中に囲まれながら、苛立ちを隠しもせずにマインは吠えた。
「なんだ、お前ら……何だコラ。言いたいことがあるんなら、言えってんだろうが!!」
「あら、驚いた。あなた、まだ勘違いしているのね」
「あァ!?」
上品に口元に手をやって隠しつつ、くすくすと微笑みながらルチアが再び進み出た。慈愛すら感じさせる優しげな瞳でマインに言う。
「大尉の寵愛は私たち『姉妹』にとって、至高の悦楽。それが『罰』として下されることなど、あり得ない」
そしてルチアは微笑みながら、ただ無言で静かに状況を見守っていた少女の後ろへ回った。その小さな背中をそっと押す。
「さあ、ケイティ。今回の『レクリエーション』の主役はあなた。――大尉の寵愛は今夜、あなたのものよ」
「えっ……? こ、ここで……、ですか……?」
「嫌なの?」
「――そ、そんな!」
金髪の美女に耳元で優しく囁かれて、少女は不安げに室内の女たちの顔を見渡す。しかしマインひとりを除く彼女たちから、肯定を示す沈黙と微笑みを返されて、ケイティの可憐な面差しに悦びの色が浮かび上がっていく。
「いいのよ、ケイティ。さあ、……行きなさい」
濡れた瞳で、ケイティはそっと男の前へ進み出た。
「は、はい……! た、大尉、……ご寵愛を……」
そして少女は意を決するように言いながら、自らエゥーゴ制服の正面をはだけた。
恥じらいながらの仕草の中で、やや控えめながらも形の良い胸の膨らみと桃のような臀部を包む下着姿が、ベリヤと周囲に侍る女たちの眼前へとさらけ出されていく。
控えめな面差しは期待に染まりながら、それでも自信なさげに、ベリヤへ媚びるような上目遣いを寄せていた。
「綺麗だよ。――ほら、おいで。ケイティ」
「――はいっ!」
ベリヤがそっとその手を差し伸べる。するとケイティはその表情をぱっと明るい悦びに染めあげながら、手招く男へ向かって歩み寄りはじめた。
少女が恥じらいつつも自ら衣服を脱ぎ捨て、周囲に半裸を見せつけていく。その異様な光景にマインはただ呆気に取られていた。一拍遅れて、ひとり抗議の声をあげはじめる。
「お、……おい。おい、コラ、ケイティ……お前、人様の前で何してくれようとしてんだよ!?」
だがケイティはもはや、マインの叱責などに耳を貸そうとしない。下着姿の少女は馬耳東風と聞き流して、ベリヤの腕の中にその身を委ねていた。
「あらあら、ハフナー少尉。そんなに大尉に抱かれるケイティが羨ましいの?」
「あァ!?」
マインが咄嗟に吠え返したとき、ルチアは彼女へと向き直っていた。再び妖しい微笑みを浮かべていく。
「でも、ダメよ。あなたはまず、自分の立場から理解しなければならないの。だけど安心して。今夜のあなたの相手は、別に用意してあげたから」
「何っ……?」
ルチアが目配せすると、唐突に部屋の扉が開いた。数人の男たちが入室してくる。
「――あぁん? なんだてめぇら――何しに来た?」
ずかずかと侵入してくる男たちの何人かは、マインにも見覚えがある。MSパイロットの過半を女性が占めるジャカルタMS隊において、マインの舎弟二人以外のわずかな男性パイロットと、整備要員だった。
彼らは全員がその欲望を隠すこともなく品定めするような目で、エゥーゴ制服の上から激しく自己主張するマインの豊満な肉感を眺め回していく。
普段のマインがそんな不躾な視姦などを受ければ、即座に相手の胸ぐらを掴んで啖呵を切っていただろう。だが今のマインは身体へ漲っていく熱に冒されたまま、これから自分の身に訪れることになる『何か』を期待するように、ごくりと唾を呑んで立ちすくむだけだった。
「ハフナー少尉。君はまだ疲れが抜けきっていないようだ。レクリエーションを楽しむといい――彼らに手伝ってもらってね」
