暴食の魔王~転生スキル、食品化で俺は世界を食べつくす~ 作:サクラサクヤ
「後はお前だけだな」
見渡す限り広がる大草原の真っただ中、俺は額に角が生えたウサギと対峙していた。
「いくぞ!」
「キィ!」
俺が角ウサギに向かって駆け出すと、角ウサギも俺に向かって駆け出してきた。
「……今だ」
角ウサギと交差する直前、俺は足を止めると角ウサギの側面へと回り込んだ。
「くらえっ!」
「ギキィ!!」
間髪入れずに俺は角ウサギの無防備な横腹に渾身の蹴りを叩き込んだ。蹴りをまともにくらった角ウサギの体はサッカーボールのように宙へと飛び、少しして地面へ落下していった。そしてその直後、ポン! という軽快な音がすると同時に角ウサギの全身は白い煙に包まれた。
「一丁上がり!」
煙が晴れるとそこに角ウサギの姿はなく、手のひらサイズの小箱が残されていた。小箱の出現を確認した俺は周りに散らばった小箱の回収を始めた。
「チョコ1つ、クッキー2つ、これは饅頭かな?」
集めた小箱を開けると、そこには一つずつ角ウサギの形をした食べ物が入っていた。それらはどれも精巧な出来な上、それぞれ大きさや耳の長さが微妙に違っていた。それもそのはずこれらは角ウサギを模した食べ物ではなく、角ウサギを食べ物に変えたものだったからだ。
「……うん、うまい。食品化。意外に悪くない能力だな」
角ウサギの食べ物を食べた俺は舌鼓を打った。スキル:食品化。それは俺、蔵戸くらと 仁伊にいがこことは違う世界で神の手違いから死亡し、その補填としてこの世界に送られることになった際におまけとして女神から貰ったものだった。まあ、その効果を知ったのはこの大草原でいきなり襲って来た角ウサギを倒して出現した小箱を開けた時だったが。
「……おお、きたきた」
角ウサギの食べ物を食べて少しすると、体に力がみなぎってきた。食品化された食べ物は味もそこらの既製品以上だったが、それに加えて食べると身体能力が上昇する効果もあった。そのおかげで俺は一匹倒すのにも苦労していた角ウサギを簡単に足蹴に出来るようになっていた。
「これはあの女神に感謝を……いや、別にいいかな」
食品化スキルは思っていたよりも実用性のある能力だった。それはそれとして数あるスキルリストの中から適当にそれを選んで、ろくに効果の説明もないまま見渡す限り人工物の見当たらない大草原に送り出した女神に感謝する気にはなれなかった。
「見た目は悪くなかったんだけどなあ……」
見た目だけなら絶世の美女ともいっていいレベルだった女神のことを思い浮かべつつ、俺は角ウサギ等の小動物を狩っては食べてを繰り返して大草原の中で歩みを進めた。
==========
「……まさか人がいない世界とかそんなことないよな」
大草原を当てもなくウロウロしている間に体感で数時間が経過していた。食品化スキルのお陰で食料面の問題はなさそうだったが未だに町どころか人っ子一人いないため俺は不安を隠せずにいた。
「……! あれはまさか」
そんな矢先に、遠くに人影と思わしきものが見えた。期待を胸に足早に駆け出すとそこには腰に長剣を携えた軽装鎧の金髪の女剣士が立っていた。
「お~い!」
ようやく人間に会えた嬉しさから俺は女剣士に向かって手を振りながら近づいた。
「!」
すると女剣士の方も俺の存在に気づいたようでこちらへと向き直った。
「●●!」
「えっ!?」
俺の姿を確認した女剣士は突然何かを叫ぶと、腰の剣を抜いて俺に向かって駆け出してきた。
「ちょっと待った。怪しい者じゃ……いや、怪しいか。でも怪しい者じゃないんだ!」
突然の事態に弁解しようとしてから俺は自分のTシャツとジーパンという格好が彼女の服装と明らかに世界観が違うことに気がついた。とはいえ、このまま殺されるわけにもいかないので俺は手を上げて降参の意を示した。
「●●! ●●●●!?」
「……もしかして言葉が通じてないのか!?」
懇願空しく女剣士の勢いは止まらなかった。そして距離が近づいて女剣士の言葉がちゃんと耳に入ったこの時、俺はようやくお互いの言葉が通じていないことに気がついた。これによって既に芳しくなかった女神の評価が更に下がった。
「ストップ、止まって! 一旦話し合おう」
「●●●●!!」
言葉が通じないので俺は身振り手振りで女剣士に敵意はないことを伝えようとした。しかし、彼女は止まることなく剣を振り下ろした。
「危なっ!」
「●●!」
ここまでの道中、食品化食品をいくつも食べてきたおかげで身体能力がかなり上がっていた俺はなんとか女剣士の初太刀をかわすことが出来た。その後も俺は女剣士の斬撃を避けながら彼女に止まるよう促したが彼女は剣を納めなかった。
「……ごめんなさい!」
「●●!」
