※この作品はR-18です。

お嬢様ごめんなさい、今日も別の女に抱かれました……   作:伊藤着

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12話

 

 

「「「お帰りなさいませ!ご主人様」」」

 

 

 職場体験の最終日。

 そこには、一糸乱れぬ動きで頭を下げる3人の姿があった。

 

 

「もう、言うことはない。……頑張ったな」

 

 

 俺の言葉に、ジニーはフフン♪と胸を張り。

 スベリアは顔を赤く染めながら、小さく手を前に出し謙遜していた。

 そして、シャイア。

 

 彼女は感極まったのか、泣いていた。

 

 

「う、うぅぅぅ……!」

 

 

 単純な掃除などはともかく、礼儀作法では致命的だったシャイア。

 初日から継続してやらせていたが、ダメダメだった。

 

 

『おけ、……おけえりなさいます!ごすずんさ!』

 

 

 彼女にやる気がなかった訳では、決してない。

 しかし、言い慣れない言葉を喋ろうとして舌を噛み。

 それで慌てたのか、頭を下げるときは不自然なほどに下げる。120度くらいだろうか?

 まあ、3日で直すのは無理だと思った。

 

 しかしながら、そんな彼女も。今では他と遜色ないくらいに成長した。

 やっぱり、嬉しいもんだなぁ。

 

 

「よし、仕事はもういい。今日の昼で解散だから、最後に賄いを出すよ。……お疲れ様」

 

「「「ありがとうございました!」」」

 

 

 やっぱり、彼女達は成長した。

 練習していないセリフでも、こんなに綺麗に揃えられるのだから。

 

 ……ちょっと、良いものでも食わせてやるかぁ。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「今日の昼食は、ヴィシソワーズにローストビーフ、サラダとバニラアイスだ。これなら、火傷しないし完璧だろ?」

 

「「「…………」」」

 

 

 この世の終わりみたいな顔をされた。

 なんでだよ。

 

 

「す、スベリア。最後がこれでいいの?いや、今までがおかしかったのは分かるけど……」

 

「……これで、これでよいのですわ。シモン様の良心につけ込むのは、もうやめましょう………」

 

 

 シャイアとスベリアの二人は向き合い、暗い顔でヒソヒソと話していた。

 嫌いな食べ物を見て、『どっちが食べる?』とか言ってんのかなぁ、ちょっとショック。

 

 

「……先輩、お願いがあります」

 

「うん?どうした?」

 

「実は、私の故郷には伝統がありまして。お別れのときにはアチアチの料理を食べる決まりなんです。冷たい料理でお別れではケチがつきそうで……。だから、良かったらヴィシソワーズをアッツアツにしてくれませんかぁ?」

 

「そうだったのか……」

 

 

 どおりで、反応が悪いわけだ。

 縁起ってのは、結構大事だからな。

 別れの時にはアチアチの料理を食べる。という暗黙の了解を破ったから、彼女たちは黙っているのかもしれない。

 

 

「分かった、じゃあジニーのは熱くしておくよ。シャイアとスベリアはどうする?」

 

「……あ、アタシも!アタシのも熱くして!伝統だから!」

 

「し、シャイアぁ…………。あの、すみません。ワタクシも、……お願いできますか?」

 

「かまわないよ、でもお前らはすぐ火傷するからな。気をつけろよ?」

 

 

「はぁい♡」「うんっ!」「…………ええ」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

「まったく、学習しない奴らだなぁ……」

 

 

「ふひひ♡すみませ~ん♡」

 

 

 熱々に熱したスープを彼女達に渡した後。

 少し用事があったので10分ほど席を外していたのだが。

 戻ってみると、犬みたいに舌をだらんとさせた3人がいた。

 まーた、やったんか。

 

 

「じゃあジニー口開けろ」

 

「はぁい♡……んべぇ」

 

 

 彼女達は皆、舌に火傷を負ったそうだ。

 まずはジニーから治療を開始する。

 