ベリヤは肩越しにマインへそう言いおきながら、男たちの乱入でわずかに気を取られかけていたケイティの腰を抱き寄せ、その唇を奪った。そのまま舌を侵入させる。
「……!」
ケイティは驚きの表情を見せたが即座に応じ、すぐにその目を蕩けさせる。二人の舌が互いを求め合うように、口腔内で絡み合う。粘つく唾液の音を衆人環視に響かせながら、ベリヤは巧みにケイティの背中でスポーツブラジャーのホックを外した。そのまま片手で脱がされたブラジャーは投げ捨てられて、ケイティの控えめだが形の良い乳房を衆目に曝け出しながら宙を漂う。
「お、お前ら……な、何おっぱじめようってんだよ……!」
愚問と知りながら、それでもマインは言わずにいられなかった。
清純可憐といった雰囲気のケイティが、ベリヤと女たち、そして男たちの前で脱いだ。これだけでもすでに常軌を逸してはいるが、感覚的には理解できてしまっていた。
何よりもまず、どれだけ理性で否定しても、マイン自身がベリヤに犯されることを望んでしまっている。
ケイティはマイン自身が抱く欲望に先行したに過ぎない。そしてマインはあまつさえ、あの少女に嫉妬さえしてしまっている自分の存在を理解してしまっていた。
だがこの場には今、第三者が――その他の男たちがいるのだ。
どうなっている? これからどうなる? どうすればいい?
混乱し、その場で立ちすくむマインの傍らへ静かに忍び寄った男の一人が、その手を閃かせた。
「なっ!?」
慣れた手つきでエゥーゴ制服のベルトが素早く外され、ワンピースの女子制服が背後から別の男にあっさりと脱がされる。
そしてさらに一人の男が背中から組み付き、ブラジャーもろともマインの巨大な双乳を握りしめた。
「くっ!?」
男の大きく堅い手指が、マインの乳房へ深く沈み込む。これほどの無体を許しながらあり得ないことに、マインはまったく男へ反撃することが出来なかった。
「あ、ふう……ッ! や、やめ……ッ!」
乳首の位置を探るように、カップの表面で男の指先が動く。マインは甘い悲鳴をあげながら、びくりと背筋を震わせた。
いいように乳房を布越しに揉まれながら、マインの乳首はブラジャーの下で母乳を分泌していた。溢れる母乳はさらにカップの内側を濡らしていく。すぐに染みがブラジャーの表面にまで達するだろう。男に手指で感じ取られてしまうかもしれない。
このままでは自分の乳房が、まだ出産経験もないのに母乳を噴き出すことを知られてしまう。一刻も早く、この男たちを払いのけなければならない。
だがマインの身体には、その力が沸いてこない。むしろ力が抜けていく。
その豊満な乳房を包むブラジャーの上辺に、男の両手指が掛けられた。
「この胸が苦しそうですね、少尉――」
「あっ――!?」
「いま、楽にして差し上げますよ」
そのまま無情にも、マインのブラジャーは剥き下ろされた。
カップの束縛を逃れた爆乳が二つだぷんと弾けて飛び出し、封じられていた汗が靄となって溢れ出る。尖端にぷっくりと膨らみながら黒く変色した乳輪が、乳房が弾けるその勢いで溢れる母乳を飛沫き散らした。歓声が沸き上がる。
「おお……!」
「素晴らしいモノをお持ちですな少尉……いつもスーツの上からでも大きい大きいとは思っておりましたが、これほどとは」
「白磁の肌と裏腹の、この黒く染まりながら乳を出す乳輪の下品なこと。乳房の大きさに見合って、乳の出も実に景気が良い」
男たちが感嘆の声を上げつつ、今や衆人環視の下へとさらけ出されたマインの乳房を好き勝手に品評する。しかしマインはこの異常な状況の中で、男を殴り倒すこともその乳房を隠すことも出来ずに、ただ立ちすくむしかなかった。
「あ、ああ……み、見るな……やめろ……やめろぉ……! おっぱい搾るなぁ……!」
