※この作品はR-18です。

ぼくはどーてーを卒業した   作:音有五角

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第一章「気になるあの子と卒業した」

 幼馴染。

 

 幸村 ゆいとの関係を一言で現すなら、その言葉が適切になる。家が隣同士で、幼稚園からずっと一緒。ぼく達は兄妹のように、長い時間を過ごしてきた。

 

 だけどここ最近、悩みがある。

 

 ゆいは年々――可愛くなるのだ。

 

 肩まで伸びた、茶色がかったサイドテールの髪。猫のように愛らしい顔で、細くて小柄。笑顔は屈託がない。そして少しずつ、胸が大きくなっている。控えめだけど、服越しでわかる程度にはなってきている。

 

 クラスの男子とかも、少しずつだけど、色気づいたりとかしているから、好きな女は誰だとか、そういう背伸びした話題も上がるのだけれど、そういった話題で幸村 ゆいの名前がよく上がるくらい、可愛いともっぱら注目されている女の子だ。

 

 そんな女の子が幼馴染で。

 

 やっぱり、なにも思わないわけがない。

 

 ここ最近は特に、そうだ。

 

 保健体育の授業なんかもあるから、少しだけ知識があるし……。

 

 友達から借りたエロ本やAVを見て、そういう行為を映像や絵として見てきた。

 

 なおさら、ゆいを意識せざるを得ないわけで。

 

 だけど難儀なことに、意識しているのは、ぼくだけのようだった。

 

 ゆいはいつも通り、幼馴染としての距離感で接してくる。

 

 バレンタインとか、チョコを貰ったりするけど。まあなんというか、いつものことをいつも通りにしているだけだ、という具合に。関係が進んだりとか、そういう大人の階段を登るようなことには、ならない。まあぼく達は実際、子供だからそれが正常なのだろうけれど。

 

 兄妹のような、家族のような……。

 

 その認識のギャップを、色んな場面で感じた。

 

 その度に胸が苦しくなったりもする。ぼくは子供だけど、ずっと子供というわけにはいかなったんだ。

 

 声変わりして、毛も生えてきて。

 

 マスターベーションも少しずつ、覚えてきて。

 

 そうやって、子供の心と体を少しずつそぎ落としていった。

 

 ……ゆいとセックスすることを想像したこともある。

 

 ぼくにとって、それはどんなAVやエロ本よりも、刺激的なシチュエーションだった。

 

 

★

 

 

「……うわあ。マジ下手くそ」

 

 外はうだるような暑さで、夏だった。エアコンのきいた部屋で、ぼくはモニターに繋いで対戦ゲームをしていて、それをベッドの上で横になりながら、ゆいが観戦していた。で、下手くそだのなんだのと、失礼なことを連呼しているのだ。

 

 ……でも、そんなことよりも、ぼくのベッドの上でゴロゴロしているのが気になった。色々と。まあ昔からのことなんだけど。今夜ははかどりそうだ。においとか、残るし。ゆいがゴロゴロしたあとの布団で、すごく興奮する。

 

 だけどそんなことを口にしたら気持ち悪がられるから、表に出さない。

 

「あんまり画面見ないでくれ」

「センスないなー、ゆーたは」

「うるさい。自分のゲームに集中しろって」

「ゆーたの下手くそプレイ見ている方が面白くて」

「良い趣味しているな……」

 

 実際、ぼくはゲームが得意じゃなかった。逆にゆいはゲームが得意で、この手の対戦ゲームはランキングに乗るくらいの実力者であったりする。

 

「あーあ。またやられた。ゆーた、ちょっと戦犯だよ?」

 

 ちらり、とゆいの方を見やる。白いワンピースは肩が出ていて、丈も短いから足が出ている。というか、パンツが見えそうだ。そのせいで集中出来ない。画面も見たいけど、パンツも見たい。そんな感じだ。

 

「貸して、貸して? その武器はこう扱うんだよ」

「うおうっ!?」

 

 あろうことか、ゆいはぼくの背中から腕を回して、コントローラーを握って来た。本人はなんとも思っていないのだろうけど、ぼくは大変なことになっている。ゆいの甘い香りがして、さらさらとした黒いショートヘアがくすぐったくて、背中越しに感じる、嘘みたいに柔らかい肌と体の感触、そして温もりにドキドキしたんだ。