 

 ちゅっ

 

 

「……ねえ、んぐ、せんぱい♡んっ、あっ」

 

「治療中に、喋る、な」

 

 

 彼女の舌の表面を、俺の舌で撫でていく、が。

 ジニーが喋ろうとするものだから、絡まりあって上手くいかない。

 仕方なく彼女の頬を掴み、固定させながら激しく舌を動かした。

 

 

 

「んっ♡はっ♡……ああっ♡」

 

 

 舌と舌が絡まり、互いの唾を交換する。

 俺の口は、目の前の少女の唾液で溢れかえり、何度かゴクリと飲み込んだ。

 

 そのまま、数分くらい。

 唾と唾が絡まり合い、泡状になるまで彼女の舌を舐めていた。

 

 

 

「…………プハッ。もう、大丈夫か?」

 

「……んー、名残惜しいですけど。そうですね、ありがとうございました♡」

 

 

 彼女は大きく頭を下げると、スススッと俺に近寄ってきた。

 そして、耳元で甘く囁く。

 

 

「また火傷する機会があったら、お願いしますね♪」

 

 

 

 おいおい……。

 また会おうなら、構わないが。

 また火傷したら、なんて縁起でもない。

 

 まあ、もしそんなことがあれば、やってやるけどさ。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「も、申し訳ございませんわ。何度も何度も……」

 

「いいよ、もう慣れた」

 

 

 スベリアへの治療も、もう4回目になるだろうか?

 毎日やっているものだから、彼女の口の味を覚えてしまった。

 

 

 ちゅっ

 

 

「んっ♡」

 

 

 キスはレモンの味。と聞いたことがあるが。

 その通りだな、と思う。

 彼女の口を舐めると、いつも柑橘類の爽やかな風味があって、美味しい。

 まあ、これは治療だからキスとは違うのだが。

 

 

 

「ふーっ♡ふーっ♡」

 

 

 

 今日の彼女は、いつにもまして呼吸が荒い。

 普段治療のときスベリアは目を閉じているのだが、今日はパッチリと目を開き、潤んだ瞳で俺を見ている。

 なんか、恥ずかしいな。

 

 彼女は最初こそ遠慮がちにしていたが、何度か舐めていくに大胆になってくる。

 蛸のように口を窄ませては、俺の唇を吸ってきた。

 

 

 

「んちゅ♡ちゅっ♡ちゅーっ♡」

 

 

 

 ああ、こら。

 お前も舌を動かすな。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「むふーっ…………お願いします!」

 

「おう、じゃあやるぞ」

 

 

 最後はシャイアだ。

 彼女は大きく口を開き、舌を前側にんべっと出す。

 おお、これはやりやすいな。

 キスをしなくても、舐められそうだ。

 

 

 べろっ。

 

 

「んあっ♡」

 

 

 唾をまとわせ、彼女の舌を舐める度、シャイアは身体を跳ねさせる。

 治療とはいえ、この感触になれないのだろう。

 俺も、人も事は言えない。治療に集中していないと、すぐ勃起してしまいそうだから。

 

 

 ちゅっ。

 

 

「んっは♡」

 

 

 突き出した彼女の舌に唾を絡ませ吸い上げる。

 そして、またデロデロと涎を染み込ませた。

 

 

 

「はぁーっ……はぁーっ♡んっ♡」

 

 

 

 ちゅーーー……。

 

 

 

 結局、最後は彼女の舌も暴れたのでキスのような形になってしまった。

 ちょっとだけ、勃起した。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「シャイア、治療は終わりなんだけど。お前に渡したいものがあるんだ」

 

「渡したいもの?なに?」

 

「やっと、修復が終わってな。はい、コレ」

 

 

 渡す、と言っても。元々シャイアのものなんだがな。

 隙を見て、ちょくちょく手直ししていたソレを彼女に手渡した。

 