『おお、最高の眺めだ』
マインは呼吸ばかりを荒げて上気した頬で、男の腕の中からただ男たちを眺め回すばかりだった。マインを羽交い締めにした男はその巨乳をさらに揉み搾り、さながら水鉄砲のようにあらゆる方向へ母乳を撃ち放って楽しむ。衆人環視の中で搾乳されていながら、張った乳房が軽くなっていく快感の中で、乳首は堅くそそり勃っていく。
「良いモノを見せていただいた……では我々も、貴女を楽しませて差し上げなくては」
そしてマインを取り巻く男たちは、次々にベルトを外しはじめた。躊躇なく下着も下ろし、屹立した自らの逸物を彼女目掛けて突きつけていく。黒く反り返る肉槍の群れが亀頭をもたげて、巨大な乳房から母乳を滴らせる金髪の美女に狙いを定めた。
「あ、ああ……あっ、あああああああ……っ……」
突如としてそんな異常な環境に置かれながら、裸身のマインの脳裏を最初に過ぎったのは、抵抗でも逃走でもなかった。
それはこれから自身へ訪れることになる、未知の快楽への期待だった。
マインの乳房からブラジャーという殻を剥いた男はそのままホックも外すと、カップの裏側から母乳を滴らせるブラジャーを部屋の片隅へと投げ捨てる。次にショーツの内側へと強引に指を入れると、早くも濡れそぼっていたその秘唇へ押し入り、くちゃくちゃと掻き鳴らした。
「あっ!? あっ、あうううううーーーっ!?」
同時に陰核を攻められたマインは体勢を保てず、がくんと大きく崩れてしまう。彼女が次に顔を上げたとき、目の前には三本の男根がそそり立っていた。
「……あ、ああ……っ……!!」
「では、ハフナー少尉……失礼。犯らせていただく!」
男たちが笑い、マインの両手を戒めた。長身のマインよりも屈強な男たちが数人がかりで彼女を床へ組み敷き、欲望のままに彼女の肉体を貪りはじめる。
握りつぶされた乳房が変形して乳輪から勢いよく母乳を噴き出し、反対側の乳輪に男が吸いついてはごくごくと母乳を飲む。
子を産み育てた経験をまだ持たないマインは、その無遠慮な搾乳と授乳に母乳を吸い出されて軽くなっていく乳房の快感に抗えないまま、ただ幼児のように泣き喚いた。
「おっ、おっぱい! おっぱい嫌ぁ! 吸われてるぅ……搾られてる!! ああぁぁ……あたしのおっぱいが、からっぽに、からっぽになるぅ~~~!!」
「ハフナー少尉の母乳、甘くておいしいですよ……」
「地球圏最高のミルクサーバーですな」
巨乳に二人の男がむしゃぶりつき、金髪や筋肉質な太腿をいいように撫で回されるなか、一人の男がその巨大な逸物にコンドームの装着を終えていた。
「あッ!? そ、そこはっ。やめろッ!!」
「フフ……では、お留守の本丸をいただく!」
甘い悲鳴など意にも介さず、ずむぅっ、とマインの奥まで男が突いた。
「あおおおおおぉぉぉ――ッ!!」
「おおッ、良い……締まる……ッ!」
野太く猛った肉棒に、男を待ち望んでいた深い洞窟を奥まで一気に満たされる。子宮を突き上げられるその快楽は、マインに喉奥からの嬌声を響きわたらせた。
だが、
――違う。
群がる男どもに容赦なく全身を犯され、荒い息づかいで必死に欲情混じりの熱い空気をむさぼりながら、マインはかすむ瞳でどこか他人事のように天井を、室内を見つめていた。
火照りきった身体に叩きつけられる男たちの欲望が、膣を押し広げながら侵入してくる逸物の滾りが、マインにまったく快楽を与えていないわけではない。
だが、違う。それでは、届かないのだ。
――あたしが望んでいたのは、これじゃない。
無限にも思えるほど遠い数メートルの向こうで、ケイティがベリヤに抱かれていた。マインに比べればずっと小さく控えめな乳房をベリヤの掌がぎゅっと揉むと、ケイティの甘く高ぶる嬌声とともに、黒く染まった乳首から幾筋もの母乳がほとばしった。