度重なる交渉失敗に俺は最終手段として女剣士に思い切り体当たりを繰り出した。女剣士はそれまで逃げてばかりだった俺の不意の体当たりをまともに受け、予想以上の勢いで地面に倒れたかと思うとポン! といういい加減聞き慣れた音と見慣れた白い煙に包まれた。
「……やってしまった」
煙が晴れるとそこには女剣士が身に着けていた鎧や荷物、そして見慣れた小箱が落ちていた。またその近くには血痕が付着した大きめの岩が転がっていた。
「……これ、治るのかな?」
小箱を開けるとそこには予想通り、地面に倒されたポーズのまま一糸まとわぬ姿でチョコになった女剣士が入っていた。先ほどまで風に揺れていた金色の髪も、こちらに敵意を向けていた碧眼も、剣を振るうたびに揺れていた中々のサイズの胸も、柔らかそうな色白の肌も全てが茶色いチョコとなって固まっており、その胸も秘所もお尻の穴も丸出しの姿には先ほどまで剣を振るっていた勇ましさはなく、ただただ煽情的だった。
「……いい匂いだ」
女剣士チョコを手に取ると、今まで嗅いだことのない甘美な匂いが俺の鼻孔をくすぐった。
「…………一舐めだけ」
匂いの誘惑に負けた俺は、女剣士チョコの乳首部分をペロリと舐めた。その瞬間、今まで味わったことのない衝撃が俺の脳内を駆け巡った。
「なんだこれ! なんだこれ!」
それは俺が前世含めて食べてきた中で間違いなく一番の味だった。そしてそのあまりのおいしさに理性の歯止めが効かず、俺は何度も女剣士チョコを舐めた。……舐めて、舐めて、上半身の輪郭があやふやになるほど舐めて、その勢いのまま頭からかじりつき、そのまま一気に完食した。
「あ~、おいし……っ!」
女剣士チョコの余韻に浸っていると、突然先ほどの美味しさからきたものとはまた違う電気が流れるような衝撃が俺の脳内を駆け巡った。
「……おいしかったよ。サラサさん」
少しの沈黙の後、俺はお腹を撫でながら女剣士の名前を呟いた。角ウサギ等の小動物はいくら食べても身体能力が上がるだけだったが、今回は食べた彼女の記憶まで得ることが出来た。それによって彼女がサラサという名前の冒険者で、環境保護区であるこの草原地帯に現れる密猟者を捕まえる依頼でここに来ていたということが分かった。先ほどいきなり斬りかかってきたのは俺をその密猟者と勘違いしての行動、というか俺も角ウサギを見つけ次第狩っていたので本体のターゲットとは違うが冤罪というわけでもなかった。
「……あれ、勃ってる?」
サラサの記憶を覗き見たことで少し冷静になった俺は己の愚息がいつの間にか膨らんでいることに気が付いた。
「……抜くか」
俺はひとまずいきり立った愚息の処理をしようとズボンを降ろしたが、その時ちょうどサラサの遺した荷物が目に入った。
「……まだ温かいな」
ちらりと見えたサラサの下着を拾い上げると、先ほどまで彼女に履かれていたそれは温かく少し湿っていた。
「ごめんね。サラサさん!」
俺は一言サラサに謝ると彼女の下着を愚息に巻きつけ擦り始めた。
「……待てよ。いいこと考えた」
オナニーの途中、あることを思いついた俺は愚息を下着で擦りながらゆっくりと目を閉じた。
「……あっ、やばい! いい! これ、凄くいい!」
目を閉じた俺は、サラサの記憶から入浴中や自慰、濡れ場など彼女のエロい記憶を脳内に次々と再生した。その効果は抜群で愚息と下着を握る手にも自然と力が入った。
「……うっ! …………ふぅ。やばいこれ、癖になる……」
この新たな方法により俺の愚息はいつもより早く限界を迎えた。その後も俺はこの新たなオナニーを連続で繰り返した。その後、冷静になった俺はサラサの持っていた魔法によって見た目以上に容量がある魔法の袋に彼女の他の持ち物を入れると彼女の記憶を元に最寄りの街を目指すことにした。
魔物も、人間も、亜人も、女神も関係なくこの世界の全てを食べ尽くす“暴食の魔王”。そう呼ばれる存在になるとはこの時の俺には知る由もなかった。
犠牲者紹介その1 サラサ
年齢:20歳
身長:162cm
バストサイズ:D
職業:冒険者(女剣士)
好きなもの:甘いもの、妹
嫌いなもの:女だからと舐める同業や依頼人
変化食品:チョコレート
幼いころに両親を亡くし、親戚の元に妹と共に預けられ、15歳の時から冒険者として活動していた女性。
強さは冒険者としてはそこそこな強さだが人望や面倒見がいいため、冒険者界隈では気を掛けられていた。最近は同じく冒険者になった妹と共に冒険者活動を行っていた。しかし今回、妹が体調を崩し、一人で密猟者の確保or討伐依頼を受けることになり、そこで出会った仁伊を密猟者と勘違いし戦闘。その後、体当たりで突き飛ばされた際に岩に頭部が打ちどころ悪く死亡し、チョコレートとなった
これはもしもの話だが仁伊に翻訳スキルが付与されていれば彼女と和解出来る可能性もあった。