 

「ふふふ。あたしの動き、よく見といてよね」

「え? あ、ああ」

 

 ゆいは意気揚々と操作しているが、ぼくはそれどころじゃない。肩に顔をちょこんとのっけているから、ゆいの呼吸をすぐに感じることが出来る。というか、ちょこちょこ耳をかすめる。その吐息が柔らかくて、どうしてか、気持ち良い。

 

 ズボンの間が熱くなってくる。

 

 ヤバい。ダメだ、ダメ。

 

 そう思っても、止まらない。ペニスが興奮して、大きくなる。

 

 ゆいはそんなことを気にも止めず、ゲームに夢中だった。

 

「よし、勝利! ほらほら、ゆーた。どうだった――って、どわああ!?」

 

 ゆいは立ち上がろうとしたのか、なんなのか、ベッドの上から落ちてきた。僕と密着していたから、絡み合うように、床の上で横になる。ゆいは僕を下敷きにするようにしてバランスを崩したから、結構痛い。頭を床に思いっきり打った。

 

「いたたた……ゆい、平気か」

「わわわわわ!? ゆーた、これ、あたしのせい? ここ、すごい怪我しているよ!?」

「え? ――っ!?」

 

 ゆいの顔面は俺の股間の側に向けて落下して。

 

 そして手かなにかに当たったからなのか、異変(勃起)に気づき、あろうことか右手でそれを握っていた。

 

「ぶ、ぶつけたからかな!? この辺り、あたしのおでこ、当たったんだよね。わっ、触っちゃダメか! とにかく、これ、すごい大怪我なんじゃない!? こんなに硬くて出っ張っちゃっている! どうしよう、どうしよう! ゆーた、痛いの???」

「ま、待て。とりあえず落ち着け、ゆい」

「そ、そうだ。携帯でおかあさんに連絡しよう!」

「っ!? なんて連絡する気だ!」

「ゆーたのズボンの下がすごく硬くなっているって!」

「色々と終わる! そんなことおかあさんに報告するな! とにかく落ち着けって、ぼくは大丈夫だから!」

 

 ちなみに現在、ぼくの両親は仕事で不在だ。ゆいの両親もかなり忙しいから、留守が多い。それでウチに来ることが多いのである。この日もそんな感じの事情だ。

 

「ふええ……? そう、なの?」

 

 泣きそうな顔で、ゆいが見上げて来る。

 

「でも、おかしいよ。なんでそこ、そんなに出っ張っているの? 今もすごいことになっているよ? ズボン越しでもわかるよ?」

「ああ、いやこれは……じゃあ、ちょっと待っていてくれ。こんな状況だし、多分、収まる……」

「???」

 

 ゆいが小首を傾げる。可愛い。だけど、ゆいを見ないようにする。目をつむる。深呼吸。すると、股間がしぼんでいく感覚を感じた。ぼくはズボンをポンポン、と直し立ち上がった。

 

「ほら」

「わ。本当だ、元に戻った! 腫れてない!」

 

 ゆいがジロジロと顔を近づける。やめて。また反応するから。

 

「うん。もう平気だから」

「痛くない?」

「大丈夫」

「でも、えっと……どういうことなの? さっぱり意味がわからないよ?」

「ええー……治ったから、それでよくないか」

「よくない! ゆーた、本当に大丈夫なの? 納得いかない!」

「ぐっ……」

 

 なにか上手な言い訳もあったかもしれないけど。ぼくは嘘が苦手というか、口が上手いほうじゃないから。つい、本当のことを説明しようとしてしまった。

 

「……ゆい。よく考えればわかる」

「???」

「さっきまで、密着していただろ。ぼく達」

「それがなに? いつものことでしょ?」

「……ズボンの下は股間の位置だろう。保険体育の授業を思い出せ」

「保健体育……? え? え?」

「つまり、その……ただの、勃起現象だよ」

 

 ゆいは耳までかあああああっ、と赤くした。

 

「なななななな、なにを言っているの!? それはつまり、ゆーたがあたしに……ええええええ!?」

「ごめん、混乱するよな……」

「わわわっ」

 

 ゆいは下を向いた。前髪に隠れて、表情が見えない。

 