マインはその光景を見て、初めて理解した。
――ああ、そうか。そうだったのか、ケイティ――あいつも、……アイツに、やられてたのか。。
男たちの隙間から遠く見えるケイティの表情は、完全に蕩けきっていた。マインの方など一顧だにしない。目の前の男に溺れきっている。
そして、マインは唐突に理解する。
戦場でMSのコクピットをビームに貫かれ、パイロットスーツをメガ粒子に蒸発させられ全裸に剥かれていく中で感じた、あの「死」そのものを裏返したように倒錯しきった絶頂。
MSの装甲を瞬時に蒸発させるあの熱量へ裸身を曝し、荒れ狂う爆炎に揉みほぐされて準備を整えた女体は、雌の欲望に核爆発級の熱量を蓄えこんでいた。
逃れられぬはずの死から反転した劣情は、浅はかな理性などたやすく振り切る。
そして灼熱に蕩けた女陰をはじめて貫いた男の陽根は、抜挿を繰り返す中で女の内面を自らの存在なくしては決して満足できないかたちへと、永遠に作り替えてしまったのだ。
――あたしは、もう――アイツのでなきゃ、ダメな身体にされちまったんだ。
猛然と腰を振っては叩きつけ、乳房を貪って全身を犯す男たちの真ん中で、マインはその残酷な現実を理解した。
イキたいのに、イケない。
この男たちがどれほど自分に欲情し、どれほど献身的に自分へ奉仕したところで、それらはすべて無駄なのだ。
いまショーツを脱がされていくケイティ・ブラウンの濡れ光る股間に、ゆっくりと宛てがわれていくベリヤの逸物――もう忘れもしないあの男根のかたちを押し入れる貫通でなければ、自分はもう、永遠に満たされることはなくなってしまったのだ。
「おホアアアァァァーーーッッッ!!」
そして、ずぶう、とベリヤを呑み込んだ瞬間、ケイティは魂消るような絶叫を放った。全身をびくびくと震わせている。
それは脳のすべてを焼ききられたほどの、核爆発級の性感絶頂の発露だった。
マインにも覚えがある。
そう。最初にベリヤに犯され、膣内射精を受けた瞬間だ。あの一瞬、マインの意識は宇宙の彼方まで吹き飛んだ。
あの膣内射精で――自分の乳房を変質させ、無様なミルクタンクへと変貌させたあの一撃で、その男こそが自らの「主人」であると、自分は遺伝子レベルで認識させられてしまったのだ。
もうこんな、粗末なモノじゃ届かない。
あの逸物を知ってしまった後ではもはや、こんな有象無象の男どもとの性交など児戯にも等しい。だからマインは叫ばずにいられなかった。
「ちんぽ、……おちんぽほしい……っ、あたしのっ。そのおちんぽぉっ、あたしのおまんこにほしいのおおおっっっ!!」
「ああ? なんだよ……ちんぽなら今、あんたのおまんこに入れてやってるじゃねぇですか……!」
「ちがううっ。これじゃっ、これじゃないいっ。あいつのっ、ベリヤの、隊長のおちんぽでなきゃ、いやなのおおおっっっ!!」
自らの肉体と男根に絶対的な自信を持っているのであろう男が、頑是無い幼女のように泣きわめくマインを力強いピストン運動で犯しながら、やや不機嫌そうに吐き捨てた。その荒々しくも巧みな腰使いで揺れる乳房を揉み搾りながら、母乳に濡れた乳首から口を離した男がたしなめる。
「しょうがねえんだよ。いっぺん大尉の『お手つき』になっちまった女は、もう二度とほかの男じゃ満足できねえ。お前のモノがお粗末ってわけじゃねえから、気にすんなよ」
「だけどよ……」
「へッ。イヤなら戦場で落としたての女を拾って、手前の種を付けるんだな!」
「ま……ここじゃそんな抜け駆けは御法度だし、大尉の前じゃあ出来もしないが」
