もしリムルが仮面ライダービルドが好きで性欲が強かったら? 作:鋼色
また捕まった。何でだって思うよね?
ブルアカメンバーが仲間になってからカイジンっていう鍛冶屋のところに行ったんだよ。剣の製造で困ってそうだったから助けたんだよ、俺とカイジンらでオススメの店に行かせてもらったんだよ。そしたら大臣が現れてカイジンが殴ってイマココ。
カイジンたちが村に来てくれる事は嬉しいんだけど……果たして無事に行けるかどうか。大臣を殴るなんて大罪もいいとろこだ。
っと……そろそろ裁判の時間がやってくるな。頑張って村には帰りたいところだが。
バカデカい裁判所に困惑しながら足を進めれば、ガタイのデカい男が豪勢な椅子に座っている。アレが件の王、ガゼルか。
なるほど、強いな。俺やリグルド、クロガネほどではないが、強い。ジュラの森でも俺たちの村以外は生き残れるだろうな。
ぜひご贔屓にしてもらいたいが、今の状況でやってもらえる訳ないよな。
おっ、今目があった。………ちょっと妙な感覚がしたな。ガゼル王、イメージで俺と戦ったのか?
通りで瞳の奥で警戒が滲んでいる訳だ。
てことは、俺が隠している魔素量が把握されたな。うーん、力量が高い相手と会うのは疲れるなあ。
「裁判を始める!皆、静粛にせよ!」
俺という存在の警戒心を押し殺し、王としての責務を全うする。裁判を進めるための役割として、覇気を込めて言葉を綴る。
今から裁判が始まる訳だが、面倒くさいなあ。こっち側の弁護士とカイジンが殴ったベスターっていう大臣が同じ
つまり買収されたってことだ。スキルで無理やり変えても良いけど、そいつは紳士的じゃない。力を持っているからこそ、力を扱う理由をしっかり決めなければならない。
それが仮面ライダーとしての力を持った俺の責任。
「と、このように、店で寛いでお酒を嗜んでおられたベスター殿に対し、複数で店に押し入り暴行を加えたのです!これは、断じて許されるべき行為ではありません!!!」
なんじゃコイツ。全力パンチしてやろうか。
……あぁ、ダメだダメだ。俺にはしっかりとした責任があるのに力に先走ろうとしている。
んでもどうするかな。このままじゃ有罪コースだぞ。
「それは事実であるか?」
……ないな。ガゼル王、ちゃんと分かってる。力だけではなく、真偽を見極める力も王級と。憧れるなあ。
「はい!カイジン殿の聞き取りだけではなく、店への調書も済ませております!間違いはないかと!」
「で、あるか」
目を瞑り、下を向く。傍支えはその様子をもう判決は決まったと受け取り、判決を下そうとする。
「静粛に!判決を言い渡す!主犯カイジンは鉱山での20年強制労働を言い渡す!それ以外の共犯者は鉱山での10年強制労働を言い渡す!これにて、へいて____」
「待て……」
来た。やっぱり来ると思ったよ。
「久しいなカイジン、息災か?」
「っは!王におかれましても、ご健勝そうで何よりでございます!」
「よい。余と、そちの仲である。本題であるが、戻ってくるきはあるか?」
周囲がドッとざわめく。過去、カイジンは宮廷所属の研究者だった。ある失敗をして追放されたが、……その真偽をガゼル王は見極めていたのか。
「恐れながら王よ、私はすでに主人を得ました!この契りは私の宝です。王と言えども、手放す気はありませぬ!」
また周囲がざわめく。ふふっ……カイジン。よかったよ、俺たちの村に来てくれるのがお前で。
「そうか……。皆の者、聞けぇい!カイジンとその仲間は国外追放とする!今宵、日付が変わって以降この国にいる事はゆるさん!以上、では余の前から消えよ!」
その言葉通り、イソイソと俺たちは歩き去る。カイジンの店で皆と合流を果たしつつ、準備を整えて門の前に向かう。
「よろしくな!だん、なぁ……」
ガクガクブルブル震えるカイジンの目線の先を追えば、ワイヴァーンの群れが何匹もいる。
これから俺たちとは関係なくなるドワルゴンだが、今は関係あるしな。それにカイジンたちの故郷だ。守ってやるとするか。
「来い!クローズドラゴン!!」
「キャァ!」
「さぁ!行こうか!」
『Wake up!CROSS-Z DRAGON!』
『are you ready?』
「変身!!」
『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!』
「今の俺は、負ける気がしねぇ!!」
『告、ユニークスキル【
なるほど。ビルドを除いて、他の仮面ライダーは変身する事でスキルを獲得する訳か。
『ビートクローザー!!』
「覚悟しろ、トカゲども」
ハザードレベル5.2………いや、5.6から繰り出される脚力はまさに異次元。限界ギリギリまで力を込めて蹴っていないのにも関わらず、余裕でワイヴァーンたちの元へと届く。
グリップエンドスターを一回引く。
『スマッシュヒット!』
スマッシュヒットでワイヴァーンの首を叩っ斬り、次のワイヴァーンへと向かう。
グリップエンドスターを二回引く。
『ミリオンヒット!』
二体まとめて胴体と下半身を半分にする。
『ラビット!』
ラビットフルボトルをビートクローザーのフルボトルスロットに挿入し、グリップエンドスターを三度引く。
『メガスラッシュ!』
三体が、弾け飛ぶ。
「暴力を噛み締めろ」
『ドラゴニックフィニッシュ!!』
合計7体のワイヴァーン。本来なら脅威としか言えない魔物たち。1分足らずに殲滅完了した。
カイジンたちの職人組は顎を大きく開いて驚き、ホシノたちの神秘組は確信し、ユイと名付けた夢鬼……いや、夢食貪欲鬼は自慢気に頷く。
最初は職人を仲間にする事が目的だったはずなんだが、いつのまにか色々仲間になってるな。
……そっちの方が面白くて良いか。
「リムル・テンペスト、か」
ベスターも、リムルたちも、後ろで騒いでいた観衆もいなくなった状況でひっそりと呟く。
下からの情報では人の形をしたスライム。あるスキルの効果で人間の形を取っているとの事。
知能も何もないスライムが話し、人型となり、異様なオーラを出している。ユニーク個体である事に間違いはない。
最初に捕まった要因には威圧系スキルによるものだと聞いた。果たして自分は喰らって意識を保てるのだろうか。
そんな自問自答を繰り返し、リムルへの警戒を高める。
「……」
初めて目が合った時、イメージの中で戦闘を開始した。得意な剣術で一瞬で叩き潰そうとした。できなかった。容易に止められ、拳一つでダウンしてしまった。
あれほどのスライムが裁判所で暴れなかったのは不幸中の幸いだ。だが、それも不幸は不幸。力を持つ者が力限りで暴れないのには不安が募る。
だが……。
元家臣であるカイジンが、あの者に付き従うと決めた。ドワルゴンの狂犬と言われたあの魔人を手名付けてみせた。
そこから少しは信じる価値がある。もしリムルと呼ばれる者が世界を征服する方法に舵を切ったのならば、終わりだ。世界はともかく、ドワルゴンや周辺国家は。
「暗部よ。リムル・テンペストを監視しろ。だが、遠目で見るんじゃない。堂々と近くで見ろ。下手な事を考えるなよ、ドワルゴンを地図から消したくなければな」