「……」

「え? なにか言ったか?」

「部屋。ちょっと、他、行かせて……」

「あ……わかった」

「あうあう。恥ずかしいよぅ……」

 

 ゆいはとことこ、と弱い足取りで部屋を出た。

 

 この日以降、ゆいはぼくの部屋に入らなくなった。

 

 

★

 

 

 とんでもなく、気まずくなった。

 

 学校で顔を合わせても、ぼくらは互いに顔を赤くして、ぷいっとそっぽを向くだけ。

 

 初めての体験に、ぼく達は混乱したんだ。

 

 どうしたらいいか、わからなくなった。

 

 そうして、気まずいまま数週間が経過した。

 

 

★

 

 

「なあなあ。幸村のおっぱいってどんな感じなんだ」

「ぶごほっ!?」

 

 学校の帰り道。三人で帰っていた。その内の一人からのストレートな問いかけに、思わずむせた。背の高い秋山はゆいが好きで、時折こうして話を振って来るのだが、こんなエッチな質問は初めてだ。というかぼくだって触ったことはない。

 

「知らねえよそんなこと!」

「あー。でも、いっつもくっついているもんねえ。なんとなく感触わかりそう」

「っ!?」

 

 眼鏡をかけたもう一人の友人、鈴木がそんなことを言ってきて、思わず顔を赤くした。

 

 気まずくなってからはないが――幼馴染のゆいは、なにかにつけて僕に抱きついたり、じゃれついてきたりする。でも、そんな大人っぽいアレじゃない。「うりゃあ、隙あり!」とか言って脇腹をつついてきたり、「ゆーた、疲れたからおんぶぅ」とかふざけてじゃれついてきたり、冬になると「寒い寒い! ゆーた、寒い!」とか言いながら抱きつきてきたりとか、そんな感じである。

 

「どうなんだよ?」

 

 秋山が興味津々そうに聞いて来る。

 

「そ、そりゃあ、温かいし、柔らかいけど」

「いいよなあ。あんな可愛い幼馴染」

「でも、兄妹みたいな感じだぞ……」

 

 それもあいまって、今は気まずくなっている。ゆいに見られたということは、家族に勃起されたところを見られたようなものだ。ネットとかで見る黒歴史? ってやつだ。

 

「おれだったらおっぱい揉むぜ」

 

 秋山がふんす、と鼻息を荒くしながら言う。

 

「というか、二人って目立つよね。カップルというか、なんというか」

 

 鈴木がそんなことを言う。うっ、とぼくは息を詰まらせる。薄々、感じていることなのだ。白昼堂々ベタベタと男女がくっついていれば、そりゃ目立つというものだ。ぼくらの年齢はまだ、バカップルが珍しい。いないこともないけどさ。

 

「ゆいは、そういうつもりじゃないんだよ」

「でも最近、しゃべってないよね。なにかあった?」

 

 鋭い鈴木の問いかけに、しかし首を横に振る。

 

「別に。ただ……」

「ただ?」

「今の目立っているって指摘さ。ようやく、ゆいは気づき始めるかもな」

「ふーん?」

 

 ぼく達の関係は変わってしまうかもしれない。

 

 だけど、悪いことばかりでもなさそうだ。大人になるって、きっとそういうことだから。

 

 

★

 

 

 こんこん、と弱弱しいノックの音がした。

 

 ……親はなにも知らないし悟られないようしているから、家に誰もいないゆいはウチに来ているわけだが。当然、部屋は別々にしている。

 

「どうした?」

 

 表面上はなんでもないように装いながら、ドアを開ける。ゆいが携帯を手に佇んでいた。

 

「久しぶりに、入っていい?」

「あ、ああ。もちろん」

 

 やや声が上ずりながら、返事をする。ゆいはベッドの上に座らず、クッションの上にちょこんと座った。ぼくはその隣に座る。

 

「ゆーた。ずっと避けていてごめんね……」

「え!? い、いや、そんなの、ぼくも同じだけど」

「嫌われちゃったかな……」

 

 しょんぼり、とゆいは肩を落とす。

 

「そんなわけないって。もう長い付き合いだし」

「そ、そっか。なら、よかった。えへへ」

「ただ……その……」

「???」

 