最後の一言だけ声を落とすと、男たちは再びマインの女体へ没頭していく。自らの実力で屈服させることが出来ずとも、ただ一方的に汚すだけでも満足できるだけの美しさと野卑な気高さがマインにはあった。
「ふふっ。かわいいわね、ケイティ……」
有象無象の男たちに無様に輪姦されながらも、決して絶頂にたどり着くことが出来ないマイン。そのあられもない姿を視界の端に留めつつ、ルチアが自らも衣服を脱ぎ捨てながら、ベリヤに貫かれたまま意識を半分以上飛ばしていたケイティの背中に付いた。そのささやかな乳房を優しく揉むと、マインの巨乳にも負けないほどに勢いよく、母乳がびゅうっと遠く飛び散った。慈愛に満ちた瞳で少女の横顔を見つめながら、その耳元に優しく囁く。
「避けられぬはずの死の運命に抗い、そして打ち破った。おめでとう、ケイティ。あなたは運命に選ばれたの」
「……う、……あ、あ……。……副、隊長……?」
ようやく意識を戻したケイティが、うつろな瞳でルチアを見る。
「ふふ、ケイティ。ここではルチア、でいいのよ。だって私たちはみんな大尉の寵愛で結ばれた、姉妹なんですもの……」
「しま、い……?」
「そう。あなたと、それからあそこのマインも、私たちの新しい末の妹。歓迎するわ、ケイティ。死の運命を乗り越えて大尉に抱かれることは、地球圏の女にとって最高無上の快楽。その悦びを分かち合いましょう――」
「動くよ、ケイティ。いいね?」
「あ、はいっ……あむッ!!」
ベリヤは言うや彼女の腰に添えた両手で、引き寄せながら少女を奥へと突き上げる。雌の魂魄へと灼きつけられた陽根をリズミカルかつ巧みに突きこまれて、ケイティはたまらず悶え狂って絶叫する。
「ああ! あああああ、ああっ、あうほおああああーーーッ!!」
体位を変えながら執拗に繰り出される巧みな腰使いの前では、少女の意識など風前の灯火であった。圧倒的な精力で体位を変えていくベリヤにあらゆる角度から犯され続け、子宮口を鈴口に突かれるたびに魂消るような絶叫を放つケイティを、ルチアはそれを満足そうに間近で見つめている。
そして場外の女たちが遠巻きに羨み、何人かが自らの股間や乳首に手をやりながら自慰するような視線を向ける傍らで、マインは決して絶頂まで届くことのない愛撫と凌辱の波状攻撃に悶えていた。
「うっ……ケイティ、行くよ……」
「ああっ、きてっ、きてください、たいい、わたしのなかにきてっ、だしてえっ、わたしのおまんこのおくにいいいっ、たいいのこいのっ、だしてぇぇぇっっっ!!」
「ああっ……ああああああ……っ!!」
ベリヤとケイティが絶頂へのラストスパートを駆け上がっていくなか、その欲情一色に塗り潰された絶叫を聞かされながら犯されるマインも煩悶していた。決して昇天へ届くことのないその切なげな喘ぎ声が、群がる男たちの欲望を刺激していく。
「うっ……嫌がってても締まりは上々っ、俺もここらでイキそうだ!」
「かわいいよぉ、そのイキたいのにイケない今の表情、マインちゃん最高に可愛いよッ!」
「へへへ……ここらでいったん出させてもらう!」
そして速まっていくベリヤの抜挿が頂点を迎える瞬間、ケイティの狂ったような嬌声に導かれるようにマインも、そして彼女を犯す男たちも加速し、連鎖的に絶頂へと達していった。
「たッ……大尉ぃぃぃっっっ!!」
「射精(で)るッ!!」
「んほおあああゃぁあああああーーーっッ!!」
ベリヤの陽根がケイティの膣奥でひときわ大きく膨れ上がり、至近距離から子宮口を狙って熱い白濁液を一気に吐き出す。押し寄せるその怒濤はまさにコロニーレーザー級の威力で、少女の意識をまたしても一瞬のうちに蒸発させた。
「イクうッ!!」
「あヴァあああああーーーっ!!」
そしてマインを囲む男たちもコンドーム越しの膣内で、あるいは金髪へ、巨乳へ、顔面へしごき上げ、あらゆる場所へと射精した。