 

 

「これって…………!」

 

「ああ、大事なものなんだろう?」

 

 

 

 彼女がここに来る時に着ていた、メイド服。

 ダルダルで、誰かのお下がりであろうソレは。シャイアにはまだ似合わないけれど。彼女は大事にしていた。

 

 ドロシー様との戦いでボロボロになってしまったので預かっていたのだが。

 あのままでは、着れんからな……。

 頑張るシャイアへのご褒美として、裁縫で直すことにしたのだ。元の世界でやっといて良かった。

 

 

「……え?いや、だって!いつも、仕事見てくれてたのに…………いつ、やったの……?」

 

「まあ、隙を見て。だよ」

 

 

 正直なことを言えば、ジニーとスベリアの件があり。

 ドロシー様には怒られたので時間的余裕はなかった。

 でも、一度手を付けたのに中途半端で渡すのが一番ダサい。だから、ほとんど寝ずに。

 ママのおっぱいを吸いに向かったその足で、裁縫を仕上げた。

 まあ、これくらいはしてやりたかったのだ。

 

 

「そんな…………」

 

「あー、すまん。余計なお世話だったか?」

 

 

 サプライズのつもり、だったんだが。

 黙ってやるべきじゃなかった、かなぁ。と少し不安になる。

 

 

「ううん、違う。違うの…………。ありがとう、ありがとうございます……!」

 

 

 しかし、それは杞憂だったようだ。

 シャイアは泣きながら、また大きく頭を下げた。

 そんな、大げさだなぁ。

 

 

「……別に、やりたくてやったことだから。気にするなよ、頑張ったお前へのご褒美さ」

 

「…………!!!」

 

 

 俺が彼女にそう言うと、シャイアは何故か苦しそうに胸を抑えた。

 まるで、昨日のスベリアと同じように。

 とても耐えられない、といった表情で苦悶の声をあげる。

 

 

 

「……うぅぐっ!」

 

「どうした?まだどこか痛いのか?」

 

「ち、違うの……。アタシ、なんて馬鹿だったんだろうって……。人の善意につけこんで。さ、最低よ…………」

 

 

 

 苦しげに、言葉を絞り上げる彼女。

 今にも、吐き出しそうなほど顔色が悪い。

 

 そんな彼女を見ていられなくて。

 力強く、彼女を抱きしめた。

 

 

 

「なあ、シャイア。俺は、キミが凄いやつだって思ってる。だから、あんまり自分を下げるようなこと、言うなよ」

 

「そんな、そんなことないっ!アタシ、アタシは……」

 

「ほら、治療するから。もう、喋るな」

 

 

 

 卑屈なシャイアなんて、見たくない。

 だから、悲観的な事をいう彼女の口を黙らせる。

 

 

 ちゅっ……。

 

 

「んむぅっ!?」

 

 

 それでも、彼女は暴れようとしたので、動けないほど力強く彼女を抱きしめた。

 

 

 

「んむっ♡い、いまは、んっ♡やめて♡おかしく、ちゅっ♡なっちゃう♡」

 

「まだ、お前が、辛そう、だからな。痛くなくなるまで、終わらせないぞ」

 

「おねがい、んっ♡…………やめてぇ!……ああっ♡」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 結局、彼女が笑顔になるまで。

 30分くらい彼女に治療を行った。

 

 

「もう、大丈夫か?」

 

 

「…………うへ♡うへへ♡らいじょーぶ♡シャイアはらいじょーぶ♡」

 

 

 大丈夫みたいだ。

 良かった良かった。

 

 日数よりも長く感じた職業体験も、これで終わり。

 色々、あったけど。

 最後は皆笑ってくれて、良かったな。

 

 

「困ったら、また来いよ……」

 

「うへへへ♡うんっ♡……また、治療してねっ♡」

 

 

 ……お前まで、それか。

 まあ、もしものときはやるけどさ。

 

 

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