 正直に言わないと、もうダメなような気がした。いつまでもただの幼馴染、というわけにはいかないのだから。

 

「最近、ゆいが女の子らしくなってさ。可愛いなって、そう思うようになって」

「ええっ、そうなの?」

「そ、そうだよ。変かよ」

「変……じゃない、けど。だって、幼馴染だし……ずっと一緒にいたから」

「そうなんだけどさ。ぼくは意識しちゃっているんだ。だから、この間は……その、つい反応しちゃったんだ」

「っ」

 

 思い出したのか、ゆいは顔を赤くした。

 

「あわわっ。でも、そうだよね。あたし達、どんどん大人になっちゃうんだよね……」

「そうだよ。だから、昔みたいにくっついたりとか、そういうのは控えてくれ」

 

 ぼくは卑怯だった。女の子として意識している、と告白するだけで。女の子として好きなんだ、とは伝えないのだ。

 

 だって、好きだなんて……言えるはずがない。恥ずかしすぎる。

 

「う、うん。わかった。あれ、なのかな。クラスのみんなとかにも、変に思われたりするのかな……?」

「ゆいはそういうの、鈍いよな。結構言われていたぞ」

「えええ。そ、そうだったんだ……」

 

 ゆいはモジモジとしながら、手に持った携帯を見やる。

 

「あ、あのね。ゆーた……」

「なんだ?」

「色々、勉強したの。あたし」

「???」

「携帯はフィルタリングかかっているけど……こっそり、パソコンでそういうサイトにアクセスして」

「そう、か」

 

 コメントしづらい。ていうかこの話の着地点はなに。

 

「パソコンからこの携帯にね、そういうエッチな本のデータとか入れたんだけど」

「うん。それで?」

「一緒に見ない……?」

「なんでそうなるの?」

 

 全くもって意味の分からないところに話は着地した。

 

 ゆいは顔を赤くして、何故か大きな声を上げる。

 

「い、いいからっ! 一緒に見てほしいの!」

「いや、意味がわからないんだけど……一人で見なよ。むしろ一人で見たいものじゃないの」

「だって、知りたいから……」

「なにを」

「ゆーたのこと……」

 

 むうう、と頬をふくらませて、見上げてくる。

 

「ぼくのことは大分知っているでしょ」

「でも、最近はわからない」

「え?」

「ゆーたがあたしを女の子として見ているなんて。全然、気づかなかったし。それに、あたしもそういうことに興味ないわけじゃないけど……男の子を意識とか、そういうの、全くないから」

「まあ、だろうな」

 

 ゆいの心は性の目覚めが少しだけ遅いのだと思う。だから公衆の面前でぼくにベタベタとくっついていたのだ。

 

「だから、一緒に勉強してほしいの」

「一緒に勉強って……」

「エッチなこと」

「何故一緒である必要がある」

「ゆーたのこと、わかる気がするから。でも、急に大人になり始めているから! あたしも追いつかないと! あと大人になり始めたゆーたを理解しないといけないの! すぐに! 絶対に!」

「そんなこと言われても」

「ねえねえ、お願い! いいでしょ、ゆーた!」

 

 ゆいはぎゃあぎゃあ騒ぎながら、その場でぴょんぴょん跳ねる。なにかとわがままというか、こうやってお願いごとをするのはこいつの癖だ。昔はすげえ小さかったから、よくおんぶとかしてあげていた。同い年なのに世話のかかる妹みたいだ。

 

 そしてこいつにお願いと言われると、ぼくは断りきることが出来ない。優しいお兄ちゃんになった気分になる。

 

「わかったよ」

「やったぁ!」

 

 ゆいはそう言いながら、携帯を操作する。画面を見せるためなんだろうけど、ぼくにぴったりとくっつくから、肩と肩が密着する。甘い香りが鼻を刺激した。だから、こういうのがダメなんだって。わかってないな、ゆいは。

 

 けど、怒ることも出来ず。ゆいが操作する画面を一緒に見た。

 

 ……マジのエロ漫画であった。無修正といえばいいのか。性器もちゃんと見えて、セックスする漫画。

 

 それをゆいが「わぁ、すごくエッチだよぉ」と喚いたり「おっぱい大きい……ゆーたも、このくらいの方がいいの? どうなの?」と言いながら自身の胸をペタペタ触ったり「こんな入れ方もあるんだ……」と顔を赤くしたり。