粘ついた精液の弾幕が次々と女体へ着弾し、白い肌を汚していく。乳房では間欠泉のように乳首と乳輪から噴き出す母乳と精液が混じりあい、ぬらつく粘液の異様なカクテルを形成した。
意識の灯火を吹き消されたケイティが、瞳から光を失って崩れ落ちる。びくびくと震える彼女の股間からベリヤが逸物を引き抜くと、混じり合った精液と愛液が別れを惜しむように長く糸を引いた。
「あら、可愛い。ケイティ、もう落ちてしまったのね」
目を見開いたまま気絶したケイティの頬を、ルチアが優しく撫でる。
「かわいそうに、ケイティ。せっかくの寵愛の日なのに、今日はもう無理そう……。だけど、大尉はまだ収まらないでしょう? このあとの寵愛、……誰へお授けになるのかしら?」
ルチアの言葉に、取り巻く女たちが色めき立つ。一度味わえばもはや一生忘れられない、唯一無二の快楽。その味わいを知る女たちが、ケイティの痴態を見せつけられてひどく高ぶりながら、妖しく媚びた目をベリヤへ向ける。一片の可能性にすがるように、マインも虚ろな瞳を向けた。
「いや、ルチア。次の相手は、実はもう決めてあるんだ」
「あら?」
「リアンナ。君にしよう」
「……!」
射貫くような視線でベリヤが指し示したのは、性の宴も酣のころに遅れて入室し、そのまま女たちの背後へ隠れるように佇んでいた童顔の美女――リアンナ・シェンノート少尉であった。急に注目を浴びた彼女は、怪訝そうに声を上げる。
「あら……。本当に私でよろしいんですの?」
「いいんだ。今日は無性に、君を抱いてみたい」
「あらあら。それは光栄ですこと」
くすくすと微笑みながら、リアンナは進み出た。そのリアンナの耳元に、裸身のままで寄ったルチアがそっと囁く。
「羨ましい。リアンナ、大尉は貴女に妬いてるのよ」
「妬いて……? 大尉が、私に?」
そしてベリヤは無言のままにリアンナから、荒々しくエゥーゴ制服を剥いた。ブラジャーに包まれたまま大きな乳房が弾み、ベリヤはさらにその乳房を掴んでブラジャーをむしり取る。
「あん……っ!」
マインの巨乳に比べれば小ぶりではあるが、ケイティよりはずっと大きな乳房が露わに弾けた。二人と違って可憐な桜色のままの乳首は母乳を噴き出すこともなく、豊かに整った山体を世界へさらす。小柄なリアンナの体格と合わせて見れば、どこか背徳感すら与える見事さであった。
ベリヤは依然平静なままの表情で、乱暴にその乳房を握って大きく変形させる。外見相応の可憐な少女のようにびくびくと震えるリアンナを見下ろしていた。
「可愛いね、リアンナ。いつまでも、君は変わらない――初めて出会ったあの頃のままだ」
「……あら。そうかしら……少なくとも大尉の制服とお名前は、あの頃とはずいぶん変わってしまったのではなくって?」
「私の話じゃない。君の話だ」
あくまで柔らかく微笑みをたたえ、しかし反論を許さない強さを秘めてベリヤは迫った。
7年前。ルウム戦役。
華やかな大艦隊戦の傍らで鮮やかに宇宙を駆け抜け、対デブリ用のレーザーとわずかな固有兵装を放って空しく抵抗するサイド5のコロニー群を、次々と核バズーカで粉砕していくMS-06C《ザクⅡ》。
艦艇のメガ粒子砲や通常弾頭型ミサイルの火力など、コロニー相手ではドラム缶を針で刺すに等しい。多数のコロニーを大破分裂させて今日に至るまで広がる暗礁宙域を作り上げ、二十億人の虐殺を成し遂げた最大の功労者が、MS隊による近接核攻撃であった。
そして単独で数千万人を虐殺するコロニー潰しという、誰もが良心の咎めるはずの任務。淡々とそれを遂行していった、ジオン公国軍とその残党たちが黙して語らない、知られざるエース・パイロットが存在した。
その中の一人、ルウム戦役だけで五基のコロニーを潰した「コロニー・エース」――戦場の一兵士としては史上最大の虐殺を達成しながら、それゆえ決して歴史の表舞台に出ることを許されなくなった究極のエースパイロットは、そのとき奇妙な漂流物を拾い上げた。
内部へ核弾頭を撃ち込まれたコロニーは、その内側から一千万人を超える住民たちの肉体と霊魂を蒸発させながら、次々に膨れ上がって破裂していった。
その爆炎から無数のデブリに乗って流れ出てきた、見慣れない発光体をザクⅡのモノアイが捉えた。
核弾頭を撃ち尽くした機体を寄せて拾い上げたそれは、淡い光に包まれた、傷一つない少女の裸身だった。
「ここ最近、君とは少しご無沙汰だったね」
「そう……でした、かしら……。ごめんなさい。今日はあまり上手にお相手出来ないかもしれませんわ」
「そんなことはないさ」
ベリヤの手指と舌先が、リアンナの小さな身体を這いまわっていく。彼女の性感を知り尽くした動きだ。そんな巧みな責めに苛まれれば、幼少時から男を愉しませる術を「学園」で仕込まれ、つい少し前まで歴戦のジオン残党兵を女の武器で手玉に取っていたはずの美少女の妖艶な仮面は、ほんの数秒も形を保てずにあっさりと溶け崩されていく。
さらにショーツを乱暴に引き下ろされて、すでに愛液を溢れさせていた女陰に指を差し込まれる。
「ん……ッ……」
「ここは準備万端だね」
くちゅくちゅと水音を立てて掻き回されながらも、リアンナはまるで気のない素振りを保とうとする。
だが、リアンナがうわべの平静を装えたのもそこまでだった。
ベリヤがリアンナの腰に両手を添え、軽々と持ち上げる。そして反り返ったままの肉槍を、手指に代わって濡れそぼる秘裂へ添えた。
「あ、ああ……っ……」
絶対の快楽を約束する至高の陽物に息を呑み、リアンナは必死に目を逸らす。だが合体の予感を受けて裸の乳房の頂は、可憐な桜色の乳頭を期待に堅く大きく立ち上がらせていく。
そしてケイティを犯したばかりの逸物に、ずむぅっ、と女陰を一気に貫かれれば、それだけで彼女は稲妻に撃たれたように反り返った。
「あふうううぅっ、あああぁぁぁ……っっっ!!」
「あの日に君を見つけて拾い上げ、そして犯したときからすべてが始まった。君が私をここへ連れてきたんだ。君は永遠に私から逃げられない。今までも、これからも……ね」
「ンむ! んむうううぅぅぅっ!!」
今やリアンナは巧みな腰使いを受けては情けなくよがり狂い、甘い嬌声を上げながら男の腕の中で溶けていくのみ。なすすべなくベリヤに圧倒されて喘ぐリアンナの痴態は、先ほど犯されたケイティと大差ない。
灼熱の灰燼から不死の力で蘇った少女と、彼女を拾い上げてその帯びた霊力もろともに犯した男の間に横たわる、決して超えられない絶対的な力の格差がそこにあった。
「核の炎に灼かれて蕩けた君を犯して馴染ませ、その熱のまま男のかたちに変えた」
「ひぐ……っ……ぐふう……っ、あおおおお……っ……!!」
ドッツィの前で見せた男を弄ぶ妖女の仮面はもはや、溶鉱炉に投げ込まれた飴細工のように消え失せていた。すでにベリヤの囁きを理解する知性すら失われている。
それでもリアンナは心の奥までは犯されまいと、声にならない悲鳴を上げて最後の抵抗を試みる。そんな彼女に容赦なく腰を叩きつけながら、ベリヤは耳元で甘く囁いた。
「忘れなさい――すべてを果たすその日まで。君を満たしてあげられるのは、私だけなのだから」
「――ッ!!」
どぷぅっ、とリアンナの膣奥と意識を、ベリヤ二射目の白濁液が染め上げる。
この七年間で何度となく受け入れてきた、しかし、決して慣れることのない膣内射精。
その威力はあの日、少女の暮らす箱庭のような閉じた世界を焼き尽くした核弾頭の威力で、今も彼女の理性を焼き尽くすのだ。