 

 なんだこれ。強烈に恥ずかしい。だけどゆいと密着して、セックスしている漫画をみているということに、エロティックさも感じたりもして。羞恥と興奮が入り混じって、ぼくはひどく混乱した。

 

 ゆいの体は柔らかい。嘘みたいに柔らかい。肌もすべすべして、とっても綺麗だ。唇だって、とても柔らかそうで……。

 

 って、いかんいかん。これだと、また――。

 

「あ」

 

 ゆいが声を上げる。もう遅かった。ぼくのペニスはズボン越しでもわかるぐらいに、ギンギンになっていた。

 

 ……仕方ないじゃないか。ゆいが密着しながら、エロ漫画を見て顔を赤くしているのだ。可愛いし、良い匂いがするし、柔らかいし。好きな女の子にここまでされて、勃起しないわけがないんだ。それが男なんだ。

 

 だけど、恥ずかしい。ぼくはどうしたらいいかわからなくなった。そしてゆいはじっと膨らんだぼくの股間を見据えている。

 

「……ゆーた、反応しちゃった?」

「まあ、ね」

「エッチな漫画ってすごいね」

 

 いや、どちらかというとゆいに反応したんだけど。

 

「ゆーた」

「なに」

「……見せて、くれる?」

 

 ぼくは一瞬、固まった。

 

「ななな、なにを言っている!?」

「だって、だって! 気になるもん!」

「なにが!?」

「ゆーたのぼっきしたおちんちんが!」

「なんでだよ!」

 

 というかすごいことを口走るな!

 

「気になるから!」

「こればっかりは無理だって! なんでぼくがフルチンにならなきゃならないのさ!」

「だってだって、見たいもん! いいじゃんいいじゃん、昔一緒にお風呂だって入ったんだから!」

 

 いつものお願いモードに入ってしまう。

 

 だけど、こればかりはいけない。色々と。なんというか、なにかが変になる。

 

 だからぼくは、また気まずくなるのを覚悟で、言ってやった。

 

「ゆいのを見せてくれたらいいよ」

「え?」

「……ゆいが服を脱いでくれたら、ぼくも脱ぐよ」

 

 そこまで言えば、ゆいも気持ちがわかって、辞めるだろうと思った。

 

 だけど、そうはならなかった。

 

「わ、わかった」

「なに?」

 

 ゆいはワンピースをはだけさせて、その場で脱いだ。だけど羞恥はかなりのものなようで、首まで赤くなっている。

 

 白いパンツまでも、脱いで。

 

 そうして――目の前に、天使が現れた。

 

 一糸纏わない、白い肌。柔らかそうな体のライン。お尻は丸みを帯びていて、とても柔らかそうだ。思った以上に胸は膨らんでいて、脱いだ時にほんの少しだけ揺れていた。将来は巨乳になるかもしれない。そして股の間にあるマンコは、ピンク色で愛らしい。毛はなくて、つるつるとしていた。

 

 ごくり、と生唾を飲む。

 

 妄想じゃない。現実の、ゆいの裸。

 

 想像以上だった。ペニスがこれでもかと反応して、さらに大きくなる。息が荒くなる。血の流れが速くなる。ぼくはひどく興奮していた。

 

「ううう、ゆーた。見せたんだから、脱いでよぅ」

「あ、ああ」

 

 ぼくも裸になった。ペニスが存在感を現す。自分でもびっくりするくらいに、勃起していた。男性ホルモンの分泌で大きくなると聞いたことがあるけど、まさにそれなのかもしれない。オナニーの時より反応を示していた。まるでペニスがゆいを求めているかのようだ。

 

「わわ、すごっ……」

 

 ゆいが驚いた声を上げる。可愛い顔を近づけて、じっとペニスを観察する。唇が視界に入る。ゆいの口の中に、入りたい……。

 

 ぼくの頭は茹だっていた。裸のゆい。ゆいが、目の前で裸になっている。親は今、家にいない。なら……ちょっとくらい、エッチなこと、してもいいんじゃないか。バレないし。ゆいだって、断らないんじゃないか。

 

「ゆ、ゆい」

「なに?」

「舐めてみてくれないか……?」

「ええ? あ、あたしが?」

 

 ゆいが目を丸くする。そこで我に返った。なにを言っているんだ、ぼくは。

 

「ごめん! やっぱ今のはナシで」

「な、ナシなの?」

「急に言われても、出来ないだろ」

「漫画、読んだからやり方はわかるよ……?」

「え?」

「ゆーたがいいなら、あたし、舐めてみたい」

「いいのか?」

「うん」

「じゃ、じゃあ……してくれ」

 

 ぼくは息を荒げながら、ゆいにペニスを近づける。ゆいはぺろ、と舌を出してペニスを舐めた。たったそれだけで、背筋がゾクゾクした。小さくて可愛らしい舌が、ペニスの下を撫でる。唾液がこびりついて、ぬるぬると柔らかい感触が這いまわる。ゆい。ゆいが、ぼくのペニスを舐めている。キャンディーみたいに舐めているんだ。

 

「口の中、入れてみてくれ」

「うん。わかった」

 

 ゆいが口を開いて、ぼくのペニスを受け入れた。

 

 とんでもなく温かくて、ぬるりと気持ち良い感触が、ペニスを一瞬にして包み込む。

 

 ちゅぽ、ちゅぽ、とゆいがたどたどしくペニスを吸い込み、愛撫する。あの可愛い顔が、フェラチオしてくれている。小さな口の中に、ぼくの勃起した下品なペニスが入っている。その背徳的な光景にぼくは興奮した。やばい。これはもう、どうにかなってしまいそうだ。

 

 優しいフェラチオは、ぼくをしびれさせた。唇が奥の方を包み、口内が全体を潤し、舌がいやらしく這いまわる。もう我慢出来ない。ぼくはゆいの顔を両手で抑え込んで、腰を振った。

 

「っ、ん!? ゆ、ゆーた……?」

「ゆい、ゆい!」

 

 腰を振ると、よりゆいの口の中を感じられた。中をペニスで掻きまわして、柔らかさと温もりを感じる。ペニスがビクビクと中で震えた。射精の感覚が高まる。最近覚えたマスターベーションのおかげでそれがわかる。これはおしっこじゃなくて、精液が出る感覚だ。

 

「あ、あ」

 

 ぼくは情けない声と共に、ゆいの口の中で果てた。

 

 ドクンドクン! と何度もペニスが跳ねて、射精する。ゆいの可愛らしい口の中へ、容赦なく注ぎ込んでいく。

 

「けほっ、けほっ!」

 

 ゆいが咳き込んだ。そこでようやく、ぼくははっとする。

 

 だから、さっきから我を忘れすぎだ! これ、ヤバいだろ!

 

「ゆい! ごめん!」

「ん……いいよ、ちょっとびっくりしたけど」

 

 ごくん、とゆいは精液を飲み込んだ。

 

 ぼくが悪いけど……ゆいだって、少し悪い。そういうエッチなことを、平然として、受け入れてくれるから。男としての本能が、お前を襲わせてしまうんだ。

 

「でも、出る時は、出るって言ってほしいかな……」

「本当、ごめん。大丈夫か」

「うん。ゆーたの、美味しかった……それに」

「ん?」

「なんで、だろ。ゆーたに乱暴されて……ひどいこと、されたはずなのに。あたし、全然……むしろ……」

 

 そう言って、両手をぎゅっと握って胸の前まで持っていき、ゆいは目を潤ませた。まだ幼いのに、強い色気を感じてドキっとした。

 

 ぼくはゆいを抱きしめた。ゆいもぼくの背中に腕を回す。ぼくらは抱き合いながら、キスをした。漫画で読んだ通り。最初は唇同士を触れ合わせ、のちに舌と舌を出す。柔らかい舌と舌を絡ませ合いながら、お互いの口内を搔きまわす。口の中は気持ち良くて、溶けてなくなってしまいそうだった。

 

「くちゅ、んちゅ……♡ ゆーた、あたし、気持ち良いぃ……♡ んうう♡」

 

 ゆいの体を両手で味わう。背中を、太ももを。どちらも柔らかくて、すべすべで、透き通るような感触だった。お尻はふっくらとしていて、揉んでいると気持ち良い。密着しているから、全身でゆいの肌の感触と温もりを感じられる。勃起したペニスはお腹とお腹に包まれて、ゆいの肌の感触を感じられた。