――おじさま
リアンナの目尻に涙が浮かび、無重力空間へ流れ去っていく。
「あら。リアンナも、もう落ちてしまったの? 『墜としたて』でもないのに、ずいぶんと早かったのね」
「内に抱えた強い想いも、良いスパイスになると分かった。今後の楽しみに使えそうだ」
「ふふ、大尉。悪そうな顔をしているのね……?」
ルチアが微笑む。目を見開いたまま気絶したリアンナからベリヤが肉槍を引き抜くと、膣内で注ぎ込まれた大量の精液が溢れ出た。その間も男たちの獣欲の餌食にされ続けていたマインが虚ろな瞳で、せめてその精液だけでも口にしようと物欲しげに見つめる中で、ルチアはベリヤへ直接腕を絡めた。
「もともと唾を付けておいたマインはともかく、追撃艦隊からケイティを拾えたのは幸運だったわ。はじまりの地に、私たちは帰ってきた。これから先、姉妹がどんどん増えるわね」
「『妹』たちをまとめ上げる君の手腕は、これからますます重要になる。頼りにしているよ」
「そこは任せておいて。ところで、大尉――お願いがあるの」
「なんだい?」
二人の美少女を立て続けに撃墜してのけたエースに腕を搦めて、ジャカルタMS隊二位の実力を持つ女エースパイロットはその耳元で囁いた。
「どうしても墜としたい女がいるの」
「フム?」
「マコト・ハヤカワ。トラキアの『ジム・ゴースト』」
先ほどの接触でジムⅡに乗り、トラキアMS隊長として再び目の前に現れたその名を呼びながら、ルチアは思い出す。
四年前、デラーズ紛争前夜。この旧ルウム暗礁宙域でかつて戦った、忘れ得ぬ女を。
ルチアはかつて、間近に迫った観艦式を妨害しようと暗礁宙域を拠点に出撃を繰り返した、零細残党軍の一員だった。
コンペイトウの地球連邦軍はその被害に業を煮やし、ついに討伐隊を繰り出した。だが、彼女はコンペイトウから送り込まれた新型MS隊を次々に返り討ちにして多数の艦艇を沈め、討伐隊を全滅させてあっと言う間にエースの座へと躍り出たのだ。
情けない連邦の雑魚どもめ――圧倒的な実力を誇って嘲り笑う少女の目の前に、その前期型ジムは現れた。
ふらふらとした機動で、さも間抜けそうに単機で飛び込んできたその旧型ジムを鼻で笑いながら、ルチアのMS-14JG《ゲルググ・イェーガー》は悠然と銃口を向けた。
そして溢れた閃光が、ルチアをベリヤの元へと導いたのだ。
「あの女を、這い蹲らせたいの。メガ粒子で炉のど真ん中をぶち抜きたい。あの古くさいジムをでかい核の火球にして、丸ごと蒸発させてやりたい。そして焼け残ったあの女をむちゃくちゃに犯して、無様におねだりさせてやりたいの」
いまルチアの瞳に宿る光は、ケイティに向ける慈愛とも、マインに向ける包容力ともまったく違っていた。それはひどく純粋な、嗜虐の欲望の光だった。
「なるほど。君は君の中の、幽霊を狩りたいわけだ」
「あら、私だけのためじゃないわ。あの女を放っておけば、必ず大尉の行く道に立ち塞がることになる。私には分かる――だから、決して放っておけないの」
ルチアはそこまで言いながら、豊満な乳房を背中に押し付けた。勃起した乳首で弧を描き、甘い声色で求める。
「お願い、大尉。もう、我慢できないの……。次は、私と……ね……?」
「仕方のない副隊長だ」
気絶したケイティとリアンナを手際よくメイヴが搬送していく傍らで、ベリヤはルチアをその腕に抱いた。今も男たちに犯され続けるマインは決して昇天できないまま母乳と精液に塗れて、欲望の無間地獄から逃れられずにいる。
「君にはあの二人のように、そう簡単に壊れないでほしいものだ」
「ふふ。今夜も私を眠らせないで」
戦艦ジャカルタの淫らな狂宴は、未だ終わりの気配を見せようとしない。