 

「ゆーた、エッチ、しよ……?」

「い、いいのかよ?」

「うん……して、みたい。ゆーたとなら……気持ちよさそう」

 

 どきりとした。ぼく達はベッドの上へ移動する。ゆいは股を開いて、ぼくのを受け入れようとした。天使のようなゆいがいやらしい体勢をしているギャップが、たまらなかった。勃起したペニスを入口にあてがう。小さいマンコだ。入るのだろうか。不安なのか、ゆいはじっと見据えて来る。

 

「平気なのか」

「怖い、けど……来てほしい」

「わかった」

 

 入口だけ入る。ゆいはぎゅっと強く目を閉じる。

 

 少しだけ入れる、とか。濡らすとか、そういうテクニックもあるのだろう。だけど、ぼくはそんなこと出来ない。

 

 ズブズブ! とつい力んでしまい、ペニスをほとんど入れ切ってしまった。ゆいの体が震えて、「っ、あああ!」と痛そうな声を上げた。

 

「ご、ごめん! 大丈夫か!」

 

 時間が経つと、血があふれ出してきていた。処女膜。それもひどい破れ方をしたのだろう。もはや出血とも言える状態で、外へ溢れ出ていた。ぼくが引き抜こうとすると、ゆいは首を横に振った。

 

「へ、平気!」

「嘘だろ! 痛そうだし、血がすごいぞ」

「い、いいの! ゆーたが嫌じゃなければ、続けて?」

「続けるって……」

「このまま、その……動いて、ほしい」

 

 ぼくも男だった。そう言われては、理性が簡単に吹き飛ぶ。

 

 腰を少しだけ動かす。入れた時はゆいの痛そうな反応で、あまり意識出来なかったけど、中は恐ろしく気持ち良かった。温かくて、柔らかくて、だけど狭くて。ぬるぬるとした感触はペニスにからみついて、全体を締めつけ、包み込んでくれる。

 

 動かすと、さらに同じようにマンコが躍動して、ペニスを搾り取ろうと締め付けてきた。ぼくはとろけそうになった。ゆっくりと動かしているだけなのに、果ててしまいそうなる。

 

「っ、んん♡ ゆーたの、おっ、きい♡」

「ゆい」

「ゆーた、はじ、めて?」

「あ、当たり前だろ」

「えへへ、あたし、も。はじめて同士、だね♡」

 

 ゆいは少し痛そうだったけど、赤くした顔でじっとぼくと目を合わせている。とろんとした目は色っぽい。長く一緒にいるのに、初めて見る表情というか、顔だった。これが女の顔ってやつなのか。

 

 ゆいのおっぱいを揉む。両手で触れると、掌の中でマシュマロのように蕩けた。気持ち良い。やばい、ゆいとのセックス、気持ち良い。ゆいの体の感触を、ぼくはペニスと全身で感じ取って、堪能している。最高すぎる。

 

 ビクビク、とペニスが震えた。

 

 ダメだ。興奮しすぎて、もう射精感が高まっている。ズブズブ、と中を突き上げながら、ゆいに告げる。

 

「っ、ダメだ、ゆい、もう」

「あ、あ♡ い、いいよ」

「くっ、ああ」

 

 ペニスを引き抜き、ゆいのお腹の上に射精した。ベトベトとした白い精液が、ゆいのお腹の上に降り注ぐ。可愛らしい体に、汚らわしい精液が侵食していく。他の誰でもない、ぼくが彼女を汚したんだ。

 

 というかぼくはゆいで童貞を卒業して……ゆいの処女を、奪ったのか。

 

「はあ、はあ……えへへ♡ 二回も、出してくれた♡」

「平気か?」

「うん。ゆーた、気持ち良かったってことだよね?」

「もちろん」

「やったぁ!」

 

 無邪気な笑みを浮かべるゆいは、やっぱりよく知っている、幼馴染の笑みだった。だけどその体は、ぼくの精液で汚れている。いつも通りだけど、子供のままでは、いられなかったんだ。

 

 

 ゆいと一緒に、大人の階段を上ったんだ。